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スピンオフ/4thPARTS for3
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2時間経過、依然犯人の様子に変化はない。
「人質は大丈夫ですかね...」
「今のところやつが持っている凶器は銃だけだ。それに銃声も子供の悲鳴も聞こえてねぇ。一応大丈夫なはずだ...」
「説得...意味あるんですかね...」
舟守さんがまだ説得を試みている。
「ないだろうな...」
それは現場にいる誰もが分かっていた。
「最悪突入...ですよね...」
「そうだな...」
それが人質にとっても私たちにとっても危険なことであるのは明白だ。
どうやら遺書が役に立ちそうで。
「いい加減に突入を打診してくる」
「分かりました」
「もし突入することになっても無茶はするなよ。お前さんにだって生きていて欲しいと願ってくれる人はいるんだ」
「...はい。ありがとうございます」
先輩と共に、対策を話し合う仮説本部に向かった。
「いい加減説得なんて真似やめませんか」
先輩が切り出す。
「...リスクが伴う。失敗は警察の威信を損ないかねん」
「そんなこと言って、失敗するのが怖いんじゃないですか!」
先輩が強気になっている。
「突入を行うべきです」
そう言って、上司を睨みつけている。
本気だ。
「じゃあお前が成功失敗・死者の全責任を負うんだな」
「負います」
即答だ。
「ならやってみろ」
「はい」
先輩は直ぐに作戦の説明を始めた。
どうやらとっくに考えがあったらしい。
私とは別の時間軸を生きていそうな手際の良さだ。
「交渉人として吉田を向かわせます。女ということで油断するのを狙います。そして俺が後ろから隠れて侵入します。子供を保護したら、あとは突入の合図を出すので取り押さえてください」
いいよな吉田、との確認に、
「はい」
と答える。
「じゃあ、犯人に交渉人を向かわせる旨を伝えてくれ」
「了解」
舟守さんが拡声器をとる。
「聞いてるか犯人、このままでは埒が明かない。こちらから事務の婦警を1人送る。そいつと会話して要望について交渉してくれ」
窓から顔を出す犯人がこくこくと頷く。
先輩が私に目をやり、頷く。
私は銀行の入口の前に立ち、深呼吸をする。
「いいか、危なくなったらすぐ逃げるんだ。向こうも人質が死んだら直ぐに捕まるのは目に見えてるんだ。子供は殺さない」
先輩が背中を押すあ
「分かりました。あの...お願いがあるんです」
「なんだ?」
「これ、終わったらご飯行きましょう」
「ああ、そう言えば行ってなかったな。いいぞ。飲みくらいいつでも付き合ってやる」
「ありがとうございます」
私は覚悟を決めた。
「行ってきます」
私は死にに行くような気で銀行の扉を開けた。
犯人の銃はこちらを向いている。
「そこに両手を上げて膝をつけ」
言われたとおり、膝立ちになり腕を曲げて両中指を点に向ける。
「武器を捨てろ」
銃と警棒を投げ捨てる。
「脱げ」
「っ!?そんなこと!」
「交渉人なんだろ。ガキがどうなってもいいのか!」
「うっ...」
その時、向こうにこちらを見る先輩を見つけた。
こちらに目を合わせ、頷く。
「突入!!!」
先輩は叫ぶと同時に人質を確保し、覆い被さる。
「くっ...クソッ!」
犯人は銃を先輩に向ける。
「やめろっ!」
私の声も虚しく、先輩の胸部背面に五発。
警官から奪ったものらしく、一発目は威嚇用の空砲なのでリボルバーの六発一気に打ったという訳だ。
先輩の背中に血が滲んでドロドロだ。
「先輩!」
思わず駆け寄る。
「その男が悪いんだ...お前も死ね...」
男がナイフを取り出す。
私は下半身を跳び上げ、右足でナイフを蹴飛ばし、顎に左足。
人間は顎に強打を受けると気絶する。
犯人は崩れ落ちた。
「先輩!...先輩...?」
先輩を自分に向け、肩を揺さぶる。
反応はない。
「...飲み行こうって言ってくれたのに...」
「よ...しだ...」
「先輩!」
「今までありがとな...俺はお前の上司で楽だったよ...」
「無理に喋らないで...死なないで先輩!」
「息子の名前...悠生って言うんだ...」
「静かに...安静に...」
「悠生の事...お前に任せ...た...」
先輩の瞼が閉まる。
もう二度と、開くことは無いのだろう。
「先輩のバカ...うぅ...」
先輩の胸に顔を埋め、子供のようになきじゃくる私を、突入してきた部隊の人らが囲んでいる。
「吉田、やめろ」
後ろから声が聞こえる。
「死んでる」
「分かってますよ!...そんなことくらい...」
整理がつかない。
頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。
「うーん...」
その時、後ろで犯人が目を覚ましたのが分かった。
「ああ、死んだんだ、その男」
「ああ?」
だめだ。
そんなことをしてはだめだ。
「おめぇのせいだろうが!おめぇのせいで人が!1人!死んだんだ!」
胸ぐらを掴んで怒鳴る。
「やめろ」
後ろの方から声が聞こえる。
でも暴走する私の耳には届かない。
「人様に迷惑かけておいて反省どころか人名軽視たぁいい度胸じゃねぇか...教えてやろうか、命の重みってやつをよ...」
「おい吉田!」
私の右足が、犯人の腹にめり込み、なにかプチっと音がしてそのまま後ろに吹っ飛んだ。
「殺してやるよ!おい、銃がなきゃ出来ねぇんだろ。教えてやるよ...人の壊し方ってやつをよ!」
やめろ。
それは、ソレは警察のやることじゃない。
後ろからぐいっと、襟首を掴まれた。
後ろを向くと、そこにいたのは能力者対策課の雲仙という男だった。
「やめろ」
面と向かってハッキリ言われ、冷静になった。
「ああ...あああ...」
私はその場にへたりこんだ。
「ごめんなさい...ごめんなさい...」
「お前は悪くない。ただ、警察のやることじゃない」
「...」
しばらく、その場の全員が黙ったまま動かなかった。
後から聞くには、犯人は内臓破裂と全身骨折で全治数ヶ月との事だった。
私は上からたっぷりお叱りを受け、本来なら懲戒免職の所を停職・異動で済まされることとなった。
サツ殺しというのは警察内部では絶対悪なのだ。
そんなこともあって、私は許されはしないものの一応情状酌量の余地があるとされたわけだ。
「死んでいなくて良かった...」
先輩の居ないデスクで、そう呟いてみるものの、胸の内には「死ねばよかったのに」という想いがふつふつと湧きたっている。
明日から、このデスクにも着かない。
先輩の面影ももう見ることは無いんだ。
そんなことを考えて、ふと一封の封筒が目に入る。
「遺書」と書かれたその封筒の中身を、良くないと思いつつ見る。
中身を読まずには居られない。
遺書にはこう書かれていた。
「これが読まれていると言うことは、俺の身に何かがあったのだと思う。職務の中で真っ当に死ねたなら、俺の人生は幸せだったと家族に伝えて欲しい。それから、現在妻が妊娠中で入院している。息子の悠生の面倒は後輩の吉田真美に頼みたい」
「先輩...」
先輩の息子を預かる。
「そんな...だって私は目の前で先輩を...」
でも、先輩の頼みだから。
最後の指示は全うしよう。
「預かります...穂高悠生君...」
ここまでで、三馬鹿との出会いとなる。
「人質は大丈夫ですかね...」
「今のところやつが持っている凶器は銃だけだ。それに銃声も子供の悲鳴も聞こえてねぇ。一応大丈夫なはずだ...」
「説得...意味あるんですかね...」
舟守さんがまだ説得を試みている。
「ないだろうな...」
それは現場にいる誰もが分かっていた。
「最悪突入...ですよね...」
「そうだな...」
それが人質にとっても私たちにとっても危険なことであるのは明白だ。
どうやら遺書が役に立ちそうで。
「いい加減に突入を打診してくる」
「分かりました」
「もし突入することになっても無茶はするなよ。お前さんにだって生きていて欲しいと願ってくれる人はいるんだ」
「...はい。ありがとうございます」
先輩と共に、対策を話し合う仮説本部に向かった。
「いい加減説得なんて真似やめませんか」
先輩が切り出す。
「...リスクが伴う。失敗は警察の威信を損ないかねん」
「そんなこと言って、失敗するのが怖いんじゃないですか!」
先輩が強気になっている。
「突入を行うべきです」
そう言って、上司を睨みつけている。
本気だ。
「じゃあお前が成功失敗・死者の全責任を負うんだな」
「負います」
即答だ。
「ならやってみろ」
「はい」
先輩は直ぐに作戦の説明を始めた。
どうやらとっくに考えがあったらしい。
私とは別の時間軸を生きていそうな手際の良さだ。
「交渉人として吉田を向かわせます。女ということで油断するのを狙います。そして俺が後ろから隠れて侵入します。子供を保護したら、あとは突入の合図を出すので取り押さえてください」
いいよな吉田、との確認に、
「はい」
と答える。
「じゃあ、犯人に交渉人を向かわせる旨を伝えてくれ」
「了解」
舟守さんが拡声器をとる。
「聞いてるか犯人、このままでは埒が明かない。こちらから事務の婦警を1人送る。そいつと会話して要望について交渉してくれ」
窓から顔を出す犯人がこくこくと頷く。
先輩が私に目をやり、頷く。
私は銀行の入口の前に立ち、深呼吸をする。
「いいか、危なくなったらすぐ逃げるんだ。向こうも人質が死んだら直ぐに捕まるのは目に見えてるんだ。子供は殺さない」
先輩が背中を押すあ
「分かりました。あの...お願いがあるんです」
「なんだ?」
「これ、終わったらご飯行きましょう」
「ああ、そう言えば行ってなかったな。いいぞ。飲みくらいいつでも付き合ってやる」
「ありがとうございます」
私は覚悟を決めた。
「行ってきます」
私は死にに行くような気で銀行の扉を開けた。
犯人の銃はこちらを向いている。
「そこに両手を上げて膝をつけ」
言われたとおり、膝立ちになり腕を曲げて両中指を点に向ける。
「武器を捨てろ」
銃と警棒を投げ捨てる。
「脱げ」
「っ!?そんなこと!」
「交渉人なんだろ。ガキがどうなってもいいのか!」
「うっ...」
その時、向こうにこちらを見る先輩を見つけた。
こちらに目を合わせ、頷く。
「突入!!!」
先輩は叫ぶと同時に人質を確保し、覆い被さる。
「くっ...クソッ!」
犯人は銃を先輩に向ける。
「やめろっ!」
私の声も虚しく、先輩の胸部背面に五発。
警官から奪ったものらしく、一発目は威嚇用の空砲なのでリボルバーの六発一気に打ったという訳だ。
先輩の背中に血が滲んでドロドロだ。
「先輩!」
思わず駆け寄る。
「その男が悪いんだ...お前も死ね...」
男がナイフを取り出す。
私は下半身を跳び上げ、右足でナイフを蹴飛ばし、顎に左足。
人間は顎に強打を受けると気絶する。
犯人は崩れ落ちた。
「先輩!...先輩...?」
先輩を自分に向け、肩を揺さぶる。
反応はない。
「...飲み行こうって言ってくれたのに...」
「よ...しだ...」
「先輩!」
「今までありがとな...俺はお前の上司で楽だったよ...」
「無理に喋らないで...死なないで先輩!」
「息子の名前...悠生って言うんだ...」
「静かに...安静に...」
「悠生の事...お前に任せ...た...」
先輩の瞼が閉まる。
もう二度と、開くことは無いのだろう。
「先輩のバカ...うぅ...」
先輩の胸に顔を埋め、子供のようになきじゃくる私を、突入してきた部隊の人らが囲んでいる。
「吉田、やめろ」
後ろから声が聞こえる。
「死んでる」
「分かってますよ!...そんなことくらい...」
整理がつかない。
頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。
「うーん...」
その時、後ろで犯人が目を覚ましたのが分かった。
「ああ、死んだんだ、その男」
「ああ?」
だめだ。
そんなことをしてはだめだ。
「おめぇのせいだろうが!おめぇのせいで人が!1人!死んだんだ!」
胸ぐらを掴んで怒鳴る。
「やめろ」
後ろの方から声が聞こえる。
でも暴走する私の耳には届かない。
「人様に迷惑かけておいて反省どころか人名軽視たぁいい度胸じゃねぇか...教えてやろうか、命の重みってやつをよ...」
「おい吉田!」
私の右足が、犯人の腹にめり込み、なにかプチっと音がしてそのまま後ろに吹っ飛んだ。
「殺してやるよ!おい、銃がなきゃ出来ねぇんだろ。教えてやるよ...人の壊し方ってやつをよ!」
やめろ。
それは、ソレは警察のやることじゃない。
後ろからぐいっと、襟首を掴まれた。
後ろを向くと、そこにいたのは能力者対策課の雲仙という男だった。
「やめろ」
面と向かってハッキリ言われ、冷静になった。
「ああ...あああ...」
私はその場にへたりこんだ。
「ごめんなさい...ごめんなさい...」
「お前は悪くない。ただ、警察のやることじゃない」
「...」
しばらく、その場の全員が黙ったまま動かなかった。
後から聞くには、犯人は内臓破裂と全身骨折で全治数ヶ月との事だった。
私は上からたっぷりお叱りを受け、本来なら懲戒免職の所を停職・異動で済まされることとなった。
サツ殺しというのは警察内部では絶対悪なのだ。
そんなこともあって、私は許されはしないものの一応情状酌量の余地があるとされたわけだ。
「死んでいなくて良かった...」
先輩の居ないデスクで、そう呟いてみるものの、胸の内には「死ねばよかったのに」という想いがふつふつと湧きたっている。
明日から、このデスクにも着かない。
先輩の面影ももう見ることは無いんだ。
そんなことを考えて、ふと一封の封筒が目に入る。
「遺書」と書かれたその封筒の中身を、良くないと思いつつ見る。
中身を読まずには居られない。
遺書にはこう書かれていた。
「これが読まれていると言うことは、俺の身に何かがあったのだと思う。職務の中で真っ当に死ねたなら、俺の人生は幸せだったと家族に伝えて欲しい。それから、現在妻が妊娠中で入院している。息子の悠生の面倒は後輩の吉田真美に頼みたい」
「先輩...」
先輩の息子を預かる。
「そんな...だって私は目の前で先輩を...」
でも、先輩の頼みだから。
最後の指示は全うしよう。
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ここまでで、三馬鹿との出会いとなる。
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