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その後のSARA

□久しぶりの女子会

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  久しぶりに元JK達が集まったランチタイム。

 真理を中心に未来、ちひろ、優香の四人です。
 未来は美容専門学校へ行きヘアメイクアーティストを目指している。
 ちひろも保育士を目指して勉強中。
 優香は真理と同じく四年制大学に合格し進んだ。

「久しぶりだよねーこうして揃うの」

「そうだよね、個別には会ってるけどなかなか揃わないもんね」

「うん、うん」

「かおちゃんも元気そうで安心したよー」

 と、未来が抱き付いてきた。
 ずるーいあたしもとちひろと優香もそれに習う。

「かず君もお久しぶりです、相変わらずイケメンですね♪」

「真理と上手くいっててくれて嬉しいです」

 三人は高校を卒業してから初めて和宏に会うのも楽しみしていたようだ。
 和宏も久しぶりに会う元JK達に笑顔を向けている。
 彼女たちがテラスの席に陣取りお互いに近況報告を楽しそうにしている姿をカウンター越しに見ていた香織が呟いた。

「若いっていいね」

「そうだな。知り合った頃は高2でガキんちょで、2年経って少しは大人ぽくなって来たけど、それでもまだ二十歳にもなってないんだぜ」

「でもそんな女子高生を彼女にしちゃったのは何処のどいつよ」

 カウンターに頬杖をつきながら和宏の事を上目使いで見る香織。

「それはなんつうかさぁー」

 照れる和宏が可愛いと思ってしまう香織。
『真理ちゃんの事になると二十七歳とは思えない照れ方をするのよね』
 そんな事を考えていると突然ちひろの声が大きくなった。

「えっ、優香彼氏さんと別れちゃったの?」

 優香は高2から社会人の彼氏と付き合っていたが、どうやら卒業してから別れてしまったらしい。
 原因はどうやら彼氏の浮気の様だ。
 でも当の本人は浮気されたからと言ってショックを受けている様子もないのです。

「しゃーないよ。向こうはやっぱ大人だし、お付き合いも色々あるだろうからさ。あたしもずっと付き合うとは思っていなかったもん」

「そんなもんなの?」

 不思議そうにちひろが尋ねる。

「うん、あたしも背伸びしてたところもあるしね。なんか高校の時って年上で大人と付き合ってるって自慢みたいに思ってたんだけど、大学に進んでみたら他にも色んな楽しい事があって、彼氏と会う時間も減って来たから浮気されても仕方ないかって思えたんだ」

 余りにもあっさりしている優香に三人は黙って聞いているしかなかった。

「あたしよりも未来はどうなのよ。ちゃんと続いてるんでしょう?」

 未来はもう五年近く付き合っている2つ上の大学3年の彼氏がいる。二人は幼なじみで親公認の間柄でもあり、お互いに就職して落ち着いたら結婚するつもりでちゃんと計画を立てている。

「うちらは安定してるよ」

 笑顔で答える未来。
 それを聞いて三人は安心する。

「あたしは当分いいかな。勉強の方も忙しいし。早く卒業して保育士になりたいって気持ちの方が強いから」
 高校時代『彼氏募集中でーす』と張り切っていたちひろは今は目標に向かってまっしぐらのようだ。

「真理は幸せそうだよねー。指輪光ってるし」
 優香が目線を真理の薬指に落としながら冷やかすように言った。

「あ、うん。誕生日に」
 そう言いながらカウンターにいる和宏の方へと自然と目線が動く。すると優香たち三人も和宏に目を向けたのでした。

「そういえば去年は受験でみんなの誕生会出来なかったもんね。
 でも高二の時の真理の誕生会は忘れられないよ」

 未来が嬉しそうに思い出を語る。

「うんうん。白馬じゃなくてスクーターに乗った王子様が登場したもんね」

 ちひろがもう一度和宏の方を見ると未来と優香もニヤニヤと含み笑いをしながら彼を見ている。
 注目を浴びてしまった和宏は真理のそばまで行き彼女の両肩に手を乗せて

「真理が卒業したら結婚するつもりだからよろしくな」
 とみんな向かって笑顔で言ったのです。

「えっ、そうなの、約束したの?」

「プロポーズしたんだ、かず君!」

「うわーまじか!」

「うちらの中で未来に続くのは真理か~」

「えっ、まだ卒業まで3年以上あるからわからないでしょう?」

 赤くなりながら真正直に答える真理を彼女たちは微笑みながら見ていた。
 そんな光景を香織も幸せそうに目を細めながら眺めている。
 SARAで知り合った人同士がこうして幸せを掴んでいく過程を見ていられることが嬉しく思うのでