22 / 27
19
しおりを挟む
「寡兵の叛徒相手に何を戸惑っている!」
せわしなく石畳を踏み鳴らしながら、ビョルンは檄を飛ばす。
大臣の報告によると、ヴァイス村の村人たちが現在王都へ向けて驚異的な速度で進軍中だという。
進路上にある砦や関の類はことごとく破壊され、後に残るは地に横たわる兵の姿ばかり。
「幸いな事に民に被害は出ていないようですが……」
「何が幸いなものかっ! たかが50そこらの平民だぞ!?」
「それがどうにも『鑑定士』の物見によると、ほぼ全員のレベルが40を越えているようでして」
「そんな馬鹿な話があるか!」
叫び声のような怒声を上げた後、ビョルンはふと気が付く。
自身がヴァイス村を訪れた時の事を。
あの時供に付けた騎士たちが、怯えたような不審な顔で報告してきたのである。
後方で様子を伺っていた村民を含め、ヴァイス村にいる多くの者が高水準の戦闘能力を持つようだと。
その時は馬鹿げた与太話だとビョルンは大して気にも留めていなかったが、それが事実ならこの惨状も頷ける。
そしてその場合、これは己の失敗である事にも同時に気が付いた。
レベル40ともなれば、一般的に人種の戦力としては最高到達点。
兵の一団を率いる長として相応しい猛者である。
それが50も集まって一斉に反旗を翻すなど、悪夢以外の何者でも無い。
「い、いや! 仮に高レベルだとしても、奴らが寡兵である事に変わりは無いだろう! 戦の基本は数の筈だ!」
ビョルンは足を止め、傍らに立つ大臣の肩を掴む。
まるで幼子に言い聞かせるような姿勢。
しかし実際の所、ビョルンが納得させたいのは自分自身に違いなかった。
「殿下、それは兵法の上での話でございます」
大臣は死体を谷底に放り捨てるが如く、無慈悲に首を横に振った。
「だから何だ! これは戦だろう。それとも王国の培ってきた軍学は机上の空論だとでも言いたいのか!」
「いいえ、殿下。これが真っ当な戦なら、殿下のおっしゃる通り数で対処出来る問題です。高レベル帯の駒が幾ら集まろうと、その後の統治がままなりませんので」
都市を落とした後、本体が合流するまでの一時的な占領政策。
反乱市民(レジスタンス)の抑え込みに、失地回復を目指す敵残党への対処。
戦であればそのような問題にも取り組まなければならない。
そうまで指摘した後に、大臣は更に言葉を付け加えた。
「ですがこれは反乱です。その上叛徒の目的は王都。彼らにとって落とした拠点はただの障害に過ぎず、取る物も取らず、全てを捨て置いてただひたすらに進軍しているのです」
これが真っ当な戦で、相手が落とした拠点に籠っているのならまだやり様はある。
相手が強者であろうと、人一人に出来る事には限界がある。
単純に包囲して干し上げるも良し、飽和攻撃を仕掛けて疲弊させるも良し。
だが今回はそのような手段は全く意味を為さないのである。
「……お前の言う通りだとしても、それでは奴らとしても後がないではないか」
「ですから平民の反乱とは基本的に死兵なのです」
「ふざけるなッ! 狂人共めが!」
最悪の場合は後先の事も考えず、自分たち諸共国を滅ぼして終わり。
そんな最悪の結末が、ビョルンの脳内で描かれていく。
果たしてその時、後の歴史書に暗愚として記されるのは誰の名か。
そして一連の騒動の種として、自分の横に記される名は。
「ボクとカリンの未来を穢させたりはしないっ」
爪が割れるのも構わず、ビョルンは近くの壁に指先を突き立てた。
すべて上手く行くはずだった。
仮に何か下手を打っても、50そこらの小村ごと悪を葬れば済む話だった。
それがなぜこんな目に遭ってしまうのか。
そうしてビョルンの駆け巡る思考の内に、不意に浮かび上がったのはエレノアの顔。
「そうだ、あの女。あれを使おう!」
「あれ、とは? ……まさかエレノア様の事ですか!?」
「叛徒の目的はエレノアだ。奴らを止める楯ぐらいにはなるだろう」
「お辞めください! 人質など王者の所業ではありません!」
「ええい、離せ! ボクはカリンの為に出来る事をするんだ!」
地下牢へ引き返そうとするビョルンに、それを止めようとする大臣。
ぐるぐるとこねくり回された肉団子のようになりながら、二人は王城の廊下で醜態を晒す。
「何をやってるのだ貴様らは……」
その珍妙な見世物は、たっぷりと城内の者に見られた後になってから、威厳ある声によって阻まれる事となった。
この城の主である、ビョルンの父王である。
「ち、父上!」
「また大変な事を仕出かしてくれたな、貴様は!」
「も、申し訳ありません! しかし叛徒共が此処にたどり着く前に事を片付けて見せましょう!」
「もう遅いわ! ……叛徒共は既に王都周辺に居座っておる」
「何ですって!?」
その声を上げたのはビョルンか、大臣か。
どちらにせよ、驚くべき報せに違いは無かった。
「幾ら何でも早すぎます!」
「実際に来ているのだから仕方なかろうが!」
一直線に砦を二つ三つ落としながら進軍している。
その事前の報告だけでも脅威だと言うのに、そこに加えてこの速さ。
王都までの距離を考えれば、理屈が通らない話だった。
「だがそう悪い話ばかりではないぞ」
王はビョルンの口が開くのを遮り、口角を釣り上げた。
「シュテルン伯爵がいち早く王都に応援へと駆け付けてくれた。今は外で叛徒共とにらみ合いをしておる」
「おおっ! シュテルン伯がッ! 彼こそが真の忠義者です!」
「どうやらお前からの報せがあったとの話だが?」
「……ええ、こんな事もあろうかと彼にはエレノアの事を相談していたのです。きっとこの反乱も、魔神と組んだエレノアの企みの一つに違いありません!」
ビョルンはさらりと嘘を混ぜながら、王に勝ち誇ったような顔を見せる。
「まぁこうなればどの道、責任はエレノア嬢に負って貰う他無いがの。後方の備えとしてシュテルン伯を用いた事、これだけは誉めてやろう」
そして親子は似たような顔を交わしながら、ともに歩き出した。
向かう先は会談に使う王城の一角。
そこで多くの兵と共に駆け付けたシュテルン伯を迎えねばならない。
「シュテルン伯よ。誠に大義である」
部屋に入るなり、王はシュテルン伯を褒め称えた。
救援に駆け付けた諸侯は、現状このシュテルン伯のみである。
「礼を言われるような事はしておりませんが」
しかしシュテルン伯は固い表情で王親子を迎える。
人相が悪いのいつもの事ではあるが、ビョルンは同時に妙な違和感に気が付いた。
見渡してみれば、部屋の中に見覚えの無い顔が幾つも並んでいた。
格好も戦装束ではあるが、どこかみすぼらしく王宮の騎士とも思えない。
「なんだ……?」
そうしてぐるりと視線を巡らせ、一番の異変を見つける。
そこにはよく見知った少女の姿があった。
ビョルンが地下牢へ押しやったはずの、エレノアの姿である。
せわしなく石畳を踏み鳴らしながら、ビョルンは檄を飛ばす。
大臣の報告によると、ヴァイス村の村人たちが現在王都へ向けて驚異的な速度で進軍中だという。
進路上にある砦や関の類はことごとく破壊され、後に残るは地に横たわる兵の姿ばかり。
「幸いな事に民に被害は出ていないようですが……」
「何が幸いなものかっ! たかが50そこらの平民だぞ!?」
「それがどうにも『鑑定士』の物見によると、ほぼ全員のレベルが40を越えているようでして」
「そんな馬鹿な話があるか!」
叫び声のような怒声を上げた後、ビョルンはふと気が付く。
自身がヴァイス村を訪れた時の事を。
あの時供に付けた騎士たちが、怯えたような不審な顔で報告してきたのである。
後方で様子を伺っていた村民を含め、ヴァイス村にいる多くの者が高水準の戦闘能力を持つようだと。
その時は馬鹿げた与太話だとビョルンは大して気にも留めていなかったが、それが事実ならこの惨状も頷ける。
そしてその場合、これは己の失敗である事にも同時に気が付いた。
レベル40ともなれば、一般的に人種の戦力としては最高到達点。
兵の一団を率いる長として相応しい猛者である。
それが50も集まって一斉に反旗を翻すなど、悪夢以外の何者でも無い。
「い、いや! 仮に高レベルだとしても、奴らが寡兵である事に変わりは無いだろう! 戦の基本は数の筈だ!」
ビョルンは足を止め、傍らに立つ大臣の肩を掴む。
まるで幼子に言い聞かせるような姿勢。
しかし実際の所、ビョルンが納得させたいのは自分自身に違いなかった。
「殿下、それは兵法の上での話でございます」
大臣は死体を谷底に放り捨てるが如く、無慈悲に首を横に振った。
「だから何だ! これは戦だろう。それとも王国の培ってきた軍学は机上の空論だとでも言いたいのか!」
「いいえ、殿下。これが真っ当な戦なら、殿下のおっしゃる通り数で対処出来る問題です。高レベル帯の駒が幾ら集まろうと、その後の統治がままなりませんので」
都市を落とした後、本体が合流するまでの一時的な占領政策。
反乱市民(レジスタンス)の抑え込みに、失地回復を目指す敵残党への対処。
戦であればそのような問題にも取り組まなければならない。
そうまで指摘した後に、大臣は更に言葉を付け加えた。
「ですがこれは反乱です。その上叛徒の目的は王都。彼らにとって落とした拠点はただの障害に過ぎず、取る物も取らず、全てを捨て置いてただひたすらに進軍しているのです」
これが真っ当な戦で、相手が落とした拠点に籠っているのならまだやり様はある。
相手が強者であろうと、人一人に出来る事には限界がある。
単純に包囲して干し上げるも良し、飽和攻撃を仕掛けて疲弊させるも良し。
だが今回はそのような手段は全く意味を為さないのである。
「……お前の言う通りだとしても、それでは奴らとしても後がないではないか」
「ですから平民の反乱とは基本的に死兵なのです」
「ふざけるなッ! 狂人共めが!」
最悪の場合は後先の事も考えず、自分たち諸共国を滅ぼして終わり。
そんな最悪の結末が、ビョルンの脳内で描かれていく。
果たしてその時、後の歴史書に暗愚として記されるのは誰の名か。
そして一連の騒動の種として、自分の横に記される名は。
「ボクとカリンの未来を穢させたりはしないっ」
爪が割れるのも構わず、ビョルンは近くの壁に指先を突き立てた。
すべて上手く行くはずだった。
仮に何か下手を打っても、50そこらの小村ごと悪を葬れば済む話だった。
それがなぜこんな目に遭ってしまうのか。
そうしてビョルンの駆け巡る思考の内に、不意に浮かび上がったのはエレノアの顔。
「そうだ、あの女。あれを使おう!」
「あれ、とは? ……まさかエレノア様の事ですか!?」
「叛徒の目的はエレノアだ。奴らを止める楯ぐらいにはなるだろう」
「お辞めください! 人質など王者の所業ではありません!」
「ええい、離せ! ボクはカリンの為に出来る事をするんだ!」
地下牢へ引き返そうとするビョルンに、それを止めようとする大臣。
ぐるぐるとこねくり回された肉団子のようになりながら、二人は王城の廊下で醜態を晒す。
「何をやってるのだ貴様らは……」
その珍妙な見世物は、たっぷりと城内の者に見られた後になってから、威厳ある声によって阻まれる事となった。
この城の主である、ビョルンの父王である。
「ち、父上!」
「また大変な事を仕出かしてくれたな、貴様は!」
「も、申し訳ありません! しかし叛徒共が此処にたどり着く前に事を片付けて見せましょう!」
「もう遅いわ! ……叛徒共は既に王都周辺に居座っておる」
「何ですって!?」
その声を上げたのはビョルンか、大臣か。
どちらにせよ、驚くべき報せに違いは無かった。
「幾ら何でも早すぎます!」
「実際に来ているのだから仕方なかろうが!」
一直線に砦を二つ三つ落としながら進軍している。
その事前の報告だけでも脅威だと言うのに、そこに加えてこの速さ。
王都までの距離を考えれば、理屈が通らない話だった。
「だがそう悪い話ばかりではないぞ」
王はビョルンの口が開くのを遮り、口角を釣り上げた。
「シュテルン伯爵がいち早く王都に応援へと駆け付けてくれた。今は外で叛徒共とにらみ合いをしておる」
「おおっ! シュテルン伯がッ! 彼こそが真の忠義者です!」
「どうやらお前からの報せがあったとの話だが?」
「……ええ、こんな事もあろうかと彼にはエレノアの事を相談していたのです。きっとこの反乱も、魔神と組んだエレノアの企みの一つに違いありません!」
ビョルンはさらりと嘘を混ぜながら、王に勝ち誇ったような顔を見せる。
「まぁこうなればどの道、責任はエレノア嬢に負って貰う他無いがの。後方の備えとしてシュテルン伯を用いた事、これだけは誉めてやろう」
そして親子は似たような顔を交わしながら、ともに歩き出した。
向かう先は会談に使う王城の一角。
そこで多くの兵と共に駆け付けたシュテルン伯を迎えねばならない。
「シュテルン伯よ。誠に大義である」
部屋に入るなり、王はシュテルン伯を褒め称えた。
救援に駆け付けた諸侯は、現状このシュテルン伯のみである。
「礼を言われるような事はしておりませんが」
しかしシュテルン伯は固い表情で王親子を迎える。
人相が悪いのいつもの事ではあるが、ビョルンは同時に妙な違和感に気が付いた。
見渡してみれば、部屋の中に見覚えの無い顔が幾つも並んでいた。
格好も戦装束ではあるが、どこかみすぼらしく王宮の騎士とも思えない。
「なんだ……?」
そうしてぐるりと視線を巡らせ、一番の異変を見つける。
そこにはよく見知った少女の姿があった。
ビョルンが地下牢へ押しやったはずの、エレノアの姿である。
53
お気に入りに追加
7,995
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
築地シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】本当の悪役令嬢とは
仲村 嘉高
恋愛
転生者である『ヒロイン』は知らなかった。
甘やかされて育った第二王子は気付かなかった。
『ヒロイン』である男爵令嬢のとりまきで、第二王子の側近でもある騎士団長子息も、魔法師協会会長の孫も、大商会の跡取りも、伯爵令息も
公爵家の本気というものを。
※HOT最高1位!ありがとうございます!
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
前世は婚約者に浮気された挙げ句、殺された子爵令嬢です。ところでお父様、私の顔に見覚えはございませんか?
柚木崎 史乃
ファンタジー
子爵令嬢マージョリー・フローレスは、婚約者である公爵令息ギュスターヴ・クロフォードに婚約破棄を告げられた。
理由は、彼がマージョリーよりも愛する相手を見つけたからだという。
「ならば、仕方がない」と諦めて身を引こうとした矢先。マージョリーは突然、何者かの手によって階段から突き落とされ死んでしまう。
だが、マージョリーは今際の際に見てしまった。
ニヤリとほくそ笑むギュスターヴが、自分に『真実』を告げてその場から立ち去るところを。
マージョリーは、心に誓った。「必ず、生まれ変わってこの無念を晴らしてやる」と。
そして、気づけばマージョリーはクロフォード公爵家の長女アメリアとして転生していたのだった。
「今世は復讐のためだけに生きよう」と決心していたアメリアだったが、ひょんなことから居場所を見つけてしまう。
──もう二度と、自分に幸せなんて訪れないと思っていたのに。
その一方で、アメリアは成長するにつれて自分の顔が段々と前世の自分に近づいてきていることに気づかされる。
けれど、それには思いも寄らない理由があって……?
信頼していた相手に裏切られ殺された令嬢は今世で人の温かさや愛情を知り、過去と決別するために奔走する──。
※本作品は商業化され、小説配信アプリ「Read2N」にて連載配信されております。そのため、配信されているものとは内容が異なるのでご了承下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる