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第114話 赫赫! 在りし日々の過去と重なる少女の未来 (Aパート)
しおりを挟むジリリリリン!
オフィスの黒電話がけたたましく鳴り響く。
「はい、こちら株式会社魔法少女です」
あるみは受話器を取って、定型で挨拶する。
「……来葉ね」
受話器越しの息遣いで、相手が誰かわかった。
『ちょっと、頼みたいことがあって』
「あなたから頼み事なんて珍しいわね。何かしら?」
『一人借りたい娘《こ》がいるのよ』
小学生の少女はオフィスビルを出て、辺りを見回す。
黒い車を見つけて、助手席の扉を開けて座り込む。
「さ、行きましょうか」
来葉はエンジンをかけて、アクセルを踏む。
「行くってどこへ?」
「大病院よ」
「病院って、どこか悪いの?」
「健康そのものよ。身体は十代そのものだって診断されたわ」
「十代ね……っていうか、あんた三十歳でしょ?」
「そうよ。あるみと同い年よ」
来葉は誇らしげに答える。
「どうみても高校生か大学生くらいなのに……」
少女といっても差し支えない見た目の若々しさと実際の年齢と雰囲気にみあは違和感を禁じえなかった。
「お父さんは元気?」
「……え?」
唐突に父親の話題を出されて、みあは驚く。
しかし、すぐにその驚き顔はしかめ面に変わる。
「なんで親父の話が出てくるのよ?」
「それは、最近会ってないから」
「あたしだって最近会ってないわ。あいつ、いっつも帰りが遅いし、帰ってこない日の方が多いし」
「そう……――それは、変わってないのね」
「?」
来葉の言いように、みあは疑問符を浮かべる。
「……もしかして、」
しばしの沈黙の後に、みあは来葉へ問い質す。
「あんた、うちの親父狙ってるの?」
「えぇ?」
今度はみあの問いに、来葉は驚かされる。
「狙ってるって、どういうことなの?」
「うちの親父、玉の輿だからねえ」
「まあ、そうねえ。それに大企業の社長だからやり手よね。若いし、顔もいいからさぞモテるでしょうね」
「まさか。みんな財産目当てよ」
「みあちゃん、結構尖ってるわね」
来葉は感心する。
「でも、私はあなたのお義母《かあ》さんになるつもりはないから、安心していいわよ」
「それはまあ安心ね」
みあは皮肉で返す。
とはいえ、本心から言っているわけではなく軽口の類なのは来葉にもわかっている。
「それに、彼方さんには素敵な奥さんがいたからね。再婚なんて考えてないでしょうね」
「え……?」
今度はみあが驚く番だった。
「……あんた、あたしのお母さんのこと知ってるの?」
「ええ」
来葉はそれだけ答えると、車内に沈黙が流れる。
「………………」
聞いてみたい。
聞きたいけど、聞いていいものか。
みあは計りかねているように感じる。
そんなやりとりを楽しいなと、来葉は思う。
雰囲気や性格はかなり違うものの、そういうところは彼女と似ているなあと、来葉は密かに思っていた。
彼女と出会ったのは、十年前のことだった。
「あなたは近いうちに病気で倒れます」
そう告げられた国会議員の顔は青ざめる。
「そ、そんなはずは……!」
「倒れた後に肝臓病と診断されます。今のうちに治療を受ければそこまで大事にはなりません」
「そ、それは確かなのかな?」
「はい、そういう未来が見えました」
来葉は厳かな口調で答える。
「ぬう……」
その面持ちに、議員は気圧される。
「わかった。明日検査を受けよう。もしも、それで何もなかったら……」
「何事も無い方がよいのですが、料金はお返しします」
「ついでに、あんたの占いは外れると触れ回ってやる」
議員はそう悪態をついて、来葉の事務所を出ていく。
「ふう……」
来葉は一息つく。
「最初は次の選挙に当選できるかどうかの依頼だったのに……」
そうしたら、ろくでもない未来が視えてしまった。
しかし、視てしまったからには告げない訳にはいかない。
ああして強めに言っておくことで、彼は病院へ検査しに行って、病気が発覚することだろう。
そうすれば、来葉の視た未来は変わるだろう。
『先生! 先生!』
急に倒れた議員を心配する秘書の顔が浮かぶ。
「あなた! あなた!」
「お父さん! お父さん!」
病院に運ばれて未だ意識が戻らない中、起きて欲しいと願いを込めて呼びかける奥方と息女の顔が浮かぶ。
そんな未来は変わった方がいい。
そのために、来葉は未来を視ることができる占い師の役を演じようと心に決めていた。
ふと手鏡を出して自分の姿を確認してみる。
浮世離れした神聖なる雰囲気。
最初は形から入ろう思って白衣のローブを特注して着てみた。
「うんうん! とても似合うわ!」
いの一番にあるみに見せた。
そしたら絶賛してくれたので、自信がついた。
最近だと演じることにも慣れてきて、この姿で出歩くことにも違和感を感じなくなった。
そのうち、未来視の占いはどんどん評判になっていって、最近ではさっきみたいに政治家の偉い先生や大企業の社長から依頼がくるようになった。大繁盛してとうとうオフィスまで構えるようになってしまった。
「コーヒー……」
口が寂しくなったから入れようかと思って棚に置いたインスタントコーヒーと電気ポッドをすぐに用意して、淹れる。
ピピピピピピピ
そうして落ち着いてきたところに、いきなり呼び鈴が鳴り出す。
「今日はもうアポはないはずだけど……」
突然の来客に向けて、そんなことをぼやいて、来葉は期待する。
こうして予告なくやってくる人間といったら、あるみくらいしかいない、と。
「はい、どちら様でしょうか?」
『アガルタ玩具の阿方です』
「彼方さん……」
がっかり半分、驚き半分というのが来葉の正直な心境だった。
『アポはとってないけど、視てもらえないかな?』
「突然ですね。今日このあとは誰もいませんからいいですよ。――入ってください」
『ありがとうございます』
そう言うなり、男性は事務所へ入ってくる。
「ごめんください」
「そう言いながら、もう入ってくるのね」
不躾《ぶしつけ》でありながらもこれでこの男とのやりとりももう数回目なので慣れてきた。
彼は阿方彼方。
全国有数の大手玩具会社アガルタ玩具の若社長。その割に人当たりがよくて気さくな若者だった。
商売に関して未来を視たことがある。
それ以来、気に入られたのか何度かこうしてアポ無しで来ることがある。もちろん、未来を視るといったあくまで仕事上の付き合いだ。
やましいことは何もない。彼はすでに結婚していて、よく奥さんの話をする。いわゆる惚気話である。
「今日は、何の用ですか?」
「今日は君に紹介したい人がいてね。もう来てもらっているんだけど」
そう言って、彼方の後からもう一人やってきた。
彼方と同じくらい――二十歳くらいの小柄だけど利発そうな女性だった。
「阿方あみです」
一礼して名乗る。
「黒野《くろの》来葉《くるは》です。よろしくお願いします」
来葉もそれに合わせて一礼する。
「彼方君からよく話は聞いています。美人の占い師がいるって」
「恐縮です」
「でも、ビックリしちゃいました。本当に美人なんですね」
「は、はあ」
「彼方君は美人の方は見慣れているはずだから、よっぽどの美人さんじゃないとそんなことを言わないと思いまして、今日会うのが楽しみだったんですよ」
「そりゃ美人の奥さんがいるからね」
「まあ、お上手だこと」
来葉は唖然とする。
夫婦仲は彼方の口ぶりからして、かなり良いと推察していたけど、ここまでとは思わなかった。
「あの私、お邪魔でしたら退室しますけど」
「いやいや、ここは君の事務所じゃないか」
「アハハハハ!」
彼方がもっともなツッコミを入れる。それを見て、あみは手を叩いて笑う。
「先生と彼方君は息ピッタリでまるで夫婦みたいですね」
「……恐縮です」
「はは、それはいいね」
「勘弁してください。本当に退室しますよ」
来葉は半ば本気で席を立つことを提案する。
「いや、待ってください」
「あなたが退室してしまったら、僕達の目的を果たせないので困ります」
「目的? あなたの未来ですか?」
「いえ、彼女の未来です」
「なるほど」
来葉は納得して、あみを見据える。
「これでも、たくさんの人の未来を視てきました。だから、未来を視なくても見ればわかることがあります」
「………………」
あみは少し驚いた後、ほほ笑みを浮かべたまま沈黙する。
「一つ確認します。どのような結果をお伝えしても取り乱さないことはできますか?」
「……お願いします」
あみは覚悟を持って返答する。
「わかりました」
来葉は眼鏡を外して、未来視の魔法を発動させる。
その際に、瞳が虹色に輝く。
光速で流れていく未来のビジョンがその瞳に投影されているからだ。
「……キレイ」
あみは来葉の虹色の瞳を見て、感嘆する。
「視えました……」
来葉は一度目を伏せてから、元の瞳に戻って、あみへ告げる。
「阿方あみさん、あなたは一年後に――死にます」
「「………………」」
出来る限り、感情を抑えた声で来葉は言った。
二人の顔は硬直したまま、聞いていた。
「未来がキレイなものとは限りません」
「……そうですね」
あみは顔を伏せて答える。その表情を窺い知ることができない。
事務所で一人残った来葉は天井を見上げる。
「もっといい言い方なかったのかしら……?」
ついいつもの占いの時のような調子で言ってしまったことを後悔する。
そんなことを告げられた彼女のショックは計り知れないというのに。ろくにフォローすることが出来ずに、「ありがとうございます」とそれだけ言って、夫婦揃って出ていった。
『……キレイ』
感嘆する彼女の顔が頭に浮かぶ。
「キレイな人だった……」
それに、彼方ともお似合いだった。
その光景が一年後には見られなくなると思うと心苦しくなる。
なんとかしたい。でも、どうにもならない。
ピピピピピ
電話が鳴り出す。
「はい」
来葉は無造作に取る。
『もしもし、来葉』
「あるみ、あなたね」
電話相手は待ち望んでいた人だった。
しかし、今は少々恨めしい気持ちがあった。
「彼方さんが奥さん連れてやってきたわ。あなたの差し金ね?」
『バレちゃってたか』
「……あるみは知ってたのね?」
『ええ、話は聞いてたわ。奥さんの身体はどんどん衰弱していってるからなんとかできないかと』
「私の方によこしたということは……」
『――ええ、お手上げよ』
あるみはそう答えた。
飄々と平気そうに言っているように聞こえるものの、その中には悔しさが滲み出ている。長い付き合いの来葉がそれを察することが出来た。
『病気はどうしようもないからね。特にあの人のはね』
「だから、私が救える未来を摘み取ってくれると思ったのね。力になれなくてごめんなさい」
『謝るのはこっちの方よ。辛い未来だったでしょ?』
あるみに問われて、来葉は未来で視た光景を思い出す。
病床に伏せて、最後は眠るように息を引き取る。
変えたいけど変えられない未来。
自分の無力さを噛みしめるだけの結果だった。
『来葉、抱え込んでいない?』
「あるみに言われたくないけど……」
あるみこそ色々抱え込む性格しているのに、それでもなんとかしてしまうのがあるみだと来葉は羨ましく思う。
「でも、心配してくれてありがとう」
『うん、話したくなったらいつでも言って。愚痴ならいつでも聞くから』
「それじゃ、今聞いて」
『おお、いいわね! それじゃ、近くの喫茶店で。コーヒー三杯分は奢ってね』
「はいはい。十杯ね」
『う……今日はたっぷり話すつもりなのね』
ちょっと引き気味になっているのが電話越しに浮かぶ。それで来葉はクスリと笑った。
「先生!」
「え?」
それは、阿方夫婦が来葉の元にやってきてから数日後の出来事だった。
来葉は事務所から少し離れた商店街に夕食の買い出しをしていたところだった。そこへ急に呼び止められた。
「阿方さん……?」
「はい、阿方です。先生は散歩ですか?」
「ええ、夕食の買い出しで……」
「あ~、この店のお惣菜おいしいですからね! あとそこのクレープ屋とかついつい買い食いしちゃうものね!」
「あ、いや、そこまで詳しくないんですが……それより、先生って?」
「え、占い師ですから、先生がいいかなって、だったら来葉さんって呼んでいいですか?」
「それはいいですけど……阿方さん、どうしてここに?」
「あみでいいですよ。来葉さんと同じです。夕食の買い出しです」
あみは買い物バッグを見せる。
「……意外ですね」
「意外? ああ! 大企業の社長夫人だからこんなところで買い出しなんてするなんて、って?」
「え、いえ……」
「彼方君と結婚する前までは、一般庶民だったんですよ。よくここで買い物していましたから!」
あみは拳を握って、得意げに言う。
「そ、そうなんですか……」
「あ、そうだ! これから一緒に夕食どうですか?」
「えぇ!?」
「来葉さんともっとお話ししたいですし、今日はつい買いすぎてしまいましたから」
「でも、お邪魔ではありませんか?」
「いえいえ、どうせ彼方君は今夜も帰ってこれませんから」
「あはは……多忙なんですね」
来葉は苦笑する。
「そういうことでしたら、断る理由はありませんし、よろしくお願いします」
それを聞いて、あみは満面の笑みを浮かべた。
あみの案内でやってきたのは高層マンションで、来葉は感心した風に辺りを見回した。
「ささ、上がってください!」
あみは陽気にリビングまで案内してくれる。
「来葉さんはそこで待っててください」
買い物バッグから買ってきたものを取り出してはあれこれと冷蔵庫に入れつつ、今日の夕食の材料をキッチンへ並べる
「私も何かお手伝いますよ」
「気を遣わなくても結構ですよ。自分の家だと思ってくつろいでください」
「いえいえ、こういうところは落ち着かなくて、何か手伝った方がくろげるというものですよ」
来葉は笑顔でそんなことを言うものだから、あみは一瞬面食らったあとに、プッと笑い始める。
「それもそうですね。それじゃ、じゃがいもの皮むきをお願い」
「お安い御用で」
「ピラーは、これ使って」
「了解」
来葉はピラーでじゃがいもの皮を手際よく剥いていく。
「来葉さん、上手ね」
「一応自炊してるから。それに、昔こうして作ってあげてたから……」
来葉は懐かしむように言う。
「それじゃ、私も負けられないわね!」
あみは対抗心を燃やして、包丁を振るう。
来葉が皮を向いたじゃがいも、それに人参を手際よく切っていく。
トントントントン
リズミカルに包丁を叩く音が聞こえてくる。
「阿方さんも上手ね」
「一応料理には自信あるから」
「それじゃ、次はじゃがいもをお願い」
「はいはい、お任せあれ!」
続いて、あみは得意顔でじゃがいもを受け取って、手際よく切っていく。
「すごい」
「それじゃ、来葉さんも切ってみせて、ほらお肉!」
「え、はい!」
来葉は包丁を受け取って、買ってきた牛肉を切っていく。
トントントントン
「来葉さんも上手!」
「そ、そう? 阿方さんほどじゃないと思うけど」
「それじゃ、お肉を炒めましょうか!」
「はい。ところでこれは……肉じゃが?」
「あ、わかっちゃった? もしかして、未来視たの!?」
あみは声を弾ませて、来葉の瞳を覗く。
「い、いえ、ただ予想しただけ」
「あ、そうなのね。そりゃわかっちゃうわね、アハハハ!」
「あははは」
あみにつられて、来葉も笑い出す。
「……来葉さんと一緒にいると楽しい」
あみは出来上がりつつある肉じゃがを眺めながら、ふと言い出す。
「私も……」
いつの間にか、敬語を使うのを忘れていた。
まるで何年来の友達のように接していた。
「楽しい……あみさんと一緒にいると……」
いつの間にか、下の名前で呼ぶようになっていた。
まだ会って間もないというのに。
「うん、これで出来上がり」
煮汁を一口味見して、あみはそう言う。
「さて、食べましょうか」
あみは肉じゃがをじっくり煮た鍋を持って、テーブルへ運ぶ。
「あ……!」
その時だった。
「――!」
あみが鍋を持って歩き出した途端、何もないところに足を引っ掛けた。
来葉は即座に動いて、右手であみの身体を引き、左手で鍋を取る。
「危なかった……」
鍋をひっくり返して一大事にならなくて一安心する。
「あ、ありがとう……」
「大丈夫? 立てる?」
「うん、ちょっと足引っ掛けちゃって……でも、さすが。私が転ぶ未来が視えたから助けてくれたのね」
「いえ、なんとなくそんな気がしただけよ。そんなに四六時中未来を視ているわけじゃないから」
来葉は目を伏せて答える。
「そうなのね」
あみはその態度で納得する。
「病気、ですか……」
「ええ、たまに足がぐらついちゃってね。おかげで私、ドジっ子だよ」
「ドジっ子、そんな歳でもないでしょ」
「あははは、来葉さん、手厳しい……これでもまだ二十五なのよ」
「あ、そうだったの。てっきり同じくらいかと思ってたのに」
「え? そういう来葉さんはいくつなの?」
「ついこの前、二十歳《はたち》になったばかりよ」
「嘘!? まだ二十歳だったの!?」
「よく驚かれるわね……そんなに老け込んで見えるのかしらね」
「それだけ貫禄があるってことよ。あ~でもよくみたら!」
「え?」
あみは唐突に手を伸ばして、来葉は頬を撫でる。
「肌すべすべ~これは確実に十代ね。来葉さん、実は中学生だったりしない?」
「しません! あみさんもお若いですよ!」
「もー、敬語はやめて。歳下だけど友達なんだから!」
「はいはい、そうですね」
「もー!」
拗ねるあみに対して、来葉はフフッと笑って受け流す。
そうして鍋とあみをテーブルにまでつれていって、肉じゃがを食べる。
とてもおいしかった。温かくて。
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