オービタルエリス

jukaito

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第4章 ケラウノスパイデス・オラージュ

第62話 ブランフェール収容所

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 時は少し遡る。
 領主アランツィードの殺害というあらぬ容疑にかけられて、エリスとミリアは武装警官達に連行された。
 ホテルを出たところで、同じように連行されてきた火星人と一緒くたにされた。その数は二十人ほど。

「よくもまあ集めたわね」

 エリスはぼやく。

「火星人憎しということですね」

 ミリアは顔こそ笑っているものの、不機嫌なのはにじみ出ている。

「これで全員か?」
「辺り一帯のホテルに泊まっている火星人はこれで最後です」
「二十人か……それだけ集めればファウナ様も満足だろう」

 そんなやり取りを聞こえてくる。エリスの苛立ちは募る。

「おい、お前達! 早く乗れ!!」

 警官に命令され、エリス達は輸送用の大型エアカーへ乗るよう強要される。

ガチャン!

 鋼鉄の手錠をはめられる。

「ちょっと、なによこれ!?」

 エリスは突っかかる。

「逃げられたら困るのでな。さ、早く乗れ!」
「こいつッ!」

 エリスは強制させられるのが大嫌いだ。権力を笠に着る連中からの強制は特に。

「エリス、抑えてください」

 ミリアは優しく促す。

「こんな連中を殴ってはせっかくの腕が汚れます」
「なッ!?」

 代わりにミリアが悪態をつき、警官達は歯ぎしりする。

「……それもそうね」

 それでエリスは納得する。

「貴様ッ!」

 警官が言い返そうとしたが、すでにミリアは輸送車の奥へと素早く逃げていった。
 そんなわけでエリスとミリアは荷台に揺られて、遠くへ輸送されていった。

「どこに連れて行くつもりなのよ……?」

 ここには窓は無く、どのくらい移動したかわからない。
 殺風景な荷台の中に敷き詰められた火星人達は、何故こんな目にあうのか。これからどうなってしまうのか、不安と恐怖に苛まれ、黙り込んでいる。

「どうにも苦手ね、こういう雰囲気」
「ですね」

 ミリアも同意する。
 閉鎖された空間で、閑散とした雰囲気。どうにも以前木星に来た時、テロリストの襲撃で避難した時のことを思い出して嫌な気分になる。
 あの時は確かダイチとはぐれてしまって、大丈夫かどうか心配で仕方が無かった。そんなわけで隔壁を打ち壊して無理矢理探しに行ったわけだが、さすがに今回もそうしようかとは思わない。

「暴れてやりたいですか?」

 ミリアが訊いてくる。

「まあね。あいつらが悪党だったら心おきなくぶっとばしているところだけど」
「そういうわけにもいきませんよね」

 そういうのが建前だということはミリアにはよくわかっている。
 警官だろうがテロリストだろうが関係無く殴り飛ばす。それがエリスの信条のはずだ。ただ今回はあまりにも身に覚えのない容疑で連行されているだけで、きっちり話せばすぐ晴れて解放される。
 むしろ、下手に暴れて余罪をつけられた方がたまったものじゃない。それはエリスとミリアの二人だけじゃなく、ダイチやマイナ、、フルート、デランにまで被害が及ぶ。
 そういった理性が働いて我慢している。話し相手になって少しでも紛れれば、とミリアは思う。

「土星行きの便までに解放されればいいんだけど」
「難しいでしょうね」
「イクミが騒ぐでしょうね」
「せっかくの高いチケット代が~、なんて言うでしょうね」

 ミリアはあえて大げさに言ってみせる。そのおかげでエリスはクスリと笑う。
 これで暴れる気が失せてくれればいいのだけど、ミリアは思った。

「イクミは捕まってなければいいんですけど」
「大丈夫でしょ。私達の何倍も隠れるのが得意なんだから」
「荒事になったら、いつも真っ先に、逃げる隠れるが十八番って言ってましたからね」
「言ってた言ってた。で、十八番ってなんだっけ?」
「得意技って意味らしいですよ」
「なるほどね」

 他愛の無い話をして退屈や苛立ちを紛らわせる。

ザワザワザワザワ

 周りもエリスとミリアに影響されて気休めに雑談を始める。

「あんた、名前はなんて言うの?」

 中にはエリスに声をかける女性もいた。

「エリスよ。あんたは?」
「私はハンナ。木星には観光旅行?」
「そんなところですね。木星の次は土星へ行く予定です」

 ミリアが代わりに答える。

「へえ、リッチな旅行ね」

 ハンナは感心する。

「私はこの国に住んでいるの。戦後に火星から渡ってきたのよ」
「移民なんですね」
「ええ。戦争中に両親は無くなって、住む街は焼かれてね。木星になら生きる場所があるかもって、一縷の望みを賭けてやってきた」
「木星に生きる場所はあったの?」
「ええ」

 ハンナは肯定する。

「それでも、今日みたいに収容されたり、戦争で避難しなくちゃならない時があるわ」
「そうなんですか」
「……木星には生きる場所はあったけど、平和とは言い難いわ」
「ままならないものね」

 ハンナは何とも言えない表情で頷く。

「火星は今どうなっているの?」
「あの戦争からなんとか立ち直りつつあるって感じね。とはいっても、ここみたいに土地を埋め尽くすぐらいのビルやヒトがいる街は中々無いわね」
「そう……」
「火星に帰りたいの?」
「ええ、生まれ故郷だからね。そのためにチケット代を貯めようと思ってるの。……いつになるかわからないけど」

 ハンナは寂し気に笑う。

「頑張ってください」

 ミリアはそれだけ言う。



 星の灯り一つない暗闇の宇宙に浮かんでいる。

「またか……」

 エリスはぼやく。
 三度目ともなると慣れてきて、落ち着きが出てくる。

「それで、あんたは何者なの?」

 この空間に誘った少女に呼びかける。
 こんなところはもううんざりだ。早く解放して欲しい。

――そっけないのね。私はこうしてあなたに会えて嬉しいわよ。

「私はちっとも嬉しくないわね。わけのわからない女の話し相手だなんて」

――わけのわからないというのは心外ね。私はあなたのことを知っているわ。そして、あなたも私のことを知っているはずわ

「何を言っているの? 私はあんたの事なんて知らないわ。こんな光の無い寂しい場所から抜け出せない女のことなんてね」

――随分と言いたいことをズケズケ言ってくれるわね。でもね、私はとうとう抜け出したのよ。
――そうして、私はあなたと会う時がやってきたのよ

 パッと暗闇に光が現れ、宇宙を照らし始めた。
 その光の先に少女の影が佇んでいる。

「あんたは一体……?」
「私、私はね……」

 影が晴れていき、少女の顔立ちがはっきりと見えてくる。



ドカン!

 輸送車が大きく揺れ、壁に叩きつけられる。

「荒い運転ね……」

 目が覚めたエリスはぼやく。

「まるで私達をヒトとして扱っていないようですね」
「こんなところに連行して、ヒト扱いも何もあったものじゃないでしょ」
「寝起きで機嫌が悪いですね」
「おかしな夢を見ちゃってね」

ドン

 また輸送車が揺れる。
 そのまま車は止まったようだ。

「目的地に着いたみたいですね」
「地獄じゃなければいいけどね」
「エリスの冗談は笑えません」

 そう言いながらもミリアは笑っている。

ドカッ!

 扉が乱暴に開けられる。

「降りろ!」

 警官の乱暴な物言いに急かされて、火星人達は降りる。
 やってきた先にあったのは壁。来る者を拒み、出ようとする者は許さない、そんな絶対の意志を感じる絶壁の白い壁であった。

「ブランフェール収容所。クリュメゾン随一の土地面積を誇るそうよ」

 ハンナは壁を見上げながら言う。

「でも、なんだって私達がこんなところに……?」
「まるで罪人みたいね」

 エリスが言いにくいことをズバッと言う。

「……これは簡単に解放してくれそうにはありませんね」

 ミリアは少しだけ後悔する。
 いっそのこと、エリスが暴れてくれた方がよかったかもしれない。と思うほどに。
 そのまま門をくぐらされ、広いホールに連れていかれる。
 罪人を一ヶ所に集める、そんな目的で作られているらしく、エリス達が入ってきてからも次々に火星人が連れてこられる。

「ざっと、四百人ほどです」
「よくもまあ集めたわね」

 エリスは呆れて言う。

「火星人どもよ、静粛に!」

 最奥にある壇上から声が響く。
 大柄で髭が濃い巨漢で、偉そうな風体であった。

「静粛に! それができないようであれば、即刻銃殺にしてやる!」

 巨漢は光線銃を持つ。
 本気で撃ち殺す気でいるようだ。

「………………」

 その様を見て、火星人達は沈黙する。

「結構だ。それではこれより領主ファウナ・テウスパール様がお話してくれるそうなので、よく聞くように」

 そう言って、巨漢は退く。
 代わりに、桃髪の少女が壇上に立つ。

オオォ……

 にわかにざわめきだつ。
 その容姿の美しさも。
 さることながら、憎しみに染まりあがり、殺気に満ちた視線を全体に投げうたれてきたからだ。

「クリュメゾンに滞在の火星人の皆様、私の出頭命令に応じていただき感謝いたします。」
(無理矢理つれてきたんじゃないの)

 エリスは心中で文句を言う。
 ファウナ・テウスパール。天上からヒトを見下ろす神のように驕り高ぶった態度がどうにも気にくわない。

「皆様も知っての通り、昨晩クリュメゾン領主アランツィード・テウスパールが殺されました。
私はその現場にいて、犯人を目にしました。兄を殺したのは間違いなく火星人です。私はその火星人を絶対に許しません! 兄を殺した火星人はこの中にいるはずです!!
なので、あなた達火星人を全て――処刑します!!!」

 声がどんどん荒くなり、最後に言い放った死刑宣告は雷の咆哮に等しかった。

「「「――ッ!!」」」

 殺意がたっぷりこもった咆哮を投げかけられて、火星人達は文字通り雷を撃たれたかのようにうなだれる。

「全て、処刑……!」

 これにはエリスはさすがに黙っていられなかった。
 いきなり踏み込んできて、いきなり身に覚えのない容疑をかけて、無理矢理連行して、こんなところに集められて、挙句の果てが死刑宣告。
 横暴ここに極まれり。我慢につぐ我慢もとうとう限界がきたようだ。

「処刑の時刻はおって、報せます。懺悔ならばそのときまでに済ませておいてください。――では、以上です」

 あまりにも一方的に言い放って、ファウナはマントを翻して去ろうとする。

「待ち、」
「待ちやがれぇぇぇッ!!」

 エリスが呼び止める前に、別の声が呼び止めた。
 先ほど壇上に立った髭の濃い巨漢に劣らぬ巨漢であった。

「そんな一方的に言いやがって、はいそうですかと処刑されるわけねえだろぉッ!!」
「ですが、処刑いたします」

 ファウナは一切のおくびなく答える。

「横暴すぎるだろ! 大体、俺達はあんたの兄を殺しちゃいない!! 兄を殺したかもしれない火星人ってだけで俺達を殺すのかよ!?」
「そのとおりです」
「なッ!?」
「お兄様を殺したのは火星人なので、火星人であるあなた達も同罪です。その生命(いのち)をもって償っていただきます」
「む、無茶苦茶だ!!」

 その場にいる火星人の誰もがそう思った。巨漢はその気持ちを代表して口にした。
 しかし、ファウナは一歩も引く様子が無い。

「ですが、領主は私です。ここでは私の決定が全てです」

 どこまでも冷酷な、しかし同時に憎悪で燃え滾った一言を言い放つ。

「そんな決定に従えるかぁぁぁッ!!」

 巨漢は飛び上がって、壇上に立つ。

「そうだ、その通りだ!」
「あの男の言う通りだ!」
「大人しく処刑されてたまるか!!」
「こんな横暴に黙ってられるか!!」

 火星人達もそれに続けと言わんばかりに叫び出す。

「あいつが行ってなかったら、私が行ってたところよ」

 エリスは少々悔し気に言う。

「行かないのですか?」
「あのお姫様がそれぐらいで止まるようだったらね」

 ガタガタと手錠を鳴らす。
 その様子を見て、爆発五秒前ですね、とミリアは心中で呟く。
 一方で、巨漢は手錠を無理矢理破り、ファウナへ襲い掛からんばかりに身を乗り出す。

「処刑宣告をとっとと取り下げろ!」
「取り下げません。領主が一度口にしたことを取り下げるなどあってはならないことです」
「火星人を殺すことはあってもいいことなのかぁッ!!」
「はい。お兄様を殺した火星人、その疑いがあるもの一人とて生かしてはおけません」
「狂ってやがるなぁッ! そんなのが国の領主やっていいのかよ!?」
「それがこの星のやり方なのです」

 バチバチ、とファウナの周囲に雷の火花が散る。

「ぬぅッ!」

 そのただならぬ威圧感に、巨漢はたじろぐ。

「どうしても従えないのであれば、今この場で私が処刑します」
「なにッ!?」

 ファウナは後方に控えていた男に目をやる。

「――私の槍を!」

 そう言われて、男は黄金の槍を投げ、ファウナは掴む。

「お相手いたしましょう!」

 その凛としたたたずまいに、静まり返る。

「上等だ!」

 巨漢は両手を振り上げ、力を入れる。

「これでも元火星軍人のカート・ライカ―ス曹長だぜ! 実戦演習で同僚を三人も殺しちまってクビになって、心機一転木星にやってきたらこのザマだぜ!! 
こうなったら女だろうが容赦しねえ! 領主をぶちのめして処刑命令を取り下げさせてもうらぜ!!」

 巨漢カートは拳を脅しをかけるようにブンブンと振り回す。
 しかし、ファウナはその様を見てまったく臆していない。

「あなたの略歴に興味はありません」

 それどころか、バッサリと一言で切り捨てた。

「ですね」
「興味ないわね」

 さすがにエリスやミリアは同意する。

「興味あろうがなかろうが関係ねえ! 俺様がぶっ殺してやる!!」

 カートは腕をブンブンと振り回す。

「ケラウノス!」

 ファウナがその言葉を口にすると、雷が迸る。

「な、なななんだ!? なんだ!?」

 カートは震え上がり、大声で虚勢を張る。

「あれはジュピターの一族だけが使える雷、ケラウノスです!」
「へえ、面白いじゃない」

 エリスはニヤリとぎらつかせる。

「さあ、処刑して差し上げましょう」

 ファウナは槍を構える。

「こいつ!」

 逆上したカートは殴りかかる。

ズドン!!

 しかし、槍の間合いに入るよりも遥かに先に雷がカートを襲う。

「ぐあああああああッ!!」

 その余波がエリス達の方にまで届いて、火星人達を文字通り震え上がらせる。

グシャリ!!

 その直後、間髪入れず黄金の槍でカートを胸を一刺しする。

「ゴバァッ!?」

 カートは血を吐き、倒れる。

「……見掛け倒しでしたね」

 ファウナは一瞥する。
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