エリート騎士は、移し身の乙女を甘やかしたい

当麻月菜

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第一部 王女様のお輿入れ

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 草原に到着したところで、自分のステータスを久しぶりに確認する。
 今後、魔物が大量に襲ってきた時の戦闘を踏まえて用心しておくことにしたからだ。
 
「エミリア、少し周囲の警戒を頼む」
「はい」

 彼女が頷いたのを確認したあと、ステータスの確認。



 ステータス

【レベル】5
【物理攻撃力】999
【物理防御力】999
【移動回避力】999
【魔法攻撃力】999
【魔法防御力】999

【残りポイント】4973



 まったくレベルが上っていないのは魔物の討伐数が少ないからだろう。
 問題はHPとMP表示がされていないことだ。
 もしかしたら、アルドガルド・オンラインと違ってHPやMPという概念が無いのかも知れない。
 そうなると、今後の戦略を組む上で非常に厄介なことになる。
 何せ、数値が見えないのだから、ダメージがどのくらい蓄積しているのかすら分からないからだ。
 そうなると早め早めの対処が必要になってしまう。
 次に、魔法とスキル欄をチェックしておく。



 魔法欄一覧
『ヒールLV10』



 魔法に関しては、積極的に増やす必要があるな。
 出来れば複数の相手と戦うことを前提として範囲魔法が欲しい。
 ヒールは、単体には消費魔力は少なく万能に見えるが、それはあくまでも単体に有効であって、複数同時戦闘の場合には、明らかに回復が追い付かずジリ貧になる。
 


スキル
『片手剣LV10』
『投擲LV10』
『気配感知LV10』
『鷹の目LV10』
『状態異常無効化LV10』



 スキルに関しては、遠距離の投擲があるが――、補正スキルとして『遠距離補正』と『投擲加速』が欲しいところだ。
 とにかくスキルも魔法も足りないし、レベルも上げる必要がある。
 何せ、伝説級の武器防具の中にはレベル制限が掛かっているのも少なくないからな。
 俺は、システムウィンドウを一度、全部落とす。

「エミリア。待たせた」
「いえ。ステータスを見ていたんですよね?」
「まあな」

 そういえば、こちらの世界の人間もステータスウィンドウや称号は見ることが出来るんだよな。
 ――ん? そういえば、俺の今の称号は……。
 少し気になって称号をチェック。



【称号】
▲裏切られし者
▲童貞卒業
▲酒飲みの王
▲浪費家



 ほんと、ろくな称号がないな!
 全力で俺を貶めに来てるとしか思えない称号の一覧だ。

「とりあえず、魔物でも狩るか」

 俺は、『気配感知LV10』を発動。
 周囲にいる魔物や大型の動物の気配を調べていく。
 すると脳裏に、一匹の大型の猪の姿が!

「こっちだ!」
 
 俺は腰に吊るしてある鞘から鉄の剣を抜き出す。
 そして――、100メートルの距離を強化した身体能力により一瞬で詰め――、俺の鉄の剣が煌めく。
 狙いは正確に決まり――、大型の猪の頭と胴体を斬り離しことに成功する。
 空中を舞う猪の頭と胴体をアイテムボックスの中に移動し、次の獲物へと向かう。


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