オービタルエリス

jukaito

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第3章 リッター・デア・ヴェーヌス

第44話 決勝戦バトルロイヤル

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「ブーストオン!」

 エリスは開始と同時にブースターを噴かせて、突撃をかます。
 しかし、開始と同時に動いていたのはエリスだけではなかった。
 ノヴァリーゼがエネルギーの充填を開始し、あっという間に済ませてしまったのだ。

「大砲!?」

 エリスはハイスアウゲンを踏みとどまらせる。迂闊に突っ込めば直撃してお陀仏だ。
 しかし、このままでも直撃してあっという間に敗退だ。
 撃たせる前に拳を打つ。と、思ったが、おそらくあれは拳が届く前に撃てる。そういう風に出来ている気がする。だったら、直撃を避けるために盾を展開する。
 しかし、速度と攻撃に重きを置いているハイスアウゲンに取り付けられている盾は、敵の攻撃を削いで致命傷を避ける程度の防御力しか持たない。そのため、どうにも心許ない。

『アーマー・フィールド形成!』

 対して、ノイヘリヤはビームによるバリアを前方に作り出してしのぎ切るつもりらしい。

『それではこれに耐えてみせてください! グランド・ドゥンナー!』

 ノヴァリーゼから、雷光のごときビームが放たれる。

ゴォォォォォン!!

 まさしく、それは落雷であった。
 全身がしびれ上がるような衝撃を受けた。

「つぅぅぅぅッ!」

 エリスは歯を食いしばって耐えた。
 間違いなく、今回のフェストにおける最大級の一撃であった。スタディオンの防壁にもヒビが入り、砂塵が巻き上がる。

『エリス、しっかりしい! 第二射がくるで!』
「第二射のチャージはさせないわ!」

 砂塵の中でもノヴァリーゼの巨体がはっきり見える。

「そこッ!」

 ハイスアウゲンを突撃させる。

『邪魔するなッ!』

 そこへノイヘリヤが割って入る。
 ノイヘリヤはバスタードソードで斬りかかってきたところを、ハイスアウゲンはかわす。そのままの勢いで、ノヴァリーゼへ斬りかかる。

「あいつ、私よりもデカブツ目当てなの!?」
『まあ、食堂でも目の敵にしてはったから当然やろな! まあ、あっちで勝手に潰し合ってくれたら大助かりやな』
「私なんて眼中にないわけね!」

 エリスはキィッと二機を睨みつける。

『おおい、エリス!? 優勝がかかってるんやで! 冷静に!』
「とおりゃぁぁぁぁぁッ!」

 ハイスアウゲンは突撃する。

『あかん! あいつ、決勝戦ってこと頭が吹っ飛んでへんか?』
『ま、賢く戦って掠め取った優勝なんざわしも願い下げだがな』
『あれ? そういえば四機目の方はどこにいったのでしょうか? エリスさんを目の敵にしていたようですが……』

 ラミに言われて、イクミはスタディオンの映像を確認する。

『あ~、あいつ、もうリタイアしているでー』
『ええ!?』
『最初のビームの直撃食らってリタイアや。結局、なんだったんやろな、あいつ?』

 というわけで、早くもシュタビールとシャニィは脱落し、優勝は三機に絞られた。ちなみにフェストの場外で行なわれていた予想のオッズではエリスよりも上で一応は優勝候補の三番手だったらしい。
 そんなことまったく気にもせず、エリスはハイスアウゲンとともにノヴァリーゼとノイヘリヤの戦いに割って入る。
 マシンガンで打ち込みながらの突撃。それをノイヘリヤが止めに入る。

『邪魔をするなぁッ!』

 ラルリスが吠えつつ、ハイスアウゲンともノヴァリーゼとも距離を取る。

『ボクとしては二機まとめてかかっても構わなかったのですが」

 バライは余裕たっぷりと言う。

「二人とも叩き潰すんだから、そんなことできるわけないでしょ!」
『目障りだぁッ!』

 ノイヘリヤはバスターアックスを振り回す。

『まずはお前からやってやろうか!』
「望むところよ!」

 【ロートクリンゲ】を引き抜いて、バスターアックスとぶつかり火花を散らせる。

「チィッ!」

 ハイスアウゲンの方がパワーで押し負けた。
 いくらブーストで出力を上げても、大ぶりのアックスには力負けする。

『では、これはどうですか?】

 そこへ、バライのノヴァリーゼがサーベルを持って斬りかかってくる。
 全長三十七メートルあるノヴァリーゼが持つサーベルはバスターアックスさえも玩具に見えるほどの巨大さを誇り、振り下ろされた一撃はまさに大爆撃であった。

ドゴォォォン!!

