天狗の花嫁

明樹

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甘えて甘やかされて

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清忠が嵐のように玄関から出て行くのを、唖然として眺めた。「凛」と名前を呼ばれて銀ちゃんを見上げる。そして二人顔を見合わせて、くすりと笑った。


「あいつは騒がしい奴だな…」
「銀ちゃん、清を怒らないでくれてありがと…」


俺の言葉を聞いて、銀ちゃんが片方の眉毛をぴくりと上げる。


「俺はそんな鬼ではないぞ」
「だって、銀ちゃんは俺以外の人には厳しいよ?」
「当たり前だ。おまえは特別だからな」


そう言って、俺の髪に口付ける。俺は嬉しくなって、銀ちゃんの腰にぎゅっと抱き付いた。そして、優しく髪を撫でる銀ちゃんを見上げてねだった。


「ね…銀ちゃん、ちゅうしたい…」


目を細めた銀ちゃんが、すぐに俺の顎をすくい、しっとりと唇を合わせてくる。何度か角度を変えて食んでから、誘うように伸ばした俺の舌を吸い上げた。ぴちゃぴちゃと舌を絡め合わせ、口内を激しく蹂躙する。俺は身体が痺れて崩れそうになり、そんな俺を銀ちゃんが力強く支えてくれた。


「ふぅ…んぅ、はぁ…っ、ちゅうだけじゃなくて…もっと、して…」


銀ちゃんは、俺の額にちゅっとキスを落とすと、俺の頭を胸に抱き寄せた。


「はぁ…、またおまえは俺を煽る…。いいのか?まだ本調子じゃないだろ?また寝込む事になるぞ」
「いい…。銀ちゃんでいっぱいになりたい…。怖い思いしたから、いっぱい甘えさせて…」
「わかった。存分に甘やかしてやる。ふっ、俺の嫁はエロ可愛くて困ったものだな…」


俺の耳元で囁くと、ひょいと俺を抱き上げて、銀ちゃんの部屋に入って行った。


今日も俺が寝て過ごせるようにと敷いてあった布団に、俺を寝かせる。
ちゅっちゅと啄ばみながら、「辛くなったらすぐに言えよ…」と言って微笑んだ。


銀ちゃんが、俺のトレーナーとスウェット、下着を脱がせ、自分の着ていたシャツとズボンも脱ぐ。下着も取り去り、素肌をぴたりと合わせて抱き合った。


「あ…っ、あ…ぅ」
「はあ…っ。こうしてるだけで、充分満たされるな…」


しばらくそうして抱き合っていたけど、俺はその先をして欲しくて、もぞもぞと足を動かした。


「んぅ…銀ちゃん…、これもいいけど、もっと触って」
「ふ…ほんと俺の嫁はエロい。どこを触って欲しい?」
「え…っ、あの…む、胸…っ」
「ああ、いやらしく尖ったこれか?」


そう言うなり、ぱくりと俺の乳首を口に含む。じゅっと吸い上げ舌で転がし、もう片方を指先でこねくり回す。両方の乳首を同じように弄り終わった頃には、俺の性器は硬く反り返り、先端からはたらりと蜜を溢れさせていた。


 銀ちゃんが、じゅっと俺の胸の印を強く吸った。


「あっ、あ…んっ、はあっ」


俺はびくんと背中をしならせ、顎を仰け反らせる。
ゆっくりと俺の肌に舌を這わせながら、銀ちゃんの顔が下がっていき、俺の性器を口に含んだ。


「や…ぁ、それ…だ、めぇ…っ。で…ちゃう」


銀ちゃんが二三回頭を上下しただけで、俺は銀ちゃんの口の中に精液を吐き出した。
荒い息を吐いてぼんやりと天井を見ていると、ごくりと嚥下する音が聞こえて、慌てて銀ちゃんを見る。口の端を親指で拭う銀ちゃんと目が合って、かあっと顔が熱くなった。


「え…の、んじゃったの?」
「ん…、おまえの蜜は甘い…」
「……っ」


俺が恥ずかしさで固まっていると、銀ちゃんが俺の太ももから足首へと順番に唇を付ける。
俺の足首をそっと撫でて、「痛みはどうだ?」と聞いてきた。
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