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一部の二部の間のおはなし
ある日のメゾン・プレザンでのおはなし
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これはグレンシス達がサチェ渓谷を後にして、数日してからのおはなし。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
夏は夜。月の頃はさらなり。
これは、とある異国の女性の随筆の中にある一文。
夏の季節は、夜が一番趣があり、月夜の晩などもう言わなくてもわかるよね?的な感じで、幻想的な情景を綴っている。
……などという、うんちくを語らなくても、夏の夜は、どこか開放的なイメージがあるのは間違いない。
といってもメゾン・プレザンは、季節に関係なく本日も満室御礼である。
締め切った部屋の中では娼婦達が、殿方に一夜の最高の夢を見るために理想の女性を演じ、シェフは殿方の胃袋を唸らせる至高の一品を作り、楽団はせっせとムード作りの為の音楽を奏でている。
そんな中、館の主人であるマダムローズは自室の執務机に腰掛けて、涼し気な様子で帳簿を付けていた。
「───……ティアは、今頃、どうしているのかねぇ」
王宮の財務室でも思わず二度見してしまいそうな金額をさらさらと記入しながら、マダムローズは独りごちる。
目玉の飛び出る金額だろうが何だろうが、マダムローズにとったら帳簿に記入しているこの金額は、当然の額であり、おっかなびっくりすることも、桁を間違えることもない。
けれど、ふと手を止めて、窓に目を向けた。
ひょんなことから、ティアがこの娼館から姿を消して、既に一ヶ月以上経過している。
出入りの激しい娼館で、人一人が消えたところで、そう騒ぎ立てることではないけれど、それがティアとなれば話は違う。
最初は、娼婦から散々寂しいだの、恋しいだのという愚痴が出た。
次に使用人一同から悲痛な声で、戦力不足でにっちもさっちもいかないから、ティアの帰還を早めてくれという訴えをもらった。
それをマダムローズは、時には『はいはい』と聞き流し、時には『お黙り』と一喝したりして、やり過ごした。
そして、やっと娼館が落ち着きを取り戻した頃、マダムローズは今更ながら寂しさを覚えてしまったのだった。
「元気でやっていれば良いけれど……」
女帝と謳われているマダムローズだって、血の色は赤だ。
守銭奴と陰口を言われようが、悪魔とののしられようが、人並みに我が子のように思っている少女を心配する気持ちはある。
ちなみに、この部屋はマダムローズの自室ではあるけれど、一人でいるわけではない。
「なに、うちの若い奴らがしっかりと護衛しているさ。今頃、物見遊山で楽しく過ごしているだろう」
そう答えたのは、騎士服の上着を脱いでソファでくつろぐバザロフだった。
マダムローズの自室は、娼館の人間達にとっては立ち入り禁止区域である。ティアであっても、気軽に足を踏み入れることはできない。
けれど、この初老の男性だけは違った。
それはバザロフがこの娼館の本当の主であるから。というわけではなくマダムローズと長い長い恋情を交わした関係であるから。
ちなみにバザロフの耳には善良な市民のおかげで、ティアが怪我を負ったことも、オルドレイ国の王族の前で、アジェーリアから大々的に友達宣言を受けたことも、まだ入っていない。
あくまで推測で、この言葉を気軽に口にしただけ。
けれど、次に発した言葉は予測ではなく、かなり確信をもったもの。
「ま、とある騎士から口説かれてるかもしれないがな」
バザロフは意味ありげに、マダムローズに向かってニヤリと片側の口の端を持ち上げた。
王宮は、数多くの人間が働き、出入りする場所。そして数々の噂が行き交う場所でもある。
そこで長年働くバザロフの元には、高位の役職ということもあり、たくさんの噂話が入ってくる。
普段はそういう類のものは、くだらないと右から左に聞き流すバザロフであったけれど、その中の一つに、とても興味深いものがあった。
