21 / 76
3.待てば甘味の恵み有り。とはいえ、悪縁契り深しかな
6
しおりを挟む
最初の紡織師は、神様になれると奢り高ぶった一人の魔法使いだった。
見境なく人々の願いを叶え続けた魔法使いは、とうとう人の命を奪うことにすら罪悪感を持たなくなってしまった。
その結果、天罰が下りた。神の逆鱗に触れた魔法使いは、全ての魔力を失ってしまった。
ただ神様は、魔法使いにたった一つだけ慈悲を与えた。
それは人が持つ願いや祈り、そして大切な記憶をそっくりそのまま他人に移すことができる魔法。
ただし、その魔法を使えば使うだけ、魔法使いの存在は人々の記憶から消えていく。
沢山の人に崇め奉られることを望み、王すら統べる存在になりたかった魔法使いにとっては、それはそれは酷なものだった。
でも魔法使いは、それを使うことを選んだ。贖罪の為に。
そして魔法使いの名を捨てたその人は自らこう呼んだ───紡織師と。
それから気の遠くなるような年月が過ぎ、アネモネは師匠からその名を受け継ぎ、紡織師となった。
けれど師匠とアネモネには血縁関係は無い。
紡織師は、血で受け継ぐのではなく、継がせたいものと継ぎたい者の合意の上で成り立っている。
ならなぜアネモネは、誰の記憶にも留まることができない悲しい職業を自ら選んだのか……。
それはアネモネの生い立ちにあった。
***
アネモネはアディチョーク国の王都ウォータークレスで生まれた。伯爵令嬢として。
けれども幸せな時間は、あまり長く続かなかった。
アネモネの母親が病気で亡くなり、その翌年、父親は再婚することを選んだ。
再婚相手の女性は、既に子供が居る身で、その子供の半分はアネモネと同じ血が流れていた。
つまりアネモネの父親は、妻帯者であるにもかかわらず、他の女性とそういう関係を持っていたのだ。
そして継母と異母兄弟は、出会った瞬間からアネモネを邪魔な存在だと認識した。徹底的に排除することに決めた。
突然劣悪な環境に放り込まれたアネモネは、この先一生幸せになれるとは思えなかった。
可哀想にと同情の眼差しをよこす使用人はいたけれど、かと言って、義理の母に向かって物申してくれる者は誰もいなかった。
痩せ衰えることを切に願っていた継母は、アネモネに手を差し伸べる連中は皆、敵だとみなした。即刻解雇した。
使用人にも家族がいる。生活がある。我が身が可愛いのは皆、一緒。アネモネが屋敷の中で孤立するのに時間はかからなかった。
そして気付けば、使用人以下の生活を送るようになっていた。
薄桃色の壁紙と、大きな窓がお気に入りだった部屋は、物置に代わり、日替わりで袖を通すのが当たり前だったドレスは、使用人のお古の、これまたお古に変わった。
悪い夢でも見ているのかと思った。
もしこれが悪夢なのだとしたら、すぐに醒めるものだと思った。
それは幼さゆえの楽観的な考えでしかなかった。
具のない水のようなスープ。固く干からびたパン。
それすら口にすることが叶わない日々を過ごし、生まれてからずっと当たり前に仕えてくれた年配のメイドが屋敷を去った時、アネモネはようやっと現実を受け入れた。
けれど、受け入れたからと言って、何が変わるわけでもない。それどころか、更に過酷な日々が続き、アネモネは幸せだった記憶など持たなければよかったとすら思うようになっていた。
そして、食事を与えられないから、残飯を求めるのは当然で。
でも、徹底的に食料を管理され、ニンジンの切れ端さえ見つからなかった。
あと数日食べ物を口にできなかったら、死んでしまう。アネモネは、本気で命の危機を感じて、屋敷から逃げ出した。
とはいえ、10にも満たない子供が外に出たとて、簡単に食料を見つけることなどできるわけもない。何より、アネモネはあの頃から筋金入りの方向音痴だった。
今居る場所がわからない。さりとて、屋敷に戻ることもできない。
途方にくれながら、アネモネは広い広い王都をさ迷い歩いた。
─── そして、師匠と出会った。
『なんだいあんた。随分と汚ならしい格好だね』
師匠が最初にアネモネにかけた言葉はこれだった。
飢え死に間近の少女にそれはないだろうという台詞である。
でも、口調とは裏腹に、師匠はかさついた手で、アネモネの乱れた髪を手櫛で整えてくれた。
そうとう臭かったはずなのに、顔をしかめることもなく。
『あんた、迷子かい?』
アネモネは即座にうなずいた。もう、お腹が空きすぎて、声を出すことができなかった。
『なら、一緒に来るかい?』
この問いには、もっと早く頷いた。
『……わたし、おばちゃんといっしょにいきたい』
アネモネは、師匠のスカートの裾にすがり付いた。
『こらっ!あたしゃ、まだ現役だよ。お姉さんとお呼びっ』
不機嫌そうな声が降ってきたけれど、師匠はアネモネの手を握って、そのまま歩き出した。
それから師匠のことをお姉さんと呼ぶ機会に恵まれることはなかったけれど、アネモネは新しい生活を手にいれることができた。
飢えに苦しむあまり、アネモネは唯一の居場所を捨てざるを得なかった。
だから教会の神父だろうと、王様だろうと、他人を信じることなんてできないと思っていた。
そう……思っていたのだ。
でも、違った。
アネモネはあっという間に、師匠になついた。
生まれたばかりのカルガモの雛のように、師匠の後ろをくっついて歩いた。
四六時中、どこにいくにも後ろからちょこちょこ子供がへばりついてくるのだ。師匠は間違いなく鬱陶しいと思っていただろう。
でも、拒むことも嫌な顔をすることもなく、アネモネの好きなようにさせてくれた。
師匠と過ごした日々は、いつ思い出しても、ひだまりの中にいるように優しく光り輝いている。
ただ神様はとても意地悪で、アネモネがようやっと手に入れた2度目の幸せもずっとは続かなかった。師匠の死によって。
アネモネの師匠ニゲラは若い頃、やんちゃと言えば可愛いけれど、相当過酷な生活を送っていたらしい。
そのせいか、まだ老婆と呼べる年齢ではないのに、老衰で土に還った。
既に紡織師を受け継いでいたアネモネは、師を失うことはそこまで困ることではなかった。
けれど、まるで肉親のように接してくれた温かく大きな存在が消えてしまったことを理解した途端、アネモネはタンジーの涙を奪ってしまうほど、沢山泣いた。
「……結局私は、師匠にちゃんと伝えることができなかったなぁ」
アネモネは屋台の主人から、お礼にと貰った肉串を食べ終えてから呟いた。
見境なく人々の願いを叶え続けた魔法使いは、とうとう人の命を奪うことにすら罪悪感を持たなくなってしまった。
その結果、天罰が下りた。神の逆鱗に触れた魔法使いは、全ての魔力を失ってしまった。
ただ神様は、魔法使いにたった一つだけ慈悲を与えた。
それは人が持つ願いや祈り、そして大切な記憶をそっくりそのまま他人に移すことができる魔法。
ただし、その魔法を使えば使うだけ、魔法使いの存在は人々の記憶から消えていく。
沢山の人に崇め奉られることを望み、王すら統べる存在になりたかった魔法使いにとっては、それはそれは酷なものだった。
でも魔法使いは、それを使うことを選んだ。贖罪の為に。
そして魔法使いの名を捨てたその人は自らこう呼んだ───紡織師と。
それから気の遠くなるような年月が過ぎ、アネモネは師匠からその名を受け継ぎ、紡織師となった。
けれど師匠とアネモネには血縁関係は無い。
紡織師は、血で受け継ぐのではなく、継がせたいものと継ぎたい者の合意の上で成り立っている。
ならなぜアネモネは、誰の記憶にも留まることができない悲しい職業を自ら選んだのか……。
それはアネモネの生い立ちにあった。
***
アネモネはアディチョーク国の王都ウォータークレスで生まれた。伯爵令嬢として。
けれども幸せな時間は、あまり長く続かなかった。
アネモネの母親が病気で亡くなり、その翌年、父親は再婚することを選んだ。
再婚相手の女性は、既に子供が居る身で、その子供の半分はアネモネと同じ血が流れていた。
つまりアネモネの父親は、妻帯者であるにもかかわらず、他の女性とそういう関係を持っていたのだ。
そして継母と異母兄弟は、出会った瞬間からアネモネを邪魔な存在だと認識した。徹底的に排除することに決めた。
突然劣悪な環境に放り込まれたアネモネは、この先一生幸せになれるとは思えなかった。
可哀想にと同情の眼差しをよこす使用人はいたけれど、かと言って、義理の母に向かって物申してくれる者は誰もいなかった。
痩せ衰えることを切に願っていた継母は、アネモネに手を差し伸べる連中は皆、敵だとみなした。即刻解雇した。
使用人にも家族がいる。生活がある。我が身が可愛いのは皆、一緒。アネモネが屋敷の中で孤立するのに時間はかからなかった。
そして気付けば、使用人以下の生活を送るようになっていた。
薄桃色の壁紙と、大きな窓がお気に入りだった部屋は、物置に代わり、日替わりで袖を通すのが当たり前だったドレスは、使用人のお古の、これまたお古に変わった。
悪い夢でも見ているのかと思った。
もしこれが悪夢なのだとしたら、すぐに醒めるものだと思った。
それは幼さゆえの楽観的な考えでしかなかった。
具のない水のようなスープ。固く干からびたパン。
それすら口にすることが叶わない日々を過ごし、生まれてからずっと当たり前に仕えてくれた年配のメイドが屋敷を去った時、アネモネはようやっと現実を受け入れた。
けれど、受け入れたからと言って、何が変わるわけでもない。それどころか、更に過酷な日々が続き、アネモネは幸せだった記憶など持たなければよかったとすら思うようになっていた。
