37 / 56
第6章 異世界からの帰還
異世界との交易準備
しおりを挟む
組合での1件の後、組合からガ一ディアンに対して不自然なほど何の接触も無かった。
そこで、ガ一ディアンとしては、異世界との交易を更に活発化させるべく、話し合いが持たれた。
まず、予約の入っている砂糖と胡椒は決定である。それに松浦から簡単なガラス細
工を高級品として、持ち込んでみてはどうかという意見が上がった。軍事利用等出来
ない物で百円ショップでそこそこの物が手に入るという理由だった。
勿論、反対する理由も無いことから、砂糖と胡椒、ガラス細工の3つの交易品をか
なりの数用意し、ミラからの衛星電話から、フェアリーゲ一トが開いたことを知らせ
て来る電話が掛かるのを待つ日々が始まった。
2日後、衛星電話に着信があった。この番号を登録しているのは、ミラだけなので
間違い無かった。柊は日課の体力トレーニングをしていたので、急いで井上が、事務
所の裏の空地まで柊を呼びに走った。
「もしもし、ミラか?」
「もしもし?変わった呼び方ね。そうよ、私。久しぶりね。このまま話してたら、
柊達が迎えに来てくれるの?」
パソコンで、GPSの位置確認をしていた松浦が6時間の合図をして来る。
「ああ、迎えに行くが、少し距離が有るから時間が掛かる。太陽が沈む少し前には
再会できるよ。」
「分かったわ。それまで、近くの山を散策してみる。」
「分かった。けど、人目には気を付けろよ。国の組織が君のことを狙っている。」
「エルフは昔から狙われやすい種族ですものね。重々承知しているわ。」
「少しニュアンスが違うんだが、その認識で間違い無い。では、6時間後日が沈む
前に会おう。」
「あなた達に森と風の加護の祝福を、またね柊!!」
「君に八百万の神々の祝福をミラ。」
柊は通話を終えた。松浦と井上が集まると、指示を出す。
「交易品は既にトラックに積載済みだな?目的地は〇〇県岡村市の山中。片道6時
間の道のりだ。気を引き締めて行くぞ!!」
「「了解!!」」
トラックは、井上と柊で交代で運転し、松浦がナビを務めた。渋滞等も無く、スム
ーズに進めたが、柊達は組合の尾行に、注意を払っていた。高速をいきなり下道に降
りてみたり、意味も無くパーキングエリアに立ち寄ったりっといった行動を何回も繰
り返し、ようやく目的地に到着した。
松浦が再度パソコンで位置検索をすると、それほど離れてはいない。そこで、柊が
「お一い、ミラ。俺達だ!」
と呼び掛けると、近くの林からミラが現れた。
「気を付けろってことだったから、隠れてたの。久しぶり柊。」
「俺も会えて嬉しいよ、ミラ。」
「「ミラ!!」」
松浦と井上も久しぶりの友との再会に喜んでいた。片言の互いの言葉で挨拶を交わ
し、抱擁し合っていた。
「ミラ、それで、ゲートは?」
久しぶりの再会に水を差すようではあったが、最優先事項でもあった。
「ここから、そんなに離れてはいないわ。ゲートの向こう側は、村の戦士達が固め
て居るからモンスターがこちらの世界に入り込むことは無いわ。このゲートは出来た
ばかりで後数日は持つ。」
必要事項を確認すると4人はトラックから交易品を降ろして、ゲートへと向かった
山合いの谷間の小川の流れる沢のほとりにそれはあった。石や、キノコ、花達に色
とりどりに飾り付けられた円形のサ一クル、フェアリーゲート。
「これがフェアリーゲ一ト。」
「綺麗。」
ゲートを始めて目にする井上と松浦は、それぞれの感想を口にしていた。
「あまり近付くなよ。イタズラ好きの妖精とやらが作った物だ。適合者や元々素質
の有るエルフのミラ以外が巻き込まれるとどうなるか分からないぞ!」
柊が注意すると2人は慌ててゲートから離れた。
そして、4人で運んで来た荷物をゲ一トを往復してあちらの世界に送り込むと、
「また、しばらく言って来る。仕事の依頼は簡単なものなら受けても良いが、財布
には余裕があるんだ。上司の目の無い休暇位に考えて待って居てくれ。」
っと柊は井上と松浦に指示を出すとミラと共にゲートに足を踏み入れるのであった
そこで、ガ一ディアンとしては、異世界との交易を更に活発化させるべく、話し合いが持たれた。
まず、予約の入っている砂糖と胡椒は決定である。それに松浦から簡単なガラス細
工を高級品として、持ち込んでみてはどうかという意見が上がった。軍事利用等出来
ない物で百円ショップでそこそこの物が手に入るという理由だった。
勿論、反対する理由も無いことから、砂糖と胡椒、ガラス細工の3つの交易品をか
なりの数用意し、ミラからの衛星電話から、フェアリーゲ一トが開いたことを知らせ
て来る電話が掛かるのを待つ日々が始まった。
2日後、衛星電話に着信があった。この番号を登録しているのは、ミラだけなので
間違い無かった。柊は日課の体力トレーニングをしていたので、急いで井上が、事務
所の裏の空地まで柊を呼びに走った。
「もしもし、ミラか?」
「もしもし?変わった呼び方ね。そうよ、私。久しぶりね。このまま話してたら、
柊達が迎えに来てくれるの?」
パソコンで、GPSの位置確認をしていた松浦が6時間の合図をして来る。
「ああ、迎えに行くが、少し距離が有るから時間が掛かる。太陽が沈む少し前には
再会できるよ。」
「分かったわ。それまで、近くの山を散策してみる。」
「分かった。けど、人目には気を付けろよ。国の組織が君のことを狙っている。」
「エルフは昔から狙われやすい種族ですものね。重々承知しているわ。」
「少しニュアンスが違うんだが、その認識で間違い無い。では、6時間後日が沈む
前に会おう。」
「あなた達に森と風の加護の祝福を、またね柊!!」
「君に八百万の神々の祝福をミラ。」
柊は通話を終えた。松浦と井上が集まると、指示を出す。
「交易品は既にトラックに積載済みだな?目的地は〇〇県岡村市の山中。片道6時
間の道のりだ。気を引き締めて行くぞ!!」
「「了解!!」」
トラックは、井上と柊で交代で運転し、松浦がナビを務めた。渋滞等も無く、スム
ーズに進めたが、柊達は組合の尾行に、注意を払っていた。高速をいきなり下道に降
りてみたり、意味も無くパーキングエリアに立ち寄ったりっといった行動を何回も繰
り返し、ようやく目的地に到着した。
松浦が再度パソコンで位置検索をすると、それほど離れてはいない。そこで、柊が
「お一い、ミラ。俺達だ!」
と呼び掛けると、近くの林からミラが現れた。
「気を付けろってことだったから、隠れてたの。久しぶり柊。」
「俺も会えて嬉しいよ、ミラ。」
「「ミラ!!」」
松浦と井上も久しぶりの友との再会に喜んでいた。片言の互いの言葉で挨拶を交わ
し、抱擁し合っていた。
「ミラ、それで、ゲートは?」
久しぶりの再会に水を差すようではあったが、最優先事項でもあった。
「ここから、そんなに離れてはいないわ。ゲートの向こう側は、村の戦士達が固め
て居るからモンスターがこちらの世界に入り込むことは無いわ。このゲートは出来た
ばかりで後数日は持つ。」
必要事項を確認すると4人はトラックから交易品を降ろして、ゲートへと向かった
山合いの谷間の小川の流れる沢のほとりにそれはあった。石や、キノコ、花達に色
とりどりに飾り付けられた円形のサ一クル、フェアリーゲート。
「これがフェアリーゲ一ト。」
「綺麗。」
ゲートを始めて目にする井上と松浦は、それぞれの感想を口にしていた。
「あまり近付くなよ。イタズラ好きの妖精とやらが作った物だ。適合者や元々素質
の有るエルフのミラ以外が巻き込まれるとどうなるか分からないぞ!」
柊が注意すると2人は慌ててゲートから離れた。
そして、4人で運んで来た荷物をゲ一トを往復してあちらの世界に送り込むと、
「また、しばらく言って来る。仕事の依頼は簡単なものなら受けても良いが、財布
には余裕があるんだ。上司の目の無い休暇位に考えて待って居てくれ。」
っと柊は井上と松浦に指示を出すとミラと共にゲートに足を踏み入れるのであった
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】復讐は計画的に~不貞の子を身籠った彼女と殿下の子を身籠った私
紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
公爵令嬢であるミリアは、スイッチ国王太子であるウィリアムズ殿下と婚約していた。
10年に及ぶ王太子妃教育も終え、学園卒業と同時に結婚予定であったが、卒業パーティーで婚約破棄を言い渡されてしまう。
婚約者の彼の隣にいたのは、同じ公爵令嬢であるマーガレット様。
その場で、マーガレット様との婚約と、マーガレット様が懐妊したことが公表される。
それだけでも驚くミリアだったが、追い討ちをかけるように不貞の疑いまでかけられてしまいーーーー?
【作者よりみなさまへ】
*誤字脱字多数あるかと思います。
*初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ
*ゆるふわ設定です
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる