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第2章 マーズ・マン・ハンター
第17話 賞金首デイエスの来店
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翌日、再びエリスとミリアは暗い路地裏にやってきた。目的地は当然、あの唯一灯りが点っているあの酒場だ。
カンカンと音を鳴る扉を開けて二人は入店する。
「いらっしゃい」
カウンターにいた店主がエリス達を見るとが苦い顔に変わる
店主が騒ぎを起こさないでくれ、と言ったにも関わらず即座に乱闘騒ぎを起こしてしまったのだから当然だ。
あれはミリアが悪いんであって、私はただ加わっただけ、というのはエリスの弁。いや、同罪だろとダイチは言い返したが、鉄拳が飛んできたのは言うまでもない。
「あんた達か……」
「今日はちゃんと客として来たわよ」
「出来れば、前回もちゃんと客として来てほしかったよ」
店主は皮肉で返してくる。
「まあ、営業停止にならなかったのが不幸中の幸いだった」
「よくならなかったわね。保安まで出てきたのに……」
「そこが不思議なところだ。保安が直接止めに入ったってのに乱闘騒ぎのお咎めなしだ、おかげでこちらは翌日に営業再開できたが」
「た、タフね……」
「さすがに、保安の二人はもうこなくなったよ。代わりといっちゃあ、なんだが……」
店主は急に極めて真剣な顔をして言い継ぐ。
「――奴が来るようになった」
「!」
奴とは間違いなくデイエスのことだ。
「どうして、乱闘があってから……?」
「保安まで出てきったっていうのが奴の興味を引いたんだろう。また来ないかと腕を鳴らして言ってたよ」
そう言われて、エリスとミリアはお互いの顔を見合わせる。
「イクミの情報通りね……」
「なんだか上手く行き過ぎて、気味が悪いのですが」
「ま、いいじゃない。うまくいっている時はなるべく流れに乗っかるのよ」
「それには同意です」
エリスとミリアは端っこの席に陣取って、ドリンクを注文する。
「しかし、そのデイエスはエリスの同類だったわけですね」
「それ、どういう意味よ」
「血と暴力を好む、といった意味ですわ」
「誰が何を好んでいるって? まあ、戦いは好きだけど」
「はたから見たら、戦いも暴力どちらも同じようなものです。迷惑この上ない」
「乱闘のきっかけを生んだ奴の台詞とは思えないわね」
「あら、あれは不可抗力ですわ」
「よくもいけしゃあしゃあと」
『口喧嘩はそのくらいにしとけよ』
耳元でダイチの声がする。
『目立っていたら張り込みの意味が無いだろ』
『そうじゃそうじゃ。妾とダイチのように密に、蜜に、張り込むのが』
『あ、こら、くっつくなって!』
「……楽しそうね」
ドスの利いた声でエリスは言う。
「あんまり楽しそうなので嫉妬しそうですわ。――エリスが」
「なんで私が!?」
「フフフ」
『ああ、そっちも楽しそうだな』
「ふん、ちゃんと張り込みなさいよ。見逃したら承知しないわよ」
『そっちこそな』
通信機越しでのエリスとダイチのやり取りにミリアは笑う。フルートが面白くなさそうな顔をしているのも容易に想像がつく。
エリスとミリア、ダイチとフルートの二人一組に別れることにした。
酒場での張り込みは二人だけにしたのは、先日の乱闘騒ぎで目立ってしまったから人数を少なくしようと考えてのことだった。
その代わり、ダイチとフルートは近くの建物の物陰から見守る役目を担った。
エリスとミリアが酒場の張り込みの役目を担ったのは、その場でデイエスと戦ってもいいようにするためといった狙いがある。
エリスは喜んでその役目を引き受けて意気揚々と酒場に入った。
だが、少しばかり退屈になってきた。酔っぱらいの喧騒がどうにも耳障りだし、酒を飲んで騒ぐなんて気にもなれない。
「あー、なんでもいいから早く来なさいよ、って思っていますね」
「人が思っていることをあてようとしないの」
「図星でしたね」
「ええ、そうよ」
エリスは否定することなく、不満を漏らすように言う。
「辛抱してください。今は力を溜めるときですよ」
「言われなくてもわかってるわよ」
エリスは拳を握りしめる。
今は力を溜める。必ず来るはずであろう敵との戦いに備えて。
――しかし、その時は思いの外、早く訪れることになった。
ドシンと一際大きな音を立てて、その男は来店してきた。
「――来ました」
ミリアの小さいが確かな強さを持った声に、ダイチ達にも緊張が走る。そして、エリスは笑みを浮かべる。
やってきたのはデイエス・グラフラー。手配書と同じ顔をした強面の男であった。
「今日も来てやったぜ」
「いらっしゃい」
店主はあくまで公平に一人の客として対応する。
「保安はいるのか?」
来て早々にデイエスは辺りを見回す。
エリスとミリアは思わず顔を隠す。まあ、向こうは賞金狙いの顔なんていちいち調べていないだろうから大丈夫だとは思うが。
「いいえ、今日も来ていませんよ」
「そうか」
店主に言われてデイエスは納得したのか、カウンター席にドシンと座る。
「どうする?」
エリスは小声でミリアに問いかける。
「まだ早すぎます。機をうかがうんです」
「機ね……慎重にしていると素通りしていくんじゃない?」
「エリスらしいですね」
ミリアはフッと笑う。
ガタン!