『くぅッ!』

 吹き飛ばされたノイヘリヤは旋回して踏みとどまる。
 しかし、これでは終わらない。
 ノヴァリーゼは斬りかかってくる。その様は木星の剣士を想起させるものであった。
 サーベルは振るう度に砂塵が巻き上がる。

「でいいやあああッ!!」

 その間隙をぬって、エリスが飛び込む。

グシャン!

 ブーストをかけた全力の突撃で拳をぶちかました。

『むうッ!?』

 ノヴァリーゼの胸の装甲が歪み、巨体が揺らぐ。

『さすがですね』

 コックピットでバライがまだ余裕の笑みを浮かべているような感じがする。

「仕留めるつもりでいったのに……!」

 エリスは歯噛みする。

『金属硬化コーティングは万全です。このぐらいの一撃じゃ貫けませんよ』
「じゃあ、あと百発撃つだけよ!」
『さすがに百発受けたらたまりませんね』

 ノヴァリーゼはさらに、ハンドガンを取り出す。
 ハンドガンといえど、金星の機体が持つハンドガンの三倍以上もあるので、ミサイルランチャー並であった。

『その前にこちらで十発叩き込みますよ』
「――!」

 エリスはさすがに危険を察知し、ブースターを噴かせる。

ドドドドドドン!!

 ハンドガンの銃弾にして、ミサイルの雨あられのごとき爆撃であった。

ズゴン! ズゴン! ズゴン!

 スタディオンに次々と砂柱が舞い上がる。

「確かに、あれは十発も耐えられないわね」

 この圧倒的質量による爆撃。これは金星の他の機体では見たことがない戦法だ。
 おそらくバライが取り入れた木星の戦い方だろう。金星や火星の機体が木星に敗れたわけがなんとなく見えたような気がする。

『こんのぉぉぉぉぉッ!!』

 たまらずノイヘリヤはブラスターキャノンを構え、発射する。

『おっとッ!』

 これにはさすがに分が悪いとノヴァリーゼは回避する。
 ハイスアウゲン、ノヴァリーゼ、ノイヘリヤの三機はそれぞれ持ち味を生かして戦う。
 ハイスアウゲンはその機動力と突撃力で攻撃を、
 ノヴァリーゼは巨体から繰り出す巨大な攻撃を、
 ノイヘリヤは【レーゲンボーゲン】から繰り出す多彩な攻撃を繰り出す。

『おお、エリスぅぅぅッ!!』
『目が離せませんね』

 モニターで助言をするのも忘れてイクミとラミは手に汗握って戦いを見守る。

『一瞬でも気を抜いたらやられる。だが、膠着状態は長く続かないだろう』



 モニター越しでイクミ達が何やら言っているようだが、気にしていられない。

「ブーストオン!」

 ここで勝負を仕掛ける。
 ブーストを三百パーセントに引き上げて、ノイヘリヤに突撃する。
 昨日の雪辱を果たすため、この闘技に優勝するため、【ロートクリンゲ】を振り上げ、下ろす。

『望むところよ! 』

 ラルリスのノイヘリヤが受けて立つ。
 昨日の雪辱を果たそうとエリスは燃える。

「おおぉぉぉぉぉッ!」

 【ロートクリンゲ】が届く間合いまで踏み込み、斬り込む。

バシャン!

 ノイヘリヤはバスタードソードで受けたが、勢いを殺すことができず、機体が揺らぐ。

『くぅぅッ!』

 ここがチャンスだと思い、一気に攻勢へ出る。

「せいッ!」

 ハイスアウゲンは拳を叩き込む

ゴン! ゴン! ゴン! ゴン!

 一度勢いづくともう止まらない。

「好き勝手いくわよッ!」

 五発叩き込むと、あとはもう五発、勢いのままに叩き込む。
 ただそこはさすがマイスター・アライスタ作だけあって、一回戦のエアフォルクや二回戦のミッテルとは比べ物にならないほど頑丈であった。

『調子に乗るなッ!』

 そこからでも立て直し、バスタードソードを振り抜いてくる。

「よっとッ!」

 エリスはハイスアウゲンを後退させて、バスタードソードをかわす。
 勢いがあっても、引き際を心得ている。エリスはそういう戦士であった。

『チィ、大人しく突進してくるだけなら楽なのに!』

 ラルリスは舌打ちする。
 拳を何発か叩き込んだとはいえ、ノイヘリヤにはまだ余力を感じる。
 対するこちらはブーストを使い込んだ消耗があり、ノイヘリヤとノヴァリーゼに比べて、装甲も心許ない。
 バスターアックスやサーベルが一撃でもクリーンヒットしたら、それでリタイアの危険もある。なので、慎重に動き、機会を伺うべきだ、と一般の操縦者なら考える。
 しかし、エリスはそんな連中とは一線を画する。

『もう一回!』

 エリスはブーストを再び三百パーセントに引き上げる。
 昨日はここで悲鳴を上げ始めたが、今日はラウゼンの調整のおかげもあってか、「まだまだいける」と機体が語りかけてくれているみたいに余裕を感じる。

――出力限界を五百パーセントまで引き上げた

 ラウゼンの言葉が脳裏をよぎる。
 ブーストの出力はあと二段階まで引き上げられる。
 そうなると今の倍以上のスピードとパワーを得ることが出来る。しかし、それは自爆にも等しい危険な賭けであった。
「アウゲン、いける?」
 エリスは語りかけてみる。
 実際、機体は何も答えてはくれない。答えてくれると感じても、それは錯覚に過ぎない。
 しかし、操縦者というのはこの錯覚を何よりも大事にする。
 機体に乗り、機体の感覚を肌で感じ、身体の一部とする。
 身体ができるというのに精神が出来ないなんて音を上げることは許されないのだ。

「そう、できるのね!」

 エリスは意を決する。
 機体という身体の一部が無茶できるといってるのだ。それに応えない精神をエリスは持ち合わせていない。
 できるならいく! 単純なことだ。

「ブーストオン!」

 出力を四百パーセントにまで引き上げる。
 ハイスアウゲンの赤い装甲が限界を超えた駆動により、高熱を発し、炎のように燃え上がり、その反動でコックピットは焼かれたかのように熱くなる。

『これは素晴らしいですね』

 バライは素直に驚嘆する。

『そのオーバーブースト、マイスターの技術の賜物ですが、それを引き出したエリスさんも大したものです』
『いや、あれは愚か者の所業よ。そんな無茶が耐えられるはずがないわ!』

 ラルリスはバスターアックスで突撃をかける。

「――!」

 エリスはそれに反応する。
 燃え上がった機体と身体が超反応を可能としていた。
 熱くなればなるほど身体の代謝は上がり、運動能力と反応速度が上昇するエリスの体質の恩恵であった。
 これまでの最高速度をブースト四百はあっさりと上回り、音さえも置き去りにする超速度で、拳を叩き込む。

『ガハッ!?』

 これにはたまらず、ノイヘリヤは弾き飛ばされる。

『素晴らしいです。ボクも全力を持ってあなたに勝ちます』
「勝つの私よぉッ!」

 ハイスアウゲンはノヴァリーゼの懐に突っ込む。
 それをバライは読んでいたのか、内蔵マシンガンで迎撃する。

バンバンバンババン!!

 吹き荒れるミサイルのような銃弾が雨のように降り注ぐ。
 しかし、燃え上がったエリスの反応は銃弾さえも止まって見えた。

「どりゃぁぁぁッ!」

 エリスがコックピットを拳を突き出すのに連動して、ハイスアウゲンが殴り掛かる。

ガシャン!

『うぐッ!?』

 ノヴァリーゼの腹部の装甲が歪む。

バゴォォォォン!!

 そこでノヴァリーゼの腹部が爆破し、ハイスアウゲンの勢いを殺す。

『爆裂装甲(リアクティブアーマー)! 自分の装甲を爆破して、こっちの衝撃を削ぎおった!』
『自分自身を爆破して相手の突撃を殺す、そんな発想は金星にはねえ。あれも木星の技術か』

 ラウゼンは素直に感心した。
 しかし、一度勢いを削がれたのは大きい。燃え上がる炎に思いっきり冷水をかけられたようなものだ。そのせいで、エリスとハイスアウゲンの炎のごとき勢いが殺され、消えかけになっている。

『これで終わりですか?』」
「くッ……!」

 ノヴァリーゼはそこからビームライフルを発射する。

ドゴォン

 これも金星や火星のそれの三倍以上を誇るため、光だけで機体そのものを呑み込むほどであった。
 エリスは機体を無理矢理引っ張るように空へ飛ばして難を逃れるが、それでもビームの先をかすめ、足をやられる。

「くぅッ!」
『よけましたか、仕留めたと思ったんですが……いえ、仕留めますか?』

 ライフルの照準をハイスアウゲンに合わせる。

『私を忘れるなッ!』

 そこへノイヘリヤのブラスターキャノンのビームが放たれる。

『いえ、忘れていませんよ』

 ノヴァリーゼはこれを回避する。
 そこへ、ブラスターキャノンからビッグサイズへと変形させて斬りかかる。

『なるほど、持ち味はその多種の武器ですか。しかも、それを状況に応じて即座に切り替える技量はさすが元聖騎士、といったところですね』
『呑気に分析するのが好きなマイスターのようだね。格納庫で大人しく整備しておいた方が身のためですよ』
『いいえ、この機体はボクが造り上げたものです。一番良く知っているボクが使うのが当たり前のことじゃないですか』
『知っているのと使うのは違うんだよ!』
『まさに正論です』

 ノヴァリーゼは旋回して、ノイヘリヤの右側に回り込む。

『ですが、勝論ではありませんね』
『――クッ!?』

 ラルリスもノイヘリヤを旋回させようとするが、間に合わない。

ガシャッ!

 ビッグサイズが弾き飛ばされる。

『ボクは今日勝つために全てやってきました。騎士に負けない戦闘技術も磨いてきました。
――ですから、マイスターが騎士に勝てないことはあっても、ボクがあなたに勝てないことにはなりません』

 ノヴァリーゼはサーベルを振り下ろす。
 ノイヘリヤはこれをかわすが、追撃にビームライフルが放たれる。

『ガッ!?』

 ラルリスにはこれが両親を殺し、故郷の街を焼き払った炎と重なった。
 ビームライフルを受けたノイヘリヤは衝撃で、スタディオンの壁に叩きつけられる。

『まだだッ!』

 ラルリスはそれでも諦めず、立ち上がる。

『あんな機体を優勝させるわけには……! 私達の金星を汚してきたあんな機体に……負けない!』

 ノイヘリヤは唸りを上げるようにノヴァリーゼを向かう。
 しかし、肝心の武器を手放してしまったノイヘリヤにノヴァリーゼの装甲を貫く術は無かった。

『冷静さを欠きましたか。それでは勝てませんよ』

 バライは容赦なくノヴァリーゼのサーベルでノイヘリヤの装甲を斬り裂く。

「がああああッ!」
『執念が成せる業ですね。いえ、木星に対する憎悪ですか、ボクもそういうものは確かにあります。ですが、その固執が金星の敗因なのですよ』

 さらにビームライフルで吹き飛ばされる。
 そこへハイスアウゲンが突撃がかまされる。

グシャン!

 ブーストをかけたハイスアウゲンの鉄拳でノヴァリーゼの装甲が歪む。

『これは驚きました。その状態で扱える武器があったら負けていたかもしれません!』

 ノヴァリーゼが反撃にサーベルを繰り出す。
 ハイスアウゲンは後方に飛んで直撃を避けるが、サーベルの風圧で吹き飛ばされる。

『エリス、なんで武器を使わないのです?』
『ブースト四百の極限状態では、機体のオーバーヒートに耐えられないか』
『そりゃな、ここ一番になったら自分の武器が一番頼りになるんやろな』

「あいつに勝つためには……! 勝つためには!!」

 エリスは歯噛みする。
 ブーストを四百パーセントに引き上げても、ノヴァリーゼには届かない。
 それでも届かせるためにどうすればいいか。

「四百でダメなら五百でやってやるわ!」
『そんな無茶やで! 急場しのぎの調整で出力を上げたら機体のエンジンが焼ききれてバラバラになってしまうで!』
「それでもいい! あいつを倒せるんならエンジンが焼き切れてもいい! パワーを上げる!」
『嬢ちゃん……そこまでして勝ちたいか?』
「勝ちたいわよ! じいさんだってそうでしょ!」
『ああ、わしは嬢ちゃんに賭けた……いけ!』

「ブーストオン!」

 エリスは迷いなくブーストの出力を更に引き上げる。
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