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第一部 王女と、移し身の乙女の願い
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旅服とはいえ、豪華なドレスを着ているのはティア。
そして地味で質素なワンピースを着ているのは、アジェーリア。
そのどちらが王女なのか。
それは、ロクに王女の姿を見たことがない反逆者達だってすぐにわかった。
馬から降りた途端、アジェーリアがぱっと華やいだように見えたから。
そして歩くアジェーリアは、沢山のかがり火に照らされたかのように輝いている。
これこそが、まさに王族の風格だった。
やはりアジェーリアは、高貴なる存在なのだ。
そんな存在の身代わりができると思った自分は、身の程を弁えていなかった。とても恥ずかしい。
そんなふうにティアが自己嫌悪に陥る中、アジェーリアは主犯格の前で足を止めた。
主犯格は、大柄な男だった。
ただ兵士のように甲冑は身に付けていない。渋茶色の簡素な服に革でできた胸当てをしただけの、旅人のような恰好だった。
腕に巻かれた包帯代わりの布から血が滲んで痛々しい。
ただ男は、腕の傷の痛みなど感じていないのか、アジェーリアに見下ろされた途端、悔し気に顔をゆがめた。
その瞬間、ざわりと空気が揺れた。
ティアは今更ながら、ここに数十人の反逆者達がいることに気付く。
彼らは全員荒縄で拘束され、数人ごとに固められていた。
そして、その各固まりごとに兵士が監視している。はっきりと言えば、剣を突きつけ、抑圧していた。
もちろん主犯格にも2名の騎士が付いている。
反逆者達の誰かが少しでも不穏な動きをすれば、迷わず斬るという兵の意志が、ありありと伝わってくる。
だが主犯格の男は不遜な態度を崩さない。
すぐさま警戒する空気を強めた騎士達を、アジェーリアは目線だけ制して口を開く。
「気が済んだか?」
その口調は、まるで母親が遊び疲れた子供に帰宅を促すようなものだった。
「………」
男は、虚を突かれた顔をしたけれど、アジェーリアの問いに答えない。
無言でいることが、何よりの答えなのだろう。
この時点でこの男は、2度と口を利けぬようになってもおかしくはなかった。
騎士達の表情が更に険しくなる。
けれど、アジェーリアは気を悪くする素振りもなく、再び口を開いた。
ただ今度は、感情を殺した硬い口調だった。
「ぬしは、先の戦争で家族を亡くしたのか?」
「ああ」
この質問には、男は短く答える。
その2文字は、殺気と憎悪をはらませて、触れれば火を発しそうなものだった。
そして男は主犯格の立場で、恐れながらと前置きして言葉を続ける。
「私だけではありません。ここにいる者すべてが、そうであります」
「そうか」
深い悲しみと憤りを感じさせる主犯格の声に、アジェーリアは静かに頷いた。
この暴動のたどり着く場所が、過去の戦争を憎む気持ちだったこと。
そして彼らの戦争はまだ続いていることを、アジェーリアはしっかりと受け止める。慈愛を込めた微笑みで。
ただそのアジェーリアの笑みは、あまりにも年齢に似合わないものだとティアは思った。
はなから怒りの感情を放棄し、全てを許しているような、そんな笑みだった。
だが、アジェーリアはここで表情を一変させる。
「皆の者、一度しか言わぬからよく聞け。先の戦の責任は、オルドレイ国の民にはない。すべてわれら王族にある。開戦を決めたのも、われら王族。そして、民に向けて死ねと命令を下したのも、王族じゃ」
きっぱりとよどみなく言い切ったアジェーリアは、まさに王族の威厳があった。
そして、ティアはここでようやっと気付いた。
この騒ぎの本当の罪人が、だれであるかを。
それは、アジェーリアを含めた王族。
だから、アジェーリアは負傷した反逆者達を目にして蒼白な顔色をしていたのだ。
いやロハンネ卿の屋敷に向かう馬車の中でも、その美しい顔は青かった。
それは自分達の犯した罪のせいで、大切なものが傷つけられるのを恐れていたから。
