花束は咲良先生に（保育士）

②

②栄子先生からそのまま静かにさせておけば大丈夫と言われても，苺ちゃんをそのままにできません。

「咲良先生痛いの，ここ，痛いの・・・・・・」
　苺ちゃんは，咲良先生の目をじっと見ながら話しかけてきます。同じ先生でも医者ではないので，どうしたら・・・・・

　まず，咲良先生は便秘の子にいいと聞かされて知っている，「の」の字を書くように苺ちゃんの下着の下に手を入れてお腹をさすってあげた。

「咲良先生，手がちょっと冷たい・・・・」

「あっ，ごめんね，苺ちゃん・・・・」

　咲良先生は，手をこすって温め，さらに服の中に入れてあたためた。

　咲良先生は，もう一度やってみて。丁寧に，苺ちゃんのお腹の上で，「の」のじを書くようにさすってあげた。

「今度は冷たくな～い？痛くないかな？」

「大丈夫だよ，咲良先生，ちょっと，良くなってきた」

「良かった，じゃあ，だっこしようかな」

　咲良先生は，苺ちゃんを今度はだっこして，数分間，抱きしめてあげた。

「咲良先生，うんちでそう・・・・・・」

「じゃあ，咲良先生と行こうか？」

「うん！」

　苺ちゃんは咲良先生とトイレに行くと，園児用のトイレに入って，うんちが出てすっきりした表情で出てきた。

「苺ちゃん，お腹はどう，まだ，痛い，それとも治ったかな？」

「なおった～～～」

　苺ちゃんは返事をしながら両手をいっぱいに上げて咲良先生に抱き付いてきた。

「ほらほら，苺ちゃん，手をきれいにあらおうね」

「うん」

　苺ちゃんは，お腹にたまっていたのが出て治ったみたい，咲良せんせいは，朝食をきちんととったのかな，野菜も食べたかな，何よりも水をのんで，水分も足りているのかな・・・・・・。いろいろと考えてみた。

　咲良先生は，もし，また今度起きたら，保護者の方と相談してみようと考えた。