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リオはアシュレイを無視して、ロンに手を伸ばしデックの手に手を重ねる。
「俺が…ロンの傷を治す。デック、手をどけろ」
「…いい。リオは自分の傷を治せよ」
「だっておまえは今、魔法を使えないだろっ」
「うん…だけどいいんだ」
「なんでっ」
「ロンは…もう、死んでるから」
「え…?」
リオの思考が止まる。
なに?なんて言った?死んだって?死んだってどういう意味だっけ?…あ、そうか。もう動いたり話したりできないってことだ…。
「ロン…」と囁くデックの声に、リオは我に返った。急いでロンの胸に耳を当ててみる。鼓動が聞こえない。顔を上げると、ロンの目は閉じられていて、眠っているようだった。
「そんな…」
「ロンはさ…アシュレイの守護獣なんだ。世界に稀に現れる神獣とも言う。でも、魔法を使う一族を介さないと、神獣は主のために力を発揮できない。神獣が現れ、主を見つけることなんて、砂漠の中で一粒の宝石を見つけるくらいの奇跡なのに、その神獣を主が殺した。絶対に許されないことだよ…」
「しんじゅう…アンが言ってたのって…」
「そう。アンも神獣だよ。そして狼領主の守護獣だ。アンが選んだ魔法を使う者がリオだ。狼領主はいい主なんだな。リオを見ていたらわかるよ」
「うん…俺はギデオンが好きなんだ」
「狼領主もリオのこと、好きだと言ってくれた?」
「うん」
「そう…よかったな。リオは幸せになれよ。狼領主とリオとアンが治める領地の民は、幸せだな」
「デック…?」
「俺はさ、アシュレイが好きだったんだ。命を助けてもらったし、たくさん親切にもしてもらった。アシュレイの目的の手伝いをして、少しでも役に立ちたいと思っていた。でもさ、とんでもない悪人だったな。俺の見る目も、ロンの見る目も無かったんだ。だからこうなったことは、俺達自身のせいだ…。リオはさ、俺やロンやアシュレイのことは忘れて、狼領主の所へ戻れ」
様々なことを話され、リオの頭の中が混乱している。うまく処理できない。
アンもロンも神獣だって?ギデオンやアシュレイの守護獣?それを使うには、俺やデックが必要?それと気づいてはいたけど、デックはアシュレイが好きなんだな。その好きな人に、こんなひどい仕打ちをされて…デックが可哀想だろ。
「もう話は終わったかな?ではリオ、屋敷の方へ行こうか。これからのことを話そう」
アシュレイが微笑みながら、リオに向かって右手を差し出した。
「俺が…ロンの傷を治す。デック、手をどけろ」
「…いい。リオは自分の傷を治せよ」
「だっておまえは今、魔法を使えないだろっ」
「うん…だけどいいんだ」
「なんでっ」
「ロンは…もう、死んでるから」
「え…?」
リオの思考が止まる。
なに?なんて言った?死んだって?死んだってどういう意味だっけ?…あ、そうか。もう動いたり話したりできないってことだ…。
「ロン…」と囁くデックの声に、リオは我に返った。急いでロンの胸に耳を当ててみる。鼓動が聞こえない。顔を上げると、ロンの目は閉じられていて、眠っているようだった。
「そんな…」
「ロンはさ…アシュレイの守護獣なんだ。世界に稀に現れる神獣とも言う。でも、魔法を使う一族を介さないと、神獣は主のために力を発揮できない。神獣が現れ、主を見つけることなんて、砂漠の中で一粒の宝石を見つけるくらいの奇跡なのに、その神獣を主が殺した。絶対に許されないことだよ…」
「しんじゅう…アンが言ってたのって…」
「そう。アンも神獣だよ。そして狼領主の守護獣だ。アンが選んだ魔法を使う者がリオだ。狼領主はいい主なんだな。リオを見ていたらわかるよ」
「うん…俺はギデオンが好きなんだ」
「狼領主もリオのこと、好きだと言ってくれた?」
「うん」
「そう…よかったな。リオは幸せになれよ。狼領主とリオとアンが治める領地の民は、幸せだな」
「デック…?」
「俺はさ、アシュレイが好きだったんだ。命を助けてもらったし、たくさん親切にもしてもらった。アシュレイの目的の手伝いをして、少しでも役に立ちたいと思っていた。でもさ、とんでもない悪人だったな。俺の見る目も、ロンの見る目も無かったんだ。だからこうなったことは、俺達自身のせいだ…。リオはさ、俺やロンやアシュレイのことは忘れて、狼領主の所へ戻れ」
様々なことを話され、リオの頭の中が混乱している。うまく処理できない。
アンもロンも神獣だって?ギデオンやアシュレイの守護獣?それを使うには、俺やデックが必要?それと気づいてはいたけど、デックはアシュレイが好きなんだな。その好きな人に、こんなひどい仕打ちをされて…デックが可哀想だろ。
「もう話は終わったかな?ではリオ、屋敷の方へ行こうか。これからのことを話そう」
アシュレイが微笑みながら、リオに向かって右手を差し出した。
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