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 魔法美少女仮面ヴィクトワールは、アトン君の中に、また、憑依しようとしている怪人を見た。
「お待ちなさい!」
 怪人は、もう少しでアトン君に憑依出来るのに邪魔したやつを見た。
「ぅうっ、また、小学生の魔法美少女仮面か、おい、家を抜け出してくるなんて、悪い小学生だな、そうだ、おまえに、ふふふっ、憑依して堕落させてやる」
 怪人が爪をたてて跳んで襲ってきたので、魔法のバトンで片方の手を払ったが、もう片方の手で着ていた聖なる緑のワンピースを引っ搔いて切られてしまった。
「あっ、わたくしの、聖なるコスチュームが・・・」
「ふんっ、コスチュームを切り刻んでやる!」
 魔法のバトンで対抗したのだが、怪人の半分ぐらいの背の小ささなので、上からの攻撃を防ぐことが出来ずに、聖なるワンピースが切られてしまったのだ。
「もっと、切り刻んでやる!」
 爪を立て襲ってきた怪人の爪を、魔法の赤いマントで身を隠して守った。見ると、マントは、傷ひとつついていない。防御力が強いことが分かった。
「あなたには、この聖なるマントは破けません。次は、わたくしの番です、この聖水を、あなたに差し上げますわ!」

 ピュウ~、ピュッピュッ~~~~~~

 魔法のバトンから飛び出した聖水に悪魔の怪人は、ジュジューと焼かれて、逃げ出した。
「覚えてろ~、きっと、倒してやる!」
 魔法美少女仮面ヴィクトワールは、怪人の後を追う。
「お待ちなさい、今度は逃がしません!」
 魔法美少女仮面ヴィクトワールの赤いマントは空も飛べるが、走る時にはスピードが出て怪人に追いついた。
「逃がさないと申し上げたはずです!」
「くっそぉ~、こんなガキの魔法美少女仮面ヴィクトワールに、俺様は捕まらない・・・」
 魔法美少女仮面ヴィクトワールが魔法のステッキを一回転すると、新体操で使っているような長く、何色もの色合いでレインボー光沢リボンに変換された。
「ヴィクトワール、マジカルリボン!」
  リボンが輪を描きながら怪人にまで伸びていき、巻きついた。
「このリボンで縛られましたら、何でも正直に話してしまうという魔法のリボンですわ、これで、浄化いたしましょう」
「そうわいかねえよ、お嬢さん! 油断したな、ソレッ~~」
 近寄った魔法美少女仮面ヴィクトワールの股の下を、リボンで巻かれながらくくって、魔法美少女仮面ヴィクトワールの体を何回転も、一瞬にして回った。
「これで、魔法のリボンに巻かれているのは、俺だけではなく、自分自身もだ!」
「えっ、わたくしが、わたくしの魔法のリボンに巻かれて・・・」
 魔法美少女仮面ヴィクトワールと怪人が、魔法のリボンに巻かれている所に、ドローンで探索していた、泉博士の偵察に見つかってしまった。
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