先生，理科って楽しいね。

１２ １学期始まり ① ３年生の生き物ビンゴゲーム

１２　１学期始まり　

① ３年生の生き物ビンゴゲーム

　３年生は、「自然の観察」の学習だ。森田先生から、子どもの様子を振り返りの時に、必ずメモをしておくように助言してくれた。
　単元の目標は、身の回りの生物の様子に着目して、生物の様子を比較しながら生物の特徴を調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に差異点や共通点を基に、問題を見出す力や生物を愛護する態度、主体的に問題解決しようとする態度を養うことができるようにすることだ。
　向日葵は、教科書にないけど、生き物ビンゴゲームをすることにした。最初に子どもたちの活動場所に行き、問題作りをした。「親指よりも小さな花」、「黄色い花」、「鳥の声」などを升目に書いて印刷した。
　３年生に自己紹介をした後に、一年間の理科の学習の仕方を説明し、生き物ビンゴゲームをやりに校庭に出た。二人組になって活動していく中で、楽しく自然と接することができているようだ。
　話し合いの中で子どもたちは、校庭の自然からたくさんのことに気付くことができた。情報を共有することで校庭の自然を見直した子どもは多い。満足のいく最初の一時間目だったが、学年主任の先生からは注意された。学習指導要領や教科書にないことはしないように厳しく注意を受けた。
　落ち込んだ気持ちで指導教官の森田先生との放課後の振り返りとなった。森田先生は生き物ビンゴゲームをすることに反対はされなかったので大丈夫だと思うが不安だった。
「向日葵先生、最初の子どもたちとの理科の出会い、子どもたちは楽しく理科を勉強しましたか」
　学年主任の先生に注意されたことを離し、その後に、子どもたちが生き物ビンゴゲームで校庭の自然からたくさんのことを学んだことを話した。
「向日葵先生、お疲れ様、３年生にとって初めての理科であり、その扉は楽しく充実したものになって良かったですね、理科という枠だけでなく、環境教育の視点からも、とても良い授業だったと思います」　ゲームという言葉が付くことに不安があったので聞いて見た。
「ネイチャーゲームというものがあって、自然から学ぶ、自然を学ぶ、とても良いことです。それは、子どもの気付きを一番大切にしているんですよ。この単元の導入として、学習問題作りに発展させてください」
　向日葵は自身がもてた。でも、不安である。
「学年主任の先生に、学習指導要領、教科書にないことをしてはいけないと言われてしまったのですが・・・」
　森田先生は微笑んで向日葵を見た。
「学習指導要領の目標にある内容です。教科書は最も基本とする教材ですが、むしろ理科は教科書に頼らずに、子ども理解、クラスの実態に応じて学習指導要領の目標達成をすればいいんです。特に、今回のように単元の導入においては、今回のように創意工夫すべきなんです。向日葵先生、理科の指導、楽しく出来そうなので私も楽しみです。学年主任の先生には私が話しておきますから、これからも工夫して子どもたちのために頑張ってください」
「はい、がんばります。ありがとうございます」
（お父ちゃん、注意する先生もいれば、褒めてくれる先生もいるよ、私は褒められて伸びるタイプなんだけどな・・・）