孤高のぼっち王女が理不尽すぎ! なのに追放平民のオレと……二人っきりの逃避行!?

佐々木直也

文字の大きさ
上 下
84 / 245
第2章

番外編3 ティスリと水の都

しおりを挟む
 領都に到着したアルデオレたちは、旅館のチェックインを済ませた後、観光することにした。

 領都は水の都とも呼ばれていて、観光客も多く訪れている。まぁその大半は貴族ではあるが。

 オレは、子供の頃に何かの用事で家族一緒に訪れたことがあったのだが、何しろまだ小さいころだったのでほとんど覚えていない。断片的な記憶しかなくて、やたらと橋が多かったとかその程度だ。

 そもそも大多数の平民にとっては、観光旅行なんて出来るお金もなければ時間も習慣もないので、今こうしてティスリと旅をしていること自体、とても珍しいんだけどな。冒険者だって、旅をするパーティは少数派だと聞くし。

 そんなわけで、せっかくだからオレは観光を満喫している。

「いやぁ……それにしても、この都は面白いな。あそこの建物なんて、小舟に乗ったまま建物に出入りしているぞ」

 オレが指差した方向にティスリも視線を向ける。

「この都は、もともとがツタの生い茂る入り江だったそうですからね」

「なんでそんな場所に街を作ったんだ?」

「なんでも、蛮族に追い立てられて逃げ延びた先がここだったそうですよ」

「なるほど。入り江なんて不便な場所、欲しがるはずないもんな」

「そうだったんでしょうね」

 そんな発祥から領都にまで成長したんだから、先人の努力はすごいの一言だ。

 多くの建物は、海の上に建っているかのような構造をしていて、車道や歩道より水路のほうが圧倒的に多い。そもそも都の中心地は馬車での移動は禁止だという。馬車が通れるような道がないのだろう。

 だから当然、オレたちは今も乗合船に乗って移動している。今は比較的幅の広い水路だから、30人くらいが乗れる舟で移動しているが、街の奥に入るほどに水路の幅も狭くなり、そうなると乗合船では移動できなくなる。

 だから最大四人乗りの手こぎボートゴンドラに乗って移動するそうだ。手こぎといっても漕いでくれるのは船頭で、オレたちは乗っているだけでいいらしい。

「お、ティスリ。あのカラフルな建物はなんだ?」

「地元民が、自分の家だと分かるように塗っているそうですよ」

「そうなのか、見事だな──ん、あっちの尖った屋根がたくさん付いている建物は?」

「あれは大寺院ですね。この国でも有名な寺院で観光名所の一つです。あとで行ってみましょうか」

「そうだな、中にも入ってみたいし──あ、向こうの橋には人がたくさんいるけど、あれはどうしてだ?」

「この街最古の橋で、有名な芸術家が設計したとのことです。だからやっぱり観光名所になっています」

「橋一つ取ってもすげぇな。あそこにもあとで行ってみようぜ」

 などと、物知りのティスリがガイド役になってくれているので、オレは飽きることがなかった。せっかく有名な建物を見ても、その由来が分からなければ面白みも半減してしまうからな。ティスリがいてくれて助かるわ。

