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謎の男 8
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「リオ!カナを守れっ」
「はっ!」
アルファムが、俺の身体を自分から離してリオに託す。
リオが、俺の腕を引いて後ろに下がり、逆にアルファムは前に出た。
「アル!」
「カナ、おまえはそこで見てろ。頼むから無茶はしないでくれよ」
「アルだってっ…」
そう言ってる間にも、また黒い雷が飛んでくる。
アルファムが、炎の玉を投げつけて黒い雷を消し去ると、大きく飛んで、剣を抜きながら飛びかかった。力強く振り下ろされた剣は、男の肩を裂いたように見えた。だけど剣を振り抜いた先に男の姿は無く、気がつくと俺とリオの目の前にいた。
スっと男が腕を振る。その瞬間、キィンと刃の擦れる音がする。
リオが俺の前に出て、男の剣を剣で受け止めていた。
「ちっ!リオっ!押し返せっ!カナに近づけるな!」
「はっ!」
アルファムの命令を受けて、リオが剣ごと男を押す。しかし男の身体はビクともしなくて、押し返されたリオの身体が後ろに飛ばされた。
リオの剣を弾くと同時に、男が左手を俺に向ける。その指の先から、黒い雷が俺の胸へと伸びる。
俺の胸に触れる直前に、横から炎の玉が飛んできて黒い雷を消し去った。
「カナ!離れろっ!」
アルファムの叫ぶ声に、俺は後ろへと飛び退く。
「うおりゃあ!」
大きな声に顔を上げると、飛び上がったサッシャが、剣を振りかざして男の上に降りてきた。
サッシャが、剣を振り下ろして男の背中を切ったように見えた。でも実際は、剣を躱した男の黒いマントが裂けただけで、横に飛び退いていた男は、無表情のままグルリと顔を巡らせた。
「ち…、うるさいヤツらめ。俺の邪魔ばかりする。おまえらに用はない。俺は、そこの黒い髪の奴を始末したいのだ」
何の感情も読み取れない表情と口調で、男がポツリと呟く。
アルファムが俺の傍に来て、俺を背中に隠すように男と向かい合う。
リオも、サッシャもミケも、俺を囲って立ち、炎の国からアルファムについてきた兵達も、俺の周りで身構えた。
「おまえが何者かは知らんが、カナに少しも触れさせはしない」
「そうだ!名乗りもしないでいきなり襲ってくるなんて、卑怯だぞ!そんな奴の好きにはさせないからな!」
アルファムとサッシャが、それぞれの身体に、赤い炎と黄色い光をまとわせて、剣を構える。
俺は、アルファムの背中に隠れながら、隣に来たリオに聞いた。
「リオ、あの黒い雷みたいな魔法を使うのって…どこの国の人?」
「わからない。俺も、あんな魔法は見たことがない」
「えっ!そうなの?」
険しい顔で呟くリオの横顔を、俺は不安な気持ちで見つめた。
「はっ!」
アルファムが、俺の身体を自分から離してリオに託す。
リオが、俺の腕を引いて後ろに下がり、逆にアルファムは前に出た。
「アル!」
「カナ、おまえはそこで見てろ。頼むから無茶はしないでくれよ」
「アルだってっ…」
そう言ってる間にも、また黒い雷が飛んでくる。
アルファムが、炎の玉を投げつけて黒い雷を消し去ると、大きく飛んで、剣を抜きながら飛びかかった。力強く振り下ろされた剣は、男の肩を裂いたように見えた。だけど剣を振り抜いた先に男の姿は無く、気がつくと俺とリオの目の前にいた。
スっと男が腕を振る。その瞬間、キィンと刃の擦れる音がする。
リオが俺の前に出て、男の剣を剣で受け止めていた。
「ちっ!リオっ!押し返せっ!カナに近づけるな!」
「はっ!」
アルファムの命令を受けて、リオが剣ごと男を押す。しかし男の身体はビクともしなくて、押し返されたリオの身体が後ろに飛ばされた。
リオの剣を弾くと同時に、男が左手を俺に向ける。その指の先から、黒い雷が俺の胸へと伸びる。
俺の胸に触れる直前に、横から炎の玉が飛んできて黒い雷を消し去った。
「カナ!離れろっ!」
アルファムの叫ぶ声に、俺は後ろへと飛び退く。
「うおりゃあ!」
大きな声に顔を上げると、飛び上がったサッシャが、剣を振りかざして男の上に降りてきた。
サッシャが、剣を振り下ろして男の背中を切ったように見えた。でも実際は、剣を躱した男の黒いマントが裂けただけで、横に飛び退いていた男は、無表情のままグルリと顔を巡らせた。
「ち…、うるさいヤツらめ。俺の邪魔ばかりする。おまえらに用はない。俺は、そこの黒い髪の奴を始末したいのだ」
何の感情も読み取れない表情と口調で、男がポツリと呟く。
アルファムが俺の傍に来て、俺を背中に隠すように男と向かい合う。
リオも、サッシャもミケも、俺を囲って立ち、炎の国からアルファムについてきた兵達も、俺の周りで身構えた。
「おまえが何者かは知らんが、カナに少しも触れさせはしない」
「そうだ!名乗りもしないでいきなり襲ってくるなんて、卑怯だぞ!そんな奴の好きにはさせないからな!」
アルファムとサッシャが、それぞれの身体に、赤い炎と黄色い光をまとわせて、剣を構える。
俺は、アルファムの背中に隠れながら、隣に来たリオに聞いた。
「リオ、あの黒い雷みたいな魔法を使うのって…どこの国の人?」
「わからない。俺も、あんな魔法は見たことがない」
「えっ!そうなの?」
険しい顔で呟くリオの横顔を、俺は不安な気持ちで見つめた。
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