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「なぜキミがここにいるッ!」

 エレノアの姿に気が付いて、いち早く反応したのはビョルンだった。

「誰か! 罪人が牢から抜け出しているぞ!」
「落ち着いてください、殿下。姪は私が呼び出しました」
「な、なんだと!?」

 シュテルン伯は薄っすらと瞳を閉じながら、騒ぐビョルンに宥めるような声を掛ける。

「つまりコレは我がシュテルン伯爵家と王家との問題だという事ですよ。当主としては身内から大逆人が出るというのは看過し難い。当人も潔白を訴えている事ですし、血族としても正式に抗議させて頂きます」

 その言葉に同意するように、居並ぶみすぼらしい格好の一団は強く頷いた。

 混乱するビョルンはここに来てやっと事態を把握し始めた。
 シュテルン伯はエレノアの側に付いていたのだ。
 後ろに従えているのは件の叛徒たちの一部に違いない。

 つまりはビョルンの企みなど、始まった時から瓦解していたのである。

「シュテルン伯と話は付いていた筈では無いのか……?」

 王が耳元に口を寄せ、底冷えのする声でビョルンに詰問をする。
 ビョルンはそれに答えず、ただ色の失せた顔で震える他無かった。

「後ろの者どもは? 砦を襲ったという叛徒で相違ないか」

 王はビョルンに向けため息を吐くと、興味を失ったようにシュテルン伯に向き直り尋ねた。

「エレノアを慕って王都まで『陳情』に訪れた平民ですよ。私も不憫に思い、道中グリフォンで拾ってここまで参りました。……知古を頼って『大声で』報せに来た者もおりましたのでね」

 水を向けられたヨトゥン老人は白々しく目を逸らす。
 エレノアの拘束は今頃貴族の間で尾ひれがついた状態で広まっている事だろう。

「砦の事は知らぬと? それが通ると思っておるのか」
「さて、なんの事やら。砦は魔神の軍勢に落とされたのでしょう。敵もさるものですな」
「ぬぅ……」

 忌々し気に唸りながらも、王はシュテルン伯の言葉を否定する事も出来ずにいた。
 ――たかが数十人の平民に、王国の誇る砦が幾つも落とされた。
 そう恥を喧伝するよりも、魔物の被害とした方がまだ聞こえは良い。

 ただでさえ世の中の荒れている今、平民の力で国家を打倒し得るという前例を作ればどうなるか。
 数十年に渡り、敵は魔物だけでは無くなる事だろう。

「……だが。だがッ! 貴公が王国へ剣を向けた。その事実は消えんぞ! そんな女一人庇い立てる為に、この先一体どうするつもりだ!」

 二人の会話に割り込むように、ビョルンは悲鳴のような声を投げつけた。

 今現在、シュテルン伯の兵は王都を包囲している。
 この兵の意味合いは、彼がエレノアと王家のどちらの側に付くのかによって変わって来るのだ。
 そしてシュテルン伯が今後も王国貴族として穏当に過ごすには王家に付くより他は無い。

「それに病が治らなくても良いのか!」

 そう叫んでビョルンは懐から取り出した七色の小瓶を見せつける。
 寸前まで止めようと手を伸ばしていた王は、小瓶が取り出された瞬間にその手を自らの額に置いた。

「なあ、シュテルン伯。ようく考え直せ。貴公にとって今一番大事な事は何なのかを。この薬を飲んで、こちらに付かなければお前に未来は無いんだぞ?」
「……そうなれば我が伯爵家の名誉にも未来永劫残る傷が付きますな。取引にもならぬ事です」
「一度は見捨てた姪じゃないか!」
「お家の為です。当然でしょう? そして今回はこちらにも咎が及ぶ罪状だ」

 背後のヴァイス村の住民たちから殺気の籠った目を向けられながらも、シュテルン伯は平然とそう言い放つ。

 前回の騒ぎはまだエレノア一人の醜聞で終わる話だった。
 それを親類だからと庇い立てしても、シュテルン伯爵家に得るものは無かっただろう。

「……主たる者の名に傷が付けば、それを楯に生きる者がどんな苦境に晒されるか。それがお前たちも身に染みているはずだ」

 シュテルン伯は目線だけを背後に向け、小さな声でそう呟いた。
 理屈の上ではそれを理解している村人たちは、不承不承と未練を残しながら視線を外す。

 しかしこの場でビョルンだけは、そのシュテルン伯の言葉に納得をしなかった。

「家がなんだと言うんだ! もっと大きなモノを見ろ! 王国の威信が掛かっているんだぞ!」

 傍らで悩まし気に額を抑える父に気づかず、ビョルンは尚も言葉を続ける。

「名誉が傷つくのが嫌なのか、それでその後の出世の道が閉ざされるのが嫌なのか? それなら新しく家を興す事を許そう。それから転封――領地も鞍替えすればよい。そうだ、ディード山脈の一体などどうだ。王国一の金山主になれるぞ!?」

 狂ったように必死に笑いかけながら、ビョルンはシュテルン伯に詰め寄る。
 そこに王者として品格など微塵も感じられない。
 本来それを聞いて怒るべきヴァイス村の住民も、異質な生き物を見る様に足を引く有様だった。

「馬鹿者……違うのだ。そんな理屈で己の策が成ると慢心していたのか」

 奇妙な沈黙が場を支配する中、やっとの思いで動き出したのはビョルンの父である王だった。

「領主と土地の関係は頭と体。他の者と替えの利くものなどでは無い。彼は『シュテルン伯』でなければ、貴族としても人としても成り立たない。人の上に立つとはそういう事なのだ」

 最早表情を見せる事も無く叱りつけて来る父親の姿に、ビョルンはたじろいだ。

 ビョルンには自分が間違いを起こしたという自覚がまるでない。
 ただ愛しい人の為に、『正しい事』をしようとしただけ。
 その結果として、なぜ自分がこのように失望されているのかが全く理解出来ていない。

「お、同じことでしょう。見栄の為に意地を張って死んでしまえば全てが終わりなんですよ? 死んでしまえば彼の『シュテルン伯』としての人生も終わる! そうなればすべてが無意味だ! ボクの手を取って、このクスリを飲まなければ!」
「殿下、ですからそこからして違うのです」

 そこでそれまで後ろで事の成り行きを見守っていたエレノアが、ビョルンの言葉を遮るように口を開いた。
 彼女のビョルンを見る目は心底痛々し気な眼差しだった。

「私もつい先ほどようやく理解した事ではありますが、違うのです。叔父様にとっては私の事も、自分の事すらも些事であり、ただ『シュテルン伯爵領』の事だけが大事なのです」

 今度はビョルンがシュテルン伯へバケモノを見る目を向ける番だった。

「そしてそれは何よりも優先されています。……殿下、これまで私とアナタは対立する事もありましたが、根底の部分で守るべきものは共通していました」
「何を馬鹿な! ボクとお前が同じだと!?」
「王国の未来、それだけは必ず残すものとして動いていたでしょう?」
「……む?」

 そう言われて、ビョルンは首を捻った。
 エレノアの言葉は当たり前すぎるものだったからだ。
 王国の為、ではなく王国の未来。
 そんなものを残すなど、常識であり思考の前提条件である。

「……待て、それはつまり」
「お家の事は何よりも優先されます。昨今の事情を踏まえ、このような事が度々起きるようではお役目を返上する事も止む無しかと」

 シュテルン伯は二人の会話に割り込み、特大級の火種を投げ込んだ。
 誰もがそれを聞くなり、どよめきながら息を飲む。

 つまり国家からの離脱。
 大逆の汚名を受けるぐらいなら、堂々理由を添えた上で独立する道を選ぶとシュテルン伯は宣言した。

「そんな事が許されるか! 魔神が復活した今そんな事をされれば――!」

 王国は崩壊する。
 国土には魔物が溢れ、諸侯は相互に連携してその対処に当たっているのだ。
 この状況に不満を持つ者は少なくない。

 それがシュテルン伯のような、一地方を収める『大貴族』と呼ばれる者たち。
 そのような力ある者は、強者の義務として兵と物資の供出に関し、特に強い負担を強いられている。

 そこからさっさと王国という枠組みから抜け出し、義務を放棄する者が顕れたら。

「私どもとしては自領の事だけに注力したいのです。ウチは兵も食料も鉄も、自力で揃えられるだけの自力がある。今ならば離脱するに十分な名目も立ちますのでね。諸侯も表立って止める事もないでしょう」

 丁度良く訪れた船だった。
 シュテルン伯は恥じる事なく、至極あっさりとそう言ってのけた。

「何を言っている! 魔神を討伐する一手前まで来ているのだぞ! 今こそ王国が力を合わせて国難に立ち向かう時だと言うのに!」
「倒せるという保証はどこにあるのです? それに魔神を倒した所で、地に溢れた魔物の行方は? 元々魔神が顕れる前から、魔物は好き勝手に村々を襲う存在だったではありませんか。奴らが主を失った所で、我々は王国の安寧の為にと数十年の間重い荷を背負わせられるのでは?」

 シュテルン伯は机の上の腕を組み替え、王の顔を見た。

「沈む大船の穴を塞いで回るぐらいなら、自前の小舟に移らせて頂きます」
「貴公の理屈は分かった。しかしどうあれ汚名は免れぬぞ」
「ですからこうして事前に申し上げています。裏切りの汚名などより遥かにマシだ。先に信義に唾を吐いたのはそちらなのですから」
「これは裏切りでは無いと? だからと言ってそんな言い分を許す我々では――」

 メンツの為にも、どんな犠牲を払ってでもシュテルン伯を止める。
 そう脅しを掛けようとした王は、直前でそれが不可能だという事に気が付いたようだった。

「そうか、その為にそ奴らに砦を落とさせたか」

 拠点となる場所が無ければ、兵の動きは格別に悪くなる。
 物資の集積に、命令の伝達。
 司令所たるのが、砦の第一の役目だ。

 魔物が溢れ、重要な拠点が落とされた今、シュテルン伯にまで手を割く余裕は王国には無かった。

「……仕方ないの」
「父上ッ!」

 ビョルンは噛みつくが、王は疲れた目で息を吐くだけだった。

があったのは残念だが、何時の日か誤解が解ける事を祈っておるよ」
「後の事は我が子息にお申し付けください」
「全ては貴様一人の責として引退。十数年、事が収まった後に和解。落としどころはこんな所かの」

 なおも横で喚き散らすビョルンに、王はやっと顔を向けて口を開く。

「貴様も良い加減学べ。己の見えるものだけを見て、全てを分かったような口を利いているからバカを見るのだ」

 そして視線を目の前のシュテルン伯とヴァイス村の住民へと移す。

「人それぞれ『大事』と思うものは違う。その為なら他の全てを投げ出す者もいる。ここまでの者はそうはいないがな。まったく、狂人共めが……」

 王のその言葉に、狂人たちは不思議そうに首を傾げる。
 ――何を当たり前の事を言っているのだろう、と。



 それから更に会合を進め、参加者たちはエレノアに関して名誉と身柄の安全を保障する書面を交わした。
 そうして一息つこうかと席を立った時、ビョルンは父に詰め寄って言った。

「父上、父上! 本当によろしいのですか? あんな事を許して!」
「……痛手には違いないが、まだやりようはあるだろう」
「やりよう?」
「コチラには聖女様がおられる」

 聖女とは信仰の依り代にもなる存在。
 いわば正しさの証明でもある。

 それが近くにあるうちは、王家も最低限の誇りを保障されるというもの。

「こんなもの結局は大衆がどう見るか、だ。重要なのはそこだけだ」
「……確かにカリンがいれば、民草は味方に付くでしょうが」
「『正しさ』を後ろに背負えば、シュテルン伯とも後々有利な形で交渉が出来るやもしれぬ。魔神に関しても、精霊の力を借りれば」

 盤面ごとひっくり返す事が出来るかもしれない。
 王はそのように目論んで、再びビョルンを見た。

「……今この場に聖女様を御呼びする事は出来ぬか?」
「そ、それは」
「出来ぬのか? シュテルン伯に今の内に釘を指しておきたい。威を借りるだけで良いのだ」

 ビョルンはその提案に逡巡した。
 手を汚すのは自分だけで、愛する人をこんな事に関わらせたくはない、というのが本音だ。
 しかし父の言う通り、こうなってはいずれ『聖女』の力も借りねばならない時が来るのもまた事実。

 そうしてビョルンが悩んでいると、俄かに部屋の外が騒がしくなってきたことに気が付く。

「ビョルン、ビョルン! ここに居るの!?」

 そとで衛兵ともめている声は、ビョルンの良く知る愛しい少女の声だった。
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