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第二部 始まりの季節を迎えて
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ウィリスタリア国の王都アルカイルダは、その名の通り王城がある巨大な街。
そして上空から見たら、まるで日時計のような、まん丸い形をした街である。
ただ、その端っこにおまけのように小さな森がある。
そこは貴族の邸宅街からも、市場や商店が連なる一角からも離れた場所。
公園というよりは、大貴族のちょっとした別宅のように、森の奥にひっそりと佇む屋敷がある。
そして夜の帳が落ちれば、楽団がゆったりとした音楽を奏で、庭園のガーデンライトに明かりが灯り、人工池の水面には手のひら程のキャンドルを乗せた小舟が浮かぶ。
まるで月のない夜でも、屋敷は地上から浮かび上がっているかのように見える。
そんな幻想的な場所にうっかり迷い込んだ者がいたら、妖精の住処か、はたまた魔女の集会かと思うであろう。
ちなみにこの不思議な屋敷は、昼間はひっそりと森の奥で息を潜め、街が眠りにつく頃、やっと活動を始める───娼館として。
メゾン・プレザン。
ここは、マダムローズが経営する会員制の高級娼館。
生きた宝石と讃えられる女性を数多く揃え、一夜限りの夢のようなひと時を過ごす場所。
つまり、一見さんお断り。入館は紹介オンリー。知る人ぞ知る屈指の娼館であった。
そして今日も太陽が西に傾き、楽団がゆったりとした音楽を奏でる。
あと少ししたら、メゾン・プレザンの門が開く。
一夜限りの夢を求めて、大貴族の紳士が、王宮勤めのエリートが、富豪の商人が静かに足を向けるのだ。
───さて場所は変わって、ここはメゾン・プレザンの裏口。
庭一面を白く染め上げていた雪が溶けて、春寒の冷たい空気の中に新芽の匂いが混ざっている。
けれど冬の気配が残っている春の初めの夜でも、闇の色合いや風の感触はどことなく柔らかい。
そんな中、2人の青年がなにやら話し込んでいる。
一人は思い詰めた表情を浮かべて、ワインの空き箱に腰かけて。もう一人は慈愛に満ちた笑みを浮かべて、同じく空き箱に腰かけ、長い足を組んで。
「やっぱり俺は男だから、ここはすっぱり断った方が良いんですかね?」
「いや、男だからとか女だからとかというのは、それは君の固定観念に過ぎない。それに、そんな理由で君への想いを断てる相手ではないだろう」
「そ、そうなんですよ。でも、僕、全然思わせぶりな態度なんか取ってるつもりないんです。ただ、偏見は良くないって思うから、普通に接しているだけで……」
「良い心がけだ。ところで、君は性別を抜きにして、相手の事をどう思っているんだ?顔を見たくないほど嫌いなのか?近づけば怖気が立つほど、憎悪の対象なのか?それとも限りなく無に近い存在なのか?」
「……ぶっちゃけ、良いヤツだと思っています」
「なら、それが君の素直な気持ちなんだ。それを大事にしろ」
「はい。なんか聞いてもらえてすっきりしました」
「それは良かった。───……さて、今日はここまでにしよう。ロム、君も仕事に戻りたまえ」
「ありがとうございました!」
迷いを振り払うように勢いよく立ち上がったロムは、そのままびゅんと音がしそうな程の勢いで腰を直角に折り曲げた。
そこにはかつてティアを取り合った確執はどこにもなかった。あるのは、忍耐強く恋愛相談に乗ってもらった感謝の念があるだけ。
「いや、とんでもない。また何かあればいつでも相談してくれたまえ」
包容力のある笑みを浮かべたもう一人の男こと、グレンシスも立ち上がり、ロムの肩を軽くたたいて顔を上げさせる。
そしてロムの憧れと尊敬が混ざったキラキラした視線を受けながら、さあ仕事に戻れと再び促した。
ちなみにロムが相談していたのは、ドゥールのこと。
忘れているかもしれないがドゥールは、昨年の秋にメゾン・プレザンにシェフ見習いで入った男性が好きな男性である。
そしてお察しの通り、ドゥールはロムへのアプローチをやめていない。未だに続いていたりもする。
ちなみにグレンシスに赤裸々に経緯を語るロムは、どうやらまんざらでもなさそうで。
でもやっぱり未知の世界に飛び込む勇気がなく、こうして暇を見つけてはグレンシスに相談していたりもする。
なぜそうなったかという経緯は、わからないけれど。
もちろんグレンシスは笑顔でその相談に乗っている。大変、親密に。そこに、やましい気持ちなどない……ように、心掛けながら。
「───……さて、俺もそろそろ行くか」
ロムが完全に視界から消えたのを確認すると、まるで勝手知ったる我が家のように、グレンシスは何の断りもなくメゾンプレザンの裏口から館内に足を踏み入れた。
そして一歩足を踏み入れれば、今日も今日とて会館前のメゾン・プレザンは、ドタバタと忙しい。
荷物を抱えたメイドや使用人がグレンシスの間を行き交う。ただ必ず、軽い挨拶をしてからすれ違っている。
最初はエリートな騎士様であっても、娼館の裏に入れるなんて……。
と、難色を示していた使用人たちも、今ではそんな台詞を吐いたことすらすっかり忘れて、グレンシスに気さくに声を掛けている。
もちろんティアが家族のように思っているメゾンプレザンの使用人達に対してグレンシスは偉そうな態度などしない。見下すなんて論外。朗らかに笑って、時には些細な用事も快く引き受ける。
ただ『騎士をクビになったら、ここで働きなよ』というお誘いだけは頷かない。
そして目に付く範囲で使用人達の手助けを終えたグレンシスは、更にメゾン・プレザンの奥へと足を向ける。
楽団が奏でるオーバーチュアは、絶え間なく続いている。
それに交じって、メゾン・プレザンの娼婦たちがきゃあきゃあとか、あーあとか声を出しながら各々の部屋へと移動する。
春の夜は、心を柔らかくするようで、そんな姦しい女性たちの声さえも優しく聞こえるのが不思議だ。
ちなみに娼婦たちは、裏方の通路を歩いているグレンシスを目にとめると、色気なしの親しみのある笑みを浮かべて軽く手を振ってすれ違う。
中にはお客の愚痴を吐く娼婦もちらほら。
そんな時でも、グレンシスは先ほどロムに向けていた笑みと同じものを浮かべて、うんうんと相槌を打つ。
けれどここで雷鳴のような声が、周囲に轟いた。
「はいっはいっはいっはいっ。あんたたち、もたもたしてんじゃないよっ。今夜もしっかりきばんなっ」
”はい”の間に手拍子を入れながら、この娼館の主は往生際悪くグダグダとしている娼婦たちに発破をかける。
「はぁーい」
聞いているこちらのテンションが下がってしまうような返事をしつつも、娼婦たちは足早にその場から立ち去った。
蜘蛛の子を蹴散らすように娼婦たちが去った後は、通路にはマダムローズとグレンシスが残される。
そうすれば今更ながらではあるが、通路の両端に隙間なく花が飾られていることに気付く。
「おや、騎士殿。お一人かい?」
花のことなど捨て置いて、手拍子を止めたマダムローズは、軽く腕を組んでグレンシスに問いかけた。
組んだ拍子にマダムローズの左手の薬指にはめられたシンプルな指輪がキラリと光る。ちなみに、同じ指輪をバザロフもはめていたりもする。
といっても、二人は同じデザインの指輪をしているとはいえ、まだ夫婦ではない。どこかの男女と同じ、婚約中なのだ。
『正式な結婚は、ちゃんとティアの挙式を見届けてから』というのが、マダムローズの譲れないこだわりだそうで。
そしてバザロフはそれを甘受して、今は一生に一度の婚約期間を楽しんでいたりもする。勤務中でもこれ見よがしに指輪を見せびらかせている。主に宰相向けて。
そしてこの花々は、マダムローズとバザロフを祝して贈られたもの。……かつてのライバル達から。
人間、歳を取れば丸くなる。
かつては鼻息荒くマダムローズを手に入れようと躍起になっていた男たちも、すでに初老に差し掛かっている。孫がいる男性だって少なくない。
だから、長年口説き、口説き、やっとこさマダムローズをバザロフが口説いたという風の便りを耳にした過去のライバル達である男性からは称賛の声が後を絶たない。
そして、二人を祝福する花も後を絶たない。
だから飾っているだけなのだ。娼館全ての至る所に。……ただ、花瓶を使い果たして、一部はバケツに活けてはいるけれど。
そして上空から見たら、まるで日時計のような、まん丸い形をした街である。
ただ、その端っこにおまけのように小さな森がある。
そこは貴族の邸宅街からも、市場や商店が連なる一角からも離れた場所。
公園というよりは、大貴族のちょっとした別宅のように、森の奥にひっそりと佇む屋敷がある。
そして夜の帳が落ちれば、楽団がゆったりとした音楽を奏で、庭園のガーデンライトに明かりが灯り、人工池の水面には手のひら程のキャンドルを乗せた小舟が浮かぶ。
まるで月のない夜でも、屋敷は地上から浮かび上がっているかのように見える。
そんな幻想的な場所にうっかり迷い込んだ者がいたら、妖精の住処か、はたまた魔女の集会かと思うであろう。
ちなみにこの不思議な屋敷は、昼間はひっそりと森の奥で息を潜め、街が眠りにつく頃、やっと活動を始める───娼館として。
メゾン・プレザン。
ここは、マダムローズが経営する会員制の高級娼館。
生きた宝石と讃えられる女性を数多く揃え、一夜限りの夢のようなひと時を過ごす場所。
つまり、一見さんお断り。入館は紹介オンリー。知る人ぞ知る屈指の娼館であった。
そして今日も太陽が西に傾き、楽団がゆったりとした音楽を奏でる。
あと少ししたら、メゾン・プレザンの門が開く。
一夜限りの夢を求めて、大貴族の紳士が、王宮勤めのエリートが、富豪の商人が静かに足を向けるのだ。
───さて場所は変わって、ここはメゾン・プレザンの裏口。
庭一面を白く染め上げていた雪が溶けて、春寒の冷たい空気の中に新芽の匂いが混ざっている。
けれど冬の気配が残っている春の初めの夜でも、闇の色合いや風の感触はどことなく柔らかい。
そんな中、2人の青年がなにやら話し込んでいる。
一人は思い詰めた表情を浮かべて、ワインの空き箱に腰かけて。もう一人は慈愛に満ちた笑みを浮かべて、同じく空き箱に腰かけ、長い足を組んで。
「やっぱり俺は男だから、ここはすっぱり断った方が良いんですかね?」
「いや、男だからとか女だからとかというのは、それは君の固定観念に過ぎない。それに、そんな理由で君への想いを断てる相手ではないだろう」
「そ、そうなんですよ。でも、僕、全然思わせぶりな態度なんか取ってるつもりないんです。ただ、偏見は良くないって思うから、普通に接しているだけで……」
「良い心がけだ。ところで、君は性別を抜きにして、相手の事をどう思っているんだ?顔を見たくないほど嫌いなのか?近づけば怖気が立つほど、憎悪の対象なのか?それとも限りなく無に近い存在なのか?」
「……ぶっちゃけ、良いヤツだと思っています」
「なら、それが君の素直な気持ちなんだ。それを大事にしろ」
「はい。なんか聞いてもらえてすっきりしました」
「それは良かった。───……さて、今日はここまでにしよう。ロム、君も仕事に戻りたまえ」
「ありがとうございました!」
迷いを振り払うように勢いよく立ち上がったロムは、そのままびゅんと音がしそうな程の勢いで腰を直角に折り曲げた。
そこにはかつてティアを取り合った確執はどこにもなかった。あるのは、忍耐強く恋愛相談に乗ってもらった感謝の念があるだけ。
「いや、とんでもない。また何かあればいつでも相談してくれたまえ」
包容力のある笑みを浮かべたもう一人の男こと、グレンシスも立ち上がり、ロムの肩を軽くたたいて顔を上げさせる。
そしてロムの憧れと尊敬が混ざったキラキラした視線を受けながら、さあ仕事に戻れと再び促した。
ちなみにロムが相談していたのは、ドゥールのこと。
忘れているかもしれないがドゥールは、昨年の秋にメゾン・プレザンにシェフ見習いで入った男性が好きな男性である。
そしてお察しの通り、ドゥールはロムへのアプローチをやめていない。未だに続いていたりもする。
ちなみにグレンシスに赤裸々に経緯を語るロムは、どうやらまんざらでもなさそうで。
でもやっぱり未知の世界に飛び込む勇気がなく、こうして暇を見つけてはグレンシスに相談していたりもする。
なぜそうなったかという経緯は、わからないけれど。
もちろんグレンシスは笑顔でその相談に乗っている。大変、親密に。そこに、やましい気持ちなどない……ように、心掛けながら。
「───……さて、俺もそろそろ行くか」
ロムが完全に視界から消えたのを確認すると、まるで勝手知ったる我が家のように、グレンシスは何の断りもなくメゾンプレザンの裏口から館内に足を踏み入れた。
そして一歩足を踏み入れれば、今日も今日とて会館前のメゾン・プレザンは、ドタバタと忙しい。
荷物を抱えたメイドや使用人がグレンシスの間を行き交う。ただ必ず、軽い挨拶をしてからすれ違っている。
最初はエリートな騎士様であっても、娼館の裏に入れるなんて……。
と、難色を示していた使用人たちも、今ではそんな台詞を吐いたことすらすっかり忘れて、グレンシスに気さくに声を掛けている。
もちろんティアが家族のように思っているメゾンプレザンの使用人達に対してグレンシスは偉そうな態度などしない。見下すなんて論外。朗らかに笑って、時には些細な用事も快く引き受ける。
ただ『騎士をクビになったら、ここで働きなよ』というお誘いだけは頷かない。
そして目に付く範囲で使用人達の手助けを終えたグレンシスは、更にメゾン・プレザンの奥へと足を向ける。
楽団が奏でるオーバーチュアは、絶え間なく続いている。
それに交じって、メゾン・プレザンの娼婦たちがきゃあきゃあとか、あーあとか声を出しながら各々の部屋へと移動する。
春の夜は、心を柔らかくするようで、そんな姦しい女性たちの声さえも優しく聞こえるのが不思議だ。
ちなみに娼婦たちは、裏方の通路を歩いているグレンシスを目にとめると、色気なしの親しみのある笑みを浮かべて軽く手を振ってすれ違う。
中にはお客の愚痴を吐く娼婦もちらほら。
そんな時でも、グレンシスは先ほどロムに向けていた笑みと同じものを浮かべて、うんうんと相槌を打つ。
けれどここで雷鳴のような声が、周囲に轟いた。
「はいっはいっはいっはいっ。あんたたち、もたもたしてんじゃないよっ。今夜もしっかりきばんなっ」
”はい”の間に手拍子を入れながら、この娼館の主は往生際悪くグダグダとしている娼婦たちに発破をかける。
「はぁーい」
聞いているこちらのテンションが下がってしまうような返事をしつつも、娼婦たちは足早にその場から立ち去った。
蜘蛛の子を蹴散らすように娼婦たちが去った後は、通路にはマダムローズとグレンシスが残される。
そうすれば今更ながらではあるが、通路の両端に隙間なく花が飾られていることに気付く。
「おや、騎士殿。お一人かい?」
花のことなど捨て置いて、手拍子を止めたマダムローズは、軽く腕を組んでグレンシスに問いかけた。
組んだ拍子にマダムローズの左手の薬指にはめられたシンプルな指輪がキラリと光る。ちなみに、同じ指輪をバザロフもはめていたりもする。
といっても、二人は同じデザインの指輪をしているとはいえ、まだ夫婦ではない。どこかの男女と同じ、婚約中なのだ。
『正式な結婚は、ちゃんとティアの挙式を見届けてから』というのが、マダムローズの譲れないこだわりだそうで。
そしてバザロフはそれを甘受して、今は一生に一度の婚約期間を楽しんでいたりもする。勤務中でもこれ見よがしに指輪を見せびらかせている。主に宰相向けて。
そしてこの花々は、マダムローズとバザロフを祝して贈られたもの。……かつてのライバル達から。
人間、歳を取れば丸くなる。
かつては鼻息荒くマダムローズを手に入れようと躍起になっていた男たちも、すでに初老に差し掛かっている。孫がいる男性だって少なくない。
だから、長年口説き、口説き、やっとこさマダムローズをバザロフが口説いたという風の便りを耳にした過去のライバル達である男性からは称賛の声が後を絶たない。
そして、二人を祝福する花も後を絶たない。
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