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番外編 11
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その日の夜に、アイリスとレニは、迎えに来たジョンと共に王都を去った。
俺は、アルファムと食事をして風呂に入り、今はベッドヘッドにもたれて座るアルファムの膝の上に乗せられている。
アイリスが出て行ってから、ずっとアルファムが俺に優しくて甘々で困惑している。
たぶん、子供のことで傷ついた俺を慰めてくれているのと、もう一つは。
「アルって、いろんな女の人と遊んでたんだね」
「……昔のことだ」
アルファムと同じ方向を向いて座っていた俺は、顔を上に向けてアルファムをじっと見つめた。
アルファムは、少し目を泳がせながら、俺の額にキスをする。
「それに、ずいぶんと素っ気なかったみたいだね。一応そういう関係にあったんだから、優しくしないとだめじゃないかなあ」
「好きでもない女に優しくは出来ん。俺が優しくしたいと思うのは、おまえだけだ」
「アル…」
アルファムのことを冷たいと思うけど、俺にだけ優しくしたいと言われて、とても嬉しい。
「あ、ところでルートはどうしたの?」
「ルート?誰だ?」
「アルが戻って来た時に、俺が一緒にいた男の人だよ」
「ああ、あいつか。おまえが店の支払いをしてもらったと言ったから、後で城に金を取りに来いと言っておいたぞ。もう来たのか、まだ来てないのかは知らん」
アルファムの声が、少し怒っている気がする。
「アル、怒ってる?」
「少し。俺がいない時に他の男と二人でいるとは」
「ごめんね?でも、俺が声かけたわけじゃないから。ルートが勝手について来たんだよ?」
「なに?あいつ、もしやカナに興味を…」
「ち、違うからっ。俺が泣き出したから、元気づけてくれただけだから…っ」
アルファムに向き直って必死で言い訳をする。
本当はナンパされたなんて言ったら、ルートは処刑されてしまうかもしれない。
俺は、話を逸らそうと、首を伸ばしてアルファムの唇にキスをする。
「どうした?」
「もし…アルの子供がいたとしたら受け入れなきゃと思ってたけど…、やっぱり嫌だなとも思ってたから。レニが違って安心した。俺、男だけど、アルの子供は俺との間の子がいいなって、思う…から」
「……」
急に黙り込んでしまったアルファムに、首を傾ける。
「アル?どうしたの?俺、変なこと言ってる?ごめん…」
「…違う。カナは、俺との子供が欲しいのか?」
「うん…。アルと一緒にいられればそれだけで幸せだけど、今回のことで、欲しいな…なんて欲が出ちゃった。無理なのにね」
「もし、もしもだが、男でも子供が産めると言ったら……どうする?」
「男でも?産む!アルとの子供なら産みたい!」
「女が腹に子供を宿すよりも数倍苦しくて、女が出産するよりも数倍痛いとしても?」
「うん!」
「出産の時に死ぬ確率も高いぞ」
「大丈夫!俺は死なない!」
「そうか…。今のは例え話だ。忘れてくれ」
アルファムが俺を強く抱きしめて、ボソリと言った。
俺は、アルファムと食事をして風呂に入り、今はベッドヘッドにもたれて座るアルファムの膝の上に乗せられている。
アイリスが出て行ってから、ずっとアルファムが俺に優しくて甘々で困惑している。
たぶん、子供のことで傷ついた俺を慰めてくれているのと、もう一つは。
「アルって、いろんな女の人と遊んでたんだね」
「……昔のことだ」
アルファムと同じ方向を向いて座っていた俺は、顔を上に向けてアルファムをじっと見つめた。
アルファムは、少し目を泳がせながら、俺の額にキスをする。
「それに、ずいぶんと素っ気なかったみたいだね。一応そういう関係にあったんだから、優しくしないとだめじゃないかなあ」
「好きでもない女に優しくは出来ん。俺が優しくしたいと思うのは、おまえだけだ」
「アル…」
アルファムのことを冷たいと思うけど、俺にだけ優しくしたいと言われて、とても嬉しい。
「あ、ところでルートはどうしたの?」
「ルート?誰だ?」
「アルが戻って来た時に、俺が一緒にいた男の人だよ」
「ああ、あいつか。おまえが店の支払いをしてもらったと言ったから、後で城に金を取りに来いと言っておいたぞ。もう来たのか、まだ来てないのかは知らん」
アルファムの声が、少し怒っている気がする。
「アル、怒ってる?」
「少し。俺がいない時に他の男と二人でいるとは」
「ごめんね?でも、俺が声かけたわけじゃないから。ルートが勝手について来たんだよ?」
「なに?あいつ、もしやカナに興味を…」
「ち、違うからっ。俺が泣き出したから、元気づけてくれただけだから…っ」
アルファムに向き直って必死で言い訳をする。
本当はナンパされたなんて言ったら、ルートは処刑されてしまうかもしれない。
俺は、話を逸らそうと、首を伸ばしてアルファムの唇にキスをする。
「どうした?」
「もし…アルの子供がいたとしたら受け入れなきゃと思ってたけど…、やっぱり嫌だなとも思ってたから。レニが違って安心した。俺、男だけど、アルの子供は俺との間の子がいいなって、思う…から」
「……」
急に黙り込んでしまったアルファムに、首を傾ける。
「アル?どうしたの?俺、変なこと言ってる?ごめん…」
「…違う。カナは、俺との子供が欲しいのか?」
「うん…。アルと一緒にいられればそれだけで幸せだけど、今回のことで、欲しいな…なんて欲が出ちゃった。無理なのにね」
「もし、もしもだが、男でも子供が産めると言ったら……どうする?」
「男でも?産む!アルとの子供なら産みたい!」
「女が腹に子供を宿すよりも数倍苦しくて、女が出産するよりも数倍痛いとしても?」
「うん!」
「出産の時に死ぬ確率も高いぞ」
「大丈夫!俺は死なない!」
「そうか…。今のは例え話だ。忘れてくれ」
アルファムが俺を強く抱きしめて、ボソリと言った。
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