58 / 101
第二部 贅沢な10日間
4
しおりを挟む
ティアが自分の中にある新しい気持ちに気付いた時、グレンシスも、また新たな発見をしていた。
ご存知の通りグレンシスは、超が付くほどのエリート騎士だ。
けれど、顔だけで順風満帆にエリート街道を歩んできたわけではない。
騎士は華やかに見えるけれど、蓋を開けてみれば野郎だらけの実力社会。
だからグレンシスが王宮騎士になれたのは、彼が見えないところで、人よりも懸命に努力した結果だった。
言い訳など無用。結果が全て。自分の取った行動は、すべて後から評価されるという信念に基づき、現状で満足せず、決しておごらず、常に高みを目指していた。
それ故に、自分の努力や失敗をひけらかすのは、恥ずべき事だと思っていた。
けれど、恋愛に関して、その考えは間違いだったことに気付いた。
誰かを好きになり、そして相手にも自分のことを好きになって欲しいと思ったら、まず、心を開く必要があったのだ。
それは、誰かを好きになるということは、人知れず努力をするだけではいけないのだということ。
そして、無様でも、カッコ悪くても、ありのままに自分の気持ちをきちんと伝えることがとても重要なのだということ。
その証拠に、ついさっき、情けないほどに飾れない自分の姿を見せたけれど、ティアが呆れることはなかった。
それどころか気まずい出来事を、双方がなんとか納得できる落としどころを見つけ、提案してくれた。
そんなティアをグレンシスは、心から愛おしく思った。
こんな優しさを異性から与えられたことは、グレンシスは、今までなかった。
しかも不思議なことに、これまでなんとなく感じていて、でも、埋めることができなかったティアとの溝がほんの少しだけ埋まったようにすら思えた。
ただ、どれほど自分が独りよがりの行動を取っていたのか。これまでの数々の出来事を思い出し、グレンシスは、とても恥ずかしかった。
とどのつまり、グレンシスは、ますますティアの事が好きになったというわけで。
3年間ずっと想い続けてきた、妄想で作り上げてきたティアの形が崩れ、全てが目の前にいる少女に上書きされていく。
──やっぱり、誰にも渡したくはない。ずっとずっと閉じ込めて、自分だけを見て欲しい。
そんな気持ちがグレンシスの胸の中で嵐のように暴れ回る。
けれどグレンシスは、それを押さえ込んだ。
そして、ティアがここに留まって貰えるように、もう一度やり直す為の言葉を必死に探した。
***
相も変わらず、カーテンは微動だにしない。
けれど薄暗い部屋でも、こんなに近くにいれば、互いの表情はちゃんとわかる。
ティアは、自分の顔が緩んでないか、とても不安だった。
口移し事件のことを、自分から救命行為としたのだ。ここで、変に嬉しそうにしてしまったり、もじもじしてしまったら、元も子もない。
ここは澄まして何でもない顔をするのが一番無難だ。
けれど、それがなかなか難しい。
平常心を保つために、頭の中でメゾン・プレザンの衣裳部屋の棚の数を思い出し、意味もなく数えてみる。当然だけれど、あまり役には立たなかった。
……と、ティアが一人相撲を取っていれば、グレンシスがコホンと小さく咳払いして口を開く。
そんな騎士様の表情は、どことなくメゾン・プレザンで面接を受ける青年のように見えた。
「なぁ、ティア。お前の承諾もなしにここに連れてきてしまったことは詫びる。それに、目覚めてすぐに、こんな事態になって気まずいかもしれない。だが、どうか、お前の体調が元に戻るまで……ここで預からせて欲しい。嫌か?」
そう問うたグレンシスの表情は、相変わらず、不遜な態度がどこかに消えてしまっている。
一心にティアを見つめるブルーグレーの瞳が、ただただ不安げに揺れるだけ。
「……」
ティアは、グレンシスの質問に答える代わりに、キュッと下唇を噛んだ。
本来なら、薬湯を口移しで飲まされたという事件が発覚して、すぐにでも娼館の自室に引きこもりたい。
……はずだというのに、ティアはグレンシスの屋敷にいたいと思っている。自分が思っているより、強く。それにグレンシスの主張は、そこまでおかしいものでもない。
けれど、ティアは今すぐにでも帰るべきだと思った。
そうしなければ、離れがたい気持ちを捨てられないかもしれない。そんなの想像するだけで、とても恐ろしい。
グレンシスと一緒に過ごした日々は、幸せだったけれど任務と割り切れた。甘く優しい時間に限りがあることをちゃんと理解できていた。
けれど、このままズルズルとここに居れば、ここが居心地の良い場所だと思ってしまうかもしれない。
必ず別れがあるというのに。終わりを迎えることは決まっているというのに。
だから自分の傷を浅くするためにも、グレンシスの提案を断るべきだった。
だがティアは、べきを忘れて、ちょっとだけ自分に甘やかすことを選んだ。
「ご迷惑を掛けてばかりで申し訳ないですが、……あの、嫌じゃないです。お言葉に甘えさせていただきます」
そう言ってぺこりとティアは頭を下げた。次いで顔を上げれば、グレンシスと目が合った。
グレンシスは、何かに許されたかのような、安堵の表情を浮かべていた。
そしてその表情のまま、形の良い唇を動かした。
「そうか。……これから、よろしく」
「……はい。お世話になります」
つられてティアが答えれば、グレンシスは微笑んだ。
それはさっきより、ほんの少し深く、肩の力が抜けた笑みだった。
周知の事実だが、ティアはグレンシスの顔にめっぽう弱い。
だから、イケメンから、そんな飾り気のない笑みを向けられたら、ティアは、爆死寸前である。
だから自己防衛のために、そぉーっと掛布団を掴む。そして、もぞもぞと潜り込み……前回同様、ベッドの中でカタツムリのように、引きこもろうとした。が──
「おい、ちょっと待て」
急に厳しい口調になったグレンシスが、それを阻止する。
「な、な、なんですか?」
対してティアは、唯一の防御壁をもぎ取られ、抗議の目を向ける。
けれど、今回に限っては、グレンシスの行動は咎められるものではない。
そしてティアもどうやらわかっているようで、翡翠色の瞳が『バレたか』と雄弁に語っていた。
見つめ合うこと2秒。グレンシスは、ベッドから離れ、サイドテーブルに移動する。
「寝るのは、コレを飲んでからだ」
コレとは、薬湯のこと。
そしてグレンシスは、それが入った銅製のコップを手にして、ティアに渡す。
「……わかっていますよ」
嫌々ながら受け取ったティアは、露骨に溜息を付いた。
薬湯はまだ冷めておらず、手渡された銅製のコップからゆらゆら湯気が立っている。そして、薬湯独特のキツイ匂いが鼻を付く。
控えめに言って、まずそうだ。飲みたくない。だからこのまま、流れで飲まなくて良いならラッキーなどとティアはちゃっかり思っていた。
けれど退路を断たれたティアは、ちゃんと飲んだ。
「……苦い」
一口飲んだ瞬間、予想より20倍ほどの苦さが口いっぱいに広がって、思わずティアは顔を顰めた。
そんなティアを見て、グレンシスは同意をするかのように笑う。
「だろうな。確かに俺も口に入れた時、苦かったな……あっ」
「……」
グレンシスは墓穴を掘ってしまった。
カーテンがふわりと揺れ、部屋に風が再び入り込む。まるで、沈黙の間を繋ぐかのように。
そして一際強い風が、部屋に入り込んだと同時に、カーテンが大きく揺れる。
一気に部屋が明るくなって、グレンシスの赤くなった顔がはっきりと見えた。
その瞬間、ティアは気付いてしまった。自分とグレンシスが、同じ顔をしていることに。
ティアはソワソワ、もじもじ、落ち着かない気持ちになる。身体が火照る。それを誤魔化すために、まずいまずい薬湯を一気に全部飲み干した。
ただ、さっきより、苦みは薄れていた。
一方その頃、ルディオンは使用人達を厨房に集めていた。そして事の次第を、丁寧に、詳細に、わかりやすく、皆に伝えた。
そうすれば厨房はたちまち会議室と化し、そこにいる全員が本気で今後の傾向と対策を練ることになった。
ただそれは、ティアのあずかり知らぬところ。知ってはいけないところ。
ご存知の通りグレンシスは、超が付くほどのエリート騎士だ。
けれど、顔だけで順風満帆にエリート街道を歩んできたわけではない。
騎士は華やかに見えるけれど、蓋を開けてみれば野郎だらけの実力社会。
だからグレンシスが王宮騎士になれたのは、彼が見えないところで、人よりも懸命に努力した結果だった。
言い訳など無用。結果が全て。自分の取った行動は、すべて後から評価されるという信念に基づき、現状で満足せず、決しておごらず、常に高みを目指していた。
それ故に、自分の努力や失敗をひけらかすのは、恥ずべき事だと思っていた。
けれど、恋愛に関して、その考えは間違いだったことに気付いた。
誰かを好きになり、そして相手にも自分のことを好きになって欲しいと思ったら、まず、心を開く必要があったのだ。