 それからオレたちは乗合船から下船すると、昼の軽食を取ることにした。

 細い路地に何十軒も飲食店が並ぶのは、なかなかどうして圧巻だ。この都の活気が垣間見える風景でもある。

「ティスリは、こういう場所での食事って大丈夫なのか?」

 とはいえティスリは王女様だから、こんな下町になんて来たこともないだろうし、そこの食事が口に合うかも分からない。

 まぁこれまでの宿場町での様子を見る限り、料理についてはうるさくないようだが、礼儀作法とかマナーとかは気にするヤツだからな。

 そう思ってオレが聞いてみると、ティスリは、興味津々といった感じで頷いた。本人は、その表情を隠しているつもりらしいが。

「問題ありません。郷に入っては郷に従えという格言もありますからね……まぁ、歩きながら食事するのにはまだ抵抗がありますが……」

「じゃあ、屋台じゃなくて店の中に入って食おうぜ。狭そうだけど、立ち食いとかならあるだろ」

 そしてオレたちは、人がすれ違える程度の路地に入っていく。狭い路地だというのに人で溢れているので、オレたちは一列になって奥へと進んでいった。

 そうして、そこそこ奥行きのある店を見つけたので中へと入る。

「どうやら、店頭で品物を買って中で食うらしいな」

 店内を見回してオレがそう言うと、ティスリは目をキラキラさせて頷いた。

「そのようですね。こんな感じのお店は初めてです……!」

 ティスリは物知りではあるものの、こういう庶民的な経験は皆無なのだろうから、名所巡りより、むしろこういう下町に興味を惹かれるのだろう。

「お、酒もあるのか。まだ日は高いけど一杯くらいもらうかな」

「ではわたしも──」

「ダメに決まってんだろ!?」

 むくれるティスリだったが、数口でぶっ倒れるようなヤツに呑ませられるわけがない。

 オレは、呑んだら今日の観光が出来なくなることと、二日酔いのツラさを言って聞かせ、なんとかティスリに「もぅ……分かりましたよ。今回は我慢してあげます」と観念させることになんとか成功する。

 コイツ、下戸のくせに酒自体は好きっぽいんだよな。まともに吞めないのになぜ好きなのかは不思議でならないが。

 その後、オレたちは海鮮フリットとイカスミパスタを注文して席に着く。着くといっても立ち食いだったが。

「ふむ……ここは立食形式のレストランなのですね」

 石壁から突き出たハイテーブルに料理を置きながら、ティスリがそんなことをつぶやいた。

「立食なんて上品な形式ではないと思うが……まぁスペース節約のためだろうな。立食でもいいか?」

「ええまぁ。晩餐会でも立食は多いですから問題ありません……まぁ、このような手狭な場所で食事すること自体、初めてですが」

 小さな店内だというのに人で溢れかえっているので、密集率は半端ない。しかし客の全員が陽気な感じでおしゃべりしているから、窮屈でも楽しく感じるのだろう。

「アルデ、そのフリットを一つください」

「おお、いいぞ。どれにする?」

「ではエビのフリットを頂いても?」

「ああ。やっぱエビが一番だよな、ぷりっぷりだぞ」

「もふもふ……本当です。これほどに美味しいとは……」

「そしたらオレも、そのパスタをひと口くれよ」

「ええ、どうぞ」

「おお……イカスミってこんなに旨いのか」

「っていうかアルデ、口回りがイカスミだらけですよ」

「おっと、それは失礼──」

「ちょっと、手で拭うなんてしないでください。ほらハンカチを貸してあげますから」

「でもそしたらハンカチがイカスミだらけに──」

「洗えば大丈夫ですよ」

「そうか? なら遠慮なく」

「ではそのお礼として、麦芽酒もひと口──」

「ダメだっつーの!」

 などと互いの料理を交換しあったりしながら、オレたちは昼食を満喫する。

 その後、店を出た後は、都のさらなる奥地に進むべく、ゴンドラに乗ることにした。

 ゴンドラ乗り場には数組の列が出来ていて、オレたちもそこに並ぶ。するとオレたちの前に並んでいた老夫婦が「ご一緒にどうです?」と誘ってくれた。

 ゴンドラは四人乗りで行き先も同じだから、相乗りしたほうが運賃も安く付くわけか。なのでオレがティスリに「どうする?」と聞くと、ティスリは頷いた。

「ええ、ではご一緒しましょう。こういう……ふれあいも旅の醍醐味というものです」

 単に旅の醍醐味を味わうだけじゃなくて、『こういう臣民との、、、、ふれあい』なんて考えたのだろうな、コイツのことだから。

 もう王女はやめたと言っているわりに、ティスリは節々で王女として振る舞うからな。もはや職業病みたいなものなのだろう。まぁだからといって悪いことでもないが。

 そんなわけでオレたちは老夫婦と一緒にゴンドラに乗り込む。けっこう揺れることに驚いたりしながら。

 四人が着席して人心地つくと、紳士然としたじいさんが聞いてきた。たぶん、ちょっとした貴族か何かなのだろう。

「お嬢ちゃんたちは夫婦でデートかい?」

「夫婦でデート!?」

 別にじいさんはからかったわけでもないだろうに、ティスリは大袈裟に驚く。あんまりオーバーリアクションするとゴンドラだから揺れるんだが……

「ち、違いますよ!」

「おや? ということは婚約者かね?」

「それも違います!」

「え、でも……」

 老夫婦の視線が、オレたちの指輪に集まる。ティスリもそれに気づいたようで片手で指輪をさっと隠した。

「こ、これはただの魔具で、別にそういった意味合いはないんです……!」

 などと、頬を赤らめて言っても、まったくもって説得力がないんだが……

 案の定、ばあさんのほうは小首を傾げてオレに視線を向けて「そうなの?」と聞いてくる。

 なのでオレは苦笑をしながら頷いた。

「ええ。オレはただの従者ですよ」

 その答えに老夫婦は目を丸くしてから、ばあさんが言ってきた。

「従者? それにしてはずいぶんと仲良しさんねぇ」

「な、仲良し!?」

 ティスリが悲鳴に近い声を上げる。

「仲良くなんてありませんから! さっきも言い合いをしていたでしょう!?」

 そう言えば、ゴンドラの列で、ティスリは、オレが酒を呑ませないことに小言をいっていたなぁ。なんで酒のことになると自分が見えなくなるんだコイツは……と思って聞き流していたが。

 そんなティスリに、ばあさんはコロコロと笑った。

「お嬢さん、世間ではあれを仲がいいというのよ?」

「そ、そんなわけ──」

「まぁでもだいたい分かったわ、ねぇあなた?」

「うむ、そうだな。若いうちは色々あるからね」

「お二人とも、何か勘違いをされてますよね絶対!?」

 その後も、ティスリはなんだかんだと結局からかわれて、真っ赤になりっぱなしだった。

 さすがのティスリも、人の良さそうな老夫婦には強く出られないらしく、最終的には言われるがままになっていたが。

 そんな感じでゴンドラの移動は終わり、老夫婦とは円満に別れた。最後にばあさんがオレに「あなた、がんばりなさいね」と耳打ちするので、オレは苦笑するしかなかったが。

「まったく……あの夫婦には困ったものです……!」

 未だ赤い顔で、路地をズンズン進んでいくティスリにオレは言った。

「なぁ……この魔具って、別に指輪型じゃなくてもいいんじゃね? 例えばネックレスとか」

 するとティスリは、困り顔を向けてくる。

「ネックレスって、意外と邪魔になるんですよ? 着替えとかで指を引っかけると切れてしまいますし」

 ネックレスなんてしたことのないオレは「そんなもんか」と思っていると、ティスリが話を続けた。

「だから常に身につけておくには、指輪が最適なのです」

「なるほど。でもさ、毎回夫婦だの婚約者だの間違われんのも大変じゃね? だったらそれ以外の形状のほうがよくないか。ティスリなら作り替えることだって出来るだろ?」

「そ、それは……そうかもしれませんが……」

 オレのその意見に、しかしティスリはどういうわけか乗り気ではなさそうだ。

 その後、しばらくティスリは何も言って来なかったので、オレは首を傾げながらもティスリの後に続く。

 やがて、路地が開けて大通りに出たところで、ティスリが振り返った。

「ですがこの指輪は、男避けの役目もあるわけですから、やっぱり指輪のほうがいいと思います」

「まぁ確かにそうかもだけど、なら、この先も夫婦と間違えられるのはやむなしと?」

「そ、そうですね。そのような誤解をされるなど、人生の恥ですが──」

「そこまでか?」

「そこまでなのです! でも男性に言い寄られるのはもっと面倒なので、今後、その恥は甘んじて受けてあげます!」

「へいへい。じゃあとりあえず、その真っ赤な顔をなんとかしなくちゃな」

「あ、赤くなどなっていません!」

「さいですか」

 はぁまったく……

 こんなに口が悪いんじゃ、額面通りに受け取るヤツなら腹を立てるところだ。

「あ、ならさ──」

 とはいえ、ティスリが毎回真っ赤になるのも大変だろうと思い、オレは思いついたそのアイディアを──なぜか飲み込む。

 隣を歩いていたティスリが、首を傾げてオレを見た。

「なら、なんです?」

「いや、いいや。なんでもない」

 なら、指輪を薬指にするのをやめればいいんじゃね? ──オレは苦笑しながらその言葉を飲み込み、引き続き観光デートを楽しむことにするのだった。

(おしまい)
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~

むらくも航
ファンタジー
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。 ☆10/25からは、毎日18時に更新予定!

異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~

WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
 1~8巻好評発売中です!  ※2022年7月12日に本編は完結しました。  ◇ ◇ ◇  ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。  ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。  晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。  しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。  胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。  そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──  ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?  前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

処理中です...