それはバザロフは個人的に一目置いている騎士についての噂。
長年、浮いた話など聞いたこともなく、実は男色家ではないかという疑惑すら浮かんでいるイケメン王宮騎士は、実は名も知らない女性を想い続けているらしいというのだ。
しかもどうやら惚れたきっかけは、騎士の窮地を救ってくれたということで……。
死線を幾度も切り抜けてきたバザロフはとてもカンが良い。そして、ピンときた。その王宮騎士が想いを寄せている人物に。
試しに護衛という名目で、その二人を引き合わせてみれば、まんざらでもなさそうで。そして、その二人は、現在、王都から遠く離れた地にいたりもする。
「こりゃ、花嫁衣裳や持参金やらで、物入りになりそうだな。ああ、儂も礼服を新調しなければいかんな」
堅物のエリート騎士が、結婚願望を捨てている少女を必死に口説く姿を想像し、思わず笑みが零れる。
さて、ご存知だと思うが、バザロフは、大変厳つい顔をしている。
その顔に耐性の付いていないものなら、軽くすごまれたら10日間は悪夢にうなされてしまうほど、怖い顔をしている。
けれど、バザロフに対してある程度、耐性が付いている者……特にメゾン・プレザンに身を置いている者は、陰でこの初老の男性のことをこう呼んでいる。───【パパロフ】と。
その渾名についての説明など必要ないだろう。
そして、誰のパパなのかという説明も不要だろう。
けれど、当の本人はそんなふうに呼ばれている自覚はない。
無意識のまま、ティアに対して父親以上の親心を持っている。
そんなパパロフを一瞥したマダムローズは、同意するかのようにこう言った。
「ま、私も、ティアの全部を知ってそれでもって求婚でもしてくれる男が現れてくれたなら、肩の荷が下りるってもんだけどねぇ」
マダムローズのその言葉は、生前、ティアの母親から娘に人並みの幸せをと願いを託されたから。
けれど、バザロフはそうは受け取らなかった。
「そうだな。なら、ひさびさに賭けをしないか?リリー」
「はぁ!?」
不意打ちで本名を呼ばれたマダムローズは、流石に動揺を隠せなかった。
過去、バザロフがこういう流れで、何かを提案するときは決まってあの事しかないからだ。
そしてその予感は、確信となる。
「もし、ティアがこのまま誰かに見初められて、ここに帰らなかったら、な?」
「な、なにさ」
「儂の妻になってくれ」
「……」
マダムローズの頬は見事に引きつった。
そして、腕を組み大仰に息を吐きながら、うんざりとした表情を作る。
「お前さん、まだ懲りてなかったのかい?」
「当たり前だ」
バザロフは眉を上げて、あっさりと答えた。
そして、マダムローズが口を開く前に、言葉をつづけた。
「戦争の最前線に送られたのに死ななかったのも、こんな老いぼれになって、いい加減こっちに来いと戦友が手招きするのを突っぱねているのも、何でかわからないのか?」
「……」
再び、マダムローズは口をつぐんだ。そして、長い間の後───
「1杯呑むかい?」
マダムローズは、さらりと話を変えた。
それは、いっそ拍手を送りたくなる程の強引さであった。
けれど、バザロフは目元を柔らかく細めただけ。
こんなやり取りは、いつものこと。
いや、ぴしゃりと跳ね除けられなかったのは、バザロフにとって喜ぶべきことだった。
なにせバザロフは、マダムローズに手を変え品を変え求婚をし続けていいたりもする。ちなみに一度も是という返事はもらえていない。
それでも、バザロフは諦めるつもりはない。
そして、死ぬまでにマダムローズから求婚を受け入れてくれる返事をもらえれば良いと思っているバザロフは、どこかの王宮騎士とは違い、とても気が長い。
「ああ、もらおう」
低く甘い声が部屋に響く。
一つ頷いたマダムローズは、チェストから酒を取り出し、2つのグラスと共にそれらをソファの前のテーブルに置いた。
そして酒の栓を抜く音と共に、マダムローズは小さな声でこう言った。
「……考えておくさ」
「ああ、そうしてくれ」
曇り一つなく磨かれたグラスが琥珀色になる。
それを同時に見つめた二人の表情は、駆け引きを放棄した大人のそれだった。
夏の夜は短い。
けれど、月はまだまだ高い位置にある。そして、二人の夜は、これからのようであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
夏は夜。月の頃はさらなり。
これは、とある異国の女性の随筆の中にある一文。
夏の季節は、夜が一番趣があり、月夜の晩などもう言わなくてもわかるよね?的な感じで、幻想的な情景を綴っている。
……などという、うんちくを語らなくても、夏の夜は、どこか開放的なイメージがあるのは間違いない。
といってもメゾン・プレザンは、季節に関係なく本日も満室御礼である。
締め切った部屋の中では娼婦達が、殿方に一夜の最高の夢を見るために理想の女性を演じ、シェフは殿方の胃袋を唸らせる至高の一品を作り、楽団はせっせとムード作りの為の音楽を奏でている。
そんな中、館の主人であるマダムローズは自室の執務机に腰掛けて、涼し気な様子で帳簿を付けていた。
「───……ティアは、今頃、どうしているのかねぇ」
王宮の財務室でも思わず二度見してしまいそうな金額をさらさらと記入しながら、マダムローズは独りごちる。
目玉の飛び出る金額だろうが何だろうが、マダムローズにとったら帳簿に記入しているこの金額は、当然の額であり、おっかなびっくりすることも、桁を間違えることもない。
けれど、ふと手を止めて、窓に目を向けた。
ひょんなことから、ティアがこの娼館から姿を消して、既に一ヶ月以上経過している。
出入りの激しい娼館で、人一人が消えたところで、そう騒ぎ立てることではないけれど、それがティアとなれば話は違う。
最初は、娼婦から散々寂しいだの、恋しいだのという愚痴が出た。
次に使用人一同から悲痛な声で、戦力不足でにっちもさっちもいかないから、ティアの帰還を早めてくれという訴えをもらった。
それをマダムローズは、時には『はいはい』と聞き流し、時には『お黙り』と一喝したりして、やり過ごした。
そして、やっと娼館が落ち着きを取り戻した頃、マダムローズは今更ながら寂しさを覚えてしまったのだった。
「元気でやっていれば良いけれど……」
女帝と謳われているマダムローズだって、血の色は赤だ。
守銭奴と陰口を言われようが、悪魔とののしられようが、人並みに我が子のように思っている少女を心配する気持ちはある。
ちなみに、この部屋はマダムローズの自室ではあるけれど、一人でいるわけではない。
「なに、うちの若い奴らがしっかりと護衛しているさ。今頃、物見遊山で楽しく過ごしているだろう」
そう答えたのは、騎士服の上着を脱いでソファでくつろぐバザロフだった。
マダムローズの自室は、娼館の人間達にとっては立ち入り禁止区域である。ティアであっても、気軽に足を踏み入れることはできない。
けれど、この初老の男性だけは違った。
それはバザロフがこの娼館の本当の主であるから。というわけではなくマダムローズと長い長い恋情を交わした関係であるから。
ちなみにバザロフの耳には善良な市民のおかげで、ティアが怪我を負ったことも、オルドレイ国の王族の前で、アジェーリアから大々的に友達宣言を受けたことも、まだ入っていない。
あくまで推測で、この言葉を気軽に口にしただけ。
けれど、次に発した言葉は予測ではなく、かなり確信をもったもの。
「ま、とある騎士から口説かれてるかもしれないがな」
バザロフは意味ありげに、マダムローズに向かってニヤリと片側の口の端を持ち上げた。
王宮は、数多くの人間が働き、出入りする場所。そして数々の噂が行き交う場所でもある。
そこで長年働くバザロフの元には、高位の役職ということもあり、たくさんの噂話が入ってくる。
普段はそういう類のものは、くだらないと右から左に聞き流すバザロフであったけれど、その中の一つに、とても興味深いものがあった。
それはバザロフは個人的に一目置いている騎士についての噂。
長年、浮いた話など聞いたこともなく、実は男色家ではないかという疑惑すら浮かんでいるイケメン王宮騎士は、実は名も知らない女性を想い続けているらしいというのだ。
しかもどうやら惚れたきっかけは、騎士の窮地を救ってくれたということで……。
死線を幾度も切り抜けてきたバザロフはとてもカンが良い。そして、ピンときた。その王宮騎士が想いを寄せている人物に。
試しに護衛という名目で、その二人を引き合わせてみれば、まんざらでもなさそうで。そして、その二人は、現在、王都から遠く離れた地にいたりもする。
「こりゃ、花嫁衣裳や持参金やらで、物入りになりそうだな。ああ、儂も礼服を新調しなければいかんな」
堅物のエリート騎士が、結婚願望を捨てている少女を必死に口説く姿を想像し、思わず笑みが零れる。
さて、ご存知だと思うが、バザロフは、大変厳つい顔をしている。
その顔に耐性の付いていないものなら、軽くすごまれたら10日間は悪夢にうなされてしまうほど、怖い顔をしている。
けれど、バザロフに対してある程度、耐性が付いている者……特にメゾン・プレザンに身を置いている者は、陰でこの初老の男性のことをこう呼んでいる。───【パパロフ】と。
その渾名についての説明など必要ないだろう。
そして、誰のパパなのかという説明も不要だろう。
けれど、当の本人はそんなふうに呼ばれている自覚はない。
無意識のまま、ティアに対して父親以上の親心を持っている。
そんなパパロフを一瞥したマダムローズは、同意するかのようにこう言った。
「ま、私も、ティアの全部を知ってそれでもって求婚でもしてくれる男が現れてくれたなら、肩の荷が下りるってもんだけどねぇ」
マダムローズのその言葉は、生前、ティアの母親から娘に人並みの幸せをと願いを託されたから。
けれど、バザロフはそうは受け取らなかった。
「そうだな。なら、ひさびさに賭けをしないか?リリー」
「はぁ!?」
不意打ちで本名を呼ばれたマダムローズは、流石に動揺を隠せなかった。
過去、バザロフがこういう流れで、何かを提案するときは決まってあの事しかないからだ。
そしてその予感は、確信となる。
「もし、ティアがこのまま誰かに見初められて、ここに帰らなかったら、な?」
「な、なにさ」
「儂の妻になってくれ」
「……」
マダムローズの頬は見事に引きつった。
そして、腕を組み大仰に息を吐きながら、うんざりとした表情を作る。
「お前さん、まだ懲りてなかったのかい?」
「当たり前だ」
バザロフは眉を上げて、あっさりと答えた。
そして、マダムローズが口を開く前に、言葉をつづけた。
「戦争の最前線に送られたのに死ななかったのも、こんな老いぼれになって、いい加減こっちに来いと戦友が手招きするのを突っぱねているのも、何でかわからないのか?」
「……」
再び、マダムローズは口をつぐんだ。そして、長い間の後───
「1杯呑むかい?」
マダムローズは、さらりと話を変えた。
それは、いっそ拍手を送りたくなる程の強引さであった。
けれど、バザロフは目元を柔らかく細めただけ。
こんなやり取りは、いつものこと。
いや、ぴしゃりと跳ね除けられなかったのは、バザロフにとって喜ぶべきことだった。
なにせバザロフは、マダムローズに手を変え品を変え求婚をし続けていいたりもする。ちなみに一度も是という返事はもらえていない。
それでも、バザロフは諦めるつもりはない。
そして、死ぬまでにマダムローズから求婚を受け入れてくれる返事をもらえれば良いと思っているバザロフは、どこかの王宮騎士とは違い、とても気が長い。
「ああ、もらおう」
低く甘い声が部屋に響く。
一つ頷いたマダムローズは、チェストから酒を取り出し、2つのグラスと共にそれらをソファの前のテーブルに置いた。
そして酒の栓を抜く音と共に、マダムローズは小さな声でこう言った。
「……考えておくさ」
「ああ、そうしてくれ」
曇り一つなく磨かれたグラスが琥珀色になる。
それを同時に見つめた二人の表情は、駆け引きを放棄した大人のそれだった。
夏の夜は短い。
けれど、月はまだまだ高い位置にある。そして、二人の夜は、これからのようであった。
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