銀の王子は金の王子の隣で輝く

明樹

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 僕はゆっくりと顔を上げる。
 リアムが僕の上に覆いかぶさり、噛みつくようにキスをする。唇を、舌を強く吸われ、僕は絡まった二人分の唾液をコクンと飲み込んだ。
 キスの合間にシャツのボタンが外され、胸があらわになる。

「あ…やっ」

 僕は左胸の痣のことを思い出して、慌てて両腕で隠した。

「フィー、きれいだ」
「そんなこと…っ」

 リアムが片手で僕の手首を掴んで頭の上で固定する。そして顔を伏せて僕の胸をペロリと舐めた。

「あっ…!」
「かわいいな」

 そんなところ、舐められてもくすぐったいだけだ。そう思うのに、リアムに触られ舐められると変な気持ちになる。
 僕は目を固く閉じて身体を震わせる。でも衣擦れの音に、すぐに目を開けた。
 僕の胸の尖りを舐めながら、リアムが器用にシャツを脱いでいる。一旦上半身を起こすと、僕の服を全て脱がせて、リアム自身も裸になった。
 リアムの裸を初めて見たわけじゃないけど、均衡のとれた美しい身体にドキドキする。
 思わず伸ばした手を掴まれ、指先にキスをされた。とても愛おしそうなその行動に、胸が締めつけられて涙が出た。

「どうした?やはり嫌なのか?」
「違うっ…、幸せだなって…思って…」
「そんなこと。これからもっと、二人で幸せになるんだろ?」
「うん…」

 リアムの顔が近づき、キスをする。くちゅくちゅと舌を絡め合わせていると、いきなり後ろの穴を触られて驚いた。

「ふっ…あっ」
「ピクピクしてる…かわいいな」
「やさしく…してね…」
「もちろんだ」

 リアムの頭が下がり僕の左胸の尖りを口に含んだ。そして舌で転がしながら指を後ろの穴に入れる。
 痣のせいなのか元からそうなのか、右よりも左の胸の方が敏感に感じる気がする。僕はもっと触って欲しいとリアムの頭を抱き寄せる。

「あ…、んっ」

 存分に舐めて吸って噛んで満足したのか、リアムがようやく顔を上げて自分の唇を舐めた。

「ああ、本当に綺麗だな」
「うそだ…」
「嘘じゃない。見てみろよ。黒い蔦の中に赤い花が咲いてるみたいだぞ」

 リアムに左胸の尖りを指で弾かれて、僕はピクリと揺れながら顔を持ち上げる。
 黒くおぞましい痣の中で、赤く腫れた尖りが本当に花のように見える。でも淫らにも見えて恥ずかしい。

「う…あまり見ないで」
「無理だ。それよりもどうだ?痛いか?」
「も…大丈夫」

 リアムの三本の長い指が、後ろの穴を広げるように動いている。でも丁寧に動かしてくれるためか痛くない。
 三本の指がゆっくりと抜かれ、代わりに固く大きなモノが押しつけられた。

「…いいか?」
「うん…きて」

 リアムが僕の腰を掴むと、ゆっくりと腰を押し進める。

「んっ…」
「フィー、好きだ」

 リアムのモノが奥へと入るにつれて、圧迫感がすごい。入口も切れたのか、少し痛む。
 だけどリアムと繋がれた喜びの方が大きくて、全てが入った瞬間、僕はまた涙を流した。
 涙を見たリアムが、慌てて僕を抱きしめる。

「痛いかっ?やはりやめ…」
「だめっ…。これは嬉しい涙だから…やめないで」
「フィー…」

 リアムが愛おしそうに目を細めて、顔中にキスをする。そして僕の唇を塞ぎながら、軽く腰を揺らした。

「あっ…」
「おまえの中…すごいな」

 僕は震える腕をリアムの背中に回して、美しい紫の瞳を見つめた。
 リアムが微笑んで僕の頬を優しく撫でる。
 僕も目を細めて笑った。

「リアム大好き。愛してる」
「俺もだ。愛している」
「うんっ」

 しっとりと唇を合わせて、リアムが律動を始めた。
 圧迫感に腹が苦しくて、穴の入口にひきつれるような痛みがあるけど、中を擦られると気持ちがいい。
 僕は初めての行為に夢中で、必死にリアムにしがみついていた。
 リアムに僕のモノを握られてイった後に、リアムが腰を引こうとした。だから僕は慌ててリアムの腰に足を絡ませて、強く抱きついた。
 リアムが焦ったように「ばかめっ」と言いながら、僕の中に熱い飛沫を吐き出す。しばらく僕を抱きしめながら「悪い」と謝っていたけど、僕は嬉しかった。リアムの物だという印を付けてもらったみたいで、すごく嬉しかった。
 
 
 
 
 

 
 

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