そして、食事を与えられないから、残飯を求めるのは当然で。
でも、徹底的に食料を管理され、ニンジンの切れ端さえ見つからなかった。
あと数日食べ物を口にできなかったら、死んでしまう。アネモネは、本気で命の危機を感じて、屋敷から逃げ出した。
とはいえ、10にも満たない子供が外に出たとて、簡単に食料を見つけることなどできるわけもない。何より、アネモネはあの頃から筋金入りの方向音痴だった。
今居る場所がわからない。さりとて、屋敷に戻ることもできない。
途方にくれながら、アネモネは広い広い王都をさ迷い歩いた。
─── そして、師匠と出会った。
『なんだいあんた。随分と汚ならしい格好だね』
師匠が最初にアネモネにかけた言葉はこれだった。
飢え死に間近の少女にそれはないだろうという台詞である。
でも、口調とは裏腹に、師匠はかさついた手で、アネモネの乱れた髪を手櫛で整えてくれた。
そうとう臭かったはずなのに、顔をしかめることもなく。
『あんた、迷子かい?』
アネモネは即座にうなずいた。もう、お腹が空きすぎて、声を出すことができなかった。
『なら、一緒に来るかい?』
この問いには、もっと早く頷いた。
『……わたし、おばちゃんといっしょにいきたい』
アネモネは、師匠のスカートの裾にすがり付いた。
『こらっ!あたしゃ、まだ現役だよ。お姉さんとお呼びっ』
不機嫌そうな声が降ってきたけれど、師匠はアネモネの手を握って、そのまま歩き出した。
それから師匠のことをお姉さんと呼ぶ機会に恵まれることはなかったけれど、アネモネは新しい生活を手にいれることができた。
飢えに苦しむあまり、アネモネは唯一の居場所を捨てざるを得なかった。
だから教会の神父だろうと、王様だろうと、他人を信じることなんてできないと思っていた。
そう……思っていたのだ。
でも、違った。
アネモネはあっという間に、師匠になついた。
生まれたばかりのカルガモの雛のように、師匠の後ろをくっついて歩いた。
四六時中、どこにいくにも後ろからちょこちょこ子供がへばりついてくるのだ。師匠は間違いなく鬱陶しいと思っていただろう。
でも、拒むことも嫌な顔をすることもなく、アネモネの好きなようにさせてくれた。
師匠と過ごした日々は、いつ思い出しても、ひだまりの中にいるように優しく光り輝いている。
ただ神様はとても意地悪で、アネモネがようやっと手に入れた2度目の幸せもずっとは続かなかった。師匠の死によって。
アネモネの師匠ニゲラは若い頃、やんちゃと言えば可愛いけれど、相当過酷な生活を送っていたらしい。
そのせいか、まだ老婆と呼べる年齢ではないのに、老衰で土に還った。
既に紡織師を受け継いでいたアネモネは、師を失うことはそこまで困ることではなかった。
けれど、まるで肉親のように接してくれた温かく大きな存在が消えてしまったことを理解した途端、アネモネはタンジーの涙を奪ってしまうほど、沢山泣いた。
「……結局私は、師匠にちゃんと伝えることができなかったなぁ」
アネモネは屋台の主人から、お礼にと貰った肉串を食べ終えてから呟いた。
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
私は記憶を2度失った?
しゃーりん
恋愛
街で娘と買い物をしていると、知らない男にいきなり頬を叩かれた。
どうやら私の婚約者だったらしいけど、私は2年間記憶を失っているためわからない。
勝手に罵って去って行った男に聞きたかったのに。「私は誰ですか?」って。
少しして、私が誰かを知る人たちが迎えに来た。伯爵令嬢だった。
伯爵家を訪れた直後に妊娠していることが判明した。え?身に覚えはないのに?
失った記憶に何度も悩まされる令嬢のお話です。
エリート騎士は、移し身の乙女を甘やかしたい
当麻月菜
恋愛
娼館に身を置くティアは、他人の傷を自分に移すことができる通称”移し身”という術を持つ少女。
そんなティアはある日、路地裏で深手を負った騎士グレンシスの命を救った。……理由は単純。とてもイケメンだったから。
そして二人は、3年後ひょんなことから再会をする。
けれど自分を救ってくれた相手とは露知らず、グレンはティアに対して横柄な態度を取ってしまい………。
これは複雑な事情を抱え諦めモードでいる少女と、順風満帆に生きてきたエリート騎士が互いの価値観を少しずつ共有し恋を育むお話です。
※◇が付いているお話は、主にグレンシスに重点を置いたものになります。
※他のサイトにも重複投稿させていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる