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第3章 前世の私が邪魔して、今世の貴方の気持ちがわかりません
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エイリットが抱えているぬいぐるみは、既製品ではなく手作りのようで、耳が長くて、尻尾も長い。おまけに中途半場に開いた口から牙が生えている。なんという名前の生物なのだろう。フェリシアには見当もつかない。
それに加えて左右の目は、極端に大きさの異なるボタンが縫い付けられており、不気味さに拍車をかけている。
これはもう一周回って芸術作品である。
「えっと、エイリットさん……こ、この、ぬいぐるみは?」
「これは──」
「あ、エイリット。持ってきてくれてありがとう!」
エイリットが答える前に、ディオーナがぬいぐるみを取り上げた。
「これ、私の手作りなんです。受け取ってくださると嬉しいです」
「ま、まぁ。こ、こ、光栄だわ」
よもやこの不気味極まりないぬいぐるみが自分の手に渡るとは。
フェリシアは動揺を隠せないまま、ディオーナからそれを受け取る。間近で見ると、余計に怖い。引きつった顔をどうしても隠せない。
そんなフェリシアに、ディオーナは照れくさそうに笑いかける。
「うふふっ、このぬいぐるみさん、私の領地では病に効くといわれているものなんです。この目、左右の大きさが違いますでしょ?この大きいほうが持ち主の魂を吸い込んで、悪い部分だけを残して、こっちの小さな目から綺麗な魂をお返しするんです」
それは一度死ぬということなのだろうか。そんな疑問が生まれたが、フェリシアは黙ってディオーナの説明の続きに耳を傾ける。
「本当は病気になった時に枕元に置くのが一番効果が現れるんですが、普段から枕元に置いておくと身体が丈夫になりますの。ですのでわたくしの領地では、仲の良い友人と送り合って友情を深めたりします。だから……これ、フェリシア様が受け取っていただけると、わたくしそういった意味でも嬉しゅうございます」
最後は頬を赤く染めてもじもじとしながらディオーナは、上目遣いでフェリシアを見つめる。
正直なところ、ぬいぐるみを枕元に置くかどうかはわからない。でもディオーナの気持ちは素直に嬉しい。
そんな気持ちから、ぬいぐるみをしっかり抱きしめたフェリシアはにっこりと笑った。
「ありがとうございます。ディオーナ様。大切にしますわ」
「はい!あっ、時々、このぬいぐるみさんから、変な汁が出るかもしれませんが、気になさらないでくださいね」
「……ひぃっ」
思わず悲鳴が漏れたが、ディオーナは気づいていない様子で嬉しそうなまま。
それにほっとしつつ、フェリシアは気合でぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。ニドラとエイリットが複雑な表情を浮かべているのを見て見ぬふりをして
大陸語の授業のために図書室に向かうディオーナ達に別れを告げて、フェリシアはイクセルの執務室へ向かう。
すれ違う警護隊の人達は、フェリシアが抱えているぬいぐるみに気づくと二度見するけれど、それに気づかないフリをして執務室の扉をノックする。
すぐに「入れ」と冷たい声が聞こえて、フェリシアは扉を開けた。綺麗に整った室内で、執務机で書類を捌くイクセルが視界に入る。
部屋に入ってきたのがフェリシアと気配でわかったのだろう。イクセルは手を止めて、顔を上げた。
「……なかなか個性的なものを抱えているな」
フェリシアを目にしたイクセルの最初の台詞はこれだった。
多少は予想していたけれど、10日ぶりに会った仮初の婚約者に向けてそれはないだろうと、フェリシアは心の中で苦笑する。
「ディオーナ様が贈ってくださったの。彼女の領地では病に効くぬいぐるみだそうですわ」
「誰かを呪うものではないのか?」
「いいえ、友情を深める愛らしいものです」
「……なるほど。興味深いな。ただ効用を知らない者からすると誤解を招く恐れがあるから、各所の連中に通達しておこう」
「そうしてくださると嬉しいですわ」
顎に手を当てて生真面目な顔でそんなことを言ったイクセルだが、フェリシアと目が合えば表情がふわりと和らぐ。
「久しぶりだな、フェリシア嬢。顔色も良くなって安心した」
椅子から立ち上がり微笑みながらこちらに歩いてくるイクセルを見て、フェリシアは意味もなく顔が熱くなる。
「え、ええ……イクセル様のお陰ですわ」
「私が?何もしてないが」
不思議そうに首を傾げるイクセルを直視できなくて、フェリシアは抱えていたぬいぐるみで顔を隠す。
久しぶりに会ったイクセルは妙にキラキラしている。きっと夏の日差しのせいだろう。そうに違いない。
そう自分に言い聞かせてフェリシアは更に顔を隠そうとしたけれど、イクセルは無常にもぬいぐるみを取り上げる。
「……あぁ」
「なぜ顔を隠すんだ?」
情けない声を上げるフェリシアとは対照的に、イクセルはどこか楽しそうだ。忘れていたが、彼は少々性格に難があった。
「理由をお答えする前に、女性の顔を覗き見するのは破廉恥な行為だと思いますわ」
少しだけ平常心を取り戻すことができたフェリシアが言い返せば、イクセルは更に笑みを深くする。
「これはなかなか手厳しいな。だが体調が良くなったのがわかって嬉しいよ」
斬新な健康チェックだなと頭の隅で思いながら、フェリシアはイクセルからぬいぐるみを奪い返す。
そしてそれをソファに置くと、ずっと小脇に抱えていたイクセルの上着を差し出した。
「お返しするのが遅くなって申し訳ありません。こちらを……どうぞ」
「ああ。やっと返ってきたな」
上着を受け取ったイクセルに、フェリシアは深々と頭を下げる。
「それと……契約期間が残り少しになってしまって……こちらも、すみません」
もともと二ヶ月という約束で仮初の婚約者となったけれど、その期間はあと半月程度。延長を希望するなら、お休みしていた10日分は別荘に残ろうかとフェリシアは悩んでいる。
けれどもイクセルは、なんだそんなことかと気にしていない様子だ。
(そっか……残念。え?……待って。残念って何!?)
ふと漏らした自分の本音に、フェリシアはギョッとする。
イクセルにほぼほぼ恐喝されて期間限定の婚約者となったのに、どうして後ろ髪を引かれるような気持ちになるのだろう。
ここは病欠したのに怒られることも、延長を求められることもなくてラッキーと喜ばなくてはいけないのに。
「怒っておられないようで、ほっとしました。残りの期間は精一杯頑張りますわ」
知らない自分の気持ちに戸惑いを抱えたまま、フェリシアが責任感のある発言をすればイクセルは寂しそうに笑う。今、そんな顔するのはやめてほしい。
「……あ、あの──」
「そうだな。フェリシア嬢の言う通り、確かに終わりは近い。言いにくいことを言ってくれ感謝する。これで心置きなく貴女にお願いができる」
「え、ちょ、ちょっと……」
何やらおかしな流れになってきた。
こんなつもりじゃなかったフェリシアはアワアワし始めるが、イクセルは口を閉じようとしない。
「では早速だが、明日、私の仕事に付き合ってもらいたい。服装は今日のようでは目立つので、もう少し地味な……村娘の格好で頼む。いいな?」
「え、あの、村娘に扮してわたくしは何をすればよろしいのでしょうか?」
「特に何も。ただ私とデートをしてくれればいい」
「デ、デート!?デートですか!!」
素っ頓狂な声を上げたフェリシアは、思わず後ずさる。こんな不安定な気持ちでデートはかなり厳しいお願いだ。
しかしイクセルは空いた距離を一歩で詰めてニコリと笑った。
「ああ。明日、私と貴女は婚約者として街でデートをする。それについては拒否権はないと思え」
口元は優美な微笑み。目元は氷のように冴え冴えとしている。
よくそんな器用なことができるなと内心変なところで感心しつつ、フェリシアは涙目でこくりと頷いた。
それに加えて左右の目は、極端に大きさの異なるボタンが縫い付けられており、不気味さに拍車をかけている。
これはもう一周回って芸術作品である。
「えっと、エイリットさん……こ、この、ぬいぐるみは?」
「これは──」
「あ、エイリット。持ってきてくれてありがとう!」
エイリットが答える前に、ディオーナがぬいぐるみを取り上げた。
「これ、私の手作りなんです。受け取ってくださると嬉しいです」
「ま、まぁ。こ、こ、光栄だわ」
よもやこの不気味極まりないぬいぐるみが自分の手に渡るとは。
フェリシアは動揺を隠せないまま、ディオーナからそれを受け取る。間近で見ると、余計に怖い。引きつった顔をどうしても隠せない。
そんなフェリシアに、ディオーナは照れくさそうに笑いかける。
「うふふっ、このぬいぐるみさん、私の領地では病に効くといわれているものなんです。この目、左右の大きさが違いますでしょ?この大きいほうが持ち主の魂を吸い込んで、悪い部分だけを残して、こっちの小さな目から綺麗な魂をお返しするんです」
それは一度死ぬということなのだろうか。そんな疑問が生まれたが、フェリシアは黙ってディオーナの説明の続きに耳を傾ける。
「本当は病気になった時に枕元に置くのが一番効果が現れるんですが、普段から枕元に置いておくと身体が丈夫になりますの。ですのでわたくしの領地では、仲の良い友人と送り合って友情を深めたりします。だから……これ、フェリシア様が受け取っていただけると、わたくしそういった意味でも嬉しゅうございます」
最後は頬を赤く染めてもじもじとしながらディオーナは、上目遣いでフェリシアを見つめる。
正直なところ、ぬいぐるみを枕元に置くかどうかはわからない。でもディオーナの気持ちは素直に嬉しい。
そんな気持ちから、ぬいぐるみをしっかり抱きしめたフェリシアはにっこりと笑った。
「ありがとうございます。ディオーナ様。大切にしますわ」
「はい!あっ、時々、このぬいぐるみさんから、変な汁が出るかもしれませんが、気になさらないでくださいね」
「……ひぃっ」
思わず悲鳴が漏れたが、ディオーナは気づいていない様子で嬉しそうなまま。
それにほっとしつつ、フェリシアは気合でぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。ニドラとエイリットが複雑な表情を浮かべているのを見て見ぬふりをして
大陸語の授業のために図書室に向かうディオーナ達に別れを告げて、フェリシアはイクセルの執務室へ向かう。
すれ違う警護隊の人達は、フェリシアが抱えているぬいぐるみに気づくと二度見するけれど、それに気づかないフリをして執務室の扉をノックする。
すぐに「入れ」と冷たい声が聞こえて、フェリシアは扉を開けた。綺麗に整った室内で、執務机で書類を捌くイクセルが視界に入る。
部屋に入ってきたのがフェリシアと気配でわかったのだろう。イクセルは手を止めて、顔を上げた。
「……なかなか個性的なものを抱えているな」
フェリシアを目にしたイクセルの最初の台詞はこれだった。
多少は予想していたけれど、10日ぶりに会った仮初の婚約者に向けてそれはないだろうと、フェリシアは心の中で苦笑する。
「ディオーナ様が贈ってくださったの。彼女の領地では病に効くぬいぐるみだそうですわ」
「誰かを呪うものではないのか?」
「いいえ、友情を深める愛らしいものです」
「……なるほど。興味深いな。ただ効用を知らない者からすると誤解を招く恐れがあるから、各所の連中に通達しておこう」
「そうしてくださると嬉しいですわ」
顎に手を当てて生真面目な顔でそんなことを言ったイクセルだが、フェリシアと目が合えば表情がふわりと和らぐ。
「久しぶりだな、フェリシア嬢。顔色も良くなって安心した」
椅子から立ち上がり微笑みながらこちらに歩いてくるイクセルを見て、フェリシアは意味もなく顔が熱くなる。
「え、ええ……イクセル様のお陰ですわ」
「私が?何もしてないが」
不思議そうに首を傾げるイクセルを直視できなくて、フェリシアは抱えていたぬいぐるみで顔を隠す。
久しぶりに会ったイクセルは妙にキラキラしている。きっと夏の日差しのせいだろう。そうに違いない。
そう自分に言い聞かせてフェリシアは更に顔を隠そうとしたけれど、イクセルは無常にもぬいぐるみを取り上げる。
「……あぁ」
「なぜ顔を隠すんだ?」
情けない声を上げるフェリシアとは対照的に、イクセルはどこか楽しそうだ。忘れていたが、彼は少々性格に難があった。
「理由をお答えする前に、女性の顔を覗き見するのは破廉恥な行為だと思いますわ」
少しだけ平常心を取り戻すことができたフェリシアが言い返せば、イクセルは更に笑みを深くする。
「これはなかなか手厳しいな。だが体調が良くなったのがわかって嬉しいよ」
斬新な健康チェックだなと頭の隅で思いながら、フェリシアはイクセルからぬいぐるみを奪い返す。
そしてそれをソファに置くと、ずっと小脇に抱えていたイクセルの上着を差し出した。
「お返しするのが遅くなって申し訳ありません。こちらを……どうぞ」
「ああ。やっと返ってきたな」
上着を受け取ったイクセルに、フェリシアは深々と頭を下げる。
「それと……契約期間が残り少しになってしまって……こちらも、すみません」
もともと二ヶ月という約束で仮初の婚約者となったけれど、その期間はあと半月程度。延長を希望するなら、お休みしていた10日分は別荘に残ろうかとフェリシアは悩んでいる。
けれどもイクセルは、なんだそんなことかと気にしていない様子だ。
(そっか……残念。え?……待って。残念って何!?)
ふと漏らした自分の本音に、フェリシアはギョッとする。
イクセルにほぼほぼ恐喝されて期間限定の婚約者となったのに、どうして後ろ髪を引かれるような気持ちになるのだろう。
ここは病欠したのに怒られることも、延長を求められることもなくてラッキーと喜ばなくてはいけないのに。
「怒っておられないようで、ほっとしました。残りの期間は精一杯頑張りますわ」
知らない自分の気持ちに戸惑いを抱えたまま、フェリシアが責任感のある発言をすればイクセルは寂しそうに笑う。今、そんな顔するのはやめてほしい。
「……あ、あの──」
「そうだな。フェリシア嬢の言う通り、確かに終わりは近い。言いにくいことを言ってくれ感謝する。これで心置きなく貴女にお願いができる」
「え、ちょ、ちょっと……」
何やらおかしな流れになってきた。
こんなつもりじゃなかったフェリシアはアワアワし始めるが、イクセルは口を閉じようとしない。
「では早速だが、明日、私の仕事に付き合ってもらいたい。服装は今日のようでは目立つので、もう少し地味な……村娘の格好で頼む。いいな?」
「え、あの、村娘に扮してわたくしは何をすればよろしいのでしょうか?」
「特に何も。ただ私とデートをしてくれればいい」
「デ、デート!?デートですか!!」
素っ頓狂な声を上げたフェリシアは、思わず後ずさる。こんな不安定な気持ちでデートはかなり厳しいお願いだ。
しかしイクセルは空いた距離を一歩で詰めてニコリと笑った。
「ああ。明日、私と貴女は婚約者として街でデートをする。それについては拒否権はないと思え」
口元は優美な微笑み。目元は氷のように冴え冴えとしている。
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