47 / 69
向き合わなければならない【秋】
3
しおりを挟む
予想通りマリアンヌが訪問することは、リッツ家の使用人たちは知っていたようだった。
ジルが訪問理由を口にしても驚くことなく対応している。ただ、戸惑いを隠せない様子ではあるけれど。
それはエリーゼではなく、自分が来たことに対してのそれなのか。
それとも、侯爵令嬢がわざわざ足を運んだことに驚きを隠せないのか。
そんなことをマリアンヌは少し考えてみたけれど、結局どちらでも良いという結論に落ち着いた。
「では、ご案内します」
婦人と呼ぶべきメイドはジルとの会話を終えるとマリアンヌに一礼した。そして、応接間へと誘導する。
マリアンヌは視線を下に落として、なるべく屋敷の中を見ないように歩く。もうリッツ家の財政がどうなっているのかはだいたい理解した。
これ以上、じろじろと見るのは失礼にあたるだろう。
前を歩くメイドもそれを望んでいるようで、足取りは心なしか早かった。
それからすぐに応接室に到着した。
玄関ホールからさほど離れていなかったそこは、かつて何度も通された部屋だった。
一歩足を踏み入れた途端、変わらぬ光景に懐かしさを覚える。
正午を過ぎた部屋の陽だまりの中で無邪気に笑う、幼い自分とレイドリックとエリーゼがそこにいるような気がして眩暈を覚える。
けれど、その感傷も一時のものだった。
「すぐにレイドリック様が参りますので、少々お待ちください」
「ええ、ありがとう」
お茶を出したメイドは丁寧に腰を折ると、すぐに部屋を後にする。
そして扉が閉まれば、ジルと二人っきりになった。
「えっ、マリー様、これをお飲みになるのですか?」
手持ち無沙汰になったマリアンヌがティーカップを持ち上げた途端、すぐ後ろにいるジルが慌てた様子で声を掛けた。
マリアンヌはカップを手にしたまま、振り返る。
と同時に、腰かけているソファのスプリングがギィっと嫌な音を立てた。
「飲むわよ。だって喉が渇いてしまったもの。……駄目ね、私。やっぱり緊張しているのかしら?」
ふふっと笑って同意を求めたマリアンヌだったけれど、ジルの表情はとても硬いものだった。
きっとジルは兄からこの婚約破棄について、ある程度聞いているのだろう。
そして、これから何か起こるのではないかと気を揉んでいるのだろう。
確かに、自分はこれからレイドリックに一方的な婚約破棄を告げるのだ。
それに激昂した彼が、自分に向けて罵詈雑言を浴びせるかもしれないし、最悪、手をあげるかもしれない。
でも、そんなことにはならないとマリアンヌは思っている。そのための準備もちゃんとしてきた。
といってもジルは兄からくれぐれも気を付けろと、しつこいくらいに言われたのだろう。だからと言って、お茶になにか如何わしいものを入れるような真似はさすがにしないと思うが。
でもマリアンヌは、少しでもジルの気が休まるように、カップに口を付けることなくソーサーに戻した。
それから軽い口調を意識して、口を開く。
「大丈夫よ、ジル。あっという間に終わるわ。そうしたら、街に行きましょう」
「ま、街……でございますか?」
「ええ。外に出る機会なんてめったにないんですもの。それにまだお昼過ぎでしょ?お兄様だって、きっと今日は大目にみてくれるはず。ねえ、ジル。この前の”ロワゾー・ブリュ”のチョコレートはどうだったかしら?」
「え……えっと……美味しかったでございます。……はい」
「なら、決まりね。今度はジルも一緒に選んでちょうだい。そして一緒にお茶を飲みましょう」
にこにこと笑ってマリアンヌが提案をすれば、ジルはぎこちなくではあったが、ようやっとここで笑みを浮かべてくれた。
ただ「ザッハプンシュは駄目ですよ」とすかさず言われ、マリアンヌは子供のように口を尖らせる。
そうすればジルはいつもの笑みを浮かべてくれた。
そして、それを合図にしたかのように、応接間の扉が開きレイドリックが姿を現した。
許可を下すことなく訪問を受けたレイドリックだったけれど、彼は不機嫌な表情は浮かべていなかった。
ただ使用人に向けるような横柄で、気安げな表情を浮かべ、マリアンヌの向かいの席に付く。
そして、背もたれに身体を預けながら口を開いた。
「どう?少しは反省した?」
ぞんざいなレイドリックの態度に、すぐにジルが顔色を変えたのが気配で伝わった。
けれどマリアンヌは片手でジルを制してから、レイドリックに向かい口を開く。
「別荘は王都の中にあるのにとても涼しかったわ。でも、たくさんお散歩をしてしまったから少し日に焼けてしまったかしら」
おどけた口調でマリアンヌがそう言っても、レイドリックはふんと鼻を鳴らすだけだった。
それはこれまで通り、無邪気で無知で無能な自分だと思っているのだろう。そして、彼の質問にへんてこな返答をする自分に呆れているのだろう。
でもマリアンヌはあえて、言ったのだ。
反省などまったくしていないから。これからもする気はないから。
─── そして、これで最後にするつもりだから。
「ねえ、レイ。聞いて欲しいことがあるの」
「ん、何?あんまり長い時間は取れないよ。これから予定があるんだし」
「大丈夫、すぐに終わるわ」
「そう、じゃあ聞くよ。なに?」
面倒くさそうにレイドリックは、ティーカップを持ち上げながらマリアンヌに続きを促した。
こちらに目を向けることなく。
でもマリアンヌは、きちんとレイドリックを見つめて口を開く。
「レイドリックさん、私と婚約を白紙に戻してください」
───ガシャン。
しんとした部屋に、耳障りな音が大きく響く。
少し遅れて、レイドリックが乱暴にティーカップをソーサーに戻したのだと気付いた。
ジルが訪問理由を口にしても驚くことなく対応している。ただ、戸惑いを隠せない様子ではあるけれど。
それはエリーゼではなく、自分が来たことに対してのそれなのか。
それとも、侯爵令嬢がわざわざ足を運んだことに驚きを隠せないのか。
そんなことをマリアンヌは少し考えてみたけれど、結局どちらでも良いという結論に落ち着いた。
「では、ご案内します」
婦人と呼ぶべきメイドはジルとの会話を終えるとマリアンヌに一礼した。そして、応接間へと誘導する。
マリアンヌは視線を下に落として、なるべく屋敷の中を見ないように歩く。もうリッツ家の財政がどうなっているのかはだいたい理解した。
これ以上、じろじろと見るのは失礼にあたるだろう。
前を歩くメイドもそれを望んでいるようで、足取りは心なしか早かった。
それからすぐに応接室に到着した。
玄関ホールからさほど離れていなかったそこは、かつて何度も通された部屋だった。
一歩足を踏み入れた途端、変わらぬ光景に懐かしさを覚える。
正午を過ぎた部屋の陽だまりの中で無邪気に笑う、幼い自分とレイドリックとエリーゼがそこにいるような気がして眩暈を覚える。
けれど、その感傷も一時のものだった。
「すぐにレイドリック様が参りますので、少々お待ちください」
「ええ、ありがとう」
お茶を出したメイドは丁寧に腰を折ると、すぐに部屋を後にする。
そして扉が閉まれば、ジルと二人っきりになった。
「えっ、マリー様、これをお飲みになるのですか?」
手持ち無沙汰になったマリアンヌがティーカップを持ち上げた途端、すぐ後ろにいるジルが慌てた様子で声を掛けた。
マリアンヌはカップを手にしたまま、振り返る。
と同時に、腰かけているソファのスプリングがギィっと嫌な音を立てた。
「飲むわよ。だって喉が渇いてしまったもの。……駄目ね、私。やっぱり緊張しているのかしら?」
ふふっと笑って同意を求めたマリアンヌだったけれど、ジルの表情はとても硬いものだった。
きっとジルは兄からこの婚約破棄について、ある程度聞いているのだろう。
そして、これから何か起こるのではないかと気を揉んでいるのだろう。
確かに、自分はこれからレイドリックに一方的な婚約破棄を告げるのだ。
それに激昂した彼が、自分に向けて罵詈雑言を浴びせるかもしれないし、最悪、手をあげるかもしれない。
でも、そんなことにはならないとマリアンヌは思っている。そのための準備もちゃんとしてきた。
といってもジルは兄からくれぐれも気を付けろと、しつこいくらいに言われたのだろう。だからと言って、お茶になにか如何わしいものを入れるような真似はさすがにしないと思うが。
でもマリアンヌは、少しでもジルの気が休まるように、カップに口を付けることなくソーサーに戻した。
それから軽い口調を意識して、口を開く。
「大丈夫よ、ジル。あっという間に終わるわ。そうしたら、街に行きましょう」
「ま、街……でございますか?」
「ええ。外に出る機会なんてめったにないんですもの。それにまだお昼過ぎでしょ?お兄様だって、きっと今日は大目にみてくれるはず。ねえ、ジル。この前の”ロワゾー・ブリュ”のチョコレートはどうだったかしら?」
「え……えっと……美味しかったでございます。……はい」
「なら、決まりね。今度はジルも一緒に選んでちょうだい。そして一緒にお茶を飲みましょう」
にこにこと笑ってマリアンヌが提案をすれば、ジルはぎこちなくではあったが、ようやっとここで笑みを浮かべてくれた。
ただ「ザッハプンシュは駄目ですよ」とすかさず言われ、マリアンヌは子供のように口を尖らせる。
そうすればジルはいつもの笑みを浮かべてくれた。
そして、それを合図にしたかのように、応接間の扉が開きレイドリックが姿を現した。
許可を下すことなく訪問を受けたレイドリックだったけれど、彼は不機嫌な表情は浮かべていなかった。
ただ使用人に向けるような横柄で、気安げな表情を浮かべ、マリアンヌの向かいの席に付く。
そして、背もたれに身体を預けながら口を開いた。
「どう?少しは反省した?」
ぞんざいなレイドリックの態度に、すぐにジルが顔色を変えたのが気配で伝わった。
けれどマリアンヌは片手でジルを制してから、レイドリックに向かい口を開く。
「別荘は王都の中にあるのにとても涼しかったわ。でも、たくさんお散歩をしてしまったから少し日に焼けてしまったかしら」
おどけた口調でマリアンヌがそう言っても、レイドリックはふんと鼻を鳴らすだけだった。
それはこれまで通り、無邪気で無知で無能な自分だと思っているのだろう。そして、彼の質問にへんてこな返答をする自分に呆れているのだろう。
でもマリアンヌはあえて、言ったのだ。
反省などまったくしていないから。これからもする気はないから。
─── そして、これで最後にするつもりだから。
「ねえ、レイ。聞いて欲しいことがあるの」
「ん、何?あんまり長い時間は取れないよ。これから予定があるんだし」
「大丈夫、すぐに終わるわ」
「そう、じゃあ聞くよ。なに?」
面倒くさそうにレイドリックは、ティーカップを持ち上げながらマリアンヌに続きを促した。
こちらに目を向けることなく。
でもマリアンヌは、きちんとレイドリックを見つめて口を開く。
「レイドリックさん、私と婚約を白紙に戻してください」
───ガシャン。
しんとした部屋に、耳障りな音が大きく響く。
少し遅れて、レイドリックが乱暴にティーカップをソーサーに戻したのだと気付いた。
2
お気に入りに追加
827
あなたにおすすめの小説

前世と今世の幸せ
夕香里
恋愛
【商業化予定のため、時期未定ですが引き下げ予定があります。詳しくは近況ボードをご確認ください】
幼い頃から皇帝アルバートの「皇后」になるために妃教育を受けてきたリーティア。
しかし聖女が発見されたことでリーティアは皇后ではなく、皇妃として皇帝に嫁ぐ。
皇帝は皇妃を冷遇し、皇后を愛した。
そのうちにリーティアは病でこの世を去ってしまう。
この世を去った後に訳あってもう一度同じ人生を繰り返すことになった彼女は思う。
「今世は幸せになりたい」と
※小説家になろう様にも投稿しています
【本編完結】美女と魔獣〜筋肉大好き令嬢がマッチョ騎士と婚約? ついでに国も救ってみます〜
松浦どれみ
恋愛
【読んで笑って! 詰め込みまくりのラブコメディ!】
(ああ、なんて素敵なのかしら! まさかリアム様があんなに逞しくなっているだなんて、反則だわ! そりゃ触るわよ。モロ好みなんだから!)『本編より抜粋』
※カクヨムでも公開中ですが、若干お直しして移植しています!
【あらすじ】
架空の国、ジュエリトス王国。
人々は大なり小なり魔力を持つものが多く、魔法が身近な存在だった。
国内の辺境に領地を持つ伯爵家令嬢のオリビアはカフェの経営などで手腕を発揮していた。
そして、貴族の令息令嬢の大規模お見合い会場となっている「貴族学院」入学を二ヶ月後に控えていたある日、彼女の元に公爵家の次男リアムとの婚約話が舞い込む。
数年ぶりに再会したリアムは、王子様系イケメンとして令嬢たちに大人気だった頃とは別人で、オリビア好みの筋肉ムキムキのゴリマッチョになっていた!
仮の婚約者としてスタートしたオリビアとリアム。
さまざまなトラブルを乗り越えて、ふたりは正式な婚約を目指す!
まさかの国にもトラブル発生!? だったらついでに救います!
恋愛偏差値底辺の変態令嬢と初恋拗らせマッチョ騎士のジョブ&ラブストーリー!(コメディありあり)
応援よろしくお願いします😊
2023.8.28
カテゴリー迷子になりファンタジーから恋愛に変更しました。
本作は恋愛をメインとした異世界ファンタジーです✨
侯爵家の当主になります~王族に仕返しするよ~
Mona
恋愛
第二王子の婚約者の発表がされる。
しかし、その名は私では無かった。
たった一人の婚約候補者の、私の名前では無かった。
私は、私の名誉と人生を守為に侯爵家の当主になります。
先ずは、お兄様を、グーパンチします。

前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)
miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます)
ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。
ここは、どうやら転生後の人生。
私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。
有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。
でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。
“前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。
そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。
ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。
高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。
大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。
という、少々…長いお話です。
鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…?
※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。
※ストーリーの進度は遅めかと思われます。
※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。
公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。
※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、142話辺りまで手直し作業中)
※章の区切りを変更致しました。(11/21更新)

悪役令嬢は皇帝の溺愛を受けて宮入りする~夜も放さないなんて言わないで~
sweetheart
恋愛
公爵令嬢のリラ・スフィンクスは、婚約者である第一王子セトから婚約破棄を言い渡される。
ショックを受けたリラだったが、彼女はある夜会に出席した際、皇帝陛下である、に見初められてしまう。
そのまま後宮へと入ることになったリラは、皇帝の寵愛を受けるようになるが……。

公爵夫人アリアの華麗なるダブルワーク〜秘密の隠し部屋からお届けいたします〜
白猫
恋愛
主人公アリアとディカルト公爵家の当主であるルドルフは、政略結婚により結ばれた典型的な貴族の夫婦だった。 がしかし、5年ぶりに戦地から戻ったルドルフは敗戦国である隣国の平民イザベラを連れ帰る。城に戻ったルドルフからは目すら合わせてもらえないまま、本邸と別邸にわかれた別居生活が始まる。愛人なのかすら教えてもらえない女性の存在、そのイザベラから無駄に意識されるうちに、アリアは面倒臭さに頭を抱えるようになる。ある日、侍女から語られたイザベラに関する「推測」をきっかけに物語は大きく動き出す。 暗闇しかないトンネルのような現状から抜け出すには、ルドルフと離婚し公爵令嬢に戻るしかないと思っていたアリアだが、その「推測」にひと握りの可能性を見出したのだ。そして公爵邸にいながら自分を磨き、リスキリングに挑戦する。とにかく今あるものを使って、できるだけ抵抗しよう!そんなアリアを待っていたのは、思わぬ新しい人生と想像を上回る幸福であった。公爵夫人の反撃と挑戦の狼煙、いまここに高く打ち上げます!
➡️登場人物、国、背景など全て架空の100%フィクションです。

婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでのこと。
……やっぱり、ダメだったんだ。
周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間でもあった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表する。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放。そして、国外へと運ばれている途中に魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※毎週土曜日の18時+気ままに投稿中
※プロットなしで書いているので辻褄合わせの為に後から修正することがあります。
踏み台令嬢はへこたれない
IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる