黒帯ちゃんは、幼稚園の先生

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8 園児に柔道を教える黒帯ちゃん ①

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8 園児に柔道を教える黒帯ちゃん


 園長先生から黒帯ちゃんに柔道を教えてほしいと頼まれた。
 園児に柔道を教える具体的な方法を黒帯ちゃんは考えていなかった。背負いや体落としは打ち込みが難しい、正確に行うの無理があるのだ。考えているよりも早く教える日がやってきてしまった。
「みんな、今日から柔道をならいます。このビデオを見てね」
 黒帯ちゃんは、小学生の柔道をならっているビデオを見せた。
「黒帯ちゃん、私、痛いのイヤッ!」
「柔道って暴力だよ、なあ、みんな、そうだよな~」
「サッカーとか、ボール遊びの方がいい!」
 みんな、痛い思いを想像して嫌がってしまった。
  柔道は体全体を使うスポーツで、全身の筋肉を動かすこと、投げたり・投げられたししながら体全体に刺激を与えることで、血液とリンパの流れを促進して、それが免疫力を向上し健康増進につながるのだ。
 柔道を修得することにより、「柔(じゅう)よく剛(ごう)を制す」という言葉の通り、身体の小さな人でも、体格や力で勝る人を制することができる。そして、黒帯ちゃんは、柔道を行なうことにより、相手を尊重し、互いに協力し、助け合って、自分も相手も、ともに向上していくことの大切さを教えたいのだ。
 黒帯ちゃんは、幼児にも分かるように話したが、先入観があって嫌がる幼児は増えてしまった。
「みんな聞いて、ごめん、黒帯ちゃんが間違っていました」
 幼児は、突然黒帯ちゃんがあやまったので驚いて黒帯ちゃんの話を聞いた。
「おすもうみたいに遊ぼう、そうすればお腹がすいて、お給食が美味しくたべられるよ、さあ、やり方を教えるから怪我をしないためにも聞いてね」
 大外刈りや出足払い等を先に教えようと思った。そして、背負い投げや体落とし、背負い落としの順で教えようと思った。しかし、体を動かすことによっておなかをすかせ、お給食ををおいしく食べてればそれでよいと考え直したのだ。
 技術的なものは、小学校の高学年、成長期である中学生・高校生で筋肉・骨格・柔道力を完成させればいいんだ。無理にやらせると柔道が嫌いになってしまう。
 幼児は、キャッキャッと、楽しくおけいこを始めた。
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