いきなり、エリスの背後に座っていた男がイスを蹴り上げてデイエスの方へ向かう。
「貴様、デイエス・グラフラーか!」
見るからに喧嘩腰であった。
しかも、あの男はデイエスが何者なのかわかっているような口ぶりだった。
「私達以外にもいたんですね」
「先越されたじゃない」
エリスは文句を言って、飛び出そうとする。
それをミリアは手を掴んで止める。
「待ってください。これはまた乱闘騒ぎになるかもしれません、チャンスがそのときに来ます」
「あんたね……」
前回の乱闘は誰が発端になったのか、まるで自覚がない口ぶりにエリスは呆れた。
「ああ、そうだが。てめえは何だ」
「知った事か。お前には賞金がかけられてるんだ」
「ほう、いくらだ?」
デイエスは立ち上がって、笑顔で問いかける。
まるで賞金稼ぎの男を敵とみなしていない態度であった。
「お前が知る必要はない」
男はそう答えて、銃を取り出す。
バキューン
と、同時に撃つ。
電光石火の早撃ちであった。
普通だったら反応する間もなく自慢の腕を撃たれて、痛みにもんどり打つところであった。
「そうか。だったらいいぜ」
デイエスは歯を見せて笑う。
――彼は普通ではなかった。
「ば、バカな……」
男は驚愕する。
この一発で仕留めた。そう確信を持てるほどに会心の早撃ちだったのだろうが、デイエスは何食わぬ顔で立っている。
その現実を受け止められずにいるのだ。
ゴキン!
頭ほどある巨大な拳が男を捉える。
殴られた男の身体は宙を舞い、エリス達のテーブルへと飛び込む。そのまま、ピクリともせず動かなくなる。
「なんだ、弱っちいな」
しかし、一発撃っただけで満足したのか、再びカウンター席に着く。
「勘弁してくれないか」
店主は困り顔で言う。
「人死にがあっては客足が遠のく」
「それはすまんかった」
と言いつつ、デイエスは悪びれた様子は無い。
そのやり取りから、あまりの出来事に絶句していた周囲はザワザワと喚き出す。中には店を出て行くものもいる。
「もう限界よ」
エリスはいきり立つ。
目の前で戦いを繰り広げられては黙っていられない。
「待ってください、、まだ彼の能力がわかっていません」
「銃弾が当たらなかったことでしょ、見当はついてるわ」
「……え?」
ミリアは意外な顔をする。
自分はわかなかったのに、何故エリスにはわかるのか。そんな疑問で一瞬固まってしまった。
そのせいで、エリスの暴走を許してしまった。
「次の相手は小娘か」
その戦意に気づいたデイエスはエリスに向かって言う。
「あんたのせいで、私のドリンクが台無しにされたからね」
「そうか。だったら、顔も台無しにされないうちに消えるんだな」
「上等じゃない。どっちが台無しになるか試してみなさいよ」
エリスは挑発し返す。デイエスからしてみれば忠告のつもりだったのだが、思ってもみなかった返答に面食らう。
「――面白え!」
だが、それはすぐに喜びの顔に変わる。
「殺してみせたあとに、そんな啖呵をきった女はお前が初めてだ」
デイエスは席を立ち、エリスを見下ろす。
大男といってもいいデイエスが女の子のエリスを睨むと自然にそうなってしまう。しかし、エリスは一切気圧される事無く睨み返してみせる。
その顔に笑みを貼り付けて。
「ほう、いい面構えだぜ。どうやらさっきの奴より数段マシみたいだな」
デイエスは感心する。
「いいぜ、来な。先に打たせてやる」
デイエスは構えず、エリスを待つ体勢をとる。
「後悔しないことね」
エリスは思いっきり踏み込んで渾身の拳打を見舞う。
ズシャン!!
顔を吹き飛ばすほど勢いのある拳がデイエスの顔面に、ではなく掌で受け止められる
そして拳は弾かれて、テーブルへと突っ込む。
「くあッ!?」
我ながら間抜けな声を上げてしまったとエリスは思った。が、頭をすぐに切り替える。
――奴の、デイエスの能力は……
「その顔、俺の能力に気づいたみたいだな」
デイエスはエリスが立ち上がったことに驚かず、自分の能力が何なのか気づいたことを見抜く。
「それじゃ、当たりなのかしら?」
「言わなくちゃ正解かわからんぜ」
デイエスは楽しげに答える。
「あんたの能力、それは――」
エリスはビシッと指を差して告げる。
「――掌で受けたモノを弾く!」
「正解だぜ、ハハッ!」
デイエスは嬉々として言う。
銃や拳が効かなかったタネをあばかれても、デイエスはむしろ喜んでいた。
「たった一発で、いや正確には二発か。細けえこたあ、どうだっていい 。こんなに早く見抜いたのはあいつ以来だぜ!」
能力が見破られたというのに、デイエスは上機嫌でエリスを見下ろす。
バシ! バシ! バシ!
そうこうしているうちにエリスとデイエスの戦いは始まってしまう。
『ミリア! ミリア! どうなってるんだ!?』
通信機越しから聞こえるダイチの声がミリアの耳に届く。
「はい、なんでしょうか?」
『なんでしょうか? じゃねえだろ、デイエスが店に入ってから何が起きているんだ?』
『客が帰ってゆくぞ。お主ら、また乱闘騒ぎを起こしたのか?』
「いいえ、戦っているんです。エリスとデイエスが」
『そうか』
ダイチはそれだけで納得する。エリスの性格ならそうなると思っていたからだろう。
『んで、どっちが勝ってるんだ?』
そう訊かれてミリアは冷静に戦況をみて告げる。
「――エリスが不利ですね」
エリスは絶え間なく攻撃を続けている。
拳に蹴りに裏拳に回し蹴り……時にはフェイントを織り交ぜて、デイエスの隙を突こうとする。
しかし、デイエスはそのことごとくを掌で弾く。
エリスには文字通り掌で踊らされている感覚に苛まれる。
「どうした嬢ちゃん!?」
「一発デカイのぶちかましてやれ!!」
「デカイ方もやってやれ!」
いつの間にか、酒場の酔っぱらい達が周囲を取り囲んで騒ぎ出す。
『本当に何が起きてるんだよ!?』
その周りの声がダイチは戸惑わせた。
今にも店に踏み込んできそうなぐらいの剣幕だ。
「いいえ、周りが盛り上げっているだけです。まったく酔っぱらいは自分が楽しければそれでいいのですから困った人達です」
ミリアが毒づくと、ダイチは苦笑する。
一方のエリスはデイエスの掌の手前で拳を止める。
「つまらんな」
「……くっ!」
デイエスにそうぼやかれて、エリスは歯を食いしばる。
「もうちょっと出来ると思ったんだが……」
「がっかりするのはまだ早いわよ」
「……だったら、出し惜しみはやめろや」
デイエスは気づいていた。エリスはまだ能力を使わずに様子見しているだけだということに。
「それとも、ここじゃ使えないのか?」
「そんなの、私の勝手でしょ」
エリスのその態度にデイエスは笑う。
「クク……この店じゃ、狭くて存分に戦えないか」
「狭くて悪かったな」
店主は文句を言う。
「せっかく熱くなったのに、それじゃつまらねえな……
まあ、この店は俺も気に入ってるんだ。ぶっ壊しちまったら上手い酒が飲めなくなっちまう。
さて、どうしたものか」
「あんたが大人しく捕まればいいでしょ」
「お前が本当にそう望んでいるのか?」
「…………………」
エリスは反論しない。
「違うだろ。お前は俺と戦って、倒した上で賞金を手にしたいんだろ。だから、俺が大人しく捕まることなんて望んじゃいない。
何よりも、俺は大人しく捕まるなんて我慢ならないことは許せない」
デイエスはニヤリと笑う。
言いながら、良いことを思いついたのか。
「そうだな……だったら、お前の望みを叶えてやるよ」
「どういう意味よ」
「お前が能力を使えないなら、使えるところに案内してやるってことだ」
「はあ?」
「ついてこい。おあつらえ向きの場所をがあるからよ」
デイエスは背中を向けて、店を出ようとする。
エリスはその背中に拳を叩き込んでやろうかと思ったが、やめた。さっきからことごとく攻撃を弾かれている。
能力無しじゃ、絶対に勝ち目が無い。そして、この店で能力を使ったら確実にぶっ壊れる。
「ミリア……」
エリスは拳を下ろして、ミリアを呼ぶ。
「はいはい」
「あいつの誘いに乗るわよ」