それは、誰かを好きになるということは、人知れず努力をするだけではいけないのだということ。
そして、無様でも、カッコ悪くても、ありのままに自分の気持ちをきちんと伝えることがとても重要なのだということ。
その証拠に、ついさっき、情けないほどに飾れない自分の姿を見せたけれど、ティアが呆れることはなかった。
それどころか気まずい出来事を、双方がなんとか納得できる落としどころを見つけ、提案してくれた。
そんなティアをグレンシスは、心から愛おしく思った。
こんな優しさを異性から与えられたことは、グレンシスは、今までなかった。
しかも不思議なことに、これまでなんとなく感じていて、でも、埋めることができなかったティアとの溝がほんの少しだけ埋まったようにすら思えた。
ただ、どれほど自分が独りよがりの行動を取っていたのか。これまでの数々の出来事を思い出し、グレンシスは、とても恥ずかしかった。
とどのつまり、グレンシスは、ますますティアの事が好きになったというわけで。
3年間ずっと想い続けてきた、妄想で作り上げてきたティアの形が崩れ、全てが目の前にいる少女に上書きされていく。
──やっぱり、誰にも渡したくはない。ずっとずっと閉じ込めて、自分だけを見て欲しい。
そんな気持ちがグレンシスの胸の中で嵐のように暴れ回る。
けれどグレンシスは、それを押さえ込んだ。
そして、ティアがここに留まって貰えるように、もう一度やり直す為の言葉を必死に探した。
***
相も変わらず、カーテンは微動だにしない。
けれど薄暗い部屋でも、こんなに近くにいれば、互いの表情はちゃんとわかる。
ティアは、自分の顔が緩んでないか、とても不安だった。
口移し事件のことを、自分から救命行為としたのだ。ここで、変に嬉しそうにしてしまったり、もじもじしてしまったら、元も子もない。
ここは澄まして何でもない顔をするのが一番無難だ。
けれど、それがなかなか難しい。
平常心を保つために、頭の中でメゾン・プレザンの衣裳部屋の棚の数を思い出し、意味もなく数えてみる。当然だけれど、あまり役には立たなかった。
……と、ティアが一人相撲を取っていれば、グレンシスがコホンと小さく咳払いして口を開く。
そんな騎士様の表情は、どことなくメゾン・プレザンで面接を受ける青年のように見えた。
「なぁ、ティア。お前の承諾もなしにここに連れてきてしまったことは詫びる。それに、目覚めてすぐに、こんな事態になって気まずいかもしれない。だが、どうか、お前の体調が元に戻るまで……ここで預からせて欲しい。嫌か?」
そう問うたグレンシスの表情は、相変わらず、不遜な態度がどこかに消えてしまっている。
一心にティアを見つめるブルーグレーの瞳が、ただただ不安げに揺れるだけ。
「……」
ティアは、グレンシスの質問に答える代わりに、キュッと下唇を噛んだ。
本来なら、薬湯を口移しで飲まされたという事件が発覚して、すぐにでも娼館の自室に引きこもりたい。
……はずだというのに、ティアはグレンシスの屋敷にいたいと思っている。自分が思っているより、強く。それにグレンシスの主張は、そこまでおかしいものでもない。
けれど、ティアは今すぐにでも帰るべきだと思った。
そうしなければ、離れがたい気持ちを捨てられないかもしれない。そんなの想像するだけで、とても恐ろしい。
グレンシスと一緒に過ごした日々は、幸せだったけれど任務と割り切れた。甘く優しい時間に限りがあることをちゃんと理解できていた。
けれど、このままズルズルとここに居れば、ここが居心地の良い場所だと思ってしまうかもしれない。
必ず別れがあるというのに。終わりを迎えることは決まっているというのに。
だから自分の傷を浅くするためにも、グレンシスの提案を断るべきだった。
だがティアは、べきを忘れて、ちょっとだけ自分に甘やかすことを選んだ。
「ご迷惑を掛けてばかりで申し訳ないですが、……あの、嫌じゃないです。お言葉に甘えさせていただきます」
そう言ってぺこりとティアは頭を下げた。次いで顔を上げれば、グレンシスと目が合った。
グレンシスは、何かに許されたかのような、安堵の表情を浮かべていた。
そしてその表情のまま、形の良い唇を動かした。
「そうか。……これから、よろしく」
「……はい。お世話になります」
つられてティアが答えれば、グレンシスは微笑んだ。
それはさっきより、ほんの少し深く、肩の力が抜けた笑みだった。
周知の事実だが、ティアはグレンシスの顔にめっぽう弱い。
だから、イケメンから、そんな飾り気のない笑みを向けられたら、ティアは、爆死寸前である。
だから自己防衛のために、そぉーっと掛布団を掴む。そして、もぞもぞと潜り込み……前回同様、ベッドの中でカタツムリのように、引きこもろうとした。が──
「おい、ちょっと待て」
急に厳しい口調になったグレンシスが、それを阻止する。
「な、な、なんですか?」
対してティアは、唯一の防御壁をもぎ取られ、抗議の目を向ける。
けれど、今回に限っては、グレンシスの行動は咎められるものではない。
そしてティアもどうやらわかっているようで、翡翠色の瞳が『バレたか』と雄弁に語っていた。
見つめ合うこと2秒。グレンシスは、ベッドから離れ、サイドテーブルに移動する。
「寝るのは、コレを飲んでからだ」
コレとは、薬湯のこと。
そしてグレンシスは、それが入った銅製のコップを手にして、ティアに渡す。
「……わかっていますよ」
嫌々ながら受け取ったティアは、露骨に溜息を付いた。
薬湯はまだ冷めておらず、手渡された銅製のコップからゆらゆら湯気が立っている。そして、薬湯独特のキツイ匂いが鼻を付く。
控えめに言って、まずそうだ。飲みたくない。だからこのまま、流れで飲まなくて良いならラッキーなどとティアはちゃっかり思っていた。
けれど退路を断たれたティアは、ちゃんと飲んだ。
「……苦い」
一口飲んだ瞬間、予想より20倍ほどの苦さが口いっぱいに広がって、思わずティアは顔を顰めた。
そんなティアを見て、グレンシスは同意をするかのように笑う。
「だろうな。確かに俺も口に入れた時、苦かったな……あっ」
「……」
グレンシスは墓穴を掘ってしまった。
カーテンがふわりと揺れ、部屋に風が再び入り込む。まるで、沈黙の間を繋ぐかのように。
そして一際強い風が、部屋に入り込んだと同時に、カーテンが大きく揺れる。
一気に部屋が明るくなって、グレンシスの赤くなった顔がはっきりと見えた。
その瞬間、ティアは気付いてしまった。自分とグレンシスが、同じ顔をしていることに。
ティアはソワソワ、もじもじ、落ち着かない気持ちになる。身体が火照る。それを誤魔化すために、まずいまずい薬湯を一気に全部飲み干した。
ただ、さっきより、苦みは薄れていた。
一方その頃、ルディオンは使用人達を厨房に集めていた。そして事の次第を、丁寧に、詳細に、わかりやすく、皆に伝えた。
そうすれば厨房はたちまち会議室と化し、そこにいる全員が本気で今後の傾向と対策を練ることになった。
ただそれは、ティアのあずかり知らぬところ。知ってはいけないところ。
2
お気に入りに追加
3,047
あなたにおすすめの小説

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
さようなら、お別れしましょう
椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。
妻に新しいも古いもありますか?
愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?
私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。
――つまり、別居。
夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。
――あなたにお礼を言いますわ。
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
※他サイトにも掲載しております。
※表紙はお借りしたものです。


【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

急に王妃って言われても…。オジサマが好きなだけだったのに…
satomi
恋愛
オジサマが好きな令嬢、私ミシェル=オートロックスと申します。侯爵家長女です。今回の夜会を逃すと、どこの馬の骨ともわからない男に私の純潔を捧げることに!ならばこの夜会で出会った素敵なオジサマに何としてでも純潔を捧げましょう!…と生まれたのが三つ子。子どもは予定外だったけど、可愛いから良し!
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる