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3話 達成
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「ここは君の家の周りだね」
モモさんに連れてこられたのは、こっちの世界の僕の家だった。
「あの、この世界って何ですか?」
「おや、場所の配置よりそっちが気になるの?」
「まあ、だいたい現実とどんな位置関係かは分かったので...」
「んー...いっていいのかな、これ...まあ、私だけで全部やって手遅れになったら君にも悪いし...」
「なんの話ですか?」
「ん?こっちの話。この世界ね。このセカイ。ざっくりいうとね、ここは君の心の中だよ」
「心の...中...?」
「そ。さっきのバケモノは怖かった?」
「まあ、はい」
「あれは君の葛藤の現れ。気味悪く見えるほど君の中で存在が大きいってこと」
「はあ...」
「あれを倒していくと君の心が綺麗になっていくんだ。君の中はいっぱい汚されちゃったから、私が掃除しに来たの。私だって悪いし...」
モモさんは少し下を向いてしゅんとした。
「モモさんは何者なんですか?」
「質問ばかりだね。人のことを聞いてあげるというのはいいことだけど、なんでも他人に答えを求めてちゃ損するのは君だよ?」
「あっ...すいません...」
「責める気はないんだ。ごめんね」
「あ...最後に一つだけいいですか?」
「何?私のスリーサイズとか?」
「この世界...どうやって出るんですか?」
「あー...それを言ってなかったか」
モモさんは僕の家の前に立った。
「ほら、おいで」
僕に向かって手招きする。
「ここのドア、開けて」
いわれるがままにドアを開ける。
すると、いつもの家の内装が広がっている。
「これがどうかしたんですか?」
「何か聞こえない?」
「え?」
いわれてみると、何やら聞こえてくる。
「テレビの...音?」
「この世界って君と私以外多分いないんだ。でもあの音が聞こえてくるってことは、どゆこと?」
試すように言う。
「元の世界につながってる...ってことですか?」
「そ。正確には、君が開けたドアは元の世界につながるの」
「なるほど...」
「せっかく出るんだけど、君の心をお掃除するには君にまた来てもらう必要があるの。また、来てくれる?来たいって願ったらこれるから」
「はあ...ありがとうございます」
「じゃ、今日は帰って大丈夫だよ。たまたまあれが出てきたってことは何か嫌なこと思い出しちゃったってことなんだし、つらい時には休むのが一番!」
「それなら...あの、一回閉めるんで僕の部屋まで連れてってもらえませんか?僕基本自分の部屋の中にいるんで...」
「あっ、ごめんうかつだった!じゃ閉めて連れてくね」
ということで、僕は一つ葛藤を乗り越えたらしい。
モモさんに連れてこられたのは、こっちの世界の僕の家だった。
「あの、この世界って何ですか?」
「おや、場所の配置よりそっちが気になるの?」
「まあ、だいたい現実とどんな位置関係かは分かったので...」
「んー...いっていいのかな、これ...まあ、私だけで全部やって手遅れになったら君にも悪いし...」
「なんの話ですか?」
「ん?こっちの話。この世界ね。このセカイ。ざっくりいうとね、ここは君の心の中だよ」
「心の...中...?」
「そ。さっきのバケモノは怖かった?」
「まあ、はい」
「あれは君の葛藤の現れ。気味悪く見えるほど君の中で存在が大きいってこと」
「はあ...」
「あれを倒していくと君の心が綺麗になっていくんだ。君の中はいっぱい汚されちゃったから、私が掃除しに来たの。私だって悪いし...」
モモさんは少し下を向いてしゅんとした。
「モモさんは何者なんですか?」
「質問ばかりだね。人のことを聞いてあげるというのはいいことだけど、なんでも他人に答えを求めてちゃ損するのは君だよ?」
「あっ...すいません...」
「責める気はないんだ。ごめんね」
「あ...最後に一つだけいいですか?」
「何?私のスリーサイズとか?」
「この世界...どうやって出るんですか?」
「あー...それを言ってなかったか」
モモさんは僕の家の前に立った。
「ほら、おいで」
僕に向かって手招きする。
「ここのドア、開けて」
いわれるがままにドアを開ける。
すると、いつもの家の内装が広がっている。
「これがどうかしたんですか?」
「何か聞こえない?」
「え?」
いわれてみると、何やら聞こえてくる。
「テレビの...音?」
「この世界って君と私以外多分いないんだ。でもあの音が聞こえてくるってことは、どゆこと?」
試すように言う。
「元の世界につながってる...ってことですか?」
「そ。正確には、君が開けたドアは元の世界につながるの」
「なるほど...」
「せっかく出るんだけど、君の心をお掃除するには君にまた来てもらう必要があるの。また、来てくれる?来たいって願ったらこれるから」
「はあ...ありがとうございます」
「じゃ、今日は帰って大丈夫だよ。たまたまあれが出てきたってことは何か嫌なこと思い出しちゃったってことなんだし、つらい時には休むのが一番!」
「それなら...あの、一回閉めるんで僕の部屋まで連れてってもらえませんか?僕基本自分の部屋の中にいるんで...」
「あっ、ごめんうかつだった!じゃ閉めて連れてくね」
ということで、僕は一つ葛藤を乗り越えたらしい。
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