まほカン

jukaito

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第111話 暗影! 少女と怪人と影の攻城戦! (Cパート)

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 弾が数を増してカナミへ襲いかかってくる。
 さらにそれに紛れて、見えない拳打が飛んでくる。これが実に厄介だ。弾は弾速はあるものの見えている。しかし、拳打は見えない。いや、目を凝らせば魔力の流れのようなものが見える。それで一応かわすことはできるものの、問題は弾の方に気を取られてずっと目を凝らしておけるわけじゃない。
 その結果、拳打を受けてしまう。
 腕、肩、胸、腹、足……いろいろなところを殴られた。影鉄は遊んでいるのか、見えない拳打はさほどダメージは無い。チクチク痛い程度だ。
 それでも、徐々に追い詰められている感覚がカナミを襲ってくる。
(さすがに支部長! 私一人じゃとても太刀打ちできない……! でも、負けるわけにいかない!)

ドン!

 カナミは歯を食いしばる。
 見えない拳打をそれで耐えて踏みとどまる。
「おや!」
 影鉄は刮目する。
 今までは何か仕掛けてくる、と直感したからだ。
「さて、何が来るでしょうか?」
 とはいえ、攻め手を変えるつもりはない。
 何を仕掛けてくるか見極めるのもまた様子見だった。
「ジャンバリック・ファミリア!!」
 カナミは鈴を飛ばす。
 飛ぶ鈴から放たれる魔法弾が、鉛玉を撃ち落としていく。
 カナミ自身は、見えない拳打を視てかわすことに集中する。
「神殺砲!!」
 その拳打の間隙をぬって、ステッキを砲台を変える。
「ボーナスキャノン!!」
 速攻で撃ち抜く。

バァァァァァァン!!

 見事、影鉄へ命中した。
 避ける素振りもなく。カナミにはそれが不気味に感じる。
「素晴らしい威力です」
 影鉄はスーツに煤一つなく平気で立ってみせる。
 神殺砲が直撃したはずなのに、ダメージが全く見受けられない。
「フフ、瞳に陰りが見えますね。私に勝てないと思い始めてるんじゃないですか」
「そんなの、初めからわかってるわよ! 私一人じゃ支部長には勝てない!」
「そのわりには勝つ気でいるように感じられますね。勝てないことはわかっているのに、勝つつもりでいる。なんとも奇妙なものですね。それと一つあなたに言っておきたいことがあります」
「何?」
「私は今は支部長ですが、最高役員十二席候補に返り咲く者ですよ。お忘れなきように!」
 影鉄は顔こそ穏やかなままだけど、確かな怒気が発せられる。
「――!」
 カナミはその気に圧される。
「いわゆる冥土の土産というものになりますけどね」
「わ、私は冥土になんかいかないわ!!」
「行くんですよ、これから」
 影鉄は平手をカナミへ向ける。

バァァァァァァン!! 

 そこから放たれた衝撃波に、カナミはいきなりすぎて反応しきれずに直撃する。
「キャアッ!?」
 カナミは吹っ飛ばされて、壁に叩きつけられる。
「これは返礼です。神殺砲の威力をそっくりそのままお返ししました」
「ぐ……!」
「いかがですかな? これまで多くの怪人を倒してきた魔法をその身で受ける気分は?」
「いい気分じゃないわね」
「それはいいことを聞けました。わざわざこの身で受けた甲斐があったというものです」
「わざわざそんなんことをするなんて、本当に性格が悪いわね!」
「怪人ですから! それではもう一発受けていただきましょうか!」
 影鉄は手に魔力が集まっていく。
 それはカナミが神殺砲へ魔力を充填するよりも早い。

バァン!!

 あっという間にカナミへ撃ち込む。
「く……!」
 カナミも迎撃のために魔力を充填している。一撃受けたダメージで出遅れたものの、十分間に合う。
「あ……!?」
 急激に力が抜けていく感覚に襲われる。
 この感覚に覚えがあった。
 ドッペルが自分の魔法を使おうとして、魔力を奪い取った時の感覚だ。
 どこかでドッペルが戦って、自分の魔法を使っているところだ。そのせいで、力が抜けている。
(迎撃が間に合わない! 避けた方がいい、でも、それも間に合わ――!)

バァァァァァァン!! 

 カナミがいた場所に魔法弾が届いて大爆発が起きる。
「思ったより速かったですね」
 影鉄は感心したように彼女へ言う。
 彼女――魔法少女スイカはカナミを全速力で抱えて救い出した。
「す、スイカさん、ありがとうございます……!」
「ハァハァ、間に合ってよかったわ」
「助かりました、スイカさんが来てくれなかったら危ないところでした……」
「気にしないで、こういうときのために……」
 『私は魔法少女になったのだから』と言いかけて、殺気を感じて影鉄へ向く。
「闇雲に走ってさまよっているものとばかり思っていたのですが、一直線にやってきましたね。一途ですね」
「い、一途って!?」
 スイカはそう言われて、狼狽する。
「す、スイカさん、大丈夫ですか? 腕が震えていますけど、私そんなに重いんですか?」
「え、あ!? いえいえ、そんなことはないわ! むしろすごく軽いくらい!? もっとちゃんと食べて体重増やした方がいいと思うわ!!」
「え、はい……」
「カナミさん、立てる?」
「はい、大丈夫です」
 スイカはカナミを下ろす。
「スイカさん?」
「カナミさん……?」
 その呼びかけで、スイカは察した。
 いつものカナミより元気がない。弱っているように感じる。
「ドッペルに魔力を取られて、うまく戦えません。でも、私の影を取り戻すために協力してほしいです!」
「そのくらい、お安い御用よ」
 スイカはこれまでにないくらい強く答える。
 カナミはそんなスイカにこれ以上ないほどに頼もしく感じる。
「素晴らしいですね。お二人の絆は麗しく思います。引き裂いてみたいとも同時に思いますが」
「そんなことは絶対にさせないわ!」
 スイカは影鉄へレイピアを向ける。
「そうよ、私とスイカさんはあんたなんかに引き裂けないわ」
 カナミが無自覚に言い放った一言に、スイカは胸が高鳴る。
「カナミさん……!」
 レイピアを握る手に力が入る。
 カナミのためにも必ず目の前の敵を倒してみせる。
 しかし、そのためにはカナミとの連携が必要不可欠だ。
 敵は中部支部長。この勢いに任せて倒せるほど甘くない。
「フォロー、お願い」
「はい!」
 カナミが元気よく応じてくれて、スイカは突撃する。
「そのスピードは見せてもらいました」
 影鉄は臆することなく、弾を撃ち出してくる。

バァン! バァン! バァン! バァン!

 一斉に発射された弾がスイカへ襲いかかる。
 しかし、弾はスイカに届くことなくカナミの鈴に弾き飛ばされる。
 おかげでスイカは弾に足を止めることなく、影鉄へ接近する。
 まずは突きを入れる。
 スイッと影鉄は身体をくねらせて避ける。
 ニィッと影鉄が嘲笑ったように見える。
 スイカは構わず突きを入れ続ける。
 影鉄は身体をくねらせてそれをかわしつづける。長身の身体を布のようにしなやかになびいてスイカの素早い突きをかわす。

バァン!

 そこへカナミの鈴が飛ばした魔法弾が影鉄の頭に命中する。
「さすがカナミさん!」
 それに続いてスイカがレイピアの突きで腹に突き刺す。
「なるほど、これは思った以上に厄介ですね。うっとおしいともいいますが!」
 影鉄の背中から黒い左腕が伸びてくる。

バシィ!!

 その左腕に殴り飛ばされる。
「く……!」
 飛ばされたスイカは空中で旋回して立て直す。
「大丈夫ですか、スイカさん?」
「ええ! でも、あれが……」
 スイカは忌々しげに影鉄を見る。
 影鉄の背中から黒い左腕が生えている。あれはさっきまでスイカが戦っていた影鉄の左腕の影だ。
「あれはなんですか?」
 カナミがスイカに訊く。
「多分、あいつの影。一部分しかないけど、結構強くて厄介よ」
「厄介……私の援護でいけますか?」
「ええ、かなみさんの援護があればどんな敵だって!」
 スイカは力強く答える。
「さて、それでもやってきますか」
 影鉄は小馬鹿にしたような調子で言う。
 それでスイカは突進する。
 さっきよりも勢いよく、速く、鋭い突きを繰り出す。

パキィィィィィン!!

 しかし、影鉄が突き立てたレイピアが弾き飛ばされる。
「かたい!?」
「カナミと同じリアクションですね。画一かくいつでよろしくありませんね」
「え、カナミさんとおそろいですって!?」
「そういう見方もありますか。まったくもってよろしくありませんね」
 影鉄は拳を振るう。
 スイカは横にとんでかわす。
 そこへ背中からの影の左拳がとんでくる。

バァン!

 スイカはレイピアを盾代わりに拳を受け止める。
 受け止めたレイピアは折れてしまう。
 スイカは反撃にレイピアで突きを入れる。
 しかし、影鉄はそのレイピアを掴み取って、レイピアを折る。
「この程度の攻撃はダメージにはなりませんが、身体を刺されるのあまりは気分のいいものではありませんので」
「私も折られるのは気分のものじゃないわ」
「なるほど、気が合いますね。不愉快です」
 影鉄は拳を振るう。
 スイカはそれをかわす。
(スピードは私の方が上! でも、決め手が無い!!)
 対して、スイカは影鉄の一撃が直撃したらタダじゃすまない。
 あの拳にはそれだけの危険を感じる。
 いつまでも、かわし続けることはなく、このままでは不利に陥る。
 自分一人だったら、の話だけど。
「ボーナスキャノン!」
 カナミがすかさず砲撃を撃ち込む。
「もちろん、気づいていましたよ」
 影鉄は涼しい顔をして、背中にある左腕の影から同じ規模の砲弾を撃ってくる。

バァァァァァァァァァァァァン!!

 二つの砲弾が激突する。
「なるほど」
 必殺の一撃を放つ体勢に入っているスイカを見て、影鉄は納得する。
「ワイルド・スティンガー!!」
 本命はスイカの方だった。
 わかったところで対応できるものじゃない。
 スイカの必殺の一撃は速く鋭く、そして力強くあるから。

ズン!!

 スイカの一撃を受けて、影鉄は吹っ飛ぶことなくそのまま踏みとどまる。
「なッ!?」
「いや、これはききましたね。反撃させてもらいますよ」
 影鉄はご立腹気味にそう言って、拳をスイカへと振り下ろす。
 スイカは必殺の魔法を撃ち込んだ一撃の反動で動けない。
「スイカさん!!」

バァン!!

 カナミはすかさず魔法弾を撃ち込んで、拳を止めさせる。
「まったく小憎たらしいですね」
 影鉄が体勢崩したスキにスイカはカナミの隣へ飛び込んで離脱する。
「ありがとう、カナミさん」
「いえ、決めきれなくてすみません」
「そんなことないわ。助かったわ、今の援護が無かったらやられていたわ」
「そうですね。でもあいつ、スイカさんの一撃を受けて平気なんて!」
「平気……果たしてそうかしら?」
「え?」

ドゴォォォォン!!

 二人の会話を打ち破るように、爆音が鳴り響く。

パリィィィィン!!

 次の瞬間、ガラスが割れた音がして、空間に裂け目ができる。
「苦戦していますね、本体の影鉄さん」
 その裂け目から影鉄の影がやってきて、本体の影鉄の背中に立つ。
「そう思うなら手を貸してください、影の影鉄さん」
「もちろん、貸しますよ。本体がやられたら影の私も消えてしまいますからね」
「いやはや、私がやられるなんて縁起悪いことを言わないでください」
 本体の影鉄と影の影鉄が愉快げに会話している。
 とてつもなく奇妙な光景だった。
「何なんですか、あれ?」
 カナミは引き気味に
「私に言われても……人形の一人芝居? それに近いような……」
「何にしても気持ち悪い……」
 そんな二人のやり取りを訊いていたのか、二人(?)の影鉄はこちらへ目を向く。
「お気に召しましたか? これ得意なんですよね。自分の影をいくつにも切り分けて楽しむんですよ、こんなふうにね!」
 影の影鉄の身体ははさみで紙をさいたようにバラバラになって、本体の影鉄にはりついていく。
 二本の左腕、二本の右腕、二本の左足、二本の右足。二つの頭。
 ますますもって奇妙な人形のようで気味が悪くなる。
「そして、それぞれ切り分けた私達は」
 影の左腕が言う。
「それぞれの人格をもって」
 影の右腕が言う。
「動いて喋って戦うことができる」
 影の左足が言う。
「最高で何人できるか試したことはありませんが」
 影の右足が言う。
「両手両足頭の五人くらいは平気でできますよ」
 影の頭が言う。
「気持ち悪い、何なのあの一人芝居!?」
 カナミはドン引きする。
「カナミさん、落ち着いて何人もいるみたいけど、結局一人芝居だから一人なのよ」
「それはどうですかね……? 影は本体と同等の力を持っています。それは私自身といえども例外ではありません。その影を纏うことで!」
 影は影鉄へまとわりついて、一人の怪人になる。今度は二本の手と足と一つの頭をもった一人の怪人になる。
 異形ではなくなったけど、その威圧感は増している。
「さて、どうでしょうかね? かっこいいですか? 怖いですか?」
「――さあ、わからんな」
 空間の裂け目から今度はヨロズとメンコ姫がやってくる。
「オラはそういうことはよくわからんが趣味が悪いってこういうことをいうと思うな」
「ご理解いただけなくて残念です。それではご理解いただけるよう、誠意を見せましょう」
 影鉄から発せられる言葉が魔法弾を受けたように重くのしかかる。

ドォン!

 次の瞬間、本当の魔法弾が飛んでくる。
 比べ物にならない力強さと重さをもった魔法弾がスイカを襲う。
「うぐッ!?」
 魔法弾を受け止めきれずスイカは吹っ飛ぶ。
「ス、」
 カナミが吹っ飛んだスイカへ振り向いて、名前を呼ぼうとした。
 一斉に発射された魔法弾がカナミやメンコ姫を襲う。
全力拳打ぜんりょくけんだ!」
 魔法弾をくぐり抜けたヨロズが影鉄へと拳を振るう。

ゴォン!!

 地響きを立つ。
 しかし、影鉄は微動だにせず拳を受け止めている。
「その拳は先程見せていただきました」
 影鉄の足元から伸びてきた影の足でヨロズを蹴り上げる。
 ヨロズは天井へ打ち立てられて、床へ叩きつけられる。
「ヨロズ、大丈夫!?」
 カナミは呼びかける。
「グフ! 心配いらない! だが、さすがに元十二席候補だ。これが奴の実力か! 影とは桁が違う!」
「そうですね、本体と影の力が合わさればこの通り、あなた方が束になっても敵わない圧倒的な力がこの手に入ります」
 圧倒的な力。
 今戦っただけでも、今までの魔法弾を遥かに上回る速度と威力で圧倒される。それにヨロズの全力の一撃を受けても平然としている。
 強い。ヨロズが言ったように桁が違う。
「そんなの敵わないって決まったわけじゃないわ!」
 カナミはそれでも強気で返す。
「それでは決めましょうか」
 影鉄の手から魔法弾を撃ち出される。
 神殺砲と同じくらいの威力がいとも簡単に放たれる。
「神殺砲! ボーナスキャノン!!」
 カナミはそれに対抗して砲弾で応戦する。

バァァァァァァァァァァァァン!!

 二発の砲弾が激突し、大爆発する。
「ハァハァハァ……!」
 神殺砲の連発とドッペルから魔力を奪われたことによる消耗が合わさって、カナミはとうとう肩で息をして、目がかすむ。
「――!?」
 そのかすんだ目から信じられないものを目にして驚き戸惑った。
 神殺砲の砲弾が自分に迫ってきていた。

バァァァァァァン!!

 突然のことで対応しきれずにカナミは砲弾に飲み込まれる。
 凄まじい爆発と爆煙が巻き上がる。
「素晴らしいですね」
 影鉄は感慨深く言う。
「神殺しというより祝砲といった方がいいですね。もちろん、私の勝利の祝砲です」
 そう言って爆煙が晴れると、ボロボロになって倒れているカナミの姿があった。
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