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第一部 王女と、移し身の乙女の願い
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グレンシスは、ティアの一挙一動が可愛くて仕方がないかもしれない。
対してティアは、グレンシスの一挙一動が怖くて仕方がないのだ。
なぜならティアは、グレンシスがこの3年前間、ずっと自分に想いを寄せていたなど露ほども思っていないから。
そして、その考えはこうしてグレンシスの腕に抱かれていても、優しく髪を撫でられても気付くことができないでいる。
こんなことを言ってはアレだけれど、ぶっちゃけ態度が豹変したグレンシスに薄気味悪さすら覚えているのだ。
そんなティアに向け、グレンシスは再び口を開く。
ブラウンローズ色の髪を愛おしく撫でながら。
「お前、ずいぶん可愛げのないことを言うな」
「……なっ」
途端に、ティアの眉間に皺が寄った。
ああ、どうもどうも、悪かったですね。
どうせ自分は、愛想笑いの一つもできない可愛げのない女ですよ。
あと、髪触るのは、いい加減やめてください。
という憎まれ口を、ティアは心の中で、めいっぱい叩いてみた。残念ながら、それを口にする勇気は現在のところ、ない。
せめて空気で察して欲しいところであるが、グレンシスはティアの困惑に気付いていないフリをする。
そして、3年間の想いを凝縮した言葉を吐く。
「……ずっと探していた」
吐息交じりのグレンシスの言葉に、ティアの心臓は今までにないほど大きく跳ねた。
そして、左胸の傷が甘く疼いた。
そのまま臨終してしまう恐怖を覚え、ティアは思わず自身の心臓を叩いてしまった。
傍から見たら、それは奇行でしかない。
御多分に漏れずグレンシスは、怪訝そうな表情を浮かべるが、ティアの摩訶不思議な行動を止めるべく、その手首を掴んだ。
けれどグレンシスの手はすぐに、俯いたティアの顎へと移動する。そして壊れ物を扱うような優しい手つきで、それを持ち上げ、無理矢理目を合わせた。
グレンシスは、この際だから、確認しておきたいことがあったのだ。
「お前、あの時、髪色を変えていただろう?」
急に咎めるような口調になったグレンシスに、ティアはすぐに反論した。
「変えてなんかいません。ずっと地毛です。ただ、髪色は勝手に変わりました。だから、その……不可抗力です」
「勝手に色が変わる?そんなことがあるのか?」
「あるみたいですね。実際、私が良い例です」
「……」
淡々と答えれば、グレンシスは沈黙する。
きっとティアの言葉を信じて理解しようと努めているのだろう。
そしてグレンシスは、自分に言い聞かせるかのように呟いた。
「ブラウンローズの髪色に金色の瞳。それしか手掛かりがなかった。だが、珍しい髪と瞳だからすぐにみつかると思った。……が、こういうからくりがあったなど、さすがに想像もできなかったな」
最後の言葉を言い終えると、グレンシスはティアに向けて、からりと笑った。
手品の種明かしを聞いて、なんだなんだと納得したような笑いだった。
けれど、その笑いは長くは続かなかった。
表情を改め、とても真剣な顔になる。
「お前の事を忘れた日は一度も無かった。また会えると信じていた」
グレンシスのその声は、決して大声ではないのに、心の芯まで届きそうな強い意志に裏打ちされたものだった。
「………っ」
ティアの唇がわななく。
まさか、ダイレクトにそんな言葉を受けるなんて、思ってもみなかったのだ。
冗談抜きにして、ティアは一瞬、息が止まった。
多分、心臓も跳ねるのを飛び越えて、完璧に脈が飛んだ。
それくらい嬉しい言葉を向けられたのだ。
でもティアは、年頃の少女のように頬を赤くしたり、『私もよ』と素直に気持ちを口にすることができなかった。
だって、3年前の出来事を思い出したからといって、それでどうなるというのだ。
ティアはグレンシスに対して恋心を抱いているのは自覚している。
けれど、この先のことを望んではいない。
この騒めき立つ恋心は、きっと今だけの事。
この旅が終わり、いつもの日々に戻れば、穏やかに風化していくだろう。
だから、もうこの話はいい加減やめてほしい。
そして、勘違いさせる仕草も口調も、言葉遣いも今すぐ改めてほしい。
そんなことを切実に願うティアは、もう限界だったのだ。
驚きと、切なさと、嬉しさで、心がぐちゃぐちゃにかき乱されて、これまでの想いを衝動的に口にしてしまいそうで。
なのにグレンシスは、ティアのなけなしの自制心をぶっ壊すような言葉を口にする。
「ティア、ずっと会いたかった」
「……どうしてですか?」
とうとう我慢できず、ティアは、そう問うてしまった。
私も、と同意する言葉を口にしなかったのは、奇跡としか言いようがなかった。
対してグレンシスは、ティアからそんなことを聞かれるとは思ってもみなかったようで、ややたじろいだ。
「え、いや……そ、それは………ありがとうと言いたかったからだ。そして、お礼をしたかった。……やっとそれがかなって嬉しい。ティア………お前、なにか、望むものはあるか?」
グレンシスの答えは、取り繕うような歯切れの悪い言い方だった。
きっと、適当なことを考えながら口にしたのだろう。
でも、ティアは臍を曲げることはしない。
3年前、グレンシスの傷を癒してから、ティアが望んでいたことは、全部で3つ。
ずっとイケメンでいてくれること。元気で過ごしてくれていること。……そして、できることなら、自分を覚えていて欲しいと。
その全部が叶ったのだ。
だから、もう他に何も望むものはなかった。
「もう、既にいただいていますので、お礼など不要です」
「貰っているだと?……俺はお前に、なにもやった覚えはないぞ」
少しの間を置いて、グレンシスは身を屈めてティアを覗き込んだ。手綱を握ったまま、なぜかしかめっ面で。
───こっちを向くな。前を向け。
ティアは仰け反りながら、イケメン騎士様に向かって前方を指さす。
そうすれば、グレンシスは少し……いや、かなり不満げではあったけれど、視線を戻してくれた。
さて、突然だけれど、移し身の術には、3つの禁忌がある。
一つ目は、長い苦痛を与える為に移し身の術を使うこと。
二つ目は、移し身の術を生業としないこと。
三つ目は、移し身の術を戦争の道具にしないこと。
言い換えるなら、ティアが術を使うのはすべて善意の行動で、金銭を求めるための行動ではない。
そして、術を使えば体調を崩すし、傷を引き受ければ痛みを伴うけれど、ティアは術を使うことを躊躇わない。
その理由は、ひとえにこれしかない。
「私の願いは、いつも誰かの役に立ちたい。それだけです」
グレンシスの質問の答えにはなってはいないことに気付いたティアは、慌てて補足をする。
「人は産まれたら死ぬものです。でも、生きている限り、笑っていて欲しいって思うんです。辛いことや痛いことで時間を割いて欲しくないんです。幸い私には、傷を癒す力があります。だからこの力で、騎士様が充実した時間を過ごすことができたなら……その、お手伝いができたなら、私は、もう十分なんです。騎士様が、こうして生きていてくれることが、何よりのお礼なんです」
ティアは個人の気持ちを隠して、移し身の術を使う人間としての想いだけをグレンシスに伝えた。
「───……そうか」
長い間の後、グレンシスはかすれた声でそう言った。
「はい。……騎士様、お元気そうで何よりです」
ティアは、もしまた会えたら伝えようと思っていた言葉を、グレンシスに伝えることができて、ただただ嬉しかった。
一生分の幸せを先払いで貰ったかのように、今までにない程の大きな喜びを噛み締めていた。
対してティアは、グレンシスの一挙一動が怖くて仕方がないのだ。
なぜならティアは、グレンシスがこの3年前間、ずっと自分に想いを寄せていたなど露ほども思っていないから。
そして、その考えはこうしてグレンシスの腕に抱かれていても、優しく髪を撫でられても気付くことができないでいる。
こんなことを言ってはアレだけれど、ぶっちゃけ態度が豹変したグレンシスに薄気味悪さすら覚えているのだ。
そんなティアに向け、グレンシスは再び口を開く。
ブラウンローズ色の髪を愛おしく撫でながら。
「お前、ずいぶん可愛げのないことを言うな」
「……なっ」
途端に、ティアの眉間に皺が寄った。
ああ、どうもどうも、悪かったですね。
どうせ自分は、愛想笑いの一つもできない可愛げのない女ですよ。
あと、髪触るのは、いい加減やめてください。
という憎まれ口を、ティアは心の中で、めいっぱい叩いてみた。残念ながら、それを口にする勇気は現在のところ、ない。
せめて空気で察して欲しいところであるが、グレンシスはティアの困惑に気付いていないフリをする。
そして、3年間の想いを凝縮した言葉を吐く。
「……ずっと探していた」
吐息交じりのグレンシスの言葉に、ティアの心臓は今までにないほど大きく跳ねた。
そして、左胸の傷が甘く疼いた。
そのまま臨終してしまう恐怖を覚え、ティアは思わず自身の心臓を叩いてしまった。
傍から見たら、それは奇行でしかない。
御多分に漏れずグレンシスは、怪訝そうな表情を浮かべるが、ティアの摩訶不思議な行動を止めるべく、その手首を掴んだ。
けれどグレンシスの手はすぐに、俯いたティアの顎へと移動する。そして壊れ物を扱うような優しい手つきで、それを持ち上げ、無理矢理目を合わせた。
グレンシスは、この際だから、確認しておきたいことがあったのだ。
「お前、あの時、髪色を変えていただろう?」
急に咎めるような口調になったグレンシスに、ティアはすぐに反論した。
「変えてなんかいません。ずっと地毛です。ただ、髪色は勝手に変わりました。だから、その……不可抗力です」
「勝手に色が変わる?そんなことがあるのか?」
「あるみたいですね。実際、私が良い例です」
「……」
淡々と答えれば、グレンシスは沈黙する。
きっとティアの言葉を信じて理解しようと努めているのだろう。
そしてグレンシスは、自分に言い聞かせるかのように呟いた。
「ブラウンローズの髪色に金色の瞳。それしか手掛かりがなかった。だが、珍しい髪と瞳だからすぐにみつかると思った。……が、こういうからくりがあったなど、さすがに想像もできなかったな」
最後の言葉を言い終えると、グレンシスはティアに向けて、からりと笑った。
手品の種明かしを聞いて、なんだなんだと納得したような笑いだった。
けれど、その笑いは長くは続かなかった。
表情を改め、とても真剣な顔になる。
「お前の事を忘れた日は一度も無かった。また会えると信じていた」
グレンシスのその声は、決して大声ではないのに、心の芯まで届きそうな強い意志に裏打ちされたものだった。
「………っ」
ティアの唇がわななく。
まさか、ダイレクトにそんな言葉を受けるなんて、思ってもみなかったのだ。
冗談抜きにして、ティアは一瞬、息が止まった。
多分、心臓も跳ねるのを飛び越えて、完璧に脈が飛んだ。
それくらい嬉しい言葉を向けられたのだ。
でもティアは、年頃の少女のように頬を赤くしたり、『私もよ』と素直に気持ちを口にすることができなかった。
だって、3年前の出来事を思い出したからといって、それでどうなるというのだ。
ティアはグレンシスに対して恋心を抱いているのは自覚している。
けれど、この先のことを望んではいない。
この騒めき立つ恋心は、きっと今だけの事。
この旅が終わり、いつもの日々に戻れば、穏やかに風化していくだろう。
だから、もうこの話はいい加減やめてほしい。
そして、勘違いさせる仕草も口調も、言葉遣いも今すぐ改めてほしい。
そんなことを切実に願うティアは、もう限界だったのだ。
驚きと、切なさと、嬉しさで、心がぐちゃぐちゃにかき乱されて、これまでの想いを衝動的に口にしてしまいそうで。
なのにグレンシスは、ティアのなけなしの自制心をぶっ壊すような言葉を口にする。
「ティア、ずっと会いたかった」
「……どうしてですか?」
とうとう我慢できず、ティアは、そう問うてしまった。
私も、と同意する言葉を口にしなかったのは、奇跡としか言いようがなかった。
対してグレンシスは、ティアからそんなことを聞かれるとは思ってもみなかったようで、ややたじろいだ。
「え、いや……そ、それは………ありがとうと言いたかったからだ。そして、お礼をしたかった。……やっとそれがかなって嬉しい。ティア………お前、なにか、望むものはあるか?」
グレンシスの答えは、取り繕うような歯切れの悪い言い方だった。
きっと、適当なことを考えながら口にしたのだろう。
でも、ティアは臍を曲げることはしない。
3年前、グレンシスの傷を癒してから、ティアが望んでいたことは、全部で3つ。
ずっとイケメンでいてくれること。元気で過ごしてくれていること。……そして、できることなら、自分を覚えていて欲しいと。
その全部が叶ったのだ。
だから、もう他に何も望むものはなかった。
「もう、既にいただいていますので、お礼など不要です」
「貰っているだと?……俺はお前に、なにもやった覚えはないぞ」
少しの間を置いて、グレンシスは身を屈めてティアを覗き込んだ。手綱を握ったまま、なぜかしかめっ面で。
───こっちを向くな。前を向け。
ティアは仰け反りながら、イケメン騎士様に向かって前方を指さす。
そうすれば、グレンシスは少し……いや、かなり不満げではあったけれど、視線を戻してくれた。
さて、突然だけれど、移し身の術には、3つの禁忌がある。
一つ目は、長い苦痛を与える為に移し身の術を使うこと。
二つ目は、移し身の術を生業としないこと。
三つ目は、移し身の術を戦争の道具にしないこと。
言い換えるなら、ティアが術を使うのはすべて善意の行動で、金銭を求めるための行動ではない。
そして、術を使えば体調を崩すし、傷を引き受ければ痛みを伴うけれど、ティアは術を使うことを躊躇わない。
その理由は、ひとえにこれしかない。
「私の願いは、いつも誰かの役に立ちたい。それだけです」
グレンシスの質問の答えにはなってはいないことに気付いたティアは、慌てて補足をする。
「人は産まれたら死ぬものです。でも、生きている限り、笑っていて欲しいって思うんです。辛いことや痛いことで時間を割いて欲しくないんです。幸い私には、傷を癒す力があります。だからこの力で、騎士様が充実した時間を過ごすことができたなら……その、お手伝いができたなら、私は、もう十分なんです。騎士様が、こうして生きていてくれることが、何よりのお礼なんです」
ティアは個人の気持ちを隠して、移し身の術を使う人間としての想いだけをグレンシスに伝えた。
「───……そうか」
長い間の後、グレンシスはかすれた声でそう言った。
「はい。……騎士様、お元気そうで何よりです」
ティアは、もしまた会えたら伝えようと思っていた言葉を、グレンシスに伝えることができて、ただただ嬉しかった。
一生分の幸せを先払いで貰ったかのように、今までにない程の大きな喜びを噛み締めていた。
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