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3話

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「まさか風で浮かされるとは...」

現在進行形で浮いている。

まさかの空中戦闘だ。

「こればっかりは下手に動けねえな」

敵は鳥。

風属性での名前はストームホーク。

「今回はアイテムを落としかねない。俺に任せてくれ」

ストームホークが俺にヘイトを向けた。

突撃してくる。

「鳥頭が」

俺はそれらに手をかざす。

俺の手に触れたものから武器変換、俺のストレージに入っていく。

「ちょろいちょろい」

生成内訳
・髪飾りー嵐鳥のくちばし 50000G×6個
・リング-北風(非戦闘職用) 90G×1個
・嵐の槍先 40G×8個
・嵐の矢じり 15G×22個
・嵐鳥の矢羽根 10G×19個
合計300930G  現在の所持金12333930G

突風が吹き、今度は地面に降ろされた。

「次はスライムだ。覚悟しろよ」

「はい...」



「地面があるだけありがたいな」

「スライムさんはドロップが少ないですし、私が相手しますよ」

「おう、気をつけろよ」

ミヤがスライムに近づく。

「よし...」

ミヤが駆け回るが、スライム散らばるスライムのドロップアイテムがほぼない...

スライムってマジでドロップないんだな。

「やっ!」

ミヤが青スライムの攻撃を受けている。

やっぱびしょびしょになる運命か。

しかし、すぐに走りだして他のスライムも倒す。

「アディさん...濡れちゃいました~」

「え~っと、とりあえず風邪はひかないけど濡れたまんまはよくないな」

何か乾かす方法...

あっ

「風なら吹いてんじゃん」

「え?」

「周り風吹きまくってるから、それで乾かすか?寒ければちょうどストレージの中に火属性の武器あるから使いな」

「あ...ありがとうございます...」

俺はカタナ-火炎をミヤに渡した。

「えっ...SS級武器...えっ?」

「ん?どうかしたか?」

「いやこれ...結構本気で攻略やってる人が躍起になって集めるSS級の武器じゃないですか...」

「そうなの?まあ、160本ちょっとあるからいいよ」

「ひゃく...ありがとうございます」

すると、空から何かが飛んできた。

「ケツァルコアトル...」

巨鳥...翡翠色の羽に、赤・黄・青のカラフルな風切り羽、尖ったくちばしもなかなかに凶悪だ。

「ミヤは下がってろ。俺がやる」

ミヤの武器じゃ相手にならない。

ましてや今まで短剣使ってたミヤにいきなり刀や剣渡して使い切れると思えない。

やつが下りてきたところで俺が羽を落としてあとは安全に始末するしかない。

「アアアァァァァァァァ!」

ケツァルコアトルが大きく羽ばたく。

やばっ...

「風は武器にならねえ...この攻撃は想定外だったな」

「アディさん、盾を」

ミヤが俺に話しかけてきた。

「え?なんて?」

「火属性の盾ありませんか?」

「あるよ」

「貸してください!アディさん装備できませんよね」

「わかった」

俺は急ぎで炎盾-ヘパイストスをミヤに送信、するとミヤはすぐさまそれを装備し、俺の前に出て防御した。

「おお...風が防がれている...」

「火属性の盾なので持つ側への負担も少なくなります」

「頭の回転速いんだな」

「ありがとうございます。でも、風が強くなってきました。そろそろ吹き飛ばされます」

「なっ...」

「敵、近いです。盾飛びます」

ミヤの持つ盾が吹っ飛んだ。

敵はもう目と鼻の先だ。

「手が届く...ぬかったなケツァルコアトル」

俺はケツァルコアトルの足をつかんだ。

「捕まえた。リアル握力52㎏なめんなよ」

ゲーム内でリアルの身体能力は関係ありません。

まあ、ハンマーもってトンテンカンやる仕事だから握力は強いだろう。

俺はケツァルコアトルの足をつかんだまま、ケツァルコアトルの足元ギリギリ肉がついたところに手を突っ込む。

「武器生成しながら突っ込めば手も刺さるはず」

俺は手をももに突っ込んだ。

「よし...あとは羽の根元まで登ろう」

俺は巨体をよじ登り、羽の付け根まで行く。

「オルァ!」

俺は羽に風穴を開けた。

すると、ケツァルコアトルはみるみるうちに落下。

「落ちるうううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

すると、落下点にミヤが構えている。

手を広げてるが...あれは...

「うああああぁぁぁぁぁぁ!」

ポスッ、と俺はミヤに受け止められて無事着地した。

抱きとめられる形になる。

...

「ありがと」

俺は即座にその場を離れ、ケツァルコアトルへ。

あんないきなり正解のリアクションできる奴はいない。

俺はケツァルコアトルの羽の付け根を分解し、もう片方の羽も奪う。

それらもきっちり武器に生成する。

そして、例のごとく尾のほうから武器に変換していく。

すぐに頭まで到達、そこでミヤを呼ぶ。

「おーい、もう頭だけになって反撃はほぼできない。ミヤ、やるか?」

「はいっ!」

ミヤがゴーレムの時の短剣を取り出す。

「待った!そんなんでこいつの体力なくなるまでたたいたらいよいよアイテムの山になる!」

俺はゴーレムから生成した風爪-野分

そういえばカワウソ顔だからいよいよかまいたちだな。

これで3人に分身したりしたら面白いのに。(かまいたちは3匹セット)

2人だと漫才師だな。

言ったら怒るかな...

まあだまっとこ。

「さ、あとは頼んだ」

「はい」

ミヤが最初持ってた武器の攻撃力は5くらい、この風爪の攻撃力は200ちょい。

アイテム数を40分の一に抑えることができる。

多分。

「あのアディさん...」

「ん?」

「これ...5本の指にはめる爪の装備なんですけど、いつもの5倍速で攻撃できます」

「ん?」

「なので、アイテムが...」

「うわあ」

足元を見ると、ミヤの膝あたりまでアイテムで埋まっている。

しかも、まだケツァルコアトルは動いている。

何ならミヤにはヘイト向けないからマジでアイテムの噴水。

「はは...こうなると思ったよ」

俺はミヤの足元でかがみ、片っ端から武器に生成していく。

「はい、これで全部ですね」

「ああ、ちょっと待ってな。俺もこれで生成...終了だ」

生成内訳
・嵐鳳凰の扇 120000G×78個
・特級突風のドレス 60000G×523個
・上級突風のドレス 50000G×225個
・嵐鎧-特級 10000G×563個
・クナイ-烈風 9000G×431個
・嵐靴-特級 7000G×729個
・嵐兜-特級 7000G×992個
・嵐鎧-上級 5000G×1022個
・風爪-野分 2000G×880個
・ストームダガー 500G×2004個
合計81538000G  現在の所持金(未換金)93871930G

「どうです?G稼ぎのお役に立てましたか?」

「いち、じゅう、ひゃく、せん...八千万!?ああ、役にたったも何もおかげで大富豪へ1歩、いや10歩近づいたといって過言じゃない」

「それならよかったです」

9300万...割引の八割にしても大体七千五百万...今までの2500万と合わせておおよそ1億...

とうとう大台に乗ったな。

「それから、このウィンドウに出てきたアイテム、私がもらっていいんでしょうか...ダンジョンクリア報酬は贈与・販売禁止って...」

「ん?一体何が...」

そのウィンドウには、いつもの報酬金10000Gと、嵐鳳凰の尾羽根、嵐鳳凰の翼なるもの1個ずつが記載されていた。

「翼...これ明らかに装備品じゃね...?翼丸々渡されて加工できる鍛冶屋いねーよ」

「かもしれませんね...えーっと、あ、装備品です。装備してみますね」

ミヤが自身の装備ウィンドウをいじり、装備すると...

「翼...生えたな...」

「すごいです!天使みたいじゃないですか!?」

まあ、元から天使だよ。

「もしかして飛べる?」

「そんなわけないじゃないで...わわっ!?浮きました!」

ミヤは浮き上がると、旋回や急降下などして見せる。

「ミヤ、楽しそうなところ悪いんだが、深夜1時だ。そろそろ寝ないともう一人のパーティメンバーとの約束の時間に起きれなくなる」

「あっ、そうですね。私も明日仕事があるのでもう寝ようと思います」

「そっか。じゃ、お休み」

仕事...ミヤさては年上だな?

「おやすみなさい!」

マップ最西端、嵐の中で二人のプレイヤーがログアウトした。
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