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第3章夏休み編

パトロン

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コンコン
「どうぞ」
「やーどうも!お持ちしておりました!」

「初めまして」
ペコ

「さぁさぁ座ってください」
「いやいや昨日のイベントも大盛り上がりだったようで(笑)妻が友達と行ったみたいなんですがまた行きたいとはしゃいでおりました」

「へぇ理事長の奥方もいらしてたんですね(笑)」

「そうなんですよ」

「あっ申し遅れました。私リックス商会商長のリンドバーグです」

「挨拶がまだでしたな。これは失礼私はメイドリー学園理事長のクルトと申します。して商長ですか?それは一体...会長とは別なんですか?」

「聞きなれないですよね(笑)商長と会長は別物です。会長はリックス商会を立ち上げたうちのトップですね。私はその初期から携わらせていただいたもので今はリックス商会の全権を担っています」

「ほう...では会長は...」

「会長はアイディアや企画は考えられてます。と言いますか0から1を考えるのは会長の仕事で私たちはそれ以降受け継いで仕事を発展させていっているという感じです」

「なるほど、」

「会長に給金は出ていないんですよ。その代わり別で儲けの2割商会にためておりまして、それが会長が考えられた企画の諸経費ということになってます」

「ほうほう。少し複雑な形ですね(笑)」

「まぁそうですね。まぁでももう慣れたので」(苦笑い)

「にしてもリックス商会さんなら儲かっているでしょう」

「そうですね。(笑)おかげさまで儲けはそれなりにあります(笑)でも支出が多いのでほとんど貯金がないですね。最近大量投資したばかりで...」

「あれだけ稼いで貯金がないと!まぁ確かにこの間のイベントは少し考えるとかなり使ったのでしょうねぇ」

「ええ、お金を取ってないので(笑)人件費が特にしんどかったですね。いや、今も現在進行形でしんどいのですが。まぁでも物販も少しあったので、まぁまぁほんとギリギリって感じです」

「人件費ですか?」

「まぁ多分倍近く払っていると思います」

「それはすごいですね」

「そうですね。人を大切にするお方なので...あっそろそろ本題に入ってよろしいですか」

「なるほど。素晴らしいですね(笑)えぇもちろんですとも」

「パトロンでの優遇処置を受けたいと思いまして...」

「なるほど。当然優秀生徒ですよね?」

「はい、そうです。アルベルトを希望したいんですよ」

「なるほど。アルベルト君ですか...」

「やはりすでに希望があり新参者には難しいですか?」

「いえ、そう言うわけではないのですが...実は退学届けを受け取りに来ましてね...」

「なんと、退学届けですか。あれほど優秀な成績を収めているのに...」

「えぇ我々も止めたのですが...何せ決定権は生徒本人にあるので。」

「何かあったのでしょうか。それとももともとそのような予定だったのでしょうか」

「うーん、あまり多くは語ってくれませんでした。彼の家庭状況からもやめても得になるようなことはないと思うのですが」

「そうですか。なら仕方ないですね...」

「もう一度止めてみようとは思うのですが、」
(ここで食いつかれるのはまずいな)

「私の方から接触してみてもだめですかね?」

「うーん。」
(ここは断る方が不自然か?最悪時間さえあれば何とでもなるか...)
「本当は商会の方が囲い込みたい学生に直接接触するのはまずいですが...有事ですし今回は仕方ないですね...でもしない方が良いことに変わりはないのでもう一度話し合うまで待っていただけますか?」

「いいですけどそんな機会ありますか?」

「えぇ退学届けを出しに来た時に話し合います。それで止めることができなかったらそのことを伝えるのでよろしくお願いします」

「後ですか?」

「こちらが受理しなければいい話です。学園にとっても大きな問題なので...」
(これで完璧だなニタァ)

「なるほど。わかりました連絡待ってます。では失礼します」

ガチャ

「ふぅ~最近はめんどくさい腹芸をする機会が多いなぁ。もうちょっとあいつらに権力があればもっと楽なのに」ボソッ (理事長)
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