「ええ、そうですわね。エリスが本気を出すにはこの店は狭すぎますから」
「あんたら、うちに嫌がらせしにきただけなんじゃないか」
店主は心底くたびれた顔をしてぼやく。
エリスとミリアは店を出てから、デイエスのあとについていく。
「ダイチさん、遠くからつけることはできますか?」
『ああ、発信機を追っていけばいいんだから見失うことはないぜ』
エリス達全員に発信機をつけており、誰がどの位置にいるか把握できるようになっている。
「ダイチさんなら安心ですね、マイナさんと違って」
『比較対象があいつなら嬉しくねえな』
「よろしくお願いします。なんだか嫌な予感がしますので」
『そういう予感って当たるんだよな……』
ダイチはため息をつく。
『ま、できるかぎり頑張るよ』
「期待しています」
ミリアは微笑む。
デイエスが案内してくれたのは街の外れにあったビルのフロアであった
廃棄されたビルなので、人気はなく、装飾も一切ないので柱がむき出しになっており、廃墟の雰囲気を出している。物もまったく置かれていないので戦うには持って来いの場所だ。
「俺達のアジトだ」
デイエスがそう言うと、柱の影から何人かゴロツキが顔を出す。
その中には酒場からついてきた酔っぱらいも混ざっている。
「こんなところをばらしても大丈夫なのですか?」
「ああ、構わないぜ。保安が踏み込んでくるのは望むところだし、それにここを捨てても別の」
「――デイエスさん」
一人の少年がやってきて、釘を刺す。
「賞金稼ぎに余計なことを喋るものじゃありませんよ」
「おっと、いけねえ。そうだったな。だが、まあいいじゃないか。
――どうせ、この場で殺すんだからな」
デイエスはニヤリと笑う。
それは獲物をすぐにでも殺して食ってやろうとする猛獣のそれであった。
「そうですね、殺してしまえば何も問題ありませんね」
少年もそれに同意して、エリス達を見る。
「あんたは何よ?」
「私はローフェル。この通り、デイエスさんの下で小間使いをしています」
落ち着いた、少年とは思えない熟れきった物腰。明らかにここにいる連中、もちろんデイエスとも雰囲気が異なる。
「これから殺すやつに自己紹介か。マメだな、ロー」
「ああ、そうでした。殺すんでしたね」
「エリス、どうやら私達これから殺される予定になっているようですね」
「それは困るわね。殺されたら賞金受け取れないもの」
「ご安心を。エリスが殺されても私が受け取ればいいだけのことですから」
「って、あんたも殺される予定リストにはいってるのよ?」
「ああ、そうでしたわね」
ミリアはまるでそう言ってエリスを見つめる。その顔に信頼と期待を寄せて。
「でも、エリスがいれば大丈夫ですよね?」
「当たり前よ」
即答したエリスのおかげでミリアはようやくいつもの調子が戻ってきた感じがする。
どうしてエリスが天王星人特有の能力を知っているのか。それは今となってはどうでもいいことだし、後で問いただせばいい。
問題はエリスがデイエスに勝てるか、ということだ。
まだエリスは能力を使っていない。そのため、デイエスはエリスの能力がなんなのか知らない。その点では有利なのだが、不安は有る。
確かにエリスが能力を使わないのは店を壊してしまう恐れがあるほど強力なのだが、同時に強力すぎて身を壊してしまうこともある。
義手が耐えられるか、まだわからない。
「エリス、腕の方は?」
「わからない。でも、腕の心配してたら勝てる相手じゃないわ」
エリスの様子を見て、ミリアは嘆息する。
「そんな風に笑うあなたを見たら止められないのはよくわかっています」
「ええ、止まらないわ」
「なら、押し倒しちゃってください」
ミリアにそう言われてエリスはグローブを外す。
「ようやく、本気になるのか。期待外れだったら、どう殺してやろうか?」
「ご心配なく、どうせあんたには殺せやしないから」
挑発し返して、デイエスは怒るどころか笑う。
「ハハッ! そいつはいいぜ。大口だけの能力がどういうものか、見せてもらうぜ!」
「見せてやるわよ」
エリスはそう言って、構える。
「――ヒートアップ!」
迸る熱気によって髪が巻き上がる。
エリスの能力は体温の上昇による身体能力の向上である。それによって熱気が発生し、炎のようになる。
「おお、すげえじゃねえか!」
デイエスは感嘆の声を上げる。
「本当にすごいのはここからよッ!」
エリスは一気にデイエスへと踏み込む。
ザフゥッ!
