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一部 不本意ながら襲われていますが......何か?
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冬の空気は澄んでいて、夜空に無数の星が煌めいているのが良く見える。
宮殿の奥の一室で、一人の女性が長椅子にゆったりと腰掛け、窓の外を眺めている。月夜に照らされたその女性は、とても美しかった。
波打つだいだい色の髪は艶々に輝いており、毎日手を抜かず櫛を通しているのが一目でわかる。
髪だけではない。肌も、指先も、眉も、両手両足の爪さえも。彼女の身体の全てのパーツは完全な形をして、月が霞むほど光り輝いていた。
けれどその手入れをしているのは、専属の侍女たち。女性は自分で自身を磨くという行為を知らなかった。自ら手足を動かすのは、寝台で男と身体を重ねる時だけだと決めつけている。
だからこの女性は毎晩、沢山の侍女を使って全身を磨き上げる。少しでも気に入らないことがあれば、罵倒を浴びせ、白魚のような手で侍女の頬を叩き、長い足で許しを乞う侍女の身体を踏みつけた。
非道な行為であるが、不快な思いをさせる方が悪いと、自分はかしずかれて当然だと、凝り固まった考えから彼女は罪悪感を抱くことはなかった。
美しいこの女性は高位の貴族で、自分の両親と、外廷に勤める官職達に「貴女は皇后になるために生まれてきた」と、ずっと言われ続けてきた。
彼女自身も美しさを持ってすれば手に入らないものは何もないと信じており、これまでどんな手段も厭わずに欲しいものを手に入れてきた。
「ねえ、わたくし常々思っていたのですが、異世界から召喚されたというだけで聖王妃になれるなんて、おかしいと思わない?」
女性は窓から目を離して、部屋のある場所に向かって問いかけた。
月明かりだけの部屋は暗いが、確かにそこには人影がある。
「そうですね。僕もそう思いますよ」
男性にしては少し高めの、弦楽器のような艶のある声が部屋に響いた。
ここは城の内廷の奥。一部の衛兵を除けば、ここは男子禁制の場所であるのに、少年がいる。
少年の年齢は13、14か。しっかりした足取りで女性の元に来ると跪いた。仕草も容姿も、とても美しい。
稲刈り直前の稲穂のような柔らかそうな髪に、熟す前の果実のような青紫色の瞳。身にまとっている衣装も品があり、どこかの貴族令息に見える。
けれどこの少年は、自分の過去を語ることができない。もともと与えられたであろう名前すら覚えてはいない。やんごとなき人間が表沙汰にせず、秘密裏で処理したい案件を請け負うだけの存在だ。
幼い暗殺者に、名前など必要ない。仮に必要な場合は、雇い主が適当に名を与え、用が終われば、その名も消える。
少年は今、この女性からロタと呼ばれている。
女性はロタが従順に跪くのを見て、目を細めた。彼女は自分の容姿に磨きをかけるのが好きだったけれど、美しいものを愛でるのも好きだった。
「あの娘……カレンっていったかしら?たいした女じゃないわよね?」
「そうですね。貴方様のほうがよっぽどお美しいです」
予め用意されていたように、ロタは澱みなく女性の問いに答えた。
すぐに女性の艷やかな唇が弧を描くのを見て、ロタはほっと息を吐く。しかしその中には、倦怠感も混ざっていた。
ロタは、この女性が城の内廷に部屋を与えられた時に雇われ、かれこれ2年以上の付き合いだ。
どこの世界にも、汚れ仕事を請け負う稼業──暗殺者はいる。
暗殺者は表社会からつまみ出された訳あり者の集まりで基本的に集団で行動する。しかしロタは、どこの集団にも所属していない一匹狼だった。
そんなロタを女性が選んだ理由は、ただ一つ。見目が良かった、それだけ。
「ねぇ、ロタ。覚えていまして?夜会の時、わたくしわざわざ挨拶をして差し上げたのに、無視をされましたのよ?」
ロタがこの女性との出会いをぼんやりと思い返していたら、再び問いが降ってきた。
内心面倒くさいと思いつつ、ロタは正しい答えがどれなのかだけを考えて口を開く。
「ええ、覚えていますし、見ておりました。きっと貴方様のお美しさに怯んでしまったのでしょう」
そう答えながら、ロタは夜会の時の佳蓮の姿を思い出す。
夜会会場の外からしか見てはいなかったが、佳蓮の容姿はそこそこ可愛かったし、この女性ほど性格は悪くはないと遠目からでもわかった。
一番強烈に覚えているのは、この女性が引きつった顔で腰を落とす姿だ。久しぶりに腹を抱えて笑った。
もちろんロタは、そんなことは口に出さない。自分の生まれも、正確な年齢も、本当の名前さえ知らないが、長年の経験から雇い主の望む言葉を紡ぐことができる。
(こんな女が皇后になれるかもしれないなんて、終わってるよね。この国は)
万が一、この女性が皇后の座に収まったのなら、早々に他国に流れようとロタは決めている。どう贔屓目に見ても、この帝国の未来は明るくない。
そんなふうにロタが意地の悪いことを考えていても、女性は気づかない。悔しそうに唇を歪めて、佳蓮への憎悪を吐き出す。
「今思い出しても……気が狂いそう……!わたくし、あんな小娘に頭を下げるなんて屈辱でしかなかったわ」
「ええ。貴方様は全ての人間にかしずかれる存在ですから」
猫なで声でロタが女性に囁けば、赤い唇は満足そうに弧を描く。
今日は調子がいい。普段ならこれだけ長く会話をしたら、数回は頬を張られているはずなのに。
僅かに気が緩んでしまったロタは、次の質問で失態を犯してしまった。
「わたくし皇后になるために、血のにじむような努力をしてきましたのよ」
「はい。貴方様の並々ならぬ努力は全てこの国の母と──」
言い終えぬうちに、ロタの言葉は女性のつま先によって封じられた。なんの躊躇もなく蹴られたのだ。
無様に尻もちをついたロタが視線を感じて顔を上げれば、女性は鬼の形相で睨んでいた。
その鋭い視線は、言い直せと訴えている。満足のいく正しい答えを口にしろと。
「……アルビス皇帝陛下の寵愛を受けるためでございます」
「ええ、そうよ」
つい今しがた、自分よりはるかに幼い少年を蹴り上げたことなど忘れたかのように、女性は歯を見せて笑った。
しかしすぐに、少女のような無邪気な笑顔を一変させ、鬼女のような表情になる。
「だから、ね。わたくしの邪魔をするものは消えてもらわないと。西のはずれのお城に引っ込んでもらうだけじゃ駄目。一生わたくしの目の届かないところに行ってもらわないと……そう思うでしょ?」
「もちろんでございます」
ロタは間髪入れずに頷いた。聖皇后を暗殺するなど大罪中の大罪だというのに迷いはなかった。
(この女と離れられるなら、何でもするさ)
なにせロタは、この女性について色々知りすぎてしまっていた。
自身の立場を有利にするために他の皇后候補に嫌がらせをし続けていることとか、純潔が皇后候補の必須条件なのに、この女はそれを満たしていないとか。
それだけじゃない。実はロタは、他の皇后候補にも雇われている多重暗殺者なのだ。
このどれか一つでも知られてしまえば、間違いなく命を落とすだろう。ロタは生きることに対して楽しみを覚えることは一度としてないが、死に際は自分自身で決めたいと願っている。
だから、だから……ロタは、この女性の望む言葉を紡いだ。
「僕があなたの願いを叶えましょう」
──お任せください、シャオエさま。
少年はそう言ったあと、佳蓮に向ける憐憫の情をひっそりと隠して誠実な笑みを浮かべた。
宮殿の奥の一室で、一人の女性が長椅子にゆったりと腰掛け、窓の外を眺めている。月夜に照らされたその女性は、とても美しかった。
波打つだいだい色の髪は艶々に輝いており、毎日手を抜かず櫛を通しているのが一目でわかる。
髪だけではない。肌も、指先も、眉も、両手両足の爪さえも。彼女の身体の全てのパーツは完全な形をして、月が霞むほど光り輝いていた。
けれどその手入れをしているのは、専属の侍女たち。女性は自分で自身を磨くという行為を知らなかった。自ら手足を動かすのは、寝台で男と身体を重ねる時だけだと決めつけている。
だからこの女性は毎晩、沢山の侍女を使って全身を磨き上げる。少しでも気に入らないことがあれば、罵倒を浴びせ、白魚のような手で侍女の頬を叩き、長い足で許しを乞う侍女の身体を踏みつけた。
非道な行為であるが、不快な思いをさせる方が悪いと、自分はかしずかれて当然だと、凝り固まった考えから彼女は罪悪感を抱くことはなかった。
美しいこの女性は高位の貴族で、自分の両親と、外廷に勤める官職達に「貴女は皇后になるために生まれてきた」と、ずっと言われ続けてきた。
彼女自身も美しさを持ってすれば手に入らないものは何もないと信じており、これまでどんな手段も厭わずに欲しいものを手に入れてきた。
「ねえ、わたくし常々思っていたのですが、異世界から召喚されたというだけで聖王妃になれるなんて、おかしいと思わない?」
女性は窓から目を離して、部屋のある場所に向かって問いかけた。
月明かりだけの部屋は暗いが、確かにそこには人影がある。
「そうですね。僕もそう思いますよ」
男性にしては少し高めの、弦楽器のような艶のある声が部屋に響いた。
ここは城の内廷の奥。一部の衛兵を除けば、ここは男子禁制の場所であるのに、少年がいる。
少年の年齢は13、14か。しっかりした足取りで女性の元に来ると跪いた。仕草も容姿も、とても美しい。
稲刈り直前の稲穂のような柔らかそうな髪に、熟す前の果実のような青紫色の瞳。身にまとっている衣装も品があり、どこかの貴族令息に見える。
けれどこの少年は、自分の過去を語ることができない。もともと与えられたであろう名前すら覚えてはいない。やんごとなき人間が表沙汰にせず、秘密裏で処理したい案件を請け負うだけの存在だ。
幼い暗殺者に、名前など必要ない。仮に必要な場合は、雇い主が適当に名を与え、用が終われば、その名も消える。
少年は今、この女性からロタと呼ばれている。
女性はロタが従順に跪くのを見て、目を細めた。彼女は自分の容姿に磨きをかけるのが好きだったけれど、美しいものを愛でるのも好きだった。
「あの娘……カレンっていったかしら?たいした女じゃないわよね?」
「そうですね。貴方様のほうがよっぽどお美しいです」
予め用意されていたように、ロタは澱みなく女性の問いに答えた。
すぐに女性の艷やかな唇が弧を描くのを見て、ロタはほっと息を吐く。しかしその中には、倦怠感も混ざっていた。
ロタは、この女性が城の内廷に部屋を与えられた時に雇われ、かれこれ2年以上の付き合いだ。
どこの世界にも、汚れ仕事を請け負う稼業──暗殺者はいる。
暗殺者は表社会からつまみ出された訳あり者の集まりで基本的に集団で行動する。しかしロタは、どこの集団にも所属していない一匹狼だった。
そんなロタを女性が選んだ理由は、ただ一つ。見目が良かった、それだけ。
「ねぇ、ロタ。覚えていまして?夜会の時、わたくしわざわざ挨拶をして差し上げたのに、無視をされましたのよ?」
ロタがこの女性との出会いをぼんやりと思い返していたら、再び問いが降ってきた。
内心面倒くさいと思いつつ、ロタは正しい答えがどれなのかだけを考えて口を開く。
「ええ、覚えていますし、見ておりました。きっと貴方様のお美しさに怯んでしまったのでしょう」
そう答えながら、ロタは夜会の時の佳蓮の姿を思い出す。
夜会会場の外からしか見てはいなかったが、佳蓮の容姿はそこそこ可愛かったし、この女性ほど性格は悪くはないと遠目からでもわかった。
一番強烈に覚えているのは、この女性が引きつった顔で腰を落とす姿だ。久しぶりに腹を抱えて笑った。
もちろんロタは、そんなことは口に出さない。自分の生まれも、正確な年齢も、本当の名前さえ知らないが、長年の経験から雇い主の望む言葉を紡ぐことができる。
(こんな女が皇后になれるかもしれないなんて、終わってるよね。この国は)
万が一、この女性が皇后の座に収まったのなら、早々に他国に流れようとロタは決めている。どう贔屓目に見ても、この帝国の未来は明るくない。
そんなふうにロタが意地の悪いことを考えていても、女性は気づかない。悔しそうに唇を歪めて、佳蓮への憎悪を吐き出す。
「今思い出しても……気が狂いそう……!わたくし、あんな小娘に頭を下げるなんて屈辱でしかなかったわ」
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猫なで声でロタが女性に囁けば、赤い唇は満足そうに弧を描く。
今日は調子がいい。普段ならこれだけ長く会話をしたら、数回は頬を張られているはずなのに。
僅かに気が緩んでしまったロタは、次の質問で失態を犯してしまった。
「わたくし皇后になるために、血のにじむような努力をしてきましたのよ」
「はい。貴方様の並々ならぬ努力は全てこの国の母と──」
言い終えぬうちに、ロタの言葉は女性のつま先によって封じられた。なんの躊躇もなく蹴られたのだ。
無様に尻もちをついたロタが視線を感じて顔を上げれば、女性は鬼の形相で睨んでいた。
その鋭い視線は、言い直せと訴えている。満足のいく正しい答えを口にしろと。
「……アルビス皇帝陛下の寵愛を受けるためでございます」
「ええ、そうよ」
つい今しがた、自分よりはるかに幼い少年を蹴り上げたことなど忘れたかのように、女性は歯を見せて笑った。
しかしすぐに、少女のような無邪気な笑顔を一変させ、鬼女のような表情になる。
「だから、ね。わたくしの邪魔をするものは消えてもらわないと。西のはずれのお城に引っ込んでもらうだけじゃ駄目。一生わたくしの目の届かないところに行ってもらわないと……そう思うでしょ?」
「もちろんでございます」
ロタは間髪入れずに頷いた。聖皇后を暗殺するなど大罪中の大罪だというのに迷いはなかった。
(この女と離れられるなら、何でもするさ)
なにせロタは、この女性について色々知りすぎてしまっていた。
自身の立場を有利にするために他の皇后候補に嫌がらせをし続けていることとか、純潔が皇后候補の必須条件なのに、この女はそれを満たしていないとか。
それだけじゃない。実はロタは、他の皇后候補にも雇われている多重暗殺者なのだ。
このどれか一つでも知られてしまえば、間違いなく命を落とすだろう。ロタは生きることに対して楽しみを覚えることは一度としてないが、死に際は自分自身で決めたいと願っている。
だから、だから……ロタは、この女性の望む言葉を紡いだ。
「僕があなたの願いを叶えましょう」
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