黒帯ちゃんは、幼稚園の先生

未来教育花恋堂

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 黒帯ちゃんが立って見ると、ちょうど、股の所が濡れていて、おしっこ臭いのだ。
「黒帯ちゃんが、おねしょした~~」
 園児達が騒ぎ始めた。翼先生、しどろもどろになり、現状をどう解決しようか戸惑っている。
「あっ、ごめん、黒帯ちゃん、うとうとして、おねしょしちゃったみたい、すぐに着替えてくるから、みんなは、寝てね」
 黒帯ちゃんは、布団も濡れているので持ち上げて洗濯機のある方へ向かった。見えなくなるまで、翼先生も園児も黒帯ちゃんの股の世界地図のような濡れ具合に見入っている。
 翼先生がみんなに、話しかけた。
「黒帯ちゃんは、体の具合が悪かったのか、それとも、・・・とにかく、仕方ないんだ、さあ、みんな、寝よう」
 園児は、再び、午睡を始めた。興奮して眠れない園児もいたが、最後には全員寝た。 黒帯ちゃんは着替えを考えた。柔道の道義が汚れたら着るための、紺色のTシャツと白いジャージをロッカーに入れてあったが、まさか、下着まで着替えることになるとは思っていなかった。雨で、もし、濡れても、そのままでいいと思っていたからだ。
 下着を付けないで白いジヤージだけ穿くと、透けて見えてしまうかも知れない。それに、ジャージがずり降りてしまったら大変だ。
「あっ、円でプールをする時に穿く、お尻に大きなヒマワリの絵があるビキニ、あれを穿いて、上は道着にすれば、白いジャージで、お尻にヒマワリが透けても、道着で隠れるから大丈夫かも」
 黒帯ちゃんは、園児のプールの時に、子どもが喜ぶように、ちょうど、お尻に大きなヒマワリの花のビキニと紺色のTシャツを着ていたのだ。
 ロッカーから取り出すと、着替えのためにトイレに入った。
 ドアの外でうわさを聞いた園長先生の声がした。
「黒帯ちゃん、トイレでなくてシャワー室を使ってもいいのよ」
「大丈夫です」
 黒帯ちゃんは、素っ裸になって、ヒマワリ柄の黄色い水着を穿き、ジャージをはいた。上は、そのまま白いYシャツと道着だ。トイレから出ると、お騒がせしたことを謝り、添い寝をした園児の担任に、園児の名前を聞いた。
「大木操君、母子家庭で反抗期だからお母さんが大変なんだって、黒帯ちゃんも声をかけてあげてね、でも、いたずらが多いから、注意すべきどころは注意してあげてね」
「はい、分かりました」
 黒帯ちゃんは、操君が自分に寝ながらおしっこをかけたことは言わずに、これから、どうやって反抗期の園児に関わっていこうか、むしろ楽しそうに考えていた。


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