旋風となったエリスの放つ拳がデイエスへと叩き込まれる。
カンカンと音を鳴る扉を開けて二人は入店する。
「いらっしゃい」
カウンターにいた店主がエリス達を見るとが苦い顔に変わる
店主が騒ぎを起こさないでくれ、と言ったにも関わらず即座に乱闘騒ぎを起こしてしまったのだから当然だ。
あれはミリアが悪いんであって、私はただ加わっただけ、というのはエリスの弁。いや、同罪だろとダイチは言い返したが、鉄拳が飛んできたのは言うまでもない。
「あんた達か……」
「今日はちゃんと客として来たわよ」
「出来れば、前回もちゃんと客として来てほしかったよ」
店主は皮肉で返してくる。
「まあ、営業停止にならなかったのが不幸中の幸いだった」
「よくならなかったわね。保安まで出てきたのに……」
「そこが不思議なところだ。保安が直接止めに入ったってのに乱闘騒ぎのお咎めなしだ、おかげでこちらは翌日に営業再開できたが」
「た、タフね……」
「さすがに、保安の二人はもうこなくなったよ。代わりといっちゃあ、なんだが……」
店主は急に極めて真剣な顔をして言い継ぐ。
「――奴が来るようになった」
「!」
奴とは間違いなくデイエスのことだ。
「どうして、乱闘があってから……?」
「保安まで出てきったっていうのが奴の興味を引いたんだろう。また来ないかと腕を鳴らして言ってたよ」
そう言われて、エリスとミリアはお互いの顔を見合わせる。
「イクミの情報通りね……」
「なんだか上手く行き過ぎて、気味が悪いのですが」
「ま、いいじゃない。うまくいっている時はなるべく流れに乗っかるのよ」
「それには同意です」
エリスとミリアは端っこの席に陣取って、ドリンクを注文する。
「しかし、そのデイエスはエリスの同類だったわけですね」
「それ、どういう意味よ」
「血と暴力を好む、といった意味ですわ」
「誰が何を好んでいるって? まあ、戦いは好きだけど」
「はたから見たら、戦いも暴力どちらも同じようなものです。迷惑この上ない」
「乱闘のきっかけを生んだ奴の台詞とは思えないわね」
「あら、あれは不可抗力ですわ」
「よくもいけしゃあしゃあと」
『口喧嘩はそのくらいにしとけよ』
耳元でダイチの声がする。
『目立っていたら張り込みの意味が無いだろ』
『そうじゃそうじゃ。妾とダイチのように密に、蜜に、張り込むのが』
『あ、こら、くっつくなって!』
「……楽しそうね」
ドスの利いた声でエリスは言う。
「あんまり楽しそうなので嫉妬しそうですわ。――エリスが」
「なんで私が!?」
「フフフ」
『ああ、そっちも楽しそうだな』
「ふん、ちゃんと張り込みなさいよ。見逃したら承知しないわよ」
『そっちこそな』
通信機越しでのエリスとダイチのやり取りにミリアは笑う。フルートが面白くなさそうな顔をしているのも容易に想像がつく。
エリスとミリア、ダイチとフルートの二人一組に別れることにした。
酒場での張り込みは二人だけにしたのは、先日の乱闘騒ぎで目立ってしまったから人数を少なくしようと考えてのことだった。
その代わり、ダイチとフルートは近くの建物の物陰から見守る役目を担った。
エリスとミリアが酒場の張り込みの役目を担ったのは、その場でデイエスと戦ってもいいようにするためといった狙いがある。
エリスは喜んでその役目を引き受けて意気揚々と酒場に入った。
だが、少しばかり退屈になってきた。酔っぱらいの喧騒がどうにも耳障りだし、酒を飲んで騒ぐなんて気にもなれない。
「あー、なんでもいいから早く来なさいよ、って思っていますね」
「人が思っていることをあてようとしないの」
「図星でしたね」
「ええ、そうよ」
エリスは否定することなく、不満を漏らすように言う。
「辛抱してください。今は力を溜めるときですよ」
「言われなくてもわかってるわよ」
エリスは拳を握りしめる。
今は力を溜める。必ず来るはずであろう敵との戦いに備えて。
――しかし、その時は思いの外、早く訪れることになった。
ドシンと一際大きな音を立てて、その男は来店してきた。
「――来ました」
ミリアの小さいが確かな強さを持った声に、ダイチ達にも緊張が走る。そして、エリスは笑みを浮かべる。
やってきたのはデイエス・グラフラー。手配書と同じ顔をした強面の男であった。
「今日も来てやったぜ」
「いらっしゃい」
店主はあくまで公平に一人の客として対応する。
「保安はいるのか?」
来て早々にデイエスは辺りを見回す。
エリスとミリアは思わず顔を隠す。まあ、向こうは賞金狙いの顔なんていちいち調べていないだろうから大丈夫だとは思うが。
「いいえ、今日も来ていませんよ」
「そうか」
店主に言われてデイエスは納得したのか、カウンター席にドシンと座る。
「どうする?」
エリスは小声でミリアに問いかける。
「まだ早すぎます。機をうかがうんです」
「機ね……慎重にしていると素通りしていくんじゃない?」
「エリスらしいですね」
ミリアはフッと笑う。
ガタン!
いきなり、エリスの背後に座っていた男がイスを蹴り上げてデイエスの方へ向かう。
「貴様、デイエス・グラフラーか!」
見るからに喧嘩腰であった。
しかも、あの男はデイエスが何者なのかわかっているような口ぶりだった。
「私達以外にもいたんですね」
「先越されたじゃない」
エリスは文句を言って、飛び出そうとする。
それをミリアは手を掴んで止める。
「待ってください。これはまた乱闘騒ぎになるかもしれません、チャンスがそのときに来ます」
「あんたね……」
前回の乱闘は誰が発端になったのか、まるで自覚がない口ぶりにエリスは呆れた。
「ああ、そうだが。てめえは何だ」
「知った事か。お前には賞金がかけられてるんだ」
「ほう、いくらだ?」
デイエスは立ち上がって、笑顔で問いかける。
まるで賞金稼ぎの男を敵とみなしていない態度であった。
「お前が知る必要はない」
男はそう答えて、銃を取り出す。
バキューン
と、同時に撃つ。
電光石火の早撃ちであった。
普通だったら反応する間もなく自慢の腕を撃たれて、痛みにもんどり打つところであった。
「そうか。だったらいいぜ」
デイエスは歯を見せて笑う。
――彼は普通ではなかった。
「ば、バカな……」
男は驚愕する。
この一発で仕留めた。そう確信を持てるほどに会心の早撃ちだったのだろうが、デイエスは何食わぬ顔で立っている。
その現実を受け止められずにいるのだ。
ゴキン!
頭ほどある巨大な拳が男を捉える。
殴られた男の身体は宙を舞い、エリス達のテーブルへと飛び込む。そのまま、ピクリともせず動かなくなる。
「なんだ、弱っちいな」
しかし、一発撃っただけで満足したのか、再びカウンター席に着く。
「勘弁してくれないか」
店主は困り顔で言う。
「人死にがあっては客足が遠のく」
「それはすまんかった」
と言いつつ、デイエスは悪びれた様子は無い。
そのやり取りから、あまりの出来事に絶句していた周囲はザワザワと喚き出す。中には店を出て行くものもいる。
「もう限界よ」
エリスはいきり立つ。
目の前で戦いを繰り広げられては黙っていられない。
「待ってください、、まだ彼の能力がわかっていません」
「銃弾が当たらなかったことでしょ、見当はついてるわ」
「……え?」
ミリアは意外な顔をする。
自分はわかなかったのに、何故エリスにはわかるのか。そんな疑問で一瞬固まってしまった。
そのせいで、エリスの暴走を許してしまった。
「次の相手は小娘か」
その戦意に気づいたデイエスはエリスに向かって言う。
「あんたのせいで、私のドリンクが台無しにされたからね」
「そうか。だったら、顔も台無しにされないうちに消えるんだな」
「上等じゃない。どっちが台無しになるか試してみなさいよ」
エリスは挑発し返す。デイエスからしてみれば忠告のつもりだったのだが、思ってもみなかった返答に面食らう。
「――面白え!」
だが、それはすぐに喜びの顔に変わる。
「殺してみせたあとに、そんな啖呵をきった女はお前が初めてだ」
デイエスは席を立ち、エリスを見下ろす。
大男といってもいいデイエスが女の子のエリスを睨むと自然にそうなってしまう。しかし、エリスは一切気圧される事無く睨み返してみせる。
その顔に笑みを貼り付けて。
「ほう、いい面構えだぜ。どうやらさっきの奴より数段マシみたいだな」
デイエスは感心する。
「いいぜ、来な。先に打たせてやる」
デイエスは構えず、エリスを待つ体勢をとる。
「後悔しないことね」
エリスは思いっきり踏み込んで渾身の拳打を見舞う。
ズシャン!!
