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⑨ 六年生 ものの燃え方
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⑨ 六年生 ものの燃え方
単元としては初めての学習だ。向日葵は六年生の子どもたちに導入で、目的意識を持たせたかった。そのためには、この導入でどうしたら良いのか森田先生に相談してみた。
森田先生は、
「授業をするうえで、とても重要なことは、六年生の子ども達にどのようにして目的意識をもたせるかということ。理科指導は、目的意識をもたせるために導入部分で、学習を始める前に子どもがもっている知識や考えなどの素朴概念と教師が子どもに学ばせたい科学概念とのギャップ、認知的葛藤を起こさせる意外性のある課題になるように、内発的動機付けを工夫し、子どもたちに提示することが大切なんだよ」 初任の理科専科である向日葵には難しい言葉がいっぱいで、わからなかった。具体的なことを聞く前に、自分で調べて見ることにした。 まず、素朴概念は、子どもたちが学習をする前に持ち合わせている自然に関する知識や考えのこと。
(お父ちゃん、理科を学ばない前にその子どもなりの見方で自然を理解しているんだって、確かにそうだね)
科学概念は、向日葵の場合は、小学校学習指導要領に書いてあることだね。意外性の課題は、子どもが不思議に思うこと、「えー、どうして?」と自然に声があがればいいんだ。そして、認知的葛藤は、子どものもっていた知識や考えと矛盾することで考えさせるってことかな。
向日葵は、導入を考えた。集気びんの中に入っているものを聞けば、子どもたちは空気って答えると思う、そこで、最初に普通に空気を入れて燃えているのを見せてから、酸素の入っている集気びんに入れて炎の変化を見させるよ、そして、次に、二酸化炭素の入っている集気びんの中に入れて、すぐ消えるのを見せる。
森田先生に自信をもって話したら褒められた。でも、別の考えも提案された。
スチールウールは、鉄であることを説明してから、空気の集気びんに入れ、続いて酸素の集気びんに入れる。すると、とても激しく燃えて、子ども達は歓声をあげるだろうとのことだった。次に、ろうそくを酸素の中に入れて、普通よりも大きな炎を見ているうちに、だんだんと小さくなって消えていく。そこから、問題作りをすると楽しいとのこと。特に、絵図を入れて考えさせる。
予習をしたりして分かっている子もいるので、発表をさせないで絵図に自分の考えを表現させるのがポイントだ。
実際の授業で六年生の子ども達は、スチールウールが酸素の集気びんの中で激しく燃える姿に歓声を上げた。そして、目には見えないけど、燃える何かが入って集気びんにろうそくを入れたら、だんだんと消えていったことから、「なぜ、消えたのだろう」、「燃えつづけるためにはどうしたらいいんだろう」など、絵図とともに次時につながることが書かれていた。
(お父ちゃんにも、スチールウールの燃える姿を見せたかったな、でもね、スチールウールは、取扱いにとても注意が必要だから、学習意外では無理なんだ、残念、お父ちゃん)
単元としては初めての学習だ。向日葵は六年生の子どもたちに導入で、目的意識を持たせたかった。そのためには、この導入でどうしたら良いのか森田先生に相談してみた。
森田先生は、
「授業をするうえで、とても重要なことは、六年生の子ども達にどのようにして目的意識をもたせるかということ。理科指導は、目的意識をもたせるために導入部分で、学習を始める前に子どもがもっている知識や考えなどの素朴概念と教師が子どもに学ばせたい科学概念とのギャップ、認知的葛藤を起こさせる意外性のある課題になるように、内発的動機付けを工夫し、子どもたちに提示することが大切なんだよ」 初任の理科専科である向日葵には難しい言葉がいっぱいで、わからなかった。具体的なことを聞く前に、自分で調べて見ることにした。 まず、素朴概念は、子どもたちが学習をする前に持ち合わせている自然に関する知識や考えのこと。
(お父ちゃん、理科を学ばない前にその子どもなりの見方で自然を理解しているんだって、確かにそうだね)
科学概念は、向日葵の場合は、小学校学習指導要領に書いてあることだね。意外性の課題は、子どもが不思議に思うこと、「えー、どうして?」と自然に声があがればいいんだ。そして、認知的葛藤は、子どものもっていた知識や考えと矛盾することで考えさせるってことかな。
向日葵は、導入を考えた。集気びんの中に入っているものを聞けば、子どもたちは空気って答えると思う、そこで、最初に普通に空気を入れて燃えているのを見せてから、酸素の入っている集気びんに入れて炎の変化を見させるよ、そして、次に、二酸化炭素の入っている集気びんの中に入れて、すぐ消えるのを見せる。
森田先生に自信をもって話したら褒められた。でも、別の考えも提案された。
スチールウールは、鉄であることを説明してから、空気の集気びんに入れ、続いて酸素の集気びんに入れる。すると、とても激しく燃えて、子ども達は歓声をあげるだろうとのことだった。次に、ろうそくを酸素の中に入れて、普通よりも大きな炎を見ているうちに、だんだんと小さくなって消えていく。そこから、問題作りをすると楽しいとのこと。特に、絵図を入れて考えさせる。
予習をしたりして分かっている子もいるので、発表をさせないで絵図に自分の考えを表現させるのがポイントだ。
実際の授業で六年生の子ども達は、スチールウールが酸素の集気びんの中で激しく燃える姿に歓声を上げた。そして、目には見えないけど、燃える何かが入って集気びんにろうそくを入れたら、だんだんと消えていったことから、「なぜ、消えたのだろう」、「燃えつづけるためにはどうしたらいいんだろう」など、絵図とともに次時につながることが書かれていた。
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