TAIL BERSERKER

滝永ひろ

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ⅩⅩⅢ 何も変わらない世界、だけど何かが違う世界

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―――そのころペンギンは。

「あんなん赤城だけで十分だ。俺は俺のやりたいことをやらしてもらうぜ。俺の心にも鬼はすんでんだ」

ペンギンが向かうのは研究施設。

「第1号被検体が復讐だ。天使気取りの馬鹿ども。目に物見せてやらあ」

ペンギンはある研究施設の屋上に着陸した。

「ここだな。俺に引こうと超スピードを与えたことからまず後悔させる」

ペンギンは建物の周りを跳びまわった。

「こいつぁ俺には効かない。ただ、衝撃波なめんな」

建物の壁がすべて吹き飛んだ。

「はは。柱で立ってんだろうな。あとは上から押せばいい」

ペンギンは上に飛び、そこから急降下、建物ごとプレスした。食べやすいように潰されるハンバーガーのようにぺしゃんこになる。

「誰もいないか?でもいいぜ。お前らの死でやっと俺の気持ちが晴れる」

ペンギンはふと思い出した。

「赤城迎えに行かなきゃ」

また夜空に飛び上がった。



「ぬう...老体には堪えるわい」

こちらは閻。破壊神と化していた。通るあとに動くものが一切残っていない。周りも耐震なんて施していないからすべて簡単に崩れていく。

「ぬ、あれは...」

閻からきらりと光るものが見えた。次の瞬間、銃声。銃弾は閻の首元を直撃...するかと思われたが、エンは右手でそれをつまんで取った。さらに、それを素手ではじいて飛ばす。

「お返しじゃ」

断末魔は閻のもとまで届かなかった。

「む、あの飛んでいるものは...?」



赤城がジジイを殺したころ、地面が揺れ始めた。

「なんだ?揺れて...ここhあ空中都市、まさか」

赤城はすべてを察した。

「ペンギン!!」

「あいよ」

恨みを一瞬で果たし、ペンギンは戻ってきていた。

「あとの3人を迎えに行かねーと」

「わかってるぜ。もう行ってきた。この3人で間違いないな」

「ああ。仕事が早くて助かるぜ」

「じゃ、早く捕まれ。落ちるぞ。今でも少しずつ降下してる」

「おう、早くしてくれ」

ペンギンは全員掴んで飛び立った。




「帰ってきたな。帰りは衝撃波よけが気絶してたからゆっくりだったが」

「それでもマッハ3は早えよ」

「ははっ。俺には効かないからな。衝撃波」

「最初からそうしろよ...」

「そうだな。つーかまだ雑談するのは早いんじゃね?まだパンゲアには敵がいんだろ」

「そうだな。俺はリツがいる研究所に行く」

「行ってきな」

「では、気絶している二人は私が引き受けよう」

「警視総監、恩に切ります」

赤城は二人を引き渡し、そして赤城は走り出し、ペンギンは飛び立った。

「おぬしはどうする?」

閻はエンに問いかける。

「僕はシュウのそばにいます」

「そうか。私は護衛をしておこう」

「ありがとうございます」

「俺も護衛しましょうか」

警視総監に話しかけたのは、アクトだった。

「すみません寝起きで。CiSU、片方使います?」

「いや、私は素手で即興の戦闘がモットーなのでな」

「足手まといにならないようにしますよ」

「フフフ。こちらのセリフじゃよ」

二人は量産型フィフスを全て一発で黙らせる。

「シュウ。僕は君がうらやましいよ」

エンはシュウの胸に手を当てた。




「え~!赤城さん結婚ですか!?」

仕事がなくなったギャング対策本部室。レイラの声がこだまする。

「相手は誰ですか?いつそんな話してたんですか?結婚式は上げるんですか?」

「まあまあ待て待て。落ち着いたら話すからさ」

「へー、赤城さん、リツさんとより戻したんすね」

「ま、まあな」

「おめでたいじゃないですか~」

「僕は何が何だかわからないんだけど...」

エンだけが困惑している。

「行く前に、『無事に帰ってきたら結婚しよう』って」

「よく生き残りましたね...」

シュウはあきれていた。

「それにしても暇っすね」

「いいことだろ。暇を満喫しようや...尾っと電話だ。ん?何々?薬の密売か。俺らに関係あるかよ...ってギャング対策本部じゃん。ああ、引き受けますよ。おい、行くぞ」

「う~い」

「「はい」」

「行ってらっしゃい」

彼らはまた守りに行く。法律ではないルールを守りに。
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