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第二部 戸惑いと、甘やかされる帰路
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「ティア、次はどれがいい?」
グレンシスは、ティアに優しく問いかけた。
そこには、また自分がティアに餌付けができるだろう。いや、それが当然。という気持ちがあったのだけれど……。
「ごちそうさまでした」
ぎこちない笑みを浮かべて、ティアは丁寧に頭を下げた。
それはまるで、揺れ動く気持ちを隠すかのようだった。次いで、グレンシスにもたれていた身体を起こす。
「あの、皆さん、ありがとうございました」
何か言いかけたグレンシスを遮るように、ティアは身体を捻って、木の根元に腰かけていた騎士達にもぺこりと頭を下げた。
途端にグレンシスは、むっとした表情を浮かべ、躊躇することなくティアの顎を掴んで自分の方に向かせた。
「もういらないのか?」
「はい。お腹いっぱいで───………って何するんですか!?」
ティアは、非難の声を上げた。ほぼほぼ悲鳴に近かった。
少し離れた場所にいる騎士達は、すぐさま同じように非難の目を向ける。
それは、ティアではなく───現在、ティアの椅子になっているグレンシスに。
そしてあまりの出来事に硬直してしまったティアの代わりに、バルータが物申す。
「あのぉ……恐れながら……。ロハン隊長、さすがに妙齢の女性の腹を触るのは、いかがなものかと」
トルシスとカイルも、バルータの言葉にうんうんと強く頷き援護する。
反対に、突然、部下から非難を受けたグレンシスは、そんなものかと不満げに眉間に皺を寄せる。
「そう言うな。こいつが嘘をついていないか確認しただけだ。───……ああ、それに」
「に?」
勿体ぶって言葉を止めたグレンシスに、すかさず部下の騎士達は同時に続きを促した。
グレンシスは眉間の皺を消した、けれど代わりにニヤリと、とても意地の悪い笑みを浮かべる。
「俺は、服を無理やり剥いだわけじゃないんだ。別に腹を撫でるくらい、どうということではないだろう?」
グレンシスの部下達は、その言葉にげっと声を出した。
そして、なんてことを口にしてくれるんだと、違う種類の非難の目をグレンシスに向けた。
実は3年前のあの事件の後、彼らは意識が戻ったグレンシスから、その時の様子を詳しく話せと迫られたのだ。
そして、ティアがグレンシスの服を脱がしたことを、ついペロッと喋ってしまったのだった。……ティアが内緒にしてくれと懇願したのに、だ。
だが、部下の騎士達にだって言い分はある。
白状しなければどうなるかわかるのか?と、殺気ムンムンに迫られた挙句の自白の強要であったのだ。
部下の騎士達だって、そんな理由で死にたくはなかった。
だが、わが身可愛さで喋ってしまったことは忍耐が足りなかったとは思う。けれど、あの時は本当に死を身近に感じてしまっていたのだ。だから、仕方がない。
……とはいえ、どうしてこのタイミングで言ってくれるのだろう。
「ロハン隊長、女性のお腹に触れるのと、男性のそれとは次元が違うと思います」
今度はカイルが反論した。
けれど、グレンシスの顔は大変涼し気だ。しかも、底意地の悪いことに、ここで視線をティアに向ける。
「と、部下が言っているが、お前はどう思う?ティア」
「……」
そんなことを聞かれても、困る。
ティアは部下の騎士達より、比べ物にならない程、動揺しているのだから。
大きな翡翠色の瞳は、今にも泣きださんばかりに潤んでいる。
「ん?どうした?ティア」
グレンシスは、労りに満ちた口調でそうティアに問いかける。けれど、その肩は小刻みに震えていた。
つい先日、ティアが涙を流したときには、あれほど狼狽えたというのに、だ。
まぁ、つまり、グレンシスはティアをちょっとだけ困らそうと、わざと口にしたということで……──けれど、ティアにとったら羞恥を超える衝撃だった。
「内緒にしてってお願いしたのにっ」
悲痛なティアの言葉に、騎士達はすぐにあらぬ方向に視線を泳がす。
その顔には「やべえ」とありありと書かれていた。
そしてこんなことを思ってはいけないとわかりつつも、3年前の出来事の目撃者であったことをティアに伝えなくて良かったと、心から思った。
対してティアは、自分の恥ずかしさといたたまれなさで、唇を噛んだ。
──重々お願いしていたはずなのに。誰だ、ペロリと吐いたのは!!
3年前のあの場所にいた騎士達の顔を、ティアは必死に思い出そうとする。けれど、意識の無いイケメンの顔しか思い出せない。
そして、その記憶の追跡は、大変、間違った行為であった。
なにせ思い出すのは、グレンシスだけで。そしてあの時のグレンシスの隆々とした胸板とか、陽に焼けたきめの細かい肌とかを鮮明に思い出す結果となってしまった。
「違う、あのっ、そうじゃないんですっ」
「何がだ?」
ティアが腕を必死に掴んで訴えてくると、グレンシスはくすりと笑いながら続きを促した。
だが、そう言われると、逆にティアは口ごもってしまう。
「……えっと……そ、そのぉ……何て言いますか……」
「ティア、ちゃんと答えろ」
エリート騎士ならではの威圧的な空気を醸し出すグレンシスからの追及をかわすことなどできるはずも無く、ティアは口を開いた。
「あれは、応急処置をするためだったんです。それに、あんな深い傷を治すのは、生まれて初めてだったので、ちゃんと治っているか心配で、つい……」
「なるほど。だから、俺の服を許可なく、むしり取ったというかけか?」
「なっ」
ティアは絶句した。
服を脱がしてしまったことは、バレてしまったので仕方がない。
けれど今、ティアが往生際悪く一生懸命に言葉を紡いでいるのは、ただ一つ。グレンシスに痴女だと思われたくないからで。
なのに、ティアの気持ちをあざ笑うかのように、グレンシスはゆったりとした笑みを浮かべる。
「なぁ、ティア。俺の裸はどうだったか?」
「!!!!」
信じられない言葉がグレンシスの形の良い唇から紡がれる。
ティアは本気で魂が飛び出しそうになってしまった。
「本当に、ごめんなさい。もうしません、絶対にっ。だからこれ以上は、どうか勘弁してください!!」
ティアは全力で、グレンシスに縋りついた。
ついさっきまで、エリート騎士に触れるなんて。などと謙虚な態度でいたことなんて、遥か彼方に吹き飛んでいる。
一人ひっそりと思い出すだけでも、恥ずかしさでいたたまれなくなるというのに。
当の本人から露骨にそんなことを聞かれるなんて、いっそ罵倒された方がまだマシだった。
グレンシスの両腕を掴んでいたティアの手がプルプルと震える。
追い詰められたその姿を見れば、胸が痛くなるはず。
なのに、なぜかグレンシスは、そんなティアすら可愛らしく思ってしまい、ついつい、もっと困らせてやりたくなってしまう。
「いーやっ、またやってくれてもいいんだぞ──……って、すまないっ」
「う、ううっ……ひっく、うっうっ」
とうとう顔を覆って泣き出したティアに、流石にグレンシスは狼狽えた。そして、あやすように背を撫で始める。
「すまない、少し……からかいすぎてしまったな。悪かった。許してくれ」
「う、ううっ……うっうっ、うわぁぁぁん」
形勢逆転したはずなのに、ティアの涙はいつまで経っても止まらなかった。
──ピチチッチチッ。
ティアを慰めるかのように、ケヤキの木の枝から可愛らしい小鳥のさえずりが聞こえてくる。
そして、恥ずかしさと動揺で火照ってしまったティアの身体を冷やすように、さわさわと心地よい風が吹き抜ける。
空は相変わらず澄み渡る青空で……それを見上げながら騎士達は、同時にこう思った。
ああ……、隊長、なんて残念なことを口にするんですかぁ。と。
グレンシスは、これまで仕事一筋で生きてきた。そして、イケメン故に女性に不自由することはなかった。
だからこんな結果となってしまったのだけれど、それについて苦言を呈することができる部下は一人もいなかった。
グレンシスは、ティアに優しく問いかけた。
そこには、また自分がティアに餌付けができるだろう。いや、それが当然。という気持ちがあったのだけれど……。
「ごちそうさまでした」
ぎこちない笑みを浮かべて、ティアは丁寧に頭を下げた。
