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第3章 イーディスとモーラ
第7話 逃げるもの、追うもの
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イーディスの全身に衝撃が駆け巡った。目は白黒して口が乾く。
タイレルも、どこから説明していいか戸惑っている。
「消えた? 消えたって、どういうことだ?」
「俺もわからない。誰もわからないんだ。おそらく、エセルバートもわかっていない」
「娘が勝手に逃げ出したってことか? エセルバートが隠したんじゃなくて?」
「わからないよ」
「それともアーロンの仕業か?」
先走った考えに、タイレルが周囲を伺う。
「大丈夫だ。誰もいない。そんなこと私が見誤ると思うか?」
「ああ、ああ、そうだけど」
と、タイレルは煙たそうに応じた。気配を察知する能力が、彼にはないのだ。指摘されるたびに無能と突きつけられているような気持ちになる。今だって、ろくに彼女の疑問に答えられない。
イーディスも彼の苦悩を感じ取って、「はあー」と大きく息を吐いた。それでも勝手に足はウロウロとその場を歩き回ってしまうし、頭の中にさまざまな仮説とシナリオが渦巻く。
「ダメだ。考えがまとまらん。親父はなんて?」
「それもわからない。俺だって、ついさっき知ったんだ」
「くそ」
と、イーディスは一度タイレルに背を向けて、振り返って彼を見据えた。「それは、ありがとう」と、苛立ちを抑えて礼をする。
「でも、なんかもう少しないか?」
モーラ救出どころじゃなくなった。
「あるにはあるけど、大したことじゃないよ」
「それは私が決める」
はっきりした言いっぷりに、タイレルはまた一つ自信のかけらを失いながら答えた。
「従者の男と一緒に逃げたらしい」
それを聞いて、イーディスは発狂しそうになった。
「ちっきしょー!」
と、彼女の咆哮は木々にこだまして、小鳥たちを脅かした。
数時間後、二人は『大鴉の町』のしけた酒場で、粗末なテーブルに向かい合っていた。到着した時には日は沈みかけていた。
「それじゃあ確認だが、リシェルはそのお気に入りの、馬番の青年と、二人で逃げたってことなんだな?」
「証拠はないが、そうだろうって。馬番が前の夜に娼館へ出たのを門番が見てる。そのときもう一人少年が一緒だったそうなんだが、城には該当の男の子はいない。娼館も、何度か来た客だがその夜は来なかったって。まして少年なんか一度も見たことないって」
「駆け落ちか?」
「他に何の理由があって?」
笑ってしまいながら、タイレルは続けた。
「『古代の壁』から先に出た、それっぽい二人組はいないって話なんだけど」
イーディスは彼らの逃走経路を考えながら聞いていた。机の上に落ちた水滴を指でなぞる。
「『東の鉄壁城』だよな?」
「そうだよ」
「あくまで想像だが、夜中に馬車で外に出たやつはいないか?」
「やっぱりそう思う? どうやら森の番人夫婦が怪しいって噂もあるんだ。病気で苦しむ隣町の妹を見舞いに行ったらしい。馬を売って薬代に変えたって、裏も取れたみたいだけど」
「怪しいなぁ」
「じゃあ馬車に隠れて壁を出て、馬に乗って逃げた、と?」
「ただ、その先だよな」
逃げ切れるとは思えない。考えが煮詰まったところで、ふと、イーディスは気になることが浮かんだ。
「タイレル、お前はどこでその情報を手に入れたんだ?」
彼はあっさり答えた。
「ああ、ここに来る途中、『湖畔の町』でマグナの者に会ったんだよ」
マグナ会の連中は、オルダニア中の町という町に点々と身を潜めていた。あるものは商人、あるものは漁師など、完璧に溶け込んで暮らしている。彼らが情報源としてネットワークを結んでいるのもマグナ会の強みだった。それは『知恵の里』にいたときから変わらない。
大抵は、魔法使いになりそこねた、タイレルのような世話係が任命される。力がないからといって、彼らは単純な使いっ走りではないのだ。溶け込みきれるだけの技術がいる。
その点でいえばタイレルは、まさに使いっ走りだ。
イーディスに閃きが降りた。
「『湖畔の町』って、『神吹の湖』のあたりだよな?」
「ああ。その南だ」
「帰りも通るつもりか?」
「まぁ、そこから舟に乗るのが早いかと思ってたけど」
「よし。すぐに出発しよう」
「すぐにって、今すぐに?」
目を丸くするタイレルの前で、イーディスはもう腰を浮かせていた。
どうしてそうするのかはわからない。だが、何をするのかはわかっていた。
『湖畔の町』へ行く。それが今、イーディスのすべきことなのだ。それも、できるだけ急いで。
タイレルは気だるそうに立ち上がったが、それでも魔法使いの世話係として、頭はすぐに最適な方法を導き出す。
「今から発つんじゃ夜通しになる。馬を調達してくるから待っててくれないか?」
「それなら私は食べ物を」
そうして二人は手分けして必要なものを揃えると、少しくたびれた様子のある二頭の馬にまたがって、進路を北東へとった。
タイレルの言うとおり夜を駆ける行程になったが、イーディスの体に疲れは訪れなかった。むしろ、町が近づくほどに元気になるようだった。十日近くも捕虜になっていた疲労も薄かった。もしかしたら最後に、モーラが癒しの魔法をかけてくれたのかもしれない。
ああ、そうだ、モーラ。彼女に、無事にメッセージは届いただろうか。『湖畔の町』へ寄った後、彼女を助けに戻れるだろうか。そしてどうやって助ければいいだろうか。
しかしイーディスには予感があった。
モーラには、いつかどこかで会える。
この道が、彼女につながっているような気がしてならないのだった。
タイレルも、どこから説明していいか戸惑っている。
「消えた? 消えたって、どういうことだ?」
「俺もわからない。誰もわからないんだ。おそらく、エセルバートもわかっていない」
「娘が勝手に逃げ出したってことか? エセルバートが隠したんじゃなくて?」
「わからないよ」
「それともアーロンの仕業か?」
先走った考えに、タイレルが周囲を伺う。
「大丈夫だ。誰もいない。そんなこと私が見誤ると思うか?」
「ああ、ああ、そうだけど」
と、タイレルは煙たそうに応じた。気配を察知する能力が、彼にはないのだ。指摘されるたびに無能と突きつけられているような気持ちになる。今だって、ろくに彼女の疑問に答えられない。
イーディスも彼の苦悩を感じ取って、「はあー」と大きく息を吐いた。それでも勝手に足はウロウロとその場を歩き回ってしまうし、頭の中にさまざまな仮説とシナリオが渦巻く。
「ダメだ。考えがまとまらん。親父はなんて?」
「それもわからない。俺だって、ついさっき知ったんだ」
「くそ」
と、イーディスは一度タイレルに背を向けて、振り返って彼を見据えた。「それは、ありがとう」と、苛立ちを抑えて礼をする。
「でも、なんかもう少しないか?」
モーラ救出どころじゃなくなった。
「あるにはあるけど、大したことじゃないよ」
「それは私が決める」
はっきりした言いっぷりに、タイレルはまた一つ自信のかけらを失いながら答えた。
「従者の男と一緒に逃げたらしい」
それを聞いて、イーディスは発狂しそうになった。
「ちっきしょー!」
と、彼女の咆哮は木々にこだまして、小鳥たちを脅かした。
数時間後、二人は『大鴉の町』のしけた酒場で、粗末なテーブルに向かい合っていた。到着した時には日は沈みかけていた。
「それじゃあ確認だが、リシェルはそのお気に入りの、馬番の青年と、二人で逃げたってことなんだな?」
「証拠はないが、そうだろうって。馬番が前の夜に娼館へ出たのを門番が見てる。そのときもう一人少年が一緒だったそうなんだが、城には該当の男の子はいない。娼館も、何度か来た客だがその夜は来なかったって。まして少年なんか一度も見たことないって」
「駆け落ちか?」
「他に何の理由があって?」
笑ってしまいながら、タイレルは続けた。
「『古代の壁』から先に出た、それっぽい二人組はいないって話なんだけど」
イーディスは彼らの逃走経路を考えながら聞いていた。机の上に落ちた水滴を指でなぞる。
「『東の鉄壁城』だよな?」
「そうだよ」
「あくまで想像だが、夜中に馬車で外に出たやつはいないか?」
「やっぱりそう思う? どうやら森の番人夫婦が怪しいって噂もあるんだ。病気で苦しむ隣町の妹を見舞いに行ったらしい。馬を売って薬代に変えたって、裏も取れたみたいだけど」
「怪しいなぁ」
「じゃあ馬車に隠れて壁を出て、馬に乗って逃げた、と?」
「ただ、その先だよな」
逃げ切れるとは思えない。考えが煮詰まったところで、ふと、イーディスは気になることが浮かんだ。
「タイレル、お前はどこでその情報を手に入れたんだ?」
彼はあっさり答えた。
「ああ、ここに来る途中、『湖畔の町』でマグナの者に会ったんだよ」
マグナ会の連中は、オルダニア中の町という町に点々と身を潜めていた。あるものは商人、あるものは漁師など、完璧に溶け込んで暮らしている。彼らが情報源としてネットワークを結んでいるのもマグナ会の強みだった。それは『知恵の里』にいたときから変わらない。
大抵は、魔法使いになりそこねた、タイレルのような世話係が任命される。力がないからといって、彼らは単純な使いっ走りではないのだ。溶け込みきれるだけの技術がいる。
その点でいえばタイレルは、まさに使いっ走りだ。
イーディスに閃きが降りた。
「『湖畔の町』って、『神吹の湖』のあたりだよな?」
「ああ。その南だ」
「帰りも通るつもりか?」
「まぁ、そこから舟に乗るのが早いかと思ってたけど」
「よし。すぐに出発しよう」
「すぐにって、今すぐに?」
目を丸くするタイレルの前で、イーディスはもう腰を浮かせていた。
どうしてそうするのかはわからない。だが、何をするのかはわかっていた。
『湖畔の町』へ行く。それが今、イーディスのすべきことなのだ。それも、できるだけ急いで。
タイレルは気だるそうに立ち上がったが、それでも魔法使いの世話係として、頭はすぐに最適な方法を導き出す。
「今から発つんじゃ夜通しになる。馬を調達してくるから待っててくれないか?」
「それなら私は食べ物を」
そうして二人は手分けして必要なものを揃えると、少しくたびれた様子のある二頭の馬にまたがって、進路を北東へとった。
タイレルの言うとおり夜を駆ける行程になったが、イーディスの体に疲れは訪れなかった。むしろ、町が近づくほどに元気になるようだった。十日近くも捕虜になっていた疲労も薄かった。もしかしたら最後に、モーラが癒しの魔法をかけてくれたのかもしれない。
ああ、そうだ、モーラ。彼女に、無事にメッセージは届いただろうか。『湖畔の町』へ寄った後、彼女を助けに戻れるだろうか。そしてどうやって助ければいいだろうか。
しかしイーディスには予感があった。
モーラには、いつかどこかで会える。
この道が、彼女につながっているような気がしてならないのだった。
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