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第一章 上司と部下となった貴方と私
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後を追ってきたヴァルラムは、てっきりすぐに隣町に向かうのかと思った。
でも、違った。
なぜかヴァルラムは自分を呼びとめ、あっちこっちと寄り道をする。行く気あるの?と聞きたくなるくらいに。
「あのう室長」
「……ん?」
「……馬車を使う際には、総務課に行って使用申請をする必要がありますよ?」
「知っている」
「総務課はこの実験棟ではなく、一旦外に出て渡り廊下を通った向かいの棟ですよ?」
「もちろん知っている」
「使用申請をしないと、室長といえども勝手に馬車は使えないですよ?」
「ああ、わかっている」
しびれを切らして、クラーラが早く行こうと遠回しに訴えてもヴァルラムは、心ここにあらずといった感じでおざなりに返事をするだけだ。
ただその表情はとても真剣で、彼が何かを賢明に何かを探っているのはわかる。顎に手を当て神妙な顔でブツブツと呟く彼の言葉を拾う限り、とても専門的なことのようだ。
そんな彼を見たら下手に急かすことが悪いように思えて、クラーラは歩き回るヴァルラムの後ろをちょこまかと付いていくことしかできない。
その後、ヴァルラムが総務課で馬車の使用申請を終えたのは、クラーラが頭の中で量産したはてなマークを抱えきれなくなった頃だった。
日頃、経費の使い方でヴァルラムと衝突ばかりしている総務課ではあるが、彼の真剣な様子を見て、文句を呑み込みあっさりと許可を出してくれた。
しかしほっとしたのも束の間、今度はとても面倒臭い人物──カロリーナに背後から声を掛けられてしまった。
「あらぁー、お出かけですか?ヴァルラムさまぁ」
しなを作って話しかけるその姿は、先日なまじりを吊り上げながら嫌味を散々吐いていたお方とは別人のよう。笑いすら込み上げてくる。
しかし藪を突いて蛇を出すような馬鹿ではないクラーラは、壁と一体化して気配を消す。対してヴァルラムは、小さく肩をすくめてカロリーナの方に身体を向けた。
「ええ、そうです」
どこに行くとも、何を買うとも言わないヴァルラムに、察しの良い人間なら彼が歓迎していないことに気付くだろう。
しかし空気を読む能力が皆無のカロリーナは、待ってましたと言わんばかりに軽やかな足取りで近づく。
「まぁ、そうでしたか。ところで馬車でお出かけですの?それならば、わたくしの馬車を出しますわ。施設のものは乗り心地が悪いですから」
壁と同化してるクラーラを肘で器用に押しのけ、カロリーナは自分も連れていけと訴える。その姿は舌なめずりをする蛇にしか見えない。
しかしヴァルラムは、掃き溜め研究所であっても紳士だった。
「ご親切にどうもありがとうございます。ですが、彼女と一緒に行きますので」
にこやかに断りを入れたヴァルラムは、とろけるような笑みをクラーラに向ける。
すぐさまカロリーナから殺気がこもった視線を受け、クラーラは「ひぃっ」と心の中で悲鳴を上げる。
「ちょっと、あなたがヴァルラム様とご一緒するの?」
「……あ、えっと……」
「まさか助手のくせに、ご一緒するわけないわよね?」
「それが……その……」
スカートの裾を掴んでもじもじとするクラーラは「だってナタリーさんが行けって言ったんだもん!」と言い返したい。
だがそれを口にしてしまえば、ナタリーが八つ当たりの標的にされるだろう。仲間を売るような真似なんてできない。
そんな葛藤がヴァルラムに伝わったのだろうか。庇うようにクラーラの前に立つと、詰め寄るカロリーナに向けて口を開く。
「彼女の同行は、私が是非にと頼んだものです。彼女を困らせるのはやめてください。では、失礼───行こう、クラーラ」
ひどく冷たく言い捨てたくせに、クラーラの腕を掴むヴァルラムの手はどこまでも優しい。それがカロリーナにとって耐え難い屈辱だったのだろう。
こうまで言ってもカロリーナは後を追ってくる。しかし、
「ちょっとお待ちになってくださいっ……ひぃっ、嫌っ、こっち来ないでっ」
追いかけるカロリーナの行く手を阻むように、どこからか姿を見せたナンテンがドシンドシンと音を立てて走り回る。
予想外の出来事に、クラーラとヴァルラムは同時に足を止めて互いの顔を見合わせた。
「なんだ?彼女はウサギが苦手なのか?」
「そうなんです。あんなに可愛いのに」
「まぁ、私も特に動物好きではなかったが……でも今、ナンテン殿を好きになった」
含みのあるヴァルラムの言葉の真意がわからないほどクラーラは鈍感ではない。
こういう時は、余計なこと言わないのが一番だ。
むぎゅっと口を噤んだクラーラを見て、再び歩き始めたヴァルラムは小さく肩を揺すって笑た。
ローガの命を救うために、大急ぎで隣町まで馬車を走らせる。
夕陽はだいぶ西に傾いていたが、幸いにも馴染みの生地屋はまだ閉店前だった。
売り子の女性は閉店間際の飛び込み客に一瞬だけ嫌な顔を見せたが、ヴァルラムを視界に入れた途端、大変愛想良く木綿のロールを売ってくれた。
しかもびっくりするほど値引きをしてくれた。イケメン効果、恐るべし。
それから再び馬車を走らせ木綿のロールを抱えて戻って来れば、共同研究室は怒鳴り声こそ聞こえないが、未だに空気はピリピリと張り詰めたまま。
そんな部屋の中で、ナタリーだけは呑気にティータイムを楽しんでいた。
「あら、おかえり。早かったわねー」
クラーラを目にした途端、ひらひらと手を振った。
「……はい。急ぎました」
緊迫した空気をものともしないで菓子を頬張り始めるナタリーを横目に、クラーラはそっとリーチェの前に木綿を置く。さながら神に貢物を与える神官のように。
木綿のロールが視界に入った途端、リーチェはほんのちょっとだけ機嫌が治った。
「クラーラでかした。お利口さんのあんたには、チューしてあげる。でもローガ、私はあんたを許さない」
「え゛、ちょっ、もう良いじゃん。替えの布が手に入ったんだし」
「ぬかせ、小僧。結果オーライで済む話じゃないのよ、これは」
「えー、だけどさぁ……お、おい待てっ。蹴りはナシだっ、蹴りは!」
クラーラを抱き込みながら美しい足を振り上げたリーチェの前に、ヴァルラムは音も無く立つ。
「……取込み中悪いですが、一つ質問をしても良いですか?」
「何?」
つっけんどんな口調でリーチェは、ヴァルラムに視線を向ける。
ちなみに彼女の足は、いつでもローガに踵落としができるよう振り上げたままだった。
でも、違った。
なぜかヴァルラムは自分を呼びとめ、あっちこっちと寄り道をする。行く気あるの?と聞きたくなるくらいに。
「あのう室長」
「……ん?」
「……馬車を使う際には、総務課に行って使用申請をする必要がありますよ?」
「知っている」
「総務課はこの実験棟ではなく、一旦外に出て渡り廊下を通った向かいの棟ですよ?」
「もちろん知っている」
「使用申請をしないと、室長といえども勝手に馬車は使えないですよ?」
「ああ、わかっている」
しびれを切らして、クラーラが早く行こうと遠回しに訴えてもヴァルラムは、心ここにあらずといった感じでおざなりに返事をするだけだ。
ただその表情はとても真剣で、彼が何かを賢明に何かを探っているのはわかる。顎に手を当て神妙な顔でブツブツと呟く彼の言葉を拾う限り、とても専門的なことのようだ。
そんな彼を見たら下手に急かすことが悪いように思えて、クラーラは歩き回るヴァルラムの後ろをちょこまかと付いていくことしかできない。
その後、ヴァルラムが総務課で馬車の使用申請を終えたのは、クラーラが頭の中で量産したはてなマークを抱えきれなくなった頃だった。
日頃、経費の使い方でヴァルラムと衝突ばかりしている総務課ではあるが、彼の真剣な様子を見て、文句を呑み込みあっさりと許可を出してくれた。
しかしほっとしたのも束の間、今度はとても面倒臭い人物──カロリーナに背後から声を掛けられてしまった。
「あらぁー、お出かけですか?ヴァルラムさまぁ」
しなを作って話しかけるその姿は、先日なまじりを吊り上げながら嫌味を散々吐いていたお方とは別人のよう。笑いすら込み上げてくる。
しかし藪を突いて蛇を出すような馬鹿ではないクラーラは、壁と一体化して気配を消す。対してヴァルラムは、小さく肩をすくめてカロリーナの方に身体を向けた。
「ええ、そうです」
どこに行くとも、何を買うとも言わないヴァルラムに、察しの良い人間なら彼が歓迎していないことに気付くだろう。
しかし空気を読む能力が皆無のカロリーナは、待ってましたと言わんばかりに軽やかな足取りで近づく。
「まぁ、そうでしたか。ところで馬車でお出かけですの?それならば、わたくしの馬車を出しますわ。施設のものは乗り心地が悪いですから」
壁と同化してるクラーラを肘で器用に押しのけ、カロリーナは自分も連れていけと訴える。その姿は舌なめずりをする蛇にしか見えない。
しかしヴァルラムは、掃き溜め研究所であっても紳士だった。
「ご親切にどうもありがとうございます。ですが、彼女と一緒に行きますので」
にこやかに断りを入れたヴァルラムは、とろけるような笑みをクラーラに向ける。
すぐさまカロリーナから殺気がこもった視線を受け、クラーラは「ひぃっ」と心の中で悲鳴を上げる。
「ちょっと、あなたがヴァルラム様とご一緒するの?」
「……あ、えっと……」
「まさか助手のくせに、ご一緒するわけないわよね?」
「それが……その……」
スカートの裾を掴んでもじもじとするクラーラは「だってナタリーさんが行けって言ったんだもん!」と言い返したい。
だがそれを口にしてしまえば、ナタリーが八つ当たりの標的にされるだろう。仲間を売るような真似なんてできない。
そんな葛藤がヴァルラムに伝わったのだろうか。庇うようにクラーラの前に立つと、詰め寄るカロリーナに向けて口を開く。
「彼女の同行は、私が是非にと頼んだものです。彼女を困らせるのはやめてください。では、失礼───行こう、クラーラ」
ひどく冷たく言い捨てたくせに、クラーラの腕を掴むヴァルラムの手はどこまでも優しい。それがカロリーナにとって耐え難い屈辱だったのだろう。
こうまで言ってもカロリーナは後を追ってくる。しかし、
「ちょっとお待ちになってくださいっ……ひぃっ、嫌っ、こっち来ないでっ」
追いかけるカロリーナの行く手を阻むように、どこからか姿を見せたナンテンがドシンドシンと音を立てて走り回る。
予想外の出来事に、クラーラとヴァルラムは同時に足を止めて互いの顔を見合わせた。
「なんだ?彼女はウサギが苦手なのか?」
「そうなんです。あんなに可愛いのに」
「まぁ、私も特に動物好きではなかったが……でも今、ナンテン殿を好きになった」
含みのあるヴァルラムの言葉の真意がわからないほどクラーラは鈍感ではない。
こういう時は、余計なこと言わないのが一番だ。
むぎゅっと口を噤んだクラーラを見て、再び歩き始めたヴァルラムは小さく肩を揺すって笑た。
ローガの命を救うために、大急ぎで隣町まで馬車を走らせる。
夕陽はだいぶ西に傾いていたが、幸いにも馴染みの生地屋はまだ閉店前だった。
売り子の女性は閉店間際の飛び込み客に一瞬だけ嫌な顔を見せたが、ヴァルラムを視界に入れた途端、大変愛想良く木綿のロールを売ってくれた。
しかもびっくりするほど値引きをしてくれた。イケメン効果、恐るべし。
それから再び馬車を走らせ木綿のロールを抱えて戻って来れば、共同研究室は怒鳴り声こそ聞こえないが、未だに空気はピリピリと張り詰めたまま。
そんな部屋の中で、ナタリーだけは呑気にティータイムを楽しんでいた。
「あら、おかえり。早かったわねー」
クラーラを目にした途端、ひらひらと手を振った。
「……はい。急ぎました」
緊迫した空気をものともしないで菓子を頬張り始めるナタリーを横目に、クラーラはそっとリーチェの前に木綿を置く。さながら神に貢物を与える神官のように。
木綿のロールが視界に入った途端、リーチェはほんのちょっとだけ機嫌が治った。
「クラーラでかした。お利口さんのあんたには、チューしてあげる。でもローガ、私はあんたを許さない」
「え゛、ちょっ、もう良いじゃん。替えの布が手に入ったんだし」
「ぬかせ、小僧。結果オーライで済む話じゃないのよ、これは」
「えー、だけどさぁ……お、おい待てっ。蹴りはナシだっ、蹴りは!」
クラーラを抱き込みながら美しい足を振り上げたリーチェの前に、ヴァルラムは音も無く立つ。
「……取込み中悪いですが、一つ質問をしても良いですか?」
「何?」
つっけんどんな口調でリーチェは、ヴァルラムに視線を向ける。
ちなみに彼女の足は、いつでもローガに踵落としができるよう振り上げたままだった。
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