顔を吹き飛ばすほど勢いのある拳がデイエスの顔面に、ではなく掌で受け止められる
そして拳は弾かれて、テーブルへと突っ込む。
「くあッ!?」
我ながら間抜けな声を上げてしまったとエリスは思った。が、頭をすぐに切り替える。
――奴の、デイエスの能力は……
「その顔、俺の能力に気づいたみたいだな」
デイエスはエリスが立ち上がったことに驚かず、自分の能力が何なのか気づいたことを見抜く。
「それじゃ、当たりなのかしら?」
「言わなくちゃ正解かわからんぜ」
デイエスは楽しげに答える。
「あんたの能力、それは――」
エリスはビシッと指を差して告げる。
「――掌で受けたモノを弾く!」
「正解だぜ、ハハッ!」
デイエスは嬉々として言う。
銃や拳が効かなかったタネをあばかれても、デイエスはむしろ喜んでいた。
「たった一発で、いや正確には二発か。細けえこたあ、どうだっていい 。こんなに早く見抜いたのはあいつ以来だぜ!」
能力が見破られたというのに、デイエスは上機嫌でエリスを見下ろす。
バシ! バシ! バシ!
そうこうしているうちにエリスとデイエスの戦いは始まってしまう。
『ミリア! ミリア! どうなってるんだ!?』
通信機越しから聞こえるダイチの声がミリアの耳に届く。
「はい、なんでしょうか?」
『なんでしょうか? じゃねえだろ、デイエスが店に入ってから何が起きているんだ?』
『客が帰ってゆくぞ。お主ら、また乱闘騒ぎを起こしたのか?』
「いいえ、戦っているんです。エリスとデイエスが」
『そうか』
ダイチはそれだけで納得する。エリスの性格ならそうなると思っていたからだろう。
『んで、どっちが勝ってるんだ?』
そう訊かれてミリアは冷静に戦況をみて告げる。
「――エリスが不利ですね」
エリスは絶え間なく攻撃を続けている。
拳に蹴りに裏拳に回し蹴り……時にはフェイントを織り交ぜて、デイエスの隙を突こうとする。
しかし、デイエスはそのことごとくを掌で弾く。
エリスには文字通り掌で踊らされている感覚に苛まれる。
「どうした嬢ちゃん!?」
「一発デカイのぶちかましてやれ!!」
「デカイ方もやってやれ!」
いつの間にか、酒場の酔っぱらい達が周囲を取り囲んで騒ぎ出す。
『本当に何が起きてるんだよ!?』
その周りの声がダイチは戸惑わせた。
今にも店に踏み込んできそうなぐらいの剣幕だ。
「いいえ、周りが盛り上げっているだけです。まったく酔っぱらいは自分が楽しければそれでいいのですから困った人達です」
ミリアが毒づくと、ダイチは苦笑する。
一方のエリスはデイエスの掌の手前で拳を止める。
「つまらんな」
「……くっ!」
デイエスにそうぼやかれて、エリスは歯を食いしばる。
「もうちょっと出来ると思ったんだが……」
「がっかりするのはまだ早いわよ」
「……だったら、出し惜しみはやめろや」
デイエスは気づいていた。エリスはまだ能力を使わずに様子見しているだけだということに。
「それとも、ここじゃ使えないのか?」
「そんなの、私の勝手でしょ」
エリスのその態度にデイエスは笑う。
「クク……この店じゃ、狭くて存分に戦えないか」
「狭くて悪かったな」
店主は文句を言う。
「せっかく熱くなったのに、それじゃつまらねえな……
まあ、この店は俺も気に入ってるんだ。ぶっ壊しちまったら上手い酒が飲めなくなっちまう。
さて、どうしたものか」
「あんたが大人しく捕まればいいでしょ」
「お前が本当にそう望んでいるのか?」
「…………………」
エリスは反論しない。
「違うだろ。お前は俺と戦って、倒した上で賞金を手にしたいんだろ。だから、俺が大人しく捕まることなんて望んじゃいない。
何よりも、俺は大人しく捕まるなんて我慢ならないことは許せない」
デイエスはニヤリと笑う。
言いながら、良いことを思いついたのか。
「そうだな……だったら、お前の望みを叶えてやるよ」
「どういう意味よ」
「お前が能力を使えないなら、使えるところに案内してやるってことだ」
「はあ?」
「ついてこい。おあつらえ向きの場所をがあるからよ」
デイエスは背中を向けて、店を出ようとする。
エリスはその背中に拳を叩き込んでやろうかと思ったが、やめた。さっきからことごとく攻撃を弾かれている。
能力無しじゃ、絶対に勝ち目が無い。そして、この店で能力を使ったら確実にぶっ壊れる。
「ミリア……」
エリスは拳を下ろして、ミリアを呼ぶ。
「はいはい」
「あいつの誘いに乗るわよ」
「ええ、そうですわね。エリスが本気を出すにはこの店は狭すぎますから」
「あんたら、うちに嫌がらせしにきただけなんじゃないか」
店主は心底くたびれた顔をしてぼやく。
エリスとミリアは店を出てから、デイエスのあとについていく。
「ダイチさん、遠くからつけることはできますか?」
『ああ、発信機を追っていけばいいんだから見失うことはないぜ』
エリス達全員に発信機をつけており、誰がどの位置にいるか把握できるようになっている。
「ダイチさんなら安心ですね、マイナさんと違って」
『比較対象があいつなら嬉しくねえな』
「よろしくお願いします。なんだか嫌な予感がしますので」
『そういう予感って当たるんだよな……』
ダイチはため息をつく。
『ま、できるかぎり頑張るよ』
「期待しています」
ミリアは微笑む。
デイエスが案内してくれたのは街の外れにあったビルのフロアであった
廃棄されたビルなので、人気はなく、装飾も一切ないので柱がむき出しになっており、廃墟の雰囲気を出している。物もまったく置かれていないので戦うには持って来いの場所だ。
「俺達のアジトだ」
デイエスがそう言うと、柱の影から何人かゴロツキが顔を出す。
その中には酒場からついてきた酔っぱらいも混ざっている。
「こんなところをばらしても大丈夫なのですか?」
「ああ、構わないぜ。保安が踏み込んでくるのは望むところだし、それにここを捨てても別の」
「――デイエスさん」
一人の少年がやってきて、釘を刺す。
「賞金稼ぎに余計なことを喋るものじゃありませんよ」
「おっと、いけねえ。そうだったな。だが、まあいいじゃないか。
――どうせ、この場で殺すんだからな」
デイエスはニヤリと笑う。
それは獲物をすぐにでも殺して食ってやろうとする猛獣のそれであった。
「そうですね、殺してしまえば何も問題ありませんね」
少年もそれに同意して、エリス達を見る。
「あんたは何よ?」
「私はローフェル。この通り、デイエスさんの下で小間使いをしています」
落ち着いた、少年とは思えない熟れきった物腰。明らかにここにいる連中、もちろんデイエスとも雰囲気が異なる。
「これから殺すやつに自己紹介か。マメだな、ロー」
「ああ、そうでした。殺すんでしたね」
「エリス、どうやら私達これから殺される予定になっているようですね」
「それは困るわね。殺されたら賞金受け取れないもの」
「ご安心を。エリスが殺されても私が受け取ればいいだけのことですから」
「って、あんたも殺される予定リストにはいってるのよ?」
「ああ、そうでしたわね」
ミリアはまるでそう言ってエリスを見つめる。その顔に信頼と期待を寄せて。
「でも、エリスがいれば大丈夫ですよね?」
「当たり前よ」
即答したエリスのおかげでミリアはようやくいつもの調子が戻ってきた感じがする。
どうしてエリスが天王星人特有の能力を知っているのか。それは今となってはどうでもいいことだし、後で問いただせばいい。
問題はエリスがデイエスに勝てるか、ということだ。
まだエリスは能力を使っていない。そのため、デイエスはエリスの能力がなんなのか知らない。その点では有利なのだが、不安は有る。
確かにエリスが能力を使わないのは店を壊してしまう恐れがあるほど強力なのだが、同時に強力すぎて身を壊してしまうこともある。
義手が耐えられるか、まだわからない。
「エリス、腕の方は?」
「わからない。でも、腕の心配してたら勝てる相手じゃないわ」
エリスの様子を見て、ミリアは嘆息する。
「そんな風に笑うあなたを見たら止められないのはよくわかっています」
「ええ、止まらないわ」
「なら、押し倒しちゃってください」
ミリアにそう言われてエリスはグローブを外す。
「ようやく、本気になるのか。期待外れだったら、どう殺してやろうか?」
「ご心配なく、どうせあんたには殺せやしないから」
挑発し返して、デイエスは怒るどころか笑う。
「ハハッ! そいつはいいぜ。大口だけの能力がどういうものか、見せてもらうぜ!」
「見せてやるわよ」
エリスはそう言って、構える。
「――ヒートアップ!」
迸る熱気によって髪が巻き上がる。
エリスの能力は体温の上昇による身体能力の向上である。それによって熱気が発生し、炎のようになる。
「おお、すげえじゃねえか!」
デイエスは感嘆の声を上げる。
「本当にすごいのはここからよッ!」
エリスは一気にデイエスへと踏み込む。
ザフゥッ!
旋風となったエリスの放つ拳がデイエスへと叩き込まれる。
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