そして、それが現実となってしまったのだ。
けれど、アジェーリアはどこまでも王族だった。
自分の胸の痛みなどこれっぽちも見せず、気丈に言葉を続ける。
「そなた達の苦しみも憂いも、全てわらわが受け止めるべきことじゃ。よそに怒りを向けるでない。負の連鎖は何も生まない。だから、わらわは……2度と、この国が戦火に侵されぬよう、民が怯えて暮らさぬよう嫁ぐのじゃ。それが、わわらが出した、わらわにできる唯一の償いじゃ」
アジェーリアが元敵国のオルドレイに嫁ぐ理由は、誰もがわかっていたはずだ。
そして、わかった上で暴動を起こしたのだ。
けれど、直接本人の口からそれを聞けば、自分達の犯してしまったことがとても浅はかだったことを知る。
反逆者達は王女の覚悟を知って、自分達の過ちに気付いた。
そして脱力した。まるで、あやつり人形が、突然、糸を切られてしまったかのたように、くにゃりと身体中の力が抜けていく。
少し離れた場所にいるティアの元にまで、彼らの自責の念が激しく伝わってきた。
そんな中、それらを一層するかのように、アジェーリアは明るい声を出す。
「安心せい。わらわの思いは子々孫々まで伝える。それはそれはねちっこく、婆なってウザがられても夢枕に立っても、繋いでいく」
その言葉は茶目っ気のあるものだった。
けれど、誰も笑みは浮かべない。
そしてここにいる全員の視線はまるで救いをもとめるかのようにアジェーリアに向かっていた。
その視線を受けアジェーリアは、ここにいる人間に向かい平等な視線を向ける。
次いで、主犯格の頭に手を置いた。そのまま、くしゃりと髪を撫でる。
「……それにしても、驚いたぞ。まさかな、」
ここでアジェーリアは、一旦言葉を止めて、再び、ぐるりと辺りを見渡すした。
そしてまるで宣言するかのように声色を変え、口を開く。
「まさかわらわに直接祝辞を述べたいからといって、このような大群で押し寄せてくるとはな。うっかり、反逆者と勘違いされてもしかたがないぞ。……なぁ?」
アジェーリアが問いかける先は、この旅の責任者であるグレンシス。
そしてグレンシスは、仕事人間ではあるが杓子定規にしか物事を計れない人間では……なかった。
「王女のおっしゃることに同感です。こんな夜中に、本当に人騒がせなことだ」
「すまねえ。ちょいと驚かせちまったなっ、兄ちゃん達!へっへっ」
グレンシスの言葉に主犯格は、すぐに答えた。食い気味でさえあった。
主犯格にとったら、自分の仲間を助ける最後のチャンスだったので、そうせざるを得なかった。
と、いうのもあるけれど、何より主犯格は王女に笑って欲しかったのだ。
年頃らしい、無邪気な笑みを。
「あはっ。ぬしは、なかなかの性格のようじゃな」
功を奏し、アジェーリアは破顔した。
アジェーリアの笑い声と共に、この場の空気が嘘のように軽くなる。かがり火の数は変わっていないのに、何だか明るくなったようにさえ見えた。
とはいえ、グレンシスにとっては、かなり不愉快なこと。
ついでに言うと、騎士と城塞の兵たちも、さすがに思うところがあった。
「……後でたっぷり、説教してやる」
怒りを極限まで凝縮したグレンシスの言葉に、主犯格は、おお怖いと大仰に肩をすくめて見せる。
美しいグレンシスの額にすぐさま青筋が立ったけれど、今この瞬間から、反逆者達はお騒がせな、ただの善良な市民になった。
───なら、この場に負傷者がいるのは、おかしい。
死人が出るなんて、もってのほかだ。
事の成り行きを静かに見守っていたティアは、ここでやっと自分が役立つ時が来たことを知る。
そして、未だ怒り冷めやらぬグレンシスの顔を見ないようにしながら、その袖を引っ張った。
「……あの、こんな時に申し訳ないのですが……騎士様、降ろしてください」
「ああ。わかった」
あっさりと怒りの感情を引っ込めて頷いたグレンシスに、ティアは目を丸くする。
てっきり、却下されると思っていた。ついでに言うなら、小言の一つでも降ってくると思っていた。
なのにグレンシスは先に自分が馬から降りると、次いでティアをそっと抱き下ろす。
そして、ティアの目的が既にわかっているかのように、グレンシスはティアを抱いたまま歩き、負傷した反逆者……もとい、お騒がせ市民の前に降ろした。
そして地味で質素なワンピースを着ているのは、アジェーリア。
そのどちらが王女なのか。
それは、ロクに王女の姿を見たことがない反逆者達だってすぐにわかった。
馬から降りた途端、アジェーリアがぱっと華やいだように見えたから。
そして歩くアジェーリアは、沢山のかがり火に照らされたかのように輝いている。
これこそが、まさに王族の風格だった。
やはりアジェーリアは、高貴なる存在なのだ。
そんな存在の身代わりができると思った自分は、身の程を弁えていなかった。とても恥ずかしい。
そんなふうにティアが自己嫌悪に陥る中、アジェーリアは主犯格の前で足を止めた。
主犯格は、大柄な男だった。
ただ兵士のように甲冑は身に付けていない。渋茶色の簡素な服に革でできた胸当てをしただけの、旅人のような恰好だった。
腕に巻かれた包帯代わりの布から血が滲んで痛々しい。
ただ男は、腕の傷の痛みなど感じていないのか、アジェーリアに見下ろされた途端、悔し気に顔をゆがめた。
その瞬間、ざわりと空気が揺れた。
ティアは今更ながら、ここに数十人の反逆者達がいることに気付く。
彼らは全員荒縄で拘束され、数人ごとに固められていた。
そして、その各固まりごとに兵士が監視している。はっきりと言えば、剣を突きつけ、抑圧していた。
もちろん主犯格にも2名の騎士が付いている。
反逆者達の誰かが少しでも不穏な動きをすれば、迷わず斬るという兵の意志が、ありありと伝わってくる。
だが主犯格の男は不遜な態度を崩さない。
すぐさま警戒する空気を強めた騎士達を、アジェーリアは目線だけ制して口を開く。
「気が済んだか?」
その口調は、まるで母親が遊び疲れた子供に帰宅を促すようなものだった。
「………」
男は、虚を突かれた顔をしたけれど、アジェーリアの問いに答えない。
無言でいることが、何よりの答えなのだろう。
この時点でこの男は、2度と口を利けぬようになってもおかしくはなかった。
騎士達の表情が更に険しくなる。
けれど、アジェーリアは気を悪くする素振りもなく、再び口を開いた。
ただ今度は、感情を殺した硬い口調だった。
「ぬしは、先の戦争で家族を亡くしたのか?」
「ああ」
この質問には、男は短く答える。
その2文字は、殺気と憎悪をはらませて、触れれば火を発しそうなものだった。
そして男は主犯格の立場で、恐れながらと前置きして言葉を続ける。
「私だけではありません。ここにいる者すべてが、そうであります」
「そうか」
深い悲しみと憤りを感じさせる主犯格の声に、アジェーリアは静かに頷いた。
この暴動のたどり着く場所が、過去の戦争を憎む気持ちだったこと。
そして彼らの戦争はまだ続いていることを、アジェーリアはしっかりと受け止める。慈愛を込めた微笑みで。
ただそのアジェーリアの笑みは、あまりにも年齢に似合わないものだとティアは思った。
はなから怒りの感情を放棄し、全てを許しているような、そんな笑みだった。
だが、アジェーリアはここで表情を一変させる。
「皆の者、一度しか言わぬからよく聞け。先の戦の責任は、オルドレイ国の民にはない。すべてわれら王族にある。開戦を決めたのも、われら王族。そして、民に向けて死ねと命令を下したのも、王族じゃ」
きっぱりとよどみなく言い切ったアジェーリアは、まさに王族の威厳があった。
そして、ティアはここでようやっと気付いた。
この騒ぎの本当の罪人が、だれであるかを。
それは、アジェーリアを含めた王族。
だから、アジェーリアは負傷した反逆者達を目にして蒼白な顔色をしていたのだ。
いやロハンネ卿の屋敷に向かう馬車の中でも、その美しい顔は青かった。
それは自分達の犯した罪のせいで、大切なものが傷つけられるのを恐れていたから。
そして、それが現実となってしまったのだ。
けれど、アジェーリアはどこまでも王族だった。
自分の胸の痛みなどこれっぽちも見せず、気丈に言葉を続ける。
「そなた達の苦しみも憂いも、全てわらわが受け止めるべきことじゃ。よそに怒りを向けるでない。負の連鎖は何も生まない。だから、わらわは……2度と、この国が戦火に侵されぬよう、民が怯えて暮らさぬよう嫁ぐのじゃ。それが、わわらが出した、わらわにできる唯一の償いじゃ」
アジェーリアが元敵国のオルドレイに嫁ぐ理由は、誰もがわかっていたはずだ。
そして、わかった上で暴動を起こしたのだ。
けれど、直接本人の口からそれを聞けば、自分達の犯してしまったことがとても浅はかだったことを知る。
反逆者達は王女の覚悟を知って、自分達の過ちに気付いた。
そして脱力した。まるで、あやつり人形が、突然、糸を切られてしまったかのたように、くにゃりと身体中の力が抜けていく。
少し離れた場所にいるティアの元にまで、彼らの自責の念が激しく伝わってきた。
そんな中、それらを一層するかのように、アジェーリアは明るい声を出す。
「安心せい。わらわの思いは子々孫々まで伝える。それはそれはねちっこく、婆なってウザがられても夢枕に立っても、繋いでいく」
その言葉は茶目っ気のあるものだった。
けれど、誰も笑みは浮かべない。
そしてここにいる全員の視線はまるで救いをもとめるかのようにアジェーリアに向かっていた。
その視線を受けアジェーリアは、ここにいる人間に向かい平等な視線を向ける。
次いで、主犯格の頭に手を置いた。そのまま、くしゃりと髪を撫でる。
「……それにしても、驚いたぞ。まさかな、」
ここでアジェーリアは、一旦言葉を止めて、再び、ぐるりと辺りを見渡すした。
そしてまるで宣言するかのように声色を変え、口を開く。
「まさかわらわに直接祝辞を述べたいからといって、このような大群で押し寄せてくるとはな。うっかり、反逆者と勘違いされてもしかたがないぞ。……なぁ?」
アジェーリアが問いかける先は、この旅の責任者であるグレンシス。
そしてグレンシスは、仕事人間ではあるが杓子定規にしか物事を計れない人間では……なかった。
「王女のおっしゃることに同感です。こんな夜中に、本当に人騒がせなことだ」
「すまねえ。ちょいと驚かせちまったなっ、兄ちゃん達!へっへっ」
グレンシスの言葉に主犯格は、すぐに答えた。食い気味でさえあった。
主犯格にとったら、自分の仲間を助ける最後のチャンスだったので、そうせざるを得なかった。
と、いうのもあるけれど、何より主犯格は王女に笑って欲しかったのだ。
年頃らしい、無邪気な笑みを。
「あはっ。ぬしは、なかなかの性格のようじゃな」
功を奏し、アジェーリアは破顔した。
アジェーリアの笑い声と共に、この場の空気が嘘のように軽くなる。かがり火の数は変わっていないのに、何だか明るくなったようにさえ見えた。
とはいえ、グレンシスにとっては、かなり不愉快なこと。
ついでに言うと、騎士と城塞の兵たちも、さすがに思うところがあった。
「……後でたっぷり、説教してやる」
怒りを極限まで凝縮したグレンシスの言葉に、主犯格は、おお怖いと大仰に肩をすくめて見せる。
美しいグレンシスの額にすぐさま青筋が立ったけれど、今この瞬間から、反逆者達はお騒がせな、ただの善良な市民になった。
───なら、この場に負傷者がいるのは、おかしい。
死人が出るなんて、もってのほかだ。
事の成り行きを静かに見守っていたティアは、ここでやっと自分が役立つ時が来たことを知る。
そして、未だ怒り冷めやらぬグレンシスの顔を見ないようにしながら、その袖を引っ張った。
「……あの、こんな時に申し訳ないのですが……騎士様、降ろしてください」
「ああ。わかった」
あっさりと怒りの感情を引っ込めて頷いたグレンシスに、ティアは目を丸くする。
てっきり、却下されると思っていた。ついでに言うなら、小言の一つでも降ってくると思っていた。
なのにグレンシスは先に自分が馬から降りると、次いでティアをそっと抱き下ろす。
そして、ティアの目的が既にわかっているかのように、グレンシスはティアを抱いたまま歩き、負傷した反逆者……もとい、お騒がせ市民の前に降ろした。
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