それはまるで、揺れ動く気持ちを隠すかのようだった。次いで、グレンシスにもたれていた身体を起こす。
「あの、皆さん、ありがとうございました」
何か言いかけたグレンシスを遮るように、ティアは身体を捻って、木の根元に腰かけていた騎士達にもぺこりと頭を下げた。
途端にグレンシスは、むっとした表情を浮かべ、躊躇することなくティアの顎を掴んで自分の方に向かせた。
「もういらないのか?」
「はい。お腹いっぱいで───………って何するんですか!?」
ティアは、非難の声を上げた。ほぼほぼ悲鳴に近かった。
少し離れた場所にいる騎士達は、すぐさま同じように非難の目を向ける。
それは、ティアではなく───現在、ティアの椅子になっているグレンシスに。
そしてあまりの出来事に硬直してしまったティアの代わりに、バルータが物申す。
「あのぉ……恐れながら……。ロハン隊長、さすがに妙齢の女性の腹を触るのは、いかがなものかと」
トルシスとカイルも、バルータの言葉にうんうんと強く頷き援護する。
反対に、突然、部下から非難を受けたグレンシスは、そんなものかと不満げに眉間に皺を寄せる。
「そう言うな。こいつが嘘をついていないか確認しただけだ。───……ああ、それに」
「に?」
勿体ぶって言葉を止めたグレンシスに、すかさず部下の騎士達は同時に続きを促した。
グレンシスは眉間の皺を消した、けれど代わりにニヤリと、とても意地の悪い笑みを浮かべる。
「俺は、服を無理やり剥いだわけじゃないんだ。別に腹を撫でるくらい、どうということではないだろう?」
グレンシスの部下達は、その言葉にげっと声を出した。
そして、なんてことを口にしてくれるんだと、違う種類の非難の目をグレンシスに向けた。
実は3年前のあの事件の後、彼らは意識が戻ったグレンシスから、その時の様子を詳しく話せと迫られたのだ。
そして、ティアがグレンシスの服を脱がしたことを、ついペロッと喋ってしまったのだった。……ティアが内緒にしてくれと懇願したのに、だ。
だが、部下の騎士達にだって言い分はある。
白状しなければどうなるかわかるのか?と、殺気ムンムンに迫られた挙句の自白の強要であったのだ。
部下の騎士達だって、そんな理由で死にたくはなかった。
だが、わが身可愛さで喋ってしまったことは忍耐が足りなかったとは思う。けれど、あの時は本当に死を身近に感じてしまっていたのだ。だから、仕方がない。
……とはいえ、どうしてこのタイミングで言ってくれるのだろう。
「ロハン隊長、女性のお腹に触れるのと、男性のそれとは次元が違うと思います」
今度はカイルが反論した。
けれど、グレンシスの顔は大変涼し気だ。しかも、底意地の悪いことに、ここで視線をティアに向ける。
「と、部下が言っているが、お前はどう思う?ティア」
「……」
そんなことを聞かれても、困る。
ティアは部下の騎士達より、比べ物にならない程、動揺しているのだから。
大きな翡翠色の瞳は、今にも泣きださんばかりに潤んでいる。
「ん?どうした?ティア」
グレンシスは、労りに満ちた口調でそうティアに問いかける。けれど、その肩は小刻みに震えていた。
つい先日、ティアが涙を流したときには、あれほど狼狽えたというのに、だ。
まぁ、つまり、グレンシスはティアをちょっとだけ困らそうと、わざと口にしたということで……──けれど、ティアにとったら羞恥を超える衝撃だった。
「内緒にしてってお願いしたのにっ」
悲痛なティアの言葉に、騎士達はすぐにあらぬ方向に視線を泳がす。
その顔には「やべえ」とありありと書かれていた。
そしてこんなことを思ってはいけないとわかりつつも、3年前の出来事の目撃者であったことをティアに伝えなくて良かったと、心から思った。
対してティアは、自分の恥ずかしさといたたまれなさで、唇を噛んだ。
──重々お願いしていたはずなのに。誰だ、ペロリと吐いたのは!!
3年前のあの場所にいた騎士達の顔を、ティアは必死に思い出そうとする。けれど、意識の無いイケメンの顔しか思い出せない。
そして、その記憶の追跡は、大変、間違った行為であった。
なにせ思い出すのは、グレンシスだけで。そしてあの時のグレンシスの隆々とした胸板とか、陽に焼けたきめの細かい肌とかを鮮明に思い出す結果となってしまった。
「違う、あのっ、そうじゃないんですっ」
「何がだ?」
ティアが腕を必死に掴んで訴えてくると、グレンシスはくすりと笑いながら続きを促した。
だが、そう言われると、逆にティアは口ごもってしまう。
「……えっと……そ、そのぉ……何て言いますか……」
「ティア、ちゃんと答えろ」
エリート騎士ならではの威圧的な空気を醸し出すグレンシスからの追及をかわすことなどできるはずも無く、ティアは口を開いた。
「あれは、応急処置をするためだったんです。それに、あんな深い傷を治すのは、生まれて初めてだったので、ちゃんと治っているか心配で、つい……」
「なるほど。だから、俺の服を許可なく、むしり取ったというかけか?」
「なっ」
ティアは絶句した。
服を脱がしてしまったことは、バレてしまったので仕方がない。
けれど今、ティアが往生際悪く一生懸命に言葉を紡いでいるのは、ただ一つ。グレンシスに痴女だと思われたくないからで。
なのに、ティアの気持ちをあざ笑うかのように、グレンシスはゆったりとした笑みを浮かべる。
「なぁ、ティア。俺の裸はどうだったか?」
「!!!!」
信じられない言葉がグレンシスの形の良い唇から紡がれる。
ティアは本気で魂が飛び出しそうになってしまった。
「本当に、ごめんなさい。もうしません、絶対にっ。だからこれ以上は、どうか勘弁してください!!」
ティアは全力で、グレンシスに縋りついた。
ついさっきまで、エリート騎士に触れるなんて。などと謙虚な態度でいたことなんて、遥か彼方に吹き飛んでいる。
一人ひっそりと思い出すだけでも、恥ずかしさでいたたまれなくなるというのに。
当の本人から露骨にそんなことを聞かれるなんて、いっそ罵倒された方がまだマシだった。
グレンシスの両腕を掴んでいたティアの手がプルプルと震える。
追い詰められたその姿を見れば、胸が痛くなるはず。
なのに、なぜかグレンシスは、そんなティアすら可愛らしく思ってしまい、ついつい、もっと困らせてやりたくなってしまう。
「いーやっ、またやってくれてもいいんだぞ──……って、すまないっ」
「う、ううっ……ひっく、うっうっ」
とうとう顔を覆って泣き出したティアに、流石にグレンシスは狼狽えた。そして、あやすように背を撫で始める。
「すまない、少し……からかいすぎてしまったな。悪かった。許してくれ」
「う、ううっ……うっうっ、うわぁぁぁん」
形勢逆転したはずなのに、ティアの涙はいつまで経っても止まらなかった。
──ピチチッチチッ。
ティアを慰めるかのように、ケヤキの木の枝から可愛らしい小鳥のさえずりが聞こえてくる。
そして、恥ずかしさと動揺で火照ってしまったティアの身体を冷やすように、さわさわと心地よい風が吹き抜ける。
空は相変わらず澄み渡る青空で……それを見上げながら騎士達は、同時にこう思った。
ああ……、隊長、なんて残念なことを口にするんですかぁ。と。
グレンシスは、これまで仕事一筋で生きてきた。そして、イケメン故に女性に不自由することはなかった。
だからこんな結果となってしまったのだけれど、それについて苦言を呈することができる部下は一人もいなかった。
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