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第4章(エピローグ)
3(完)
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「セイーン、もうすぐ魔道馬車が来るわよー。忘れ物はー?」
「大丈夫! 何回もチェックしたよー」
そう答えながらもう一度カバンの中をチェックした。小銭、筆記用具、明日と明後日分の着替え、入学許可証、学園のしおり……。今年十歳になる僕は、エンダル学園に特待生としての入学が許可されたんだ。今日が出発の日。パパやママと離れるのはちょっと寂しいけど、一生懸命頑張って将来は立派な魔導師になりたいと思ってる。
エンダル学園は、昔、すごく偉い魔導師様が創った学校だと聞いている。大昔は学校は貴族だけしか通えなかったらしいけど、今は身分に関係なく誰でも通うことが出来る。しかも、条件を満たせば特待生として学費や生活費が免除されるんだ。
特待生の条件は全部は知らないけど、僕の場合は……、回復系を含む複数の系統の魔法の素質があって、魔力量が一定より大きいってのが当てはまった。条件によっては学費だけ免除ってのもあるみたいだよ。
学園に入学するには、読み書き計算の簡単な試験と体力測定と適正検査ってのを受けるんだ。適正検査は受ける科によっていろいろで、僕が入る魔法科は魔力有りと言う証明書を出すだけだ。ちなみに魔法の素質の中でも回復系を持ってる子は学園への入学が義務付けられていて、全員無試験での入学となるんだ。入学するのも魔法科って決められてるよ。
無試験で入った子はズルイって気がするでしょ? でも違うんだ。だって無試験の子に対しては、入学直後にかなり厳しい授業が待ってるって有名なんだもの。だから本音を言うと僕もちょっと怖いんだ。
「元気で。長期休暇になったらちゃんと帰ってくるのよ」
「うん、分かった」
「お腹出して寝ちゃだめよ」
「大丈夫だよ。僕もうすぐ十歳だよ」
「好き嫌いしないでちゃんと食べるのよ」
「あー、はいはい」
「も~、ちゃんと聞いてるの?」
「大丈夫。お腹出して寝ないし、好き嫌いはなるべくしないよ」
「ホントに?」
「ホントだってばぁ。あ、魔道馬車が来たから」
「忘れ物ない?」
「大丈夫」
「じゃあ、ホントに気をつけて」
「うん。行ってきます」
「頑張るのよ~」
僕は魔道馬車から大きく手を振った。ちょっぴり涙が出そうになったのは内緒だ。
魔道馬車は魔石で動く馬車のことだ。馬車と言いつつ馬は付いてないよ。強いて言えば魔石が馬の代わりなのかな? 仕組みは僕には分からないけど、魔法で動いてて、制御は御者さんがやってくれる。
王族や大貴族なんかだと自家用の魔道馬車を持ってるけど、僕の家のような下級貴族や平民は持ってない。平民は乗り合いの馬車か魔道馬車を利用するのが一般的だ。僕の場合は今回は両親が奮発してくれて、エンダル学園までチャーターしたんだ。学園までの三日間、この魔道馬車にお世話になることが決まってる。あ、夜は予約した宿に泊まるよ。御者さんが全て世話してくれることになってるんだ。と言うか、御者さんは本当は僕んちの執事だ。
エンダル学園があるところは昔は小さな村だったそうだよ。それが今は学園を中心にエンダル学園都市と言う大きな街になっている。街の規模は王都より大きいんだって。学園の敷地も広大で、学び舎、寮、訓練場の他に森もある。もっともその森は危険な魔物が数多く生息してるから、許可が無い限り入ることは出来ないそうだ。
学園は魔法科、騎士科、商科、文官科の四つがあり、入学した後はその科毎の専門を勉強する他、選択で他の科の授業を受けることもできるそうだよ。僕は騎士科の授業をとりたいと思ってるけど……。
この学園を創った魔導師様は『最初の魔導師』と呼ばれてて、失われた魔法を次々と復活させた人だってことだ。とても有名な人なのに、何故か名前は伝わってないんだ。出生とかも不明で、ある日王族に見出された人だってことだよ。一説には王族になったって説もあるけど、歴代の王族名簿には載ってないってのを、この前ママが言ってたかな。
「どんな人だったんだろう?」
えらーい魔導師様だから、きっと長いヒゲがあって何時も難しそうな顔をしてたのかな? そう言えば小さい頃魔力検査に来た魔導師が、まさしくそんな雰囲気だったっけ。
この国の人間は五歳になった年に全員魔力検査を受けるんだ。そこで魔力有りと判定された子は魔法の勉強を受けることが出来るんだ。一番の権威はエンダル学園だけど、他にも平民向けの魔法学校なんかもあって簡単な魔法を覚えることが出来るんだ。実は僕も少しだけそこへ通って、水球を覚えたんだよ。
「セイン坊ちゃま、学園に到着しました」
「良かった~。座りっぱなしでお尻が痛かったんだ」
魔道馬車を下りて見上げた学園の建物は、とても大きかった。古い建物だけどボロくは無いかな。これから僕もここでたくさん魔法を学ぶんだ。そう思ったら少し感動してしまった。
執事は学園の受付まで僕を案内してから帰っていった。これでもう僕の知ってる人はここには誰もいない。寂しいね、緊張するね、でも頑張ろう。
受付では学園内の地図と僕が入る寮の部屋の鍵を渡されたよ。学園の敷地はとても広いから、慣れるまでは地図を持ち歩いた方が良いってアドバイスされたし。毎年迷子になる新入生が何人かいるんだって。僕も気をつけなくっちゃ。
荷物や学園支給の制服、教科書なんかは既に寮の部屋に運んであると言ってた。寮は基本的には二人部屋で、大きなトラブルが無ければ卒業まで一緒なんだそうだ。ただし王族や大貴族の場合は、その身分の関係から個室らしいよ。しかも世話係がひとりだけ認められてるとか。
寮の同室者は基本的には貴族は貴族、平民は平民ってカンジになるんだけど、必ずそうとは限らないそうだ。そして僕はその例外に当たったらしく、同室者は平民なんだって。どんな子なんだろう? まあ僕個人としてはこだわりは無いからね、なんとかなるかな。
「失礼します」
同室者は既に入寮済みだと聞いたので、一応ノックしてから部屋に入った。机に向かって何かを読んでいた同室者の子は、僕の言葉に勢いよく振り向いた。すごーい、赤茶のふわふわした髪! 自分の髪の毛がまっすぐだから、クセ毛はちょっと憧れるんだ。
「今日からこの部屋に入るセインです。はじめまして」
「マシューだ。騎士科。よろしくな!」
元気いっぱいなマシュー君の雰囲気に、彼となら同室者として卒業まで上手くやっていけると思った。お互いにニッコリしながら手を差し出し握手して……。
「えっ!」
「あっ!」
突然左の薬指の付け根が熱くなって、僕の頭の中に一瞬にしていろんな記憶が飛び込んできた。どうやらそれは目の前の彼も同じようだ。薬指の付け根にはくっきりと、以前と同じ模様が浮かび上がっていた。
「また……、会えたね」
「嗚呼。また会えた」
いつの間にか握手じゃなくお互いにしっかり抱き合って、それから深い口付けをした。十歳の子供がするには背伸びしすぎの口付けだ。でも、そうすることが不思議と自然に思えたんだ。
「三度目だね」
「嗚呼」
「これからはまたずーっと一緒だね」
「もちろんだ」
いつの間にか涙が出てたようで、目の前の顔が少しぼやけて見えた。
それから僕たちは長い時間ふたりで語り合った。マシューが死んでから僕が死ぬまでのこと。僕が生まれてから今日までのこと。マシューも生まれてから今日までのことを教えてくれた。
「やっぱりこの魔法は呪いなんかじゃないよ。またマシューに会えた。またマシューといられる。これから先の僕の人生は、やっぱりマシューと一緒じゃないと」
「そうだな。オレもセインと一緒が良い」
語って、口付けして、また語って……。気がついたら食堂の時間を過ぎていて、ふたりとも朝までお腹ペコペコの状態で、それがまた可笑しくてふたりで笑ってしまった。
「ねぇマシュー。今回の人生、僕の方から提案があるんだけど?」
「どんな提案? 実現可能な提案だったら聞くぞ」
「簡単だよ! 目立たず大人しく過ごそうよ。前世も前々世も忙しかったから、今度こそのんびりしよう。ここはもう村じゃなくなったから、卒業後はどこか別の小さな村で、のんびり畑をやりたいな」
これは前々世からのマシューとの約束だ。前世では結局のんびり出来たのは一年だけだったから、今世こそのんびりしたいんだ。十歳の子供のセリフじゃないけど、三度目の人生だもの、良いよね?
「オレは平民だから問題無いぞ。セイン次第だな」
「任せて! 魔法はなるべく平凡な成績になるように努力するから」
「努力の方向が違わないか?」
「僕たちのこれからの為だもの。正しい方向だよ」
そう言って、またふたりで笑いあった。
完
「大丈夫! 何回もチェックしたよー」
そう答えながらもう一度カバンの中をチェックした。小銭、筆記用具、明日と明後日分の着替え、入学許可証、学園のしおり……。今年十歳になる僕は、エンダル学園に特待生としての入学が許可されたんだ。今日が出発の日。パパやママと離れるのはちょっと寂しいけど、一生懸命頑張って将来は立派な魔導師になりたいと思ってる。
エンダル学園は、昔、すごく偉い魔導師様が創った学校だと聞いている。大昔は学校は貴族だけしか通えなかったらしいけど、今は身分に関係なく誰でも通うことが出来る。しかも、条件を満たせば特待生として学費や生活費が免除されるんだ。
特待生の条件は全部は知らないけど、僕の場合は……、回復系を含む複数の系統の魔法の素質があって、魔力量が一定より大きいってのが当てはまった。条件によっては学費だけ免除ってのもあるみたいだよ。
学園に入学するには、読み書き計算の簡単な試験と体力測定と適正検査ってのを受けるんだ。適正検査は受ける科によっていろいろで、僕が入る魔法科は魔力有りと言う証明書を出すだけだ。ちなみに魔法の素質の中でも回復系を持ってる子は学園への入学が義務付けられていて、全員無試験での入学となるんだ。入学するのも魔法科って決められてるよ。
無試験で入った子はズルイって気がするでしょ? でも違うんだ。だって無試験の子に対しては、入学直後にかなり厳しい授業が待ってるって有名なんだもの。だから本音を言うと僕もちょっと怖いんだ。
「元気で。長期休暇になったらちゃんと帰ってくるのよ」
「うん、分かった」
「お腹出して寝ちゃだめよ」
「大丈夫だよ。僕もうすぐ十歳だよ」
「好き嫌いしないでちゃんと食べるのよ」
「あー、はいはい」
「も~、ちゃんと聞いてるの?」
「大丈夫。お腹出して寝ないし、好き嫌いはなるべくしないよ」
「ホントに?」
「ホントだってばぁ。あ、魔道馬車が来たから」
「忘れ物ない?」
「大丈夫」
「じゃあ、ホントに気をつけて」
「うん。行ってきます」
「頑張るのよ~」
僕は魔道馬車から大きく手を振った。ちょっぴり涙が出そうになったのは内緒だ。
魔道馬車は魔石で動く馬車のことだ。馬車と言いつつ馬は付いてないよ。強いて言えば魔石が馬の代わりなのかな? 仕組みは僕には分からないけど、魔法で動いてて、制御は御者さんがやってくれる。
王族や大貴族なんかだと自家用の魔道馬車を持ってるけど、僕の家のような下級貴族や平民は持ってない。平民は乗り合いの馬車か魔道馬車を利用するのが一般的だ。僕の場合は今回は両親が奮発してくれて、エンダル学園までチャーターしたんだ。学園までの三日間、この魔道馬車にお世話になることが決まってる。あ、夜は予約した宿に泊まるよ。御者さんが全て世話してくれることになってるんだ。と言うか、御者さんは本当は僕んちの執事だ。
エンダル学園があるところは昔は小さな村だったそうだよ。それが今は学園を中心にエンダル学園都市と言う大きな街になっている。街の規模は王都より大きいんだって。学園の敷地も広大で、学び舎、寮、訓練場の他に森もある。もっともその森は危険な魔物が数多く生息してるから、許可が無い限り入ることは出来ないそうだ。
学園は魔法科、騎士科、商科、文官科の四つがあり、入学した後はその科毎の専門を勉強する他、選択で他の科の授業を受けることもできるそうだよ。僕は騎士科の授業をとりたいと思ってるけど……。
この学園を創った魔導師様は『最初の魔導師』と呼ばれてて、失われた魔法を次々と復活させた人だってことだ。とても有名な人なのに、何故か名前は伝わってないんだ。出生とかも不明で、ある日王族に見出された人だってことだよ。一説には王族になったって説もあるけど、歴代の王族名簿には載ってないってのを、この前ママが言ってたかな。
「どんな人だったんだろう?」
えらーい魔導師様だから、きっと長いヒゲがあって何時も難しそうな顔をしてたのかな? そう言えば小さい頃魔力検査に来た魔導師が、まさしくそんな雰囲気だったっけ。
この国の人間は五歳になった年に全員魔力検査を受けるんだ。そこで魔力有りと判定された子は魔法の勉強を受けることが出来るんだ。一番の権威はエンダル学園だけど、他にも平民向けの魔法学校なんかもあって簡単な魔法を覚えることが出来るんだ。実は僕も少しだけそこへ通って、水球を覚えたんだよ。
「セイン坊ちゃま、学園に到着しました」
「良かった~。座りっぱなしでお尻が痛かったんだ」
魔道馬車を下りて見上げた学園の建物は、とても大きかった。古い建物だけどボロくは無いかな。これから僕もここでたくさん魔法を学ぶんだ。そう思ったら少し感動してしまった。
執事は学園の受付まで僕を案内してから帰っていった。これでもう僕の知ってる人はここには誰もいない。寂しいね、緊張するね、でも頑張ろう。
受付では学園内の地図と僕が入る寮の部屋の鍵を渡されたよ。学園の敷地はとても広いから、慣れるまでは地図を持ち歩いた方が良いってアドバイスされたし。毎年迷子になる新入生が何人かいるんだって。僕も気をつけなくっちゃ。
荷物や学園支給の制服、教科書なんかは既に寮の部屋に運んであると言ってた。寮は基本的には二人部屋で、大きなトラブルが無ければ卒業まで一緒なんだそうだ。ただし王族や大貴族の場合は、その身分の関係から個室らしいよ。しかも世話係がひとりだけ認められてるとか。
寮の同室者は基本的には貴族は貴族、平民は平民ってカンジになるんだけど、必ずそうとは限らないそうだ。そして僕はその例外に当たったらしく、同室者は平民なんだって。どんな子なんだろう? まあ僕個人としてはこだわりは無いからね、なんとかなるかな。
「失礼します」
同室者は既に入寮済みだと聞いたので、一応ノックしてから部屋に入った。机に向かって何かを読んでいた同室者の子は、僕の言葉に勢いよく振り向いた。すごーい、赤茶のふわふわした髪! 自分の髪の毛がまっすぐだから、クセ毛はちょっと憧れるんだ。
「今日からこの部屋に入るセインです。はじめまして」
「マシューだ。騎士科。よろしくな!」
元気いっぱいなマシュー君の雰囲気に、彼となら同室者として卒業まで上手くやっていけると思った。お互いにニッコリしながら手を差し出し握手して……。
「えっ!」
「あっ!」
突然左の薬指の付け根が熱くなって、僕の頭の中に一瞬にしていろんな記憶が飛び込んできた。どうやらそれは目の前の彼も同じようだ。薬指の付け根にはくっきりと、以前と同じ模様が浮かび上がっていた。
「また……、会えたね」
「嗚呼。また会えた」
いつの間にか握手じゃなくお互いにしっかり抱き合って、それから深い口付けをした。十歳の子供がするには背伸びしすぎの口付けだ。でも、そうすることが不思議と自然に思えたんだ。
「三度目だね」
「嗚呼」
「これからはまたずーっと一緒だね」
「もちろんだ」
いつの間にか涙が出てたようで、目の前の顔が少しぼやけて見えた。
それから僕たちは長い時間ふたりで語り合った。マシューが死んでから僕が死ぬまでのこと。僕が生まれてから今日までのこと。マシューも生まれてから今日までのことを教えてくれた。
「やっぱりこの魔法は呪いなんかじゃないよ。またマシューに会えた。またマシューといられる。これから先の僕の人生は、やっぱりマシューと一緒じゃないと」
「そうだな。オレもセインと一緒が良い」
語って、口付けして、また語って……。気がついたら食堂の時間を過ぎていて、ふたりとも朝までお腹ペコペコの状態で、それがまた可笑しくてふたりで笑ってしまった。
「ねぇマシュー。今回の人生、僕の方から提案があるんだけど?」
「どんな提案? 実現可能な提案だったら聞くぞ」
「簡単だよ! 目立たず大人しく過ごそうよ。前世も前々世も忙しかったから、今度こそのんびりしよう。ここはもう村じゃなくなったから、卒業後はどこか別の小さな村で、のんびり畑をやりたいな」
これは前々世からのマシューとの約束だ。前世では結局のんびり出来たのは一年だけだったから、今世こそのんびりしたいんだ。十歳の子供のセリフじゃないけど、三度目の人生だもの、良いよね?
「オレは平民だから問題無いぞ。セイン次第だな」
「任せて! 魔法はなるべく平凡な成績になるように努力するから」
「努力の方向が違わないか?」
「僕たちのこれからの為だもの。正しい方向だよ」
そう言って、またふたりで笑いあった。
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