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第1章
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お城で朝食を食べてから、僕は第5騎士団の詰め所へ戻ってきた。マシューと一緒にのんびりしたかったけど、休暇の最終日である今日は、どうしてもやらなきゃいけないことがあったんだ。
朝食はマシューとふたりきりだった。「休暇最終日でしょ、ふたりでのんびり食べてね。ホホホ」なんて王妃様は言ってたけど、本音は絶対違うね。不貞腐れたマシューが面倒くさかったからに違いない。そして実際面倒くさかった。
「ねぇマシュー、そろそろ機嫌直してよ」
「だってオレは置いてきぼりじゃないか」
「そんなことないよ。あんなの僕ひとりじゃ出来ないよ」
「出来るだろ。大魔導師様なんだから」
「なんだよそれ……。僕はマシューが手伝ってくれるって思ってたのに」
「…………」
「…………」
最後は険悪な雰囲気のまま、お城を出ることになってしまった。マシューはマシューで、学校視察の件でいろいろ調整とかがあるからだ。
「うわっ、クッサい!」
詰め所の、僕に割り当てられた部屋のドアを開けたら、何とも言えない悪臭が漂っていた。そりゃそうだよね。遠征から戻って、荷物を置いたままお城へ行ったからね。しかもライネスが退団したから、その間ずーっと部屋は締め切ってたんだ。
取りあえず洗えるものは全て洗おう。ついでに部屋に浄化の魔法もかけようかな。実際は大丈夫かもしれないけど、虫が湧いてたら嫌だ。
洗い場には誰もいなかったから、僕は思う存分洗濯することが出来た。着替えも、シーツも、洗えるものは全部。洗濯物をマシューの顔に見立てて、思いっきり踏んづけたら少しスッキリしたよ。そりゃあ僕だって悪かったかもしれないけどさ、あの言い方は無いと思うよ。……思い出したらまた腹が立ってきた。もう少し踏んづけておこう。
干し終わって通路を歩いていると、練習場の方が騒がしいのに気がついた。何だろう?と行ってみると、かなりの人だかり。誰が誰を稽古つけてるんだろうか。
「誰がやってるんですか?」
「おっ、セインか。新入りだ。今日ここに来て、早速副団長が稽古つけてるんだ。ありゃあ、かなり強いぜ」
「へぇ……」
先輩に聞いた後隙間から見てみると、ホントだ、雰囲気からして強そうだ、と言うか実際強い。僕なんか足元にも及ばないくらい強いんじゃないかな。すごい人が入ってきたんだなぁ。うん、僕ももっと稽古しないと、いつまでたっても弱いままだ。
「よし、ここまで」
「ありがとうございました」
打ち合いが終わった途端、新人の雰囲気が柔らかくなった。何だろう……、さっきは隙の無い刃物のような雰囲気だったのに、今は穏やかな、春の風が凪いだときのような……って、なんか上手く表現できないや。焦げ茶の短髪に薄茶の瞳のその人は、意識の切替によって、きつくも柔らかくも変化させれる人なのかもしれない。
「あ、セイン君」
ガイセルさんに呼ばれたので、慌てて走り寄った。
「なんでしょうか?」
「セイン君は、ライネスと同室だったよね?」
「あ、ハイ」
「アルフレッド君です。明日から君と同室になるので、いろいろ教えてあげてください」
「わかりました。セインです、よろしくお願いします」
「アルフレッドだ。よろしく頼む」
アルフレッドさんは、これから荷物を纏めたりと入団の準備をするために、宿へ戻っていった。
嬉しい。ライネスが退団してくれたおかげで、僕はまともな人と同室になれたみたいだ。もうこれからは鍵がかかって入れないなんてことは無いだろうし、これで僕も平和な騎士団生活を送ることができそうだ。ホントは……エンダル村に帰りたいなぁ。
「アルフレッドさんて、かなり強そうですね」
「ああ、彼は現役の冒険者ですよ。剣の腕は申し分ないので、一週間くらいここに慣れてもらったら、その後は即団員でしょうね」
「すごい……」
「私は冒険者のことは詳しくは無いのですが、彼はかなり上位だったんじゃないでしょうか」
「そんな人が、騎士団に入ることもあるんですね」
「まあ、人それぞれでしょう。長く団にいて欲しい人材ですね」
正式な入団前だと言うのに、そこまで評価される人ってすごい。明日から同室……。なんか緊張してきた。
とりあえず今日中に部屋をキレイにして、アルフレッドさんの入団に備えよう。
それから暫くは、第5騎士団員としての普通の生活が続いた。第5は王都の憲兵としての仕事も受け持っているので、僕も時々見回りに行ったり、あとは誰かと剣の稽古をしたりといろいろ。夜は夜で、師匠の日記から写してきた保存の魔法を調べるのに時間を費やしていた。アルフレッドさん――アルと呼んでくれて構わないと言われた――が、部屋で難しい顔をしている僕を不思議そうに見ていたけど、特に突っ込んでくるようなことは無かった。
マシューは……あれから一度も騎士団の詰め所には来ていなかった。昨日王太子様が学校視察を行ったと言う話が聞こえてきたから、きっとそれ関係で忙しいんだろう。でも……ケンカ別れみたいな状態のままだから、僕としてはちょっと悲しい。
◇◇◇ ◇◇◇
「おっ、上手くいったみたい!」
今僕がいるのは、詰め所の端っこの草むらだ。ここの雑草をちょっとだけ引っこ抜いて、そこに摘んだばかりの花を置いてたんだ。数日前からやっている、保存の魔法の実験だ。
最初は上手くいかなくて、魔法をかけたにもかかわらず、翌日には花がしおれてた。陣とか魔石の位置とかいろいろやったけどダメで、ほとほと困ってたときに、ふと思いついて結界の魔法を追加してみたんだ。隠し部屋は、結界魔法と保存魔法の両方が使われてたからね。結界は隠し部屋に入れなくするだけかと思ってたから、そのことに気がつくのが遅れてしまったってこと。
まさか二つの魔法を重ねがけする必要があるなんて、思いもしなかったよ。でもこれで完成。あとは国王様に知らせるだけだ。
でもマシューいないんだよね。
もう僕のこと嫌いになっちゃったのかな?
…………。
「セインです。少しよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
僕ひとりではお城に行くことすら出来ないので、ガイセルさんを頼ることにした。団長不在の間は副団長が団長代理となるので、彼は普段団長の執務室にいることが多かった。
「団長がいないのに此処へ来るなんて珍しいですね。恋文でもお願いしにきたんですか?」
「こっ……」
「最近団長が来ませんからねぇ。セイン君も寂しいんじゃないかと思いまして」
口調は丁寧なのにニヤリと笑った顔はとても悪い笑顔で、僕をからかってるのがよく分かる。
「それでどうしました?」
「あの……、申し訳ないのですが、マ、団長に伝言をお願いしたいのですが」
「伝言ですか?」
「ハイ……。できるようになりました、と。本当は、国王様宛の伝言なんですが、そう言えば分かると思います」
「ふむ……。なら、セイン君一緒に行きますか?」
「えっ?」
「私と一緒だとお城に入れますよ。そしたら直接団長に伝えれますが」
「あっ、いえ、僕は……ヤメときます」
思わず俯いてしまった。マシューには会いたいけど会いたくない。どんな顔をしていいか分からないし、そもそも会ってくれるかも分からない。
「まあいいでしょう、伝言は私の方から伝えておきましょう。それに、王都にいるくせに団長の仕事をしないのは言語道断です。あのバカは、私の方で締め上げておきましょう」
「…………」
上手く言葉に出来なかったから、深々と頭を下げた。
「セイン君? 愚痴りたくなったら、いつでも来て良いんですよ」
執務室を出るとき、ガイセルさんにそう言われた。
きっと顔に出てたんだろうな。気を使わせてしまった。ガイセルさん、ごめんなさい。
朝食はマシューとふたりきりだった。「休暇最終日でしょ、ふたりでのんびり食べてね。ホホホ」なんて王妃様は言ってたけど、本音は絶対違うね。不貞腐れたマシューが面倒くさかったからに違いない。そして実際面倒くさかった。
「ねぇマシュー、そろそろ機嫌直してよ」
「だってオレは置いてきぼりじゃないか」
「そんなことないよ。あんなの僕ひとりじゃ出来ないよ」
「出来るだろ。大魔導師様なんだから」
「なんだよそれ……。僕はマシューが手伝ってくれるって思ってたのに」
「…………」
「…………」
最後は険悪な雰囲気のまま、お城を出ることになってしまった。マシューはマシューで、学校視察の件でいろいろ調整とかがあるからだ。
「うわっ、クッサい!」
詰め所の、僕に割り当てられた部屋のドアを開けたら、何とも言えない悪臭が漂っていた。そりゃそうだよね。遠征から戻って、荷物を置いたままお城へ行ったからね。しかもライネスが退団したから、その間ずーっと部屋は締め切ってたんだ。
取りあえず洗えるものは全て洗おう。ついでに部屋に浄化の魔法もかけようかな。実際は大丈夫かもしれないけど、虫が湧いてたら嫌だ。
洗い場には誰もいなかったから、僕は思う存分洗濯することが出来た。着替えも、シーツも、洗えるものは全部。洗濯物をマシューの顔に見立てて、思いっきり踏んづけたら少しスッキリしたよ。そりゃあ僕だって悪かったかもしれないけどさ、あの言い方は無いと思うよ。……思い出したらまた腹が立ってきた。もう少し踏んづけておこう。
干し終わって通路を歩いていると、練習場の方が騒がしいのに気がついた。何だろう?と行ってみると、かなりの人だかり。誰が誰を稽古つけてるんだろうか。
「誰がやってるんですか?」
「おっ、セインか。新入りだ。今日ここに来て、早速副団長が稽古つけてるんだ。ありゃあ、かなり強いぜ」
「へぇ……」
先輩に聞いた後隙間から見てみると、ホントだ、雰囲気からして強そうだ、と言うか実際強い。僕なんか足元にも及ばないくらい強いんじゃないかな。すごい人が入ってきたんだなぁ。うん、僕ももっと稽古しないと、いつまでたっても弱いままだ。
「よし、ここまで」
「ありがとうございました」
打ち合いが終わった途端、新人の雰囲気が柔らかくなった。何だろう……、さっきは隙の無い刃物のような雰囲気だったのに、今は穏やかな、春の風が凪いだときのような……って、なんか上手く表現できないや。焦げ茶の短髪に薄茶の瞳のその人は、意識の切替によって、きつくも柔らかくも変化させれる人なのかもしれない。
「あ、セイン君」
ガイセルさんに呼ばれたので、慌てて走り寄った。
「なんでしょうか?」
「セイン君は、ライネスと同室だったよね?」
「あ、ハイ」
「アルフレッド君です。明日から君と同室になるので、いろいろ教えてあげてください」
「わかりました。セインです、よろしくお願いします」
「アルフレッドだ。よろしく頼む」
アルフレッドさんは、これから荷物を纏めたりと入団の準備をするために、宿へ戻っていった。
嬉しい。ライネスが退団してくれたおかげで、僕はまともな人と同室になれたみたいだ。もうこれからは鍵がかかって入れないなんてことは無いだろうし、これで僕も平和な騎士団生活を送ることができそうだ。ホントは……エンダル村に帰りたいなぁ。
「アルフレッドさんて、かなり強そうですね」
「ああ、彼は現役の冒険者ですよ。剣の腕は申し分ないので、一週間くらいここに慣れてもらったら、その後は即団員でしょうね」
「すごい……」
「私は冒険者のことは詳しくは無いのですが、彼はかなり上位だったんじゃないでしょうか」
「そんな人が、騎士団に入ることもあるんですね」
「まあ、人それぞれでしょう。長く団にいて欲しい人材ですね」
正式な入団前だと言うのに、そこまで評価される人ってすごい。明日から同室……。なんか緊張してきた。
とりあえず今日中に部屋をキレイにして、アルフレッドさんの入団に備えよう。
それから暫くは、第5騎士団員としての普通の生活が続いた。第5は王都の憲兵としての仕事も受け持っているので、僕も時々見回りに行ったり、あとは誰かと剣の稽古をしたりといろいろ。夜は夜で、師匠の日記から写してきた保存の魔法を調べるのに時間を費やしていた。アルフレッドさん――アルと呼んでくれて構わないと言われた――が、部屋で難しい顔をしている僕を不思議そうに見ていたけど、特に突っ込んでくるようなことは無かった。
マシューは……あれから一度も騎士団の詰め所には来ていなかった。昨日王太子様が学校視察を行ったと言う話が聞こえてきたから、きっとそれ関係で忙しいんだろう。でも……ケンカ別れみたいな状態のままだから、僕としてはちょっと悲しい。
◇◇◇ ◇◇◇
「おっ、上手くいったみたい!」
今僕がいるのは、詰め所の端っこの草むらだ。ここの雑草をちょっとだけ引っこ抜いて、そこに摘んだばかりの花を置いてたんだ。数日前からやっている、保存の魔法の実験だ。
最初は上手くいかなくて、魔法をかけたにもかかわらず、翌日には花がしおれてた。陣とか魔石の位置とかいろいろやったけどダメで、ほとほと困ってたときに、ふと思いついて結界の魔法を追加してみたんだ。隠し部屋は、結界魔法と保存魔法の両方が使われてたからね。結界は隠し部屋に入れなくするだけかと思ってたから、そのことに気がつくのが遅れてしまったってこと。
まさか二つの魔法を重ねがけする必要があるなんて、思いもしなかったよ。でもこれで完成。あとは国王様に知らせるだけだ。
でもマシューいないんだよね。
もう僕のこと嫌いになっちゃったのかな?
…………。
「セインです。少しよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
僕ひとりではお城に行くことすら出来ないので、ガイセルさんを頼ることにした。団長不在の間は副団長が団長代理となるので、彼は普段団長の執務室にいることが多かった。
「団長がいないのに此処へ来るなんて珍しいですね。恋文でもお願いしにきたんですか?」
「こっ……」
「最近団長が来ませんからねぇ。セイン君も寂しいんじゃないかと思いまして」
口調は丁寧なのにニヤリと笑った顔はとても悪い笑顔で、僕をからかってるのがよく分かる。
「それでどうしました?」
「あの……、申し訳ないのですが、マ、団長に伝言をお願いしたいのですが」
「伝言ですか?」
「ハイ……。できるようになりました、と。本当は、国王様宛の伝言なんですが、そう言えば分かると思います」
「ふむ……。なら、セイン君一緒に行きますか?」
「えっ?」
「私と一緒だとお城に入れますよ。そしたら直接団長に伝えれますが」
「あっ、いえ、僕は……ヤメときます」
思わず俯いてしまった。マシューには会いたいけど会いたくない。どんな顔をしていいか分からないし、そもそも会ってくれるかも分からない。
「まあいいでしょう、伝言は私の方から伝えておきましょう。それに、王都にいるくせに団長の仕事をしないのは言語道断です。あのバカは、私の方で締め上げておきましょう」
「…………」
上手く言葉に出来なかったから、深々と頭を下げた。
「セイン君? 愚痴りたくなったら、いつでも来て良いんですよ」
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