冴えないリーマンがイケメン社長に狙われて腹と尻がヤバイ

鳳梨

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第1章.俺が社長の相談役に!?

5.ターニングポイントの先【♡】

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 ——もしもこの展開に至らないようにするには、どうすればよかったのだろう。
 今日の誘いを断るべきだったか。相談役になってはいけなかったか。この会社に入社しない方がよかったか。
 恐らくその何れも正解だったろう。けれど後から悔いると書いて後悔という。もう全ては手遅れだった。
 ……いや、そもそも俺は悔いているのだろうか。
 こうやっていきなり尻穴を弄られていながら、前を膨らませているくせに?

「神河さん……ずっと貴方とこうしたいと思ってました」
「ちょっと待って下さい、ねぇ社長……ッ、あ……!」
グチュッ……ヌチュッ、ヌチョッ……!

 社長の手付きは慣れていた。男の弱点を知っていて、その部分を的確に押し込んだと思ったらすぐに離して周辺を撫で摩る。焦らされる度に声が抑えられず、下痢とは違う熱さが下半身に集中してくる。
 未だ前屈みの姿勢なので気付かれてはいないだろうが、俺は確かに勃起しつつあった。本当は涎を垂らす竿を思いっきり擦りたいのだが、ここまでされていながらまだ抵抗感はある。
 排泄を見せて、尻穴を責められて、その上彼の眼前でオナニーなんてしたら完全に脳が壊れてしまう。
 だがきっと、それはとても気持ち良いに違いない。これまで俺がしてきたどんな行為よりも濃い物が出るだろう。
 それをこの男がどんな眼で見るだろうか。この、己も確かな興奮を湛えた美人は蔑むだろうか、微笑むだろうか。知りたいと思う心と恥ずかしいと思う心が衝突して頭の中ももうぐちゃぐちゃだ。

グチュッ! グチグチ……ッ!
「……ッ、ひぅ……ッ!」
「ココ? ココがイイんですか?」
「違っ……も、やめて……」
「でも神河さん、とっても気持ち良さそうですよ。前立腺ちょっと撫でただけでこうなるなんて……経験者ですか?」
「ち、違うっ!」
「じゃあ自分で弄ってたんですね。……可愛い♡」
「……~~ッ!」

 天は二物を与えないとはきっと嘘だ。顔も良い男は声も良い。耳元で囁かれているだけでゾクゾクと背筋が震える程気持ち良かった。
 そう、何を隠そう俺の尻穴は開発済みだ。と言っても男との付き合いは無く、アナルオナニー、所謂アナニー経験しか無い。
 女と付き合うのは面倒だが性欲はあり、だが風俗に行くのは病気やら何やらの忌避感がある。なので一人遊びに耽っていたのだがそれも長く続けていれば飽きがくるのか、はたまたいつぞやの過労でセンサーの一部がぶっ壊れたのか、普通の道具ではなかなか満足できなくなってしまった。
 他に何か無いかと調べる内、興味本位でやってみたのがアナニーだった。前立腺を内側から押される感覚も、こんなことをしてはいけないという背徳感は普段の生活では絶対に味わえないもので酷く興奮させるものだった。
 だがまだ後ろだけで達した経験は無い。いつも我慢できずに同時に竿を擦って射精してしまうのだが今夜に限ってはそうもいかない。
 他人の手による刺激はより一層神経を焼き、ずっとこうしていたいとも、早く終わってほしいとも思う。
 女にも手を出せないのだから男なら余計無理で、出会う方法なんて調べもしなかったぐらいなのに。俺は社長に縋り付く腕に力を込めた。シャンプーなのかボディーソープなのかわからないがとても良い香りがする。
 生きてる。
 当たり前のようできっとそうではないことを、30年で初めて実感した。

「……神河さん、僕もう我慢出来ないです。此処でさせて下さい」
「やっ……ひあああああっ♡」
ズチュッ……ドチュッ!

 俺にはもう抵抗しようという発想すら無かった。
 四つん這いになった俺の背後から社長が迫る。バスローブの中は一体いつから勃起していたのだろう。これまで酒の席で何かがツボに入って笑い転げた時ぐらいしか息を乱したところを見たことが無いが、今や発情した獣めいた荒い吐息が微かに聞こえる。
 俺が処女を散らしたのは一瞬のことだった。どんなに緩んだ孔でも指の何倍もの太さがある肉棒を呑み込むのは至難の業だ。
 というか、太い。これまで俺が使っていた道具は初心者用の細めの物だからこんな太さは初めてで、いやそもそも社長のは俺のよりも……——あ。

「……あれ? 神河さん、もしかしてもう出ちゃいました?」
「ひぅっ、抜いてっ……♡ こんなん無理っ、壊れる……ッ!」
「じゃあ壊れちゃいましょう。お腹もお尻も」
「あっ……ああっ♡ ひあっ♡」
バチュッバチュッ!

 イった。
 挿れられただけなのに、前には触れられていないのに達してしまった。俺の股の間には確かに白濁液が落ちているが、射精したという感覚は希薄だ。出たは出たのだが後ろから押し出されてそのまま漏らしてしまったかのような、何にせよ男として情けないものだった。
 そうだ、俺は雌になってしまった。後ろからのしかかられるようにピストンをされるのはさながら獣のマウンティングで、熱くて硬くて大きい男のシンボルが俺の孔にその形を刻み付けるように穿たれる。
 何もかも勝てない。腕力も、体力も、苦痛に耐える気力も、男としての魅力で勝る所など何一つ無かった。俺はもう駄目だ。こうして組み伏せられて犯されるのがお似合いなのだ。
 社長の手が俺の股間に伸びて竿を扱きだせば全身がビクビクと震えて勝手に腰がヘコヘコと揺れる。気持ち良すぎて壊れそうなのに逃れる場所はもう無い。
 無様に負けて快楽に踊らされる自分が情けなくて涙まで溢れてくるが慈悲などあるはずもなかった。

「あーっ♡ へぁぁっ♡ それ、ダメ……ッ♡ 出る、また出ちゃうぅっ♡」
「神河さん、初めてなんでしょ? いっぱい出して気持ち良い思い出にしましょ」
「やっ……んっ、ああああッ♡」
ビュルルルルッ!

 俺の中の弱い部分を社長の肉棒の段差がゴリゴリと擦り上げる。それと同時に先程の精液を潤滑油に竿を上下に手淫されれば耐えられるわけもなく、視界も思考も一時真っ白に爆ぜた。
 量も濃さも普段の比では無い強烈な射精に意識が遠のく。腕に力が入らず上体が崩れ落ちて腰だけを持ち上げたより卑猥な姿勢になった。その尻を掴んで社長はゆっくりとしたグラインドをして俺の中を味わい尽くす。それがもどかしいと思ってしまう辺り本当に俺は壊れてしまった。
 ねっとりとした動きと連動するように亀頭や鈴口を指で捏ねられ、俺は気付いた時にはまた射精していた。雷に打たれたような衝撃に身を跳ねさせた後、気付けばボタボタと白濁液が垂れ流れている。
 陰嚢が空っぽになるまでそれは繰り返された。トイレの床には白い水溜まりができている。もう無理、限界だ。そう思っても社長には届かない。

ジュプン……ヌプッ……グチュッ……!
「はぁっ、はぁっ……う、ぁ……♡」
「抜く時に肉が吸い付いて来て、とっても気持ち良いですよ。ああ、もしかして大きいのひり出そうとしてる気分ですか? これからはトイレ行く度に勃っちゃうかもしれませんね」
「やっ……そ、そんな……!」

 確かに硬い塊が引き摺り出される感覚は、我慢に我慢を重ねた後でようやく迎える排泄の快感と繋がるものがある。同じ部位を使っているのだから当然なのかもしれないが、社長の言葉に急速に危機感が襲った。
 漏らして、洗われて、掘られて。こんなにも尻穴での恥辱や快楽を知ってしまったらそう簡単に忘れることはできないだろう。これまでの自慰は後ろだけでは充分に満足できなかったから影響も無かったが、今後は社長の言う通り排泄で感じてしまうかもしれない。
 そんなの嫌だ、まるで変態じゃないか。
 だが最早全ては手遅れだった。俺達はもう、そう呼ばれてもおかしくないことをしている。

「大丈夫ですよ、僕はそういうの大好きですから。やっぱり思った通り、神河さんとの相性抜群みたいです。……こっちもそろそろ限界なんで、出しますね。全部受け止めてください」
「え……や、ぁ……ッ! カハ……ッ!」
グチュッドチュンバチュンバチュン! ビュクビュクビュクビュクッ!
「お゛っ♡ あ゛あッ♡」

 もしかして、この男には全部最初からわかっていたのだろうか。
 そんな思考はより深くまで肉棒を突き刺され、また激しいピストンをされる内に霧散してしまった。
 これまでは入口付近の前立腺を集中的に突かれていたから気付かなかったのだが、彼の逸物は太さだけでなく長さも相当な偉丈夫らしい。届いてはいけない部分に届く感覚に思わず声にならない息が漏れる。
 そこから一気に雁首が引っかかるまで引き抜き、再度根本が尻たぶを叩く音がするまで突き込む。長いストロークの最中に弱い所もそうでない所も尻の中全部が擦られ、腹が突き上げられる快感と衝撃は経験したことがない。
 身体を揺すられるがままに太い声が勝手に上がり、頭の中が真っ白になって達しているかどうかもわからない法悦が終始襲う。ビクビクと全身が痙攣し、尻穴や直腸が彼の逸物を無意識に締め上げてその大きさを改めて実感する。
 そんな中で体内に射精されればすぐにわかった。熱い子種が腹の奥底に撒き散らされる。本来外部から物が入らない場所に異物が入った上に液体を注がれる感覚は異質すぎたが今の俺にはそれもまた快感に変換される。彼も相当溜めていたのか、長く放っても尚硬度は保たれていた。

「……っはぁっ、神河さん……神河さん……!」
「あ゛ーッ♡ うあ゛っ♡ ひあ゛あッ♡」
ドチュッドチュッ! ブチュッニュヂッ!

 息を乱し、俺の名を繰り返し呼びながら社長は腰を振り続けた。
 先に出した白濁液の一部が掻き出されては擦られて接合部で泡となる。腹も尻も熱くて溶けてしまいそうだ。もう身体の何処にも力なんて入らない。漏れた精液が孔の隙間から垂れるが俺は意識を失いつつあった。
 気持ち良い。後ろでイき続けているのか、余韻が残っているだけなのかももうわからない。ただ揺さぶられるがままに声を漏らし精を注がれる。
 雌どころかただのオナホじみた扱いをされようが、そこに何かを思うこともなかった。ただただ気持ち良い。身体のあらゆる場所が悲鳴を上げているのにずっとこうしていたいとさえ思ってしまう。
 だが意識が完全に白に閉ざされるまで、ぼんやりと考えていた。

「神河……さん……」

 何故彼はこんなにも必死に、縋るように俺の名を呼ぶのだろう。この身はもう既に手中にあるというのに。
 だがそれを問いかける前に、俺の瞼は落ちた。
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