158 / 245
第4章
第36話 この華やかな場が一気に修羅場と化すことは、聡いオレはもう学習済みだ!
しおりを挟む
アルデ達は、リリィの本島宅でひと息付いた後、夕方から島の夏祭りへ繰り出すことになっていた。夜には花火大会もあるという。
さらには、この地域の民族衣装を着ようという話になる。なんでも浴衣というそうで涼しいんだとか。男女それぞれに用意されているとのことで、オレとナーヴィンも着てみたが、確かに通気性のよい生地で涼しかった。
っていうかこの前開きの不思議な民族衣装は、前に王都の旅館で着たっけか。あのときはティスリが酔って大変だったんだよなぁ……浴衣がはだけたりもして……
っと、ヤバいヤバい!
そこでオレは頭を大きく振って、その記憶を振り切った。ただでさえご機嫌斜めなティスリに、アイツの醜態をオレが思い出しているなんて悟られでもしたら大変だ。
もっとも、今のティスリは他の女性陣と一緒に、浴衣選びでずっと更衣室に閉じこもっているが。紺色か灰色しかない浴衣を選ぶのに、なんでそんなに時間がかかっているんだか謎だ。
ということでオレとナーヴィンは、ボードゲームをやったりして時間を潰していたら、出発時間ギリギリに、ようやく女性陣が現れた。
玄関ホールで彼女達を見た途端、ナーヴィンが歓喜の声を上げる。
「おう!? めちゃくちゃ華やかじゃないかみんな! 特にティスリさん!!」
そう──ナーヴィンの言うとおり、女性陣の浴衣は男のそれと打って変わって、非常に華やかだった。
生地には様々な花の模様が描かれていて実に鮮やかだ。まるでキラキラと輝いているかのようにも見える。さらには髪もアップにされていたりして、普段の印象とはまるで違う感じだった。
だがしかし!
ここで特定の誰か(おもにミア)に見取れたりしたら、この華やかな場が一気に修羅場と化すことは、聡いオレはもう学習済みだ!
思い返せば王都での一件も、ティスリがキレたのは『女性親衛隊員にオレが手を出した』と勘違いしたからだからな! 何がどうなってそんな勘違いが生まれたのかは未だに分からんが!
だからオレは、女性陣が着替えている間ずっと考え、そしてついに気づいたのだ!
この状況を打破する起死回生の策を!
「おお……いいじゃないかみんな。ユイナスもよく似合ってるぞ」
「えっ! お兄ちゃん!? わたしだけを褒めてくれるの!?」
「いや……『みんないい』とも言ってるが……」
「お兄ちゃん! ついにわたしの魅力に陥落したのね!?」
「陥落してないし魅力にも気づいてないが、いいと思うぞ」
「もうお兄ちゃんったら! 恥ずかしがり屋さんなんだから!!」
ちょっと褒めただけで大喜びするユイナスは、オレの腕を取ってきたが、ユイナスなら問題ない。オレは、浮かれるユイナスをテキトーにあしらいながら、チラリとティスリを見た。
よし……! ティスリの機嫌は特に悪化していないぞ!
どういうわけかティスリは、ユイナスを構っているだけならご機嫌斜めにならないのだ。むしろ羨ましそうな感じさえある! ティスリは一人っ子だし、兄妹に憧れでもあるのかな?
しかしこれがミア相手となると話はまるで違ってくるわけだ。
つまりミアを相手にした途端、その機嫌は急転直下する……!
午前中のカヤックツアーを振り返ってみても、ミアが、オレと同じカヤックに乗りたいと言い出してから機嫌が斜めった気がするし。
ちなみにリリィに関しては、そもそもオレに絡んでくることはないので安心だ。だがしかし、昨夜ティスリにハメられたように、リリィの衣服を問われる場合もあるので、どんな浴衣を着ているかくらいは気に留めておかないとだが。
いすれにしてもミアには悪いが、ティスリの前で浴衣を褒めるのは元より、会話したり目を合わせたりするのも駄目だ。そのためには、ユイナスに意識を集中させなければ!
……ってかオレ、楽しいバカンスだというのになんだってこんなに気苦労してんだ? ティスリの浴衣姿を褒めまくっている脳天気なナーヴィンが羨ましいよ……はぁ……
「ねぇねぇお兄ちゃん! 今日は二人っきりでお祭りを見て回ろうよ!」
真っ先に浴衣を褒めたからか、機嫌がもはや限界突破のユイナスがそんなことを言ってくる。確かにユイナスと二人のほうが、変な気苦労をしなくていいかとも思うのだが……
「いや、見知らぬ土地で案内役がいないのは何かと不便だろ。今日はみんなと一緒に回ろうぜ」
「ええ……? わたしは別に、お兄ちゃんと二人っきりになれるなら、お祭りはどうでもいいわよ?」
「オレはお祭りを見たいの。せっかく旅行にきてるのにイベント参加しないのはもったいないだろ」
「それはそうだけど……まぁいいか……」
割合あっさり引き下がってくれたのでオレはホッとする。
何しろ今日は、ユイナスと二人になるわけには行かない。なぜならミアに呼び出しを受けているのだから。
リリィの本島宅に来る道中で受け取ったメモ書きの内容は「話があるから、二人で会いたい」というものだった。それとミアの通信呪文が書かれていた。
最初、なんで呪文が書かれているのか分からなかったのだが、少しして、守護の指輪で通信するときに使う呪文であることを思い出した。そういや、通信魔法まで付いてるんだっけか、あの指輪。とんでもなく万能アイテムだな。
オレはその機能のことをすっかり忘れていて、それどころか指輪を旅行に持ってくること自体を忘れていたのだが、用意周到なティスリがスペアを作ってくれたので、今はオレも装備している。
そしてミアからもらった通信呪文は、オレとミアの間だけで通信できるというものだった。もらったばかりの魔具をこうもあっさり使いこなすとは、さすがはミアだな。
だからオレは、女性陣が更衣室に閉じこもっているときに、いちどミアに通信したのだが「会って話がしたい」とのことで、その用件を聞くことは出来なかった。
だから祭りの最中にちょっと抜け出して会うことになった。そのくらいなら、トイレに行くとかいえば抜け出せるだろう。抜け出した後は通信魔法でミアを呼び出せばいいというわけだ。
しかしユイナスと二人きりになってしまっては、トイレだからと抜け出すこともままならない。なので今日は集団行動しなければならないのだ。
それにしてもミアのヤツ、いったいなんの用件だ? まさかユイナスをどうにかしろと言いたいわけでもないだろうし。
でもまぁいいか。用件を聞けば分かるだろ。
ということでオレ達は、日も暮れてきたかという時分に夏祭りへと繰り出すのだった。
さらには、この地域の民族衣装を着ようという話になる。なんでも浴衣というそうで涼しいんだとか。男女それぞれに用意されているとのことで、オレとナーヴィンも着てみたが、確かに通気性のよい生地で涼しかった。
っていうかこの前開きの不思議な民族衣装は、前に王都の旅館で着たっけか。あのときはティスリが酔って大変だったんだよなぁ……浴衣がはだけたりもして……
っと、ヤバいヤバい!
そこでオレは頭を大きく振って、その記憶を振り切った。ただでさえご機嫌斜めなティスリに、アイツの醜態をオレが思い出しているなんて悟られでもしたら大変だ。
もっとも、今のティスリは他の女性陣と一緒に、浴衣選びでずっと更衣室に閉じこもっているが。紺色か灰色しかない浴衣を選ぶのに、なんでそんなに時間がかかっているんだか謎だ。
ということでオレとナーヴィンは、ボードゲームをやったりして時間を潰していたら、出発時間ギリギリに、ようやく女性陣が現れた。
玄関ホールで彼女達を見た途端、ナーヴィンが歓喜の声を上げる。
「おう!? めちゃくちゃ華やかじゃないかみんな! 特にティスリさん!!」
そう──ナーヴィンの言うとおり、女性陣の浴衣は男のそれと打って変わって、非常に華やかだった。
生地には様々な花の模様が描かれていて実に鮮やかだ。まるでキラキラと輝いているかのようにも見える。さらには髪もアップにされていたりして、普段の印象とはまるで違う感じだった。
だがしかし!
ここで特定の誰か(おもにミア)に見取れたりしたら、この華やかな場が一気に修羅場と化すことは、聡いオレはもう学習済みだ!
思い返せば王都での一件も、ティスリがキレたのは『女性親衛隊員にオレが手を出した』と勘違いしたからだからな! 何がどうなってそんな勘違いが生まれたのかは未だに分からんが!
だからオレは、女性陣が着替えている間ずっと考え、そしてついに気づいたのだ!
この状況を打破する起死回生の策を!
「おお……いいじゃないかみんな。ユイナスもよく似合ってるぞ」
「えっ! お兄ちゃん!? わたしだけを褒めてくれるの!?」
「いや……『みんないい』とも言ってるが……」
「お兄ちゃん! ついにわたしの魅力に陥落したのね!?」
「陥落してないし魅力にも気づいてないが、いいと思うぞ」
「もうお兄ちゃんったら! 恥ずかしがり屋さんなんだから!!」
ちょっと褒めただけで大喜びするユイナスは、オレの腕を取ってきたが、ユイナスなら問題ない。オレは、浮かれるユイナスをテキトーにあしらいながら、チラリとティスリを見た。
よし……! ティスリの機嫌は特に悪化していないぞ!
どういうわけかティスリは、ユイナスを構っているだけならご機嫌斜めにならないのだ。むしろ羨ましそうな感じさえある! ティスリは一人っ子だし、兄妹に憧れでもあるのかな?
しかしこれがミア相手となると話はまるで違ってくるわけだ。
つまりミアを相手にした途端、その機嫌は急転直下する……!
午前中のカヤックツアーを振り返ってみても、ミアが、オレと同じカヤックに乗りたいと言い出してから機嫌が斜めった気がするし。
ちなみにリリィに関しては、そもそもオレに絡んでくることはないので安心だ。だがしかし、昨夜ティスリにハメられたように、リリィの衣服を問われる場合もあるので、どんな浴衣を着ているかくらいは気に留めておかないとだが。
いすれにしてもミアには悪いが、ティスリの前で浴衣を褒めるのは元より、会話したり目を合わせたりするのも駄目だ。そのためには、ユイナスに意識を集中させなければ!
……ってかオレ、楽しいバカンスだというのになんだってこんなに気苦労してんだ? ティスリの浴衣姿を褒めまくっている脳天気なナーヴィンが羨ましいよ……はぁ……
「ねぇねぇお兄ちゃん! 今日は二人っきりでお祭りを見て回ろうよ!」
真っ先に浴衣を褒めたからか、機嫌がもはや限界突破のユイナスがそんなことを言ってくる。確かにユイナスと二人のほうが、変な気苦労をしなくていいかとも思うのだが……
「いや、見知らぬ土地で案内役がいないのは何かと不便だろ。今日はみんなと一緒に回ろうぜ」
「ええ……? わたしは別に、お兄ちゃんと二人っきりになれるなら、お祭りはどうでもいいわよ?」
「オレはお祭りを見たいの。せっかく旅行にきてるのにイベント参加しないのはもったいないだろ」
「それはそうだけど……まぁいいか……」
割合あっさり引き下がってくれたのでオレはホッとする。
何しろ今日は、ユイナスと二人になるわけには行かない。なぜならミアに呼び出しを受けているのだから。
リリィの本島宅に来る道中で受け取ったメモ書きの内容は「話があるから、二人で会いたい」というものだった。それとミアの通信呪文が書かれていた。
最初、なんで呪文が書かれているのか分からなかったのだが、少しして、守護の指輪で通信するときに使う呪文であることを思い出した。そういや、通信魔法まで付いてるんだっけか、あの指輪。とんでもなく万能アイテムだな。
オレはその機能のことをすっかり忘れていて、それどころか指輪を旅行に持ってくること自体を忘れていたのだが、用意周到なティスリがスペアを作ってくれたので、今はオレも装備している。
そしてミアからもらった通信呪文は、オレとミアの間だけで通信できるというものだった。もらったばかりの魔具をこうもあっさり使いこなすとは、さすがはミアだな。
だからオレは、女性陣が更衣室に閉じこもっているときに、いちどミアに通信したのだが「会って話がしたい」とのことで、その用件を聞くことは出来なかった。
だから祭りの最中にちょっと抜け出して会うことになった。そのくらいなら、トイレに行くとかいえば抜け出せるだろう。抜け出した後は通信魔法でミアを呼び出せばいいというわけだ。
しかしユイナスと二人きりになってしまっては、トイレだからと抜け出すこともままならない。なので今日は集団行動しなければならないのだ。
それにしてもミアのヤツ、いったいなんの用件だ? まさかユイナスをどうにかしろと言いたいわけでもないだろうし。
でもまぁいいか。用件を聞けば分かるだろ。
ということでオレ達は、日も暮れてきたかという時分に夏祭りへと繰り出すのだった。
0
お気に入りに追加
365
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる