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第三十四話 背負いし命
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一馬に聞き縄で以て急斜面を下りればすずの姿があった。が、それは酷い有様であった。袖の無いむき出しの細い肩や腕は打撲と裂傷が複数あり、右手の指は何かを掴もうと無理をしたのだろう、小指を除いてほぼ骨折しており、左脚は足首で折れて、裂傷も激しかった。
顔と頭部からも出血しているが、心配はそこでは無い。背中から脇腹を庇うように不自然に曲げている事からも臓物の損傷が疑われる。何せこの急斜面を転げ落ちたのだから無事で済む筈もないのだ。
「おすず、わかるか? 俺だ」
気絶していたようだが、声を掛ければ薄目を開けて小平太を見ていた。
「……ぐぅぅぅ」
「頑張ったな、お子達は全員無事だ」
小平太の言葉に必死に頷き涙を流すだけである。恐らく話せる状態では無いのだ、顔色からしてもただ事ではない」
「……ぐぅぅぅっ……」
尋常ではない程に痛みを極めている事は察しが付く。
「見せてみろ」
転がった勢いで枯れ枝が刺さったのだろう、縄ほどはあるそれが、腰より少し上の背中に刺さり帯と着物に血が滲んでいた。
短刀で着物を裂き患部を晒せば状況が見えた所である。周囲が赤紫に腫れあがっている事からもかなり深くまで刺さっている事が伺える。慎重に触診すれば凡その見当がついた。
痛まない筈はない、顔面は蒼白で汗ばみ、身体は可哀そうなほどに震えていた。背中から入った枝は、肝を深く貫いている様だ。
間もなく山人も降りてくればその様子を見ていた。
「手当の用意を」
「あぁ、頼む」
間違いなく致命傷である、どう手を尽くそうが肝を負傷しては助かる事は無い。枝を抜けば、大量に出血してしまうだろう、しかし枝をこのままにしておけば、死の際まで激痛に耐えなければならないのだ。ならば、枝を抜き素早く止血をしてやれば本人もだいぶ楽となる。
抜く時にはかなりの痛みを伴う事となるだろうが、抜かずにいるよりは遥かに良い。懐の手拭いを捩じり、咥えさせればすずの頬を両手にし、その目を見た。
「良いか、先ずは刺さった枝を抜き薬を入れる、これで痛みは大分楽になる。処置は激痛が伴う事となるが、頑張れよ」
頷きつつ覚悟を決めた表情である。
道具を手に戻った山人は、すべてを小平太に託し、己はすずの手を握っていた。無論、すずが致命傷を負っている事は悟っている。
「おすずちゃん頑張ったな、ほら俺の手を強く握ると良い。大事ないぞ、目を閉じて、ゆっくり息を吐こう……」
「ふぅぅ……っぐ……」
「ほら、大丈夫だ……もう一度吐いて……そうそう」
「ふぅ……ふうっ……うぐっぅぅぅ! んぐぐぐっ! いぃぃぃっ!」
抜いた枝を確かめ深さを計れば指先に軟膏を塗り患部へ差し入れたのであった。血止めと共に痛みを抑える徳蔵の秘薬である。
「うぅぅっ!」
「おすずちゃん、大丈夫だ、もう少しの辛抱だぞ。ほら、おすずちゃんなら問題ない、頑張れよ」
「んぐ……んぐ……うぅううぅ!」
三度それを繰り返し血止めが済めば、すずは気を失っていた。小平太は薬草を揉みだした後に患部へと擦り入れればそこに手拭いを当て紐で押さえた。
指と足首の骨を戻してやり添え木を当てれば気を失ったままのすずを背負い斜面を上がった。
「急ぎ千弦様にこの状況を、俺はこのままゆっくりと歩き行く」
「承知」
誰一人口にしないが一大事である。すずがこうなっただけでも衝撃と言えるが、そのすずには途轍もない使命があったのだ。すずが居なければ大厄災を治める事が出来なくなってしまうのである。
「おすずちゃん……わたくしを助けてこんな酷い事に……うぅ……ごめんなさい……」
「一馬殿の所為ではない、この世に起きる事のすべては運命なんだ、さ、皆と一緒に」
「……はい」
ボロボロになってしまったすずの姿を見て、衝撃を受けているようであった。元気爛漫なすずが満身創痍となり死の淵をさまよっているのだから仕方も無い。
ゆっくりと歩いているのは振動を与えない為であった。例え急ぎ帰って徳蔵に診せても結果は同じ事であるのなら、痛みを少しでも和らいでやる方が余程良い。
「……ん……うぅ……あ……こ、小平太様の……せ、背中だ……」
「薬が効いた様だな」
「……こ、小平太様に……か、悲しい事……思い出させちまう……」
死の淵を彷徨いながらも小平太に気遣いをしていた。
「おすずは生きておるではないか、悲しい事は何も無いぞ」
「んだか……な、なら、おらこのまま、し、死ねねえだな……」
すずが静かに笑った事は吐息で判るが、既に死を意識している事も分かった。
「あぁ、頑張れよ、それにあまりしゃべるな傷に響く」
「だ、大丈夫……だで……徳蔵さんの薬さき、効いてる……だよ」
「そうか。しかし本当によく頑張ったな、中々出来る事ではないぞ」
「……う、うれしいだな……お、おら小平太様に褒められるのが、い、一番……うれしいだよ」
「そうか、ならまだまだ褒めよう」
陽は高く透き通るような秋の青空である。本来なら今頃は湯屋に戻り、饅頭の包みを見ながら昼餉の用意に忙しかった筈である。
人生何が起きるか分からないものだが、事すずに関しては何事も無く平穏に人生を歩んで欲しいと願っていた。大厄災を無事に治めた暁には、大集落の皆と共に大いに働き、そして大いに笑い、やがては好いた男も出来よう、ならば丈夫な子を産み、その子と一緒に饅頭を作り幸せに生きて欲しかったのだ。
いつも元気で愛嬌良く、素直で純粋ながら負けず嫌いな一面もあり、芯の強さも垣間見える。そこに来て去勢のしようも無い美濃は水沢辺りの国訛りが、より人間味を際立たせていたから、誰からも愛される存在であったのだ。
「だども……大事を前におらとんでもねえ失敗しただ……、……どうすんだで……お、おらの所為で……この世が……な、なくなっちまう……」
その事は忘れていて欲しかったが、仕方も無い。
「心配ない、先の世を知っている神々が大厄災を治めるに必要な事を漏らすはずがない、古文書にはきっと書かれているよ」
「んだか……だと良いだな……」
「あぁ、間違いない」
「んだな……神様だで……な、なんでもお見通しだな……」
大厄災の時も場所も、戦う相手が武器を有した兵である事さえ解っているのだから、最重要人物が居なくなる事は察していよう。ならば大厄災を治めるには、すずの力を蓄えた勾玉さえあれば良かったのかもしれない。
小平太の言葉に安心したのか、身体から不安が消えていく事を感じていた。
「小平太様の背中さ、あ、温かくて……心地良いだな……ずっとこうしていてえ……」
「そうか、少し寝るか?」
「い、いやだ……話さしていてえ……」
「そうだな」
間もなく命が尽きる事を悟り、残りの時間を無駄にしたくないのだろう、すずが明確に嫌だと答えたのは、出会って以来この時が初めてであった。
「お、おら……小平太様と出会えて、ほ、ほんとに幸せだった……だよ」
命の炎が小さくなり揺れ動いているのは声でも判る。
「……お、おっかねえほど楽しかったもの……ほ、ほんと毎日が……夢みてえだったな……、……」
「そうだな、俺も誠楽しい日々であった」
「だ……」
嬉しい感情に包まれつつ、途切れ途切れとなった会話をしていたが、間もなく終焉を迎えようとしている事は分かっていた。
「……こ……こ、小平太……さま……」
「おすず」
「……、……ほ、ほんと……に……あ……あんが……と……した……、……」
「最後まで頑張ったな、偉いぞ」
力なく首元から下がった小さな掌を握ると、すずは最後の力でそっと握り返していた、間もなく温かな涙が流れた事を首筋に感じ取った。
「必ず迎えに行くからな」
小平太の言葉の終わりと共に、すずは静かに息を引き取った。
顔と頭部からも出血しているが、心配はそこでは無い。背中から脇腹を庇うように不自然に曲げている事からも臓物の損傷が疑われる。何せこの急斜面を転げ落ちたのだから無事で済む筈もないのだ。
「おすず、わかるか? 俺だ」
気絶していたようだが、声を掛ければ薄目を開けて小平太を見ていた。
「……ぐぅぅぅ」
「頑張ったな、お子達は全員無事だ」
小平太の言葉に必死に頷き涙を流すだけである。恐らく話せる状態では無いのだ、顔色からしてもただ事ではない」
「……ぐぅぅぅっ……」
尋常ではない程に痛みを極めている事は察しが付く。
「見せてみろ」
転がった勢いで枯れ枝が刺さったのだろう、縄ほどはあるそれが、腰より少し上の背中に刺さり帯と着物に血が滲んでいた。
短刀で着物を裂き患部を晒せば状況が見えた所である。周囲が赤紫に腫れあがっている事からもかなり深くまで刺さっている事が伺える。慎重に触診すれば凡その見当がついた。
痛まない筈はない、顔面は蒼白で汗ばみ、身体は可哀そうなほどに震えていた。背中から入った枝は、肝を深く貫いている様だ。
間もなく山人も降りてくればその様子を見ていた。
「手当の用意を」
「あぁ、頼む」
間違いなく致命傷である、どう手を尽くそうが肝を負傷しては助かる事は無い。枝を抜けば、大量に出血してしまうだろう、しかし枝をこのままにしておけば、死の際まで激痛に耐えなければならないのだ。ならば、枝を抜き素早く止血をしてやれば本人もだいぶ楽となる。
抜く時にはかなりの痛みを伴う事となるだろうが、抜かずにいるよりは遥かに良い。懐の手拭いを捩じり、咥えさせればすずの頬を両手にし、その目を見た。
「良いか、先ずは刺さった枝を抜き薬を入れる、これで痛みは大分楽になる。処置は激痛が伴う事となるが、頑張れよ」
頷きつつ覚悟を決めた表情である。
道具を手に戻った山人は、すべてを小平太に託し、己はすずの手を握っていた。無論、すずが致命傷を負っている事は悟っている。
「おすずちゃん頑張ったな、ほら俺の手を強く握ると良い。大事ないぞ、目を閉じて、ゆっくり息を吐こう……」
「ふぅぅ……っぐ……」
「ほら、大丈夫だ……もう一度吐いて……そうそう」
「ふぅ……ふうっ……うぐっぅぅぅ! んぐぐぐっ! いぃぃぃっ!」
抜いた枝を確かめ深さを計れば指先に軟膏を塗り患部へ差し入れたのであった。血止めと共に痛みを抑える徳蔵の秘薬である。
「うぅぅっ!」
「おすずちゃん、大丈夫だ、もう少しの辛抱だぞ。ほら、おすずちゃんなら問題ない、頑張れよ」
「んぐ……んぐ……うぅううぅ!」
三度それを繰り返し血止めが済めば、すずは気を失っていた。小平太は薬草を揉みだした後に患部へと擦り入れればそこに手拭いを当て紐で押さえた。
指と足首の骨を戻してやり添え木を当てれば気を失ったままのすずを背負い斜面を上がった。
「急ぎ千弦様にこの状況を、俺はこのままゆっくりと歩き行く」
「承知」
誰一人口にしないが一大事である。すずがこうなっただけでも衝撃と言えるが、そのすずには途轍もない使命があったのだ。すずが居なければ大厄災を治める事が出来なくなってしまうのである。
「おすずちゃん……わたくしを助けてこんな酷い事に……うぅ……ごめんなさい……」
「一馬殿の所為ではない、この世に起きる事のすべては運命なんだ、さ、皆と一緒に」
「……はい」
ボロボロになってしまったすずの姿を見て、衝撃を受けているようであった。元気爛漫なすずが満身創痍となり死の淵をさまよっているのだから仕方も無い。
ゆっくりと歩いているのは振動を与えない為であった。例え急ぎ帰って徳蔵に診せても結果は同じ事であるのなら、痛みを少しでも和らいでやる方が余程良い。
「……ん……うぅ……あ……こ、小平太様の……せ、背中だ……」
「薬が効いた様だな」
「……こ、小平太様に……か、悲しい事……思い出させちまう……」
死の淵を彷徨いながらも小平太に気遣いをしていた。
「おすずは生きておるではないか、悲しい事は何も無いぞ」
「んだか……な、なら、おらこのまま、し、死ねねえだな……」
すずが静かに笑った事は吐息で判るが、既に死を意識している事も分かった。
「あぁ、頑張れよ、それにあまりしゃべるな傷に響く」
「だ、大丈夫……だで……徳蔵さんの薬さき、効いてる……だよ」
「そうか。しかし本当によく頑張ったな、中々出来る事ではないぞ」
「……う、うれしいだな……お、おら小平太様に褒められるのが、い、一番……うれしいだよ」
「そうか、ならまだまだ褒めよう」
陽は高く透き通るような秋の青空である。本来なら今頃は湯屋に戻り、饅頭の包みを見ながら昼餉の用意に忙しかった筈である。
人生何が起きるか分からないものだが、事すずに関しては何事も無く平穏に人生を歩んで欲しいと願っていた。大厄災を無事に治めた暁には、大集落の皆と共に大いに働き、そして大いに笑い、やがては好いた男も出来よう、ならば丈夫な子を産み、その子と一緒に饅頭を作り幸せに生きて欲しかったのだ。
いつも元気で愛嬌良く、素直で純粋ながら負けず嫌いな一面もあり、芯の強さも垣間見える。そこに来て去勢のしようも無い美濃は水沢辺りの国訛りが、より人間味を際立たせていたから、誰からも愛される存在であったのだ。
「だども……大事を前におらとんでもねえ失敗しただ……、……どうすんだで……お、おらの所為で……この世が……な、なくなっちまう……」
その事は忘れていて欲しかったが、仕方も無い。
「心配ない、先の世を知っている神々が大厄災を治めるに必要な事を漏らすはずがない、古文書にはきっと書かれているよ」
「んだか……だと良いだな……」
「あぁ、間違いない」
「んだな……神様だで……な、なんでもお見通しだな……」
大厄災の時も場所も、戦う相手が武器を有した兵である事さえ解っているのだから、最重要人物が居なくなる事は察していよう。ならば大厄災を治めるには、すずの力を蓄えた勾玉さえあれば良かったのかもしれない。
小平太の言葉に安心したのか、身体から不安が消えていく事を感じていた。
「小平太様の背中さ、あ、温かくて……心地良いだな……ずっとこうしていてえ……」
「そうか、少し寝るか?」
「い、いやだ……話さしていてえ……」
「そうだな」
間もなく命が尽きる事を悟り、残りの時間を無駄にしたくないのだろう、すずが明確に嫌だと答えたのは、出会って以来この時が初めてであった。
「お、おら……小平太様と出会えて、ほ、ほんとに幸せだった……だよ」
命の炎が小さくなり揺れ動いているのは声でも判る。
「……お、おっかねえほど楽しかったもの……ほ、ほんと毎日が……夢みてえだったな……、……」
「そうだな、俺も誠楽しい日々であった」
「だ……」
嬉しい感情に包まれつつ、途切れ途切れとなった会話をしていたが、間もなく終焉を迎えようとしている事は分かっていた。
「……こ……こ、小平太……さま……」
「おすず」
「……、……ほ、ほんと……に……あ……あんが……と……した……、……」
「最後まで頑張ったな、偉いぞ」
力なく首元から下がった小さな掌を握ると、すずは最後の力でそっと握り返していた、間もなく温かな涙が流れた事を首筋に感じ取った。
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