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第一部 王女様のお輿入れ
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出立当日、ティアはトゥレムヴァニエール城の王族居住区域と、政務区域の境目にいた。
そこは中庭とも呼ばれるところでもある。
庭師が丹念に整えた花壇には、移りゆく季節を感じ取り、いち早く花をつけるものと、春を惜しむかのように咲き続けるものが混ざり合っている。
そして生垣代わりに植えられたプリペットは白い小花を咲かし、同じく庭を囲むように植えられたオリーブの木には白と黄色の花が瑞々しく咲いている。
そしてこの中庭は、王族居住区域でもあるため、馬車でここまで移動することが可能で、また逆もしかり。
本日は、ここに1台の王族が使用するには質素な馬車が停まっている。
これこそが、本日隣国に嫁ぐアジェーリアの為に用意された馬車。
アジェーリアの嫁ぎ先は元は敵国。
そのため、この婚姻を良しとしない者も多くいる。だから、安全性を考慮してなるべく目立たぬよう出立することになったのだ。
そして、そこにはティアだけでなくバザロフもいる。
───嫁ぐ王女と、人生初めの遠出となるティアを見送る為に。
「ティア、一ヶ月半という長い旅になるが、気を付けて行ってくるんだぞ」
「……」
「旅先でも、しっかり食事を取るんだぞ。眠れなくても、身体をちゃんと休ませるんだぞ」
「……」
「安心しろ。儂も城からではあるが、道中危険が無いよう目を光らせておく」
「……」
「ティア、やっぱり……その……やめておくか?」
「は、」
思ってもみなかったバザロフの申し出に、ティアは食い気味に頷こうとした。
けれど、その途中で、ティアとバザロフの間に紅色のマントが入り込んだ。
「バザロフ様、当日にそのようなことを申されては困ります」
不機嫌を隠さないその声の持ち主は、ティアに背を向けているので、どんな顔をしているかわからない。
でも、まかり間違ってもご機嫌な顔をしていることはないだろう。
ひどく不機嫌で渋面でいるに違いない。
向かいにいるバザロフが、苦虫を口に放り込まれた顔をしているので、間違いない。
「もう、今更後戻りはできないのです。腹を括ってください」
バザロフにきっぱりと言い切った紅色のマントを身につけた騎士───グレンシスは振り返ってティアを見つめ、同じ言葉を放った。
その言葉にティアは、最後の悪足搔きで首を横に振ってみた。
もちろん、グレンシスはそれを黙殺した。
さて、アジェーリアと対面したティアだったけれど、その後、残りの7日間をどうやって過ごしていたかといえば、変わらずロハン邸で与えられた部屋で引きこもっていた。
出会って早々、投げ飛ばされたことは、ティアにとって過去最大級のセンセーショナルな出来事であった。
しかも、王女を嫁ぎ先へ引き渡す旅路の責任者はグレンシスだということを知ってしまい、ティアは混乱を極めてしまった。
まぁ、グレンシスはアジェーリアのお目付け役であり、宮廷騎士でもある。
だから王女の護衛に付くのは当然のことで、少し考えればわかることではあった。
あったのだが、ティアはそこまで思考が追い付かなかったのだ。
娼館からほとんど外にでないティアは、極度な人見知りでもある。
あんな出会い方をした、しかもやんごとなき身分のお姫様と……そして、ティアのことを嫌っているグレンシスとひと月以上も一緒に居る。
言葉を選ばずに表現するならば、ティアにとっては、死ねと言われているようなものであった。
そんなこんな理由で、ティアは持ち前の物分かりの良さが邪魔して、嫌だと駄々をこねることもできず、かといって、おいそれと諦めることもできず……完全に自分の殻に閉じこもってしまった。
ちなみに連日、ベッドの上で掛布をかぶり、布の塊と化してしまったティアにに、頭を抱えたのはグレンシス……ではなく、ロハン邸の使用人たちだった。
食欲をそそるスープでも、甘い焼き菓子の香りでも、ティアの身長と同じくらいの熊のぬいぐるみを持ってしても、ティアをベッドから出すこととができず、使用人たちを大いに困らせた。
そして、今日。出立当日、とうとうグレンシスの強行でティアは7日ぶりに部屋から出されてしまったのだった。
掛布を力任せにはぎ取られ、『諦めろっ』と一括され、鏡台に強制的に着席させられ……本日もまた、あれよあれよという間に着替えをさせられ、馬車に放り込まれてしまったのだ。
そういう訳でティアは、気持ちの切り替えもできないまま、この世の終わりのような表情をしている。
それは、長年の付き合いであるバザロフでしかわからないものではなく、グレンシスでもわかるほどに。
グレンシスは、ティアをチラリと見る。
気付かれないようにしたつもりだったけれど、ばっちりティアをと目が合ってしまった。
いや、ティアはずっと自分を見つめていたのだろう。
ただ、正確な表現をするなら、この旅を回避できる最大にして最後のチャンスを邪魔されて、視線だけで自分を責めていたのだろう。
いい加減にしろっ。そうグレンシスは怒鳴りつけようと思った。
けれど、ティアがカタカタと小刻みに震えているのを見て、流石にグレンシスは良心が痛んだ。
「……ティア、出立まで、ほとんど時間はないが、何か希望があるなら叶えるぞ」
グレンシスはそう口にしてみたけれど、時間にして数分で、できることなど皆無である。
だからティアは首を横に振ると思った。
けれどもティアは、ここでまさかの要求を口にする。
「なら、金子を……少し、下さい」
「……うっ」
まさかここで、強請られるとは思っていなかったグレンシスは固まった。
考えること数秒。ティアの要求の真意がわかった。
コイツ、途中でトンズラする気だと。
グレンシスの読みは中らずと雖も遠からず。
ただ、ティアは期を見て自分から逃げ出したいというわけではなかった。
興味というのは、熱して冷めやすいものだと知っているティアは、王女の気まぐれで旅路の途中で、放り出された時のために保険が欲しかっただけ。
自力で帰路につけるようにするために。
けれど、さすがにそこまで察することはグレンシスにはできなかった。
そして、どういう意味だと詰め寄る時間も残されていなかった。
とにかく、コイツに絶対に、金子を渡すわけにはいかない。と、強く心に決める。
とはいえ、ティアに提案をもちかけたのは、他でもないグレンシス。
ここで無下に却下するのは、少々決まりが悪い。
「わかった。無事、帰路に付けたら褒章を貰えるよう話をつけておく。だから、今は駄目だ」
敢えて気付かないフリをして、グレンシスはもっともらしい言葉を口にした。
瞬間、ティアの瞳に絶望の色が灯る。
わかっている。わかっているが、駄目なものは駄目だっ。そして、耐えろ。
グレンシスは、そんなことを心の中で必死にティアに訴えながら、そのもの言いたげな翡翠色の瞳からそっと目を逸らした。
そこは中庭とも呼ばれるところでもある。
庭師が丹念に整えた花壇には、移りゆく季節を感じ取り、いち早く花をつけるものと、春を惜しむかのように咲き続けるものが混ざり合っている。
そして生垣代わりに植えられたプリペットは白い小花を咲かし、同じく庭を囲むように植えられたオリーブの木には白と黄色の花が瑞々しく咲いている。
そしてこの中庭は、王族居住区域でもあるため、馬車でここまで移動することが可能で、また逆もしかり。
本日は、ここに1台の王族が使用するには質素な馬車が停まっている。
これこそが、本日隣国に嫁ぐアジェーリアの為に用意された馬車。
アジェーリアの嫁ぎ先は元は敵国。
そのため、この婚姻を良しとしない者も多くいる。だから、安全性を考慮してなるべく目立たぬよう出立することになったのだ。
そして、そこにはティアだけでなくバザロフもいる。
───嫁ぐ王女と、人生初めの遠出となるティアを見送る為に。
「ティア、一ヶ月半という長い旅になるが、気を付けて行ってくるんだぞ」
「……」
「旅先でも、しっかり食事を取るんだぞ。眠れなくても、身体をちゃんと休ませるんだぞ」
「……」
「安心しろ。儂も城からではあるが、道中危険が無いよう目を光らせておく」
「……」
「ティア、やっぱり……その……やめておくか?」
「は、」
思ってもみなかったバザロフの申し出に、ティアは食い気味に頷こうとした。
けれど、その途中で、ティアとバザロフの間に紅色のマントが入り込んだ。
「バザロフ様、当日にそのようなことを申されては困ります」
不機嫌を隠さないその声の持ち主は、ティアに背を向けているので、どんな顔をしているかわからない。
でも、まかり間違ってもご機嫌な顔をしていることはないだろう。
ひどく不機嫌で渋面でいるに違いない。
向かいにいるバザロフが、苦虫を口に放り込まれた顔をしているので、間違いない。
「もう、今更後戻りはできないのです。腹を括ってください」
バザロフにきっぱりと言い切った紅色のマントを身につけた騎士───グレンシスは振り返ってティアを見つめ、同じ言葉を放った。
その言葉にティアは、最後の悪足搔きで首を横に振ってみた。
もちろん、グレンシスはそれを黙殺した。
さて、アジェーリアと対面したティアだったけれど、その後、残りの7日間をどうやって過ごしていたかといえば、変わらずロハン邸で与えられた部屋で引きこもっていた。
出会って早々、投げ飛ばされたことは、ティアにとって過去最大級のセンセーショナルな出来事であった。
しかも、王女を嫁ぎ先へ引き渡す旅路の責任者はグレンシスだということを知ってしまい、ティアは混乱を極めてしまった。
まぁ、グレンシスはアジェーリアのお目付け役であり、宮廷騎士でもある。
だから王女の護衛に付くのは当然のことで、少し考えればわかることではあった。
あったのだが、ティアはそこまで思考が追い付かなかったのだ。
娼館からほとんど外にでないティアは、極度な人見知りでもある。
あんな出会い方をした、しかもやんごとなき身分のお姫様と……そして、ティアのことを嫌っているグレンシスとひと月以上も一緒に居る。
言葉を選ばずに表現するならば、ティアにとっては、死ねと言われているようなものであった。
そんなこんな理由で、ティアは持ち前の物分かりの良さが邪魔して、嫌だと駄々をこねることもできず、かといって、おいそれと諦めることもできず……完全に自分の殻に閉じこもってしまった。
ちなみに連日、ベッドの上で掛布をかぶり、布の塊と化してしまったティアにに、頭を抱えたのはグレンシス……ではなく、ロハン邸の使用人たちだった。
食欲をそそるスープでも、甘い焼き菓子の香りでも、ティアの身長と同じくらいの熊のぬいぐるみを持ってしても、ティアをベッドから出すこととができず、使用人たちを大いに困らせた。
そして、今日。出立当日、とうとうグレンシスの強行でティアは7日ぶりに部屋から出されてしまったのだった。
掛布を力任せにはぎ取られ、『諦めろっ』と一括され、鏡台に強制的に着席させられ……本日もまた、あれよあれよという間に着替えをさせられ、馬車に放り込まれてしまったのだ。
そういう訳でティアは、気持ちの切り替えもできないまま、この世の終わりのような表情をしている。
それは、長年の付き合いであるバザロフでしかわからないものではなく、グレンシスでもわかるほどに。
グレンシスは、ティアをチラリと見る。
気付かれないようにしたつもりだったけれど、ばっちりティアをと目が合ってしまった。
いや、ティアはずっと自分を見つめていたのだろう。
ただ、正確な表現をするなら、この旅を回避できる最大にして最後のチャンスを邪魔されて、視線だけで自分を責めていたのだろう。
いい加減にしろっ。そうグレンシスは怒鳴りつけようと思った。
けれど、ティアがカタカタと小刻みに震えているのを見て、流石にグレンシスは良心が痛んだ。
「……ティア、出立まで、ほとんど時間はないが、何か希望があるなら叶えるぞ」
グレンシスはそう口にしてみたけれど、時間にして数分で、できることなど皆無である。
だからティアは首を横に振ると思った。
けれどもティアは、ここでまさかの要求を口にする。
「なら、金子を……少し、下さい」
「……うっ」
まさかここで、強請られるとは思っていなかったグレンシスは固まった。
考えること数秒。ティアの要求の真意がわかった。
コイツ、途中でトンズラする気だと。
グレンシスの読みは中らずと雖も遠からず。
ただ、ティアは期を見て自分から逃げ出したいというわけではなかった。
興味というのは、熱して冷めやすいものだと知っているティアは、王女の気まぐれで旅路の途中で、放り出された時のために保険が欲しかっただけ。
自力で帰路につけるようにするために。
けれど、さすがにそこまで察することはグレンシスにはできなかった。
そして、どういう意味だと詰め寄る時間も残されていなかった。
とにかく、コイツに絶対に、金子を渡すわけにはいかない。と、強く心に決める。
とはいえ、ティアに提案をもちかけたのは、他でもないグレンシス。
ここで無下に却下するのは、少々決まりが悪い。
「わかった。無事、帰路に付けたら褒章を貰えるよう話をつけておく。だから、今は駄目だ」
敢えて気付かないフリをして、グレンシスはもっともらしい言葉を口にした。
瞬間、ティアの瞳に絶望の色が灯る。
わかっている。わかっているが、駄目なものは駄目だっ。そして、耐えろ。
グレンシスは、そんなことを心の中で必死にティアに訴えながら、そのもの言いたげな翡翠色の瞳からそっと目を逸らした。
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