隣国の貢ぎ物にされた出来損ない令嬢は、北の最果てで大公様と甘美な夢を見る

【煮ようが、焼こうが、妻にしようが、妾にしようが、使用人として使おうが、どうぞお好きに】

 リンヒニア国の侯爵家令嬢ユリシアは、ダンス一つ満足に踊れない出来損ない令嬢。そんな彼女は雑な書簡と共に、隣国の大公グレーゲルの貢物ものにされることになった。

 マルグルス国の国王陛下の甥であるグレーゲルの二つ名は”血濡れの大公”───気分次第で首をすっぱり切り落とす残忍非道なヤバイ奴。付け加えると、どうも一途に愛する女性がいるようで。

 というなんか色々問題がありそうなグレーゲル大公閣下の支配下で生き抜く為には、存在を消して大人しく過ごすのみ。

 しかし、ある日グレーゲルに呼ばれこう告げられる。

「君を正妻として迎えることに決めた」
「……はぁ?」


 政略結婚でも恋をして、愛し愛されることを望む大公様と、なぜか自分がお飾り妻だと思い込む侯爵令嬢の、北の最果てで繰り広げられるすったもんだの恋物語。

※以前書いたものを改タイトル、加筆修正して投稿しています。
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