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映画はそこそこ面白かった。期待してなかったけど、最後まで集中して観れた。
俺と柊木は、トイレに寄ってから映画館を出た。外の眩しい日差しに思わず顔を背けると、横から「日差しが強いねぇ」と柊木が言った。
「ハンパなく眩しい。目が痛てぇ」
「俺、いい物持ってるよ。はいこれ」
柊木がカバンから何かを取り出した。俺の手に握らされた物を見て「なにこれ」と顔を上げる。
「え?サングラス。これ良くない?」
「なにが」
「デザインが。このブランド好きなんだよね」
「ふーん、柊木がかければいいじゃん」
「今はいいよ。昊が眩しそうだからどうぞ」
「え…かっこ悪くね?」
「全然!カッコいいと思うから、どうぞ」
俺は手の上のサングラスを見た。
確かにこんな形のサングラスをかけてる人をよく見る。流行ってるのか?でもさ、こういうの、海とかでかけるんじゃなくて?街中でもいいのか?まあ、かけてる人をよく見るからいいのか。
俺は素直にかけてみた。そして少しだけテンションが上がる。これ、いいかも。眩しさが軽減されてすごくいい。かけ心地も悪くない。問題は、俺に似合ってるかどうかだ。すれ違う人々が柊木じゃなく俺を見ている。ということは、やっぱり変なんじゃねぇの?
俺はすぐにサングラスを取って、柊木に返す。
柊木が、俺と手に持つサングラスを交互に見て驚いている。
「え?かけないの?」
「いい。柊木がかけろよ。おまえの方が似合ってそうだし」
「そうかなぁ。でも昊にそう言ってもらえるの、嬉しいよ」
そう言って、柊木がサングラスをかけた。
ほら、やっぱりそうだ。柊木の方が似合ってんじゃん。モデル見たいじゃん。KーPOPアイドルみたいじゃん。なんて口に出しては言ってやらないけど。
しばらく並んで歩いていると、柊木の腹が鳴った。
「腹減ったのか」
「うん、ごめん。昊、どこかの店に入ろうよ」
「いいけど…店に入る時、そのサングラスはずせよな」
「もちろん」
少し歩くとカフェが見えてきた。確かもう少し先にも新しいカフェができていたはず。一度入ってみたいと思ってたけど、オープンしたばかりで混んでるよな。だから手前の店でいいか。
俺は店を指さして柊木を見上げる。
「なあ、あそこでいい?」
「ん?ああ、あそこに見えてるオシャレな店?いいよ」
「じゃあ決まり。行こうか」
店に着くと、柊木が扉を開けて俺を先に通してくれる。そして店員に「奥の席へどうぞ」と言われ、柊木を先頭に歩く。しかし柊木が途中で足を止めたので、不思議に思って俺も柊木の隣で足を止めた。そして夏樹と青を見つけた。
俺と柊木は、トイレに寄ってから映画館を出た。外の眩しい日差しに思わず顔を背けると、横から「日差しが強いねぇ」と柊木が言った。
「ハンパなく眩しい。目が痛てぇ」
「俺、いい物持ってるよ。はいこれ」
柊木がカバンから何かを取り出した。俺の手に握らされた物を見て「なにこれ」と顔を上げる。
「え?サングラス。これ良くない?」
「なにが」
「デザインが。このブランド好きなんだよね」
「ふーん、柊木がかければいいじゃん」
「今はいいよ。昊が眩しそうだからどうぞ」
「え…かっこ悪くね?」
「全然!カッコいいと思うから、どうぞ」
俺は手の上のサングラスを見た。
確かにこんな形のサングラスをかけてる人をよく見る。流行ってるのか?でもさ、こういうの、海とかでかけるんじゃなくて?街中でもいいのか?まあ、かけてる人をよく見るからいいのか。
俺は素直にかけてみた。そして少しだけテンションが上がる。これ、いいかも。眩しさが軽減されてすごくいい。かけ心地も悪くない。問題は、俺に似合ってるかどうかだ。すれ違う人々が柊木じゃなく俺を見ている。ということは、やっぱり変なんじゃねぇの?
俺はすぐにサングラスを取って、柊木に返す。
柊木が、俺と手に持つサングラスを交互に見て驚いている。
「え?かけないの?」
「いい。柊木がかけろよ。おまえの方が似合ってそうだし」
「そうかなぁ。でも昊にそう言ってもらえるの、嬉しいよ」
そう言って、柊木がサングラスをかけた。
ほら、やっぱりそうだ。柊木の方が似合ってんじゃん。モデル見たいじゃん。KーPOPアイドルみたいじゃん。なんて口に出しては言ってやらないけど。
しばらく並んで歩いていると、柊木の腹が鳴った。
「腹減ったのか」
「うん、ごめん。昊、どこかの店に入ろうよ」
「いいけど…店に入る時、そのサングラスはずせよな」
「もちろん」
少し歩くとカフェが見えてきた。確かもう少し先にも新しいカフェができていたはず。一度入ってみたいと思ってたけど、オープンしたばかりで混んでるよな。だから手前の店でいいか。
俺は店を指さして柊木を見上げる。
「なあ、あそこでいい?」
「ん?ああ、あそこに見えてるオシャレな店?いいよ」
「じゃあ決まり。行こうか」
店に着くと、柊木が扉を開けて俺を先に通してくれる。そして店員に「奥の席へどうぞ」と言われ、柊木を先頭に歩く。しかし柊木が途中で足を止めたので、不思議に思って俺も柊木の隣で足を止めた。そして夏樹と青を見つけた。
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