14 / 69
何かが違うことを知ってしまった【春】
11★
しおりを挟む
「恐れながら、王子……」
「ん?どうしたんだい。そんなに顔を強張らせて」
クリストファーは、ニヤニヤと維持悪く笑う。
これが王宮外なら、迷わずウィレイムは「お前なぁっ」と声を荒げただろう。
けれどここは王宮内であり、しかもすぐ近くに上司がいる。
今は感情のままに振る舞うことは許されない。
ウィレイムは大きく深呼吸をして、苛立つ気持ちを押しつぶすと小さく咳払いをしてから、口を開いた。
「ちょっと仕事疲れのせいで、うまく聞き取ることができませんでした。もう一度、お願いできますか?」
「大丈夫かい?君の身体が心配だなぁー。……ああ、すまない、すまない。もちろん言うよ。何度でも」
そう言って、クリストファーは机の上に置いたままの箱を取り上げて、軽く振りながら口を開く。
「君の妹君は、仕事を頑張りすぎる兄上を心配して、こっそりコレを街まで買いに行ったそうなんだ」
「なっ」
聞き間違いでないことを確認したウィレイムは、絶句した。
そして机に肘を付き、項垂れた。
「そんな……マリーが……私に無断で……が、外出したなんて……。嘘だ。……絶対に私は信じない。そうだ夢だ。これは夢だ」
往生際悪くそんなことをブツブツと呟くウィレイムに、クリストファーは憐憫の目を向けた。
「まぁ、年頃の娘さんは好奇心の塊だからね。この程度のお転婆は可愛らしいじゃないか。それにクリスがちゃんと護衛して、馬車まで送り届けたから、安心しなよ」
「なにを安心すれば良いと?野獣と街を歩いたんですよ!?何も無いと思えるわけないですっ」
「野獣って……それ、クリスにひどくない?」
「これでも、だいぶ婉曲に言ってますっ」
「あー……そう」
噛みつかんばかりに食って掛かるウィレイムに、クリストファーは微妙な顔をした。
もうお気づきであろうが、クリスとクリストファーは同一人物である。
ただし、これはごく僅かの人間しかしらないこと。
表向きは、第二王子であるクリストファーは病弱であり、夜会などに滅多に顔をだすことは無く、ほとんど自室に引きこもった生活を送っている。顔すら拝んだことが無いという官職も多々いる。
同じ国に母親が違う年の近い王子が二人もいるのは、なにかと厄介なので。
けれど、実際には宰相補佐の護衛騎士に扮して、自由奔放に動き回っていたりもする。
そんなわけで、ウィレイムはクリスを護衛騎士として傍に置いているわけではなく、クリストファー王子のお目付け役なのだ。
ただ、護衛騎士に対してへりくだった態度を取ってしまえば、すぐに存在を怪しまれてしまうので、王宮外では砕けた態度を演じている。
ちなみに宰相閣下のシドレイは、クリスとクリストファーが同一人物なのを知っている数少ない一人。
だからテンポの良い二人の掛け合いを、子犬がじゃれ合っているような心境で聞き流している。
「ああ、言っておくけど、クリスはマリアンヌ嬢とこんな約束したんだ。お兄様には絶対に内緒にするって。だから、妹君を叱っちゃダメだよ。あとクリスも、ね?」
「......マリーはともかく、クリスの件はお約束しかねます」
「うわぁー、クリスが可愛そうだ」
「......」
おお怖いと肩を竦める第二王子に、ウィレイムは無礼と知りながらもジト目で睨んでしまう。
都合良く、クリスとクリストファーを使い分けるこの男に、腹が立って仕方がないのだ。
けれど、当の本人はどこ吹く風といった感じで、涼しい顔をしている。ウィレイムは見えないところで苦労をしているのだ。やんごとなき人物と幼馴染なのは、利点でもあるが欠点もある。
なのにクリストファーは、更にウィレイムに心理的ダメージを与えることを言う。
「でも、良いものが見れた」
「それはどんなものでしょう?」
軽い口調ではあるが、アイスブルーの瞳が剣呑な色を称えている。
「妹さんの婚約者がもう一人の幼馴染と仲良く腕組んでいるのをね。ま、端的に言うなら浮気現場を見てしまったよ」
「なぜすぐに斬り殺してくれなかったのでしょうか?」
間髪入れずにウィレイムがそう言えば、すぐに横からシドレイが「物騒なことを言うな」と嗜めるが、知ったことではない。
それにこの宰相、愛娘であるアンジェラに粉をかけてきた、とある貴族の青年に厳しい教育的指導をしたことは、記憶に新しい。
「そうしたかったんだけどねぇ」
クリストファーも、シドレイを無視してウィレイムの言葉に、半分同意した。
でもすぐに、同意できなかった理由を語る。
「妹さんがあまりのショックで、ふらついてしまってね。抱き留めるために両腕を使ってしまったから、できなかったんだよ」
「……許可なく、触れたんですか?」
唸るようなウィレイムの物言いに、クリストファーは無実を証明するかのように両手を軽く上げた。
「無理を言うな。地面にたたきつけられるのを傍観しろと?それはかなり鬼畜だぞ」
地面に倒れ込む痛々しい妹の姿を想像してしまい、ウィレイムはぐっと喉をならした。
けれど、ぷいっとそっぽを向く。そして本音を、ボソッと呟いてしまった。クリストファーも、同じく。
「……ったく、だからよく考えろと言ったんだ」
「……ったく、だから私の妻になれば良かったんだ」
息がピッタリと合ったのはここまで。次の動作は違った。
クリストファーは、眉間に手を当て苦悩混じりに深く息を吐いた。
ウィレイムは、そんな王子をねめつけた。額に青筋を立てて。
「ん?どうしたんだい。そんなに顔を強張らせて」
クリストファーは、ニヤニヤと維持悪く笑う。
これが王宮外なら、迷わずウィレイムは「お前なぁっ」と声を荒げただろう。
けれどここは王宮内であり、しかもすぐ近くに上司がいる。
今は感情のままに振る舞うことは許されない。
ウィレイムは大きく深呼吸をして、苛立つ気持ちを押しつぶすと小さく咳払いをしてから、口を開いた。
「ちょっと仕事疲れのせいで、うまく聞き取ることができませんでした。もう一度、お願いできますか?」
「大丈夫かい?君の身体が心配だなぁー。……ああ、すまない、すまない。もちろん言うよ。何度でも」
そう言って、クリストファーは机の上に置いたままの箱を取り上げて、軽く振りながら口を開く。
「君の妹君は、仕事を頑張りすぎる兄上を心配して、こっそりコレを街まで買いに行ったそうなんだ」
「なっ」
聞き間違いでないことを確認したウィレイムは、絶句した。
そして机に肘を付き、項垂れた。
「そんな……マリーが……私に無断で……が、外出したなんて……。嘘だ。……絶対に私は信じない。そうだ夢だ。これは夢だ」
往生際悪くそんなことをブツブツと呟くウィレイムに、クリストファーは憐憫の目を向けた。
「まぁ、年頃の娘さんは好奇心の塊だからね。この程度のお転婆は可愛らしいじゃないか。それにクリスがちゃんと護衛して、馬車まで送り届けたから、安心しなよ」
「なにを安心すれば良いと?野獣と街を歩いたんですよ!?何も無いと思えるわけないですっ」
「野獣って……それ、クリスにひどくない?」
「これでも、だいぶ婉曲に言ってますっ」
「あー……そう」
噛みつかんばかりに食って掛かるウィレイムに、クリストファーは微妙な顔をした。
もうお気づきであろうが、クリスとクリストファーは同一人物である。
ただし、これはごく僅かの人間しかしらないこと。
表向きは、第二王子であるクリストファーは病弱であり、夜会などに滅多に顔をだすことは無く、ほとんど自室に引きこもった生活を送っている。顔すら拝んだことが無いという官職も多々いる。
同じ国に母親が違う年の近い王子が二人もいるのは、なにかと厄介なので。
けれど、実際には宰相補佐の護衛騎士に扮して、自由奔放に動き回っていたりもする。
そんなわけで、ウィレイムはクリスを護衛騎士として傍に置いているわけではなく、クリストファー王子のお目付け役なのだ。
ただ、護衛騎士に対してへりくだった態度を取ってしまえば、すぐに存在を怪しまれてしまうので、王宮外では砕けた態度を演じている。
ちなみに宰相閣下のシドレイは、クリスとクリストファーが同一人物なのを知っている数少ない一人。
だからテンポの良い二人の掛け合いを、子犬がじゃれ合っているような心境で聞き流している。
「ああ、言っておくけど、クリスはマリアンヌ嬢とこんな約束したんだ。お兄様には絶対に内緒にするって。だから、妹君を叱っちゃダメだよ。あとクリスも、ね?」
「......マリーはともかく、クリスの件はお約束しかねます」
「うわぁー、クリスが可愛そうだ」
「......」
おお怖いと肩を竦める第二王子に、ウィレイムは無礼と知りながらもジト目で睨んでしまう。
都合良く、クリスとクリストファーを使い分けるこの男に、腹が立って仕方がないのだ。
けれど、当の本人はどこ吹く風といった感じで、涼しい顔をしている。ウィレイムは見えないところで苦労をしているのだ。やんごとなき人物と幼馴染なのは、利点でもあるが欠点もある。
なのにクリストファーは、更にウィレイムに心理的ダメージを与えることを言う。
「でも、良いものが見れた」
「それはどんなものでしょう?」
軽い口調ではあるが、アイスブルーの瞳が剣呑な色を称えている。
「妹さんの婚約者がもう一人の幼馴染と仲良く腕組んでいるのをね。ま、端的に言うなら浮気現場を見てしまったよ」
「なぜすぐに斬り殺してくれなかったのでしょうか?」
間髪入れずにウィレイムがそう言えば、すぐに横からシドレイが「物騒なことを言うな」と嗜めるが、知ったことではない。
それにこの宰相、愛娘であるアンジェラに粉をかけてきた、とある貴族の青年に厳しい教育的指導をしたことは、記憶に新しい。
「そうしたかったんだけどねぇ」
クリストファーも、シドレイを無視してウィレイムの言葉に、半分同意した。
でもすぐに、同意できなかった理由を語る。
「妹さんがあまりのショックで、ふらついてしまってね。抱き留めるために両腕を使ってしまったから、できなかったんだよ」
「……許可なく、触れたんですか?」
唸るようなウィレイムの物言いに、クリストファーは無実を証明するかのように両手を軽く上げた。
「無理を言うな。地面にたたきつけられるのを傍観しろと?それはかなり鬼畜だぞ」
地面に倒れ込む痛々しい妹の姿を想像してしまい、ウィレイムはぐっと喉をならした。
けれど、ぷいっとそっぽを向く。そして本音を、ボソッと呟いてしまった。クリストファーも、同じく。
「……ったく、だからよく考えろと言ったんだ」
「……ったく、だから私の妻になれば良かったんだ」
息がピッタリと合ったのはここまで。次の動作は違った。
クリストファーは、眉間に手を当て苦悩混じりに深く息を吐いた。
ウィレイムは、そんな王子をねめつけた。額に青筋を立てて。
1
お気に入りに追加
827
あなたにおすすめの小説
【本編完結】美女と魔獣〜筋肉大好き令嬢がマッチョ騎士と婚約? ついでに国も救ってみます〜
松浦どれみ
恋愛
【読んで笑って! 詰め込みまくりのラブコメディ!】
(ああ、なんて素敵なのかしら! まさかリアム様があんなに逞しくなっているだなんて、反則だわ! そりゃ触るわよ。モロ好みなんだから!)『本編より抜粋』
※カクヨムでも公開中ですが、若干お直しして移植しています!
【あらすじ】
架空の国、ジュエリトス王国。
人々は大なり小なり魔力を持つものが多く、魔法が身近な存在だった。
国内の辺境に領地を持つ伯爵家令嬢のオリビアはカフェの経営などで手腕を発揮していた。
そして、貴族の令息令嬢の大規模お見合い会場となっている「貴族学院」入学を二ヶ月後に控えていたある日、彼女の元に公爵家の次男リアムとの婚約話が舞い込む。
数年ぶりに再会したリアムは、王子様系イケメンとして令嬢たちに大人気だった頃とは別人で、オリビア好みの筋肉ムキムキのゴリマッチョになっていた!
仮の婚約者としてスタートしたオリビアとリアム。
さまざまなトラブルを乗り越えて、ふたりは正式な婚約を目指す!
まさかの国にもトラブル発生!? だったらついでに救います!
恋愛偏差値底辺の変態令嬢と初恋拗らせマッチョ騎士のジョブ&ラブストーリー!(コメディありあり)
応援よろしくお願いします😊
2023.8.28
カテゴリー迷子になりファンタジーから恋愛に変更しました。
本作は恋愛をメインとした異世界ファンタジーです✨
侯爵家の当主になります~王族に仕返しするよ~
Mona
恋愛
第二王子の婚約者の発表がされる。
しかし、その名は私では無かった。
たった一人の婚約候補者の、私の名前では無かった。
私は、私の名誉と人生を守為に侯爵家の当主になります。
先ずは、お兄様を、グーパンチします。

前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)
miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます)
ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。
ここは、どうやら転生後の人生。
私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。
有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。
でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。
“前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。
そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。
ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。
高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。
大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。
という、少々…長いお話です。
鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…?
※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。
※ストーリーの進度は遅めかと思われます。
※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。
公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。
※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、142話辺りまで手直し作業中)
※章の区切りを変更致しました。(11/21更新)
隣国が戦を仕掛けてきたので返り討ちにし、人質として三国の王女を貰い受けました
しろねこ。
恋愛
三国から攻め入られ、四面楚歌の絶体絶命の危機だったけど、何とか戦を終わらせられました。
つきましては和平の為の政略結婚に移ります。
冷酷と呼ばれる第一王子。
脳筋マッチョの第二王子。
要領良しな腹黒第三王子。
選ぶのは三人の難ありな王子様方。
宝石と貴金属が有名なパルス国。
騎士と聖女がいるシェスタ国。
緑が多く農業盛んなセラフィム国。
それぞれの国から王女を貰い受けたいと思います。
戦を仕掛けた事を後悔してもらいましょう。
ご都合主義、ハピエン、両片想い大好きな作者による作品です。
現在10万字以上となっています、私の作品で一番長いです。
基本甘々です。
同名キャラにて、様々な作品を書いています。
作品によりキャラの性格、立場が違いますので、それぞれの差分をお楽しみ下さい。
全員ではないですが、イメージイラストあります。
皆様の心に残るような、そして自分の好みを詰め込んだ甘々な作品を書いていきますので、よろしくお願い致します(*´ω`*)
カクヨムさんでも投稿中で、そちらでコンテスト参加している作品となりますm(_ _)m
小説家になろうさん、ネオページさんでも掲載中。

悪役令嬢は皇帝の溺愛を受けて宮入りする~夜も放さないなんて言わないで~
sweetheart
恋愛
公爵令嬢のリラ・スフィンクスは、婚約者である第一王子セトから婚約破棄を言い渡される。
ショックを受けたリラだったが、彼女はある夜会に出席した際、皇帝陛下である、に見初められてしまう。
そのまま後宮へと入ることになったリラは、皇帝の寵愛を受けるようになるが……。

公爵夫人アリアの華麗なるダブルワーク〜秘密の隠し部屋からお届けいたします〜
白猫
恋愛
主人公アリアとディカルト公爵家の当主であるルドルフは、政略結婚により結ばれた典型的な貴族の夫婦だった。 がしかし、5年ぶりに戦地から戻ったルドルフは敗戦国である隣国の平民イザベラを連れ帰る。城に戻ったルドルフからは目すら合わせてもらえないまま、本邸と別邸にわかれた別居生活が始まる。愛人なのかすら教えてもらえない女性の存在、そのイザベラから無駄に意識されるうちに、アリアは面倒臭さに頭を抱えるようになる。ある日、侍女から語られたイザベラに関する「推測」をきっかけに物語は大きく動き出す。 暗闇しかないトンネルのような現状から抜け出すには、ルドルフと離婚し公爵令嬢に戻るしかないと思っていたアリアだが、その「推測」にひと握りの可能性を見出したのだ。そして公爵邸にいながら自分を磨き、リスキリングに挑戦する。とにかく今あるものを使って、できるだけ抵抗しよう!そんなアリアを待っていたのは、思わぬ新しい人生と想像を上回る幸福であった。公爵夫人の反撃と挑戦の狼煙、いまここに高く打ち上げます!
➡️登場人物、国、背景など全て架空の100%フィクションです。

婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでのこと。
……やっぱり、ダメだったんだ。
周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間でもあった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表する。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放。そして、国外へと運ばれている途中に魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※毎週土曜日の18時+気ままに投稿中
※プロットなしで書いているので辻褄合わせの為に後から修正することがあります。
踏み台令嬢はへこたれない
IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる