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第一章 上司と部下となった貴方と私
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かうかくしかじか……と、クラーラがこれまでの経緯をかいつまんで語った途端、ジェラルドの瞳が剣吞に光った。
「そうですか、そんなことがあったのですか。……なるほど、では始末しましょう」
「ちょっと待って!!」
物騒過ぎるジェラルドの発言に、クラーラは思わず彼の両肩を掴んだ。
これまでの経緯と言っても、突然現れたヴァルラムがこの研究所の室長になったと言っただけだ。再会してすぐに強引にキスされたとか、床に押し倒されたとか、貞操の危機によって婚約破棄を撤回してしまったことなど、一言も口にしていない。
なのにジェラルドはなんの躊躇いも無く犯行予告をした。
「あのねジェラルド、一旦落ち着いてっ。そして私の話を聞いてっ。室長の赴任期間はたった2年だから! そうすれば、彼は王都に戻るからっ。たった2年我慢すれば、良いだけ。それに二人っきりっていうわけじゃないよ。先輩研究員達がいるから大丈夫、心配しないで!」
有言実行する男ジェラルドの上着をぎゅっと握って、クラーラは必死に説得する。
しかし返って来た言葉は、予想外のものだった。
「わたくしはリーチェ様方を素晴らしい研究員だと尊敬してはおりますが、人としては一欠けらも信頼しておりません」
「辛辣!」
極めて非情な評価にクラーラは涙目になったけれど、ジェラルドの表情は動かない。いや更に冷静になって口を開く。
「お嬢様、あの男が何の目的で現れたのかはわかりません。しかし、こう言っては失礼ですがこの研究所で働くなど解せないことこの上ありません。はっきり言って、お嬢様に対して良からぬことをするのではないかと、心配しております」
「……うん。心配してくれるのは、嬉しい。でも、大丈夫だよ」
「根拠の無い大丈夫ほど不安なことはありません」
被せるようにそう言われて、クラーラは返す言葉が見つからない。正にその通りで。
「……お嬢様、我慢はなさらないでください」
伝えられない真実を抱えて苦しくて、つい無意識にスカートの裾をぎゅっと掴んだクラーラに、ジェラルドの手が重なる。そっと包み込むように、優しく。
「あの男の赴任期間だけ、ここを離れるよう所長に掛け合うこともできます。その間、わたくしと一緒に王都に戻って」
「嫌だよっ。私の居場所はここだけなの!」
ジェラルドの言葉を遮って、クラーラは彼の上着を強く握りしめながら大きく首を横に振る。
父親の死によって沢山のものを失った今、変わってしまうことが何よりも恐ろしい。
「……わかりました」
間近で自分を見てきたジェラルドはこれ以上の説明は不要だったのだろう。溜息を一つ吐くことで理解してくれた。
ジェラルドには多大な恩がある。修道女になるしかなかった自分に、この研究所で働けるよう色々と手を尽くしてくれ、保証人にもなってくれた。
そんな彼の気遣いを踏みにじってしまったことが苦しくて、クラーラは「ごめん」と呟く。
「あのね何かあったら、連絡する。……絶対に」
「はい。そうしてください。そして、必ずお助けに参ります」
ジェラルドは上着の裾をぎゅっと握るクラーラの手に己の手を重ねた。根負けしたような苦笑を浮かべて。
それじゃあ、またね。
正門からジェラルドの姿が見えなくなるまで手を振り続けていたクラーラは、研究室に戻る為くるりと身体を反転させ走り出した。
軽快な足音を響かせ、流れていく景色を目で追うとこなく午後の仕事の段取りを考える。
けれど、総務棟と実験棟を繋ぐ渡り廊下を駆け抜けようとした時、ゆっくりと歩く人影にぶつかりそうになってしまった。
「し、失礼しましたっ」
幸い正面衝突は免れたが、運悪くぶつかりそうになった相手はこのまま無視してはいけない人物だった。
クラーラは足を止め頭をさげる。すぐに以上ないほど不機嫌な声が降ってきた。
「また、あなたなの?本当に素行が悪いわね」
「……申し訳ありません」
侮蔑の籠った視線と言葉に、クラーラは頭の角度を深くした。
まるで生徒指導の先生のようなことを言ったこの人物の名は、カロリーナ・ルドルファ。マノア植物研究所の所長ケード・ルドルファの一人娘だった。
カロリーナはここマノア植物研究所の所長の娘であるとともに、副所長を勤めている。
黙っていれば美人の部類に入り、副所長という肩書きのせいかどうかはわからないが、彼女はいつも身だしなみに気を使っている。
所長ですら毎日白衣を身に付けているというのに、彼女は人より遥かに植物が多いこの場所で、何の意味があるのかわからないが常にヒールの靴を履き、胸を主張するドレスを好んで着ている。亜麻色の髪も抜かりなく綺麗な巻き髪で、化粧だってバッチリだ。
ただ、ここは人より植物の方が多い辺鄙な研究所で、常に金欠状態。人手不足と備品不足がデフォルトなのに施設の為に動くことはせず、ただただ身を着飾り、フラフラフラフラ施設周辺を徘徊するか街へ出かけるだけ。
そんなカロリーナのことを怖いもの知らずの研究員達は、役立たずのごく潰しとはっきり言う。
クラーラとて彼女の常日頃の態度を見ていると頷きたうなるが、大して役に立っていない自分は、彼女とどっこいどっこいの立ち位置にいることは自覚しているので、悪く思うのは気持ちは持たないよう心掛けている。
しかし、謙遜でいるクラーラとは対照的に、カロリーナはどこまでも不遜な態度を貫く。
「あーあ、埃が立って気持ち悪いわ。どうしてここは育ちが悪い者しか集まらないのかしら。嫌になっちゃう」
訳アリ人が集うここは、保証人さえしっかりしていれば出自を詮索されることは無いため、クラーラも男爵令嬢だったことは公言していないし、今後する気も無い。
でも育ちが悪いと言われるのは、亡き父を馬鹿にされたようで面白くはない。
そんな気持ちを隠せずムスッとした顔をしてしまうクラーラを無視して、カロリーナは急に辺りをキョロキョロし始めた。
「ところであなた、ヴァルラムさんはどこにいらっしゃるの?」
「……さぁ」
「”さぁ”って、何?あなた本当に使えない子ね。雑用しかできないんだから」
「申し訳ありません」
謝罪の言葉を紡いだクラーラにカロリーナは鼻で笑ったかと思えば急に背を向け、温室の方へと消えて行った。
顔を上げた視界に去っていくカロリーナの後ろ姿が映る。
ドレスの裾が熱帯魚の尾のように揺れる様を見つめながら、クラーラはぼんやりと考える。
ここ最近、カロリーナはあからさまにヴァルラムと一緒に過ごそうとしている。露骨に色目を使って、胸元をこれでもかと見せつけながら。
彼女がヴァルラムと特別な仲になりたいことは一目瞭然だった。
公爵家の嫡男を場末の研究所の娘ふぜいが口説こうなんて、ちゃんちゃらおかしいと思う。……思うけれど、ヴァルラムの隣にカロリーナが立つことを想像したら呆れるくらいに胸がズキッと痛んだ。
ヴァルラムに嫌われたいと思っているのは嘘じゃない。でも彼がカロリーナを選ぶのは、どうしようも無いほど嫌だ。
そんな風に身勝手なことを思う自分に嫌悪を感じたその時、
「クラーラ」
「んあ?……っ」
突然背後から声を掛けられたけれど、ヒリヒリした痛みで一瞬誰に声をかけられたかわからなかった。
ただ条件反射で振り返ったら、そこにはつい今しがたカロリーナが探していた人がそこにいた。
「……あの」
「呼びに来た」
動揺するクラーラから目を逸らして、ヴァルラムは短く言った。バツが悪そうに手の甲を口元で隠しながら。
「!……っ!!」
わかってる。上司が道草を食っている部下を連れ戻しにきただけだ。そこに他意は無い。
でもプラチナブロンドの髪が乱れ、肩で息をしている姿を見たら、平常心を保つのは無理だった。頬が勝手に熱くなる。
迎えに来てくれたことを嬉しいと感じてしまう自分が、愚かで泣きたくなる。
「さぁ、行こう」
無言でいる自分に、ヴァルラムは柔らかい口調でそう言って歩き出す。まるで自分が追ってくるのが当たり前といった感じで。
助手の自分には雑用はごまんとある。ここで急ぎでもない用事を口実に、彼に背を向けることは簡単だ。いや、嫌われたいと願っているのだから、そうするのが正解なのだろう。
けれども飼い主の後を付いていく従順な犬のように、クラーラはてくてくとその背を追った。
赤くなった顔を見られないよう、俯きながら。
「そうですか、そんなことがあったのですか。……なるほど、では始末しましょう」
「ちょっと待って!!」
物騒過ぎるジェラルドの発言に、クラーラは思わず彼の両肩を掴んだ。
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なのにジェラルドはなんの躊躇いも無く犯行予告をした。
「あのねジェラルド、一旦落ち着いてっ。そして私の話を聞いてっ。室長の赴任期間はたった2年だから! そうすれば、彼は王都に戻るからっ。たった2年我慢すれば、良いだけ。それに二人っきりっていうわけじゃないよ。先輩研究員達がいるから大丈夫、心配しないで!」
有言実行する男ジェラルドの上着をぎゅっと握って、クラーラは必死に説得する。
しかし返って来た言葉は、予想外のものだった。
「わたくしはリーチェ様方を素晴らしい研究員だと尊敬してはおりますが、人としては一欠けらも信頼しておりません」
「辛辣!」
極めて非情な評価にクラーラは涙目になったけれど、ジェラルドの表情は動かない。いや更に冷静になって口を開く。
「お嬢様、あの男が何の目的で現れたのかはわかりません。しかし、こう言っては失礼ですがこの研究所で働くなど解せないことこの上ありません。はっきり言って、お嬢様に対して良からぬことをするのではないかと、心配しております」
「……うん。心配してくれるのは、嬉しい。でも、大丈夫だよ」
「根拠の無い大丈夫ほど不安なことはありません」
被せるようにそう言われて、クラーラは返す言葉が見つからない。正にその通りで。
「……お嬢様、我慢はなさらないでください」
伝えられない真実を抱えて苦しくて、つい無意識にスカートの裾をぎゅっと掴んだクラーラに、ジェラルドの手が重なる。そっと包み込むように、優しく。
「あの男の赴任期間だけ、ここを離れるよう所長に掛け合うこともできます。その間、わたくしと一緒に王都に戻って」
「嫌だよっ。私の居場所はここだけなの!」
ジェラルドの言葉を遮って、クラーラは彼の上着を強く握りしめながら大きく首を横に振る。
父親の死によって沢山のものを失った今、変わってしまうことが何よりも恐ろしい。
「……わかりました」
間近で自分を見てきたジェラルドはこれ以上の説明は不要だったのだろう。溜息を一つ吐くことで理解してくれた。
ジェラルドには多大な恩がある。修道女になるしかなかった自分に、この研究所で働けるよう色々と手を尽くしてくれ、保証人にもなってくれた。
そんな彼の気遣いを踏みにじってしまったことが苦しくて、クラーラは「ごめん」と呟く。
「あのね何かあったら、連絡する。……絶対に」
「はい。そうしてください。そして、必ずお助けに参ります」
ジェラルドは上着の裾をぎゅっと握るクラーラの手に己の手を重ねた。根負けしたような苦笑を浮かべて。
それじゃあ、またね。
正門からジェラルドの姿が見えなくなるまで手を振り続けていたクラーラは、研究室に戻る為くるりと身体を反転させ走り出した。
軽快な足音を響かせ、流れていく景色を目で追うとこなく午後の仕事の段取りを考える。
けれど、総務棟と実験棟を繋ぐ渡り廊下を駆け抜けようとした時、ゆっくりと歩く人影にぶつかりそうになってしまった。
「し、失礼しましたっ」
幸い正面衝突は免れたが、運悪くぶつかりそうになった相手はこのまま無視してはいけない人物だった。
クラーラは足を止め頭をさげる。すぐに以上ないほど不機嫌な声が降ってきた。
「また、あなたなの?本当に素行が悪いわね」
「……申し訳ありません」
侮蔑の籠った視線と言葉に、クラーラは頭の角度を深くした。
まるで生徒指導の先生のようなことを言ったこの人物の名は、カロリーナ・ルドルファ。マノア植物研究所の所長ケード・ルドルファの一人娘だった。
カロリーナはここマノア植物研究所の所長の娘であるとともに、副所長を勤めている。
黙っていれば美人の部類に入り、副所長という肩書きのせいかどうかはわからないが、彼女はいつも身だしなみに気を使っている。
所長ですら毎日白衣を身に付けているというのに、彼女は人より遥かに植物が多いこの場所で、何の意味があるのかわからないが常にヒールの靴を履き、胸を主張するドレスを好んで着ている。亜麻色の髪も抜かりなく綺麗な巻き髪で、化粧だってバッチリだ。
ただ、ここは人より植物の方が多い辺鄙な研究所で、常に金欠状態。人手不足と備品不足がデフォルトなのに施設の為に動くことはせず、ただただ身を着飾り、フラフラフラフラ施設周辺を徘徊するか街へ出かけるだけ。
そんなカロリーナのことを怖いもの知らずの研究員達は、役立たずのごく潰しとはっきり言う。
クラーラとて彼女の常日頃の態度を見ていると頷きたうなるが、大して役に立っていない自分は、彼女とどっこいどっこいの立ち位置にいることは自覚しているので、悪く思うのは気持ちは持たないよう心掛けている。
しかし、謙遜でいるクラーラとは対照的に、カロリーナはどこまでも不遜な態度を貫く。
「あーあ、埃が立って気持ち悪いわ。どうしてここは育ちが悪い者しか集まらないのかしら。嫌になっちゃう」
訳アリ人が集うここは、保証人さえしっかりしていれば出自を詮索されることは無いため、クラーラも男爵令嬢だったことは公言していないし、今後する気も無い。
でも育ちが悪いと言われるのは、亡き父を馬鹿にされたようで面白くはない。
そんな気持ちを隠せずムスッとした顔をしてしまうクラーラを無視して、カロリーナは急に辺りをキョロキョロし始めた。
「ところであなた、ヴァルラムさんはどこにいらっしゃるの?」
「……さぁ」
「”さぁ”って、何?あなた本当に使えない子ね。雑用しかできないんだから」
「申し訳ありません」
謝罪の言葉を紡いだクラーラにカロリーナは鼻で笑ったかと思えば急に背を向け、温室の方へと消えて行った。
顔を上げた視界に去っていくカロリーナの後ろ姿が映る。
ドレスの裾が熱帯魚の尾のように揺れる様を見つめながら、クラーラはぼんやりと考える。
ここ最近、カロリーナはあからさまにヴァルラムと一緒に過ごそうとしている。露骨に色目を使って、胸元をこれでもかと見せつけながら。
彼女がヴァルラムと特別な仲になりたいことは一目瞭然だった。
公爵家の嫡男を場末の研究所の娘ふぜいが口説こうなんて、ちゃんちゃらおかしいと思う。……思うけれど、ヴァルラムの隣にカロリーナが立つことを想像したら呆れるくらいに胸がズキッと痛んだ。
ヴァルラムに嫌われたいと思っているのは嘘じゃない。でも彼がカロリーナを選ぶのは、どうしようも無いほど嫌だ。
そんな風に身勝手なことを思う自分に嫌悪を感じたその時、
「クラーラ」
「んあ?……っ」
突然背後から声を掛けられたけれど、ヒリヒリした痛みで一瞬誰に声をかけられたかわからなかった。
ただ条件反射で振り返ったら、そこにはつい今しがたカロリーナが探していた人がそこにいた。
「……あの」
「呼びに来た」
動揺するクラーラから目を逸らして、ヴァルラムは短く言った。バツが悪そうに手の甲を口元で隠しながら。
「!……っ!!」
わかってる。上司が道草を食っている部下を連れ戻しにきただけだ。そこに他意は無い。
でもプラチナブロンドの髪が乱れ、肩で息をしている姿を見たら、平常心を保つのは無理だった。頬が勝手に熱くなる。
迎えに来てくれたことを嬉しいと感じてしまう自分が、愚かで泣きたくなる。
「さぁ、行こう」
無言でいる自分に、ヴァルラムは柔らかい口調でそう言って歩き出す。まるで自分が追ってくるのが当たり前といった感じで。
助手の自分には雑用はごまんとある。ここで急ぎでもない用事を口実に、彼に背を向けることは簡単だ。いや、嫌われたいと願っているのだから、そうするのが正解なのだろう。
けれども飼い主の後を付いていく従順な犬のように、クラーラはてくてくとその背を追った。
赤くなった顔を見られないよう、俯きながら。
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