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歓迎の宴は、とても楽しかった。
いつもよりも豪華な料理を食べて、珍しいディエス国の踊りを見た。
顔見知りの臣下の子供達にも久しぶりに会えて、宴の部屋を抜け出して遊んだ。
途中でリリーも誘ってあげればよかったなと思って部屋に引き返すと、リリーの姿が無かった。
リリーの近くにいたミケに聞くと、「眠そうだったので部屋に連れていきました」と言う。
「そう。じゃあまた明日遊ぼうって言っといて」
「かしこまりました。カエン様、リリーと仲良くしてくださり、ありがとうございます」
「うん。…でも今日、リリーに怒っちゃったんだ。ごめんなさい。リリーから聞いてない?」
「いえ、何も。そうですか。あの子は、少しズケズケと物を言いすぎる所がある。たぶん、カエン様を怒らせることを言ったのでしょう。申し訳ありません」
「うん。そうだけど、その後、俺が怒ってリリーの腕を強く掴んじゃったんだ。それでリリーが『痛い!』って泣いちゃって。あっ、腕は赤くなったけど、すぐに泉の水で治したよっ。でも、痛い思いをさせてごめんなさい」
「カエン様は、いい男ですね。ちゃんと非を認めて謝ることが出来る。アルファム王やカナデ様が、しっかり育ててらっしゃるからですね。俺は、リリーを甘やかせ過ぎました。もっと人を思いやれる優しい子に導かねば…」
「リリーもいい子だよ!リリーもすぐに謝ってくれたもん!」
「ふっ、そうですか?ありがとうございます。カエン様、あなたも眠いのではないですか。目が閉じそうになってますよ。リオ」
ミケに呼ばれて、近くにいたリオが走って来た。
「よお、ミケ。どうした?」
「カエン様が眠そうだ。早く部屋に連れて行ってさしあげろ」
「え?あ、本当だ。今日はいっぱい動きましたからね。カエン様、歩けますか?背負いますか?」
「歩けない…眠い…」
「はいはい。じゃあ背中に乗ってください。ミケ、また後で」
「ああ。おやすみなさい、カエン様」
「…ん、おやすみ…」
ミケが、リオに背負われた俺の頭を、そっと撫でた。
ミケは、とても真面目でいい人みたいだ。じゃあリリーの我儘は、サッシャ王に似たんだな。
半分閉じかけた目でサッシャ王がいる方を見ると、サッシャ王と母さまが、楽しそうに笑っている。
カナは、この国だけじゃなく、他の国にも友達がいるじゃないか。水の国の王とも仲が良いし。だから、寂しくなんかないよね。
俺はぶつぶつと呟いて、リオの肩によだれを垂らしながら目を閉じた。
いつもよりも豪華な料理を食べて、珍しいディエス国の踊りを見た。
顔見知りの臣下の子供達にも久しぶりに会えて、宴の部屋を抜け出して遊んだ。
途中でリリーも誘ってあげればよかったなと思って部屋に引き返すと、リリーの姿が無かった。
リリーの近くにいたミケに聞くと、「眠そうだったので部屋に連れていきました」と言う。
「そう。じゃあまた明日遊ぼうって言っといて」
「かしこまりました。カエン様、リリーと仲良くしてくださり、ありがとうございます」
「うん。…でも今日、リリーに怒っちゃったんだ。ごめんなさい。リリーから聞いてない?」
「いえ、何も。そうですか。あの子は、少しズケズケと物を言いすぎる所がある。たぶん、カエン様を怒らせることを言ったのでしょう。申し訳ありません」
「うん。そうだけど、その後、俺が怒ってリリーの腕を強く掴んじゃったんだ。それでリリーが『痛い!』って泣いちゃって。あっ、腕は赤くなったけど、すぐに泉の水で治したよっ。でも、痛い思いをさせてごめんなさい」
「カエン様は、いい男ですね。ちゃんと非を認めて謝ることが出来る。アルファム王やカナデ様が、しっかり育ててらっしゃるからですね。俺は、リリーを甘やかせ過ぎました。もっと人を思いやれる優しい子に導かねば…」
「リリーもいい子だよ!リリーもすぐに謝ってくれたもん!」
「ふっ、そうですか?ありがとうございます。カエン様、あなたも眠いのではないですか。目が閉じそうになってますよ。リオ」
ミケに呼ばれて、近くにいたリオが走って来た。
「よお、ミケ。どうした?」
「カエン様が眠そうだ。早く部屋に連れて行ってさしあげろ」
「え?あ、本当だ。今日はいっぱい動きましたからね。カエン様、歩けますか?背負いますか?」
「歩けない…眠い…」
「はいはい。じゃあ背中に乗ってください。ミケ、また後で」
「ああ。おやすみなさい、カエン様」
「…ん、おやすみ…」
ミケが、リオに背負われた俺の頭を、そっと撫でた。
ミケは、とても真面目でいい人みたいだ。じゃあリリーの我儘は、サッシャ王に似たんだな。
半分閉じかけた目でサッシャ王がいる方を見ると、サッシャ王と母さまが、楽しそうに笑っている。
カナは、この国だけじゃなく、他の国にも友達がいるじゃないか。水の国の王とも仲が良いし。だから、寂しくなんかないよね。
俺はぶつぶつと呟いて、リオの肩によだれを垂らしながら目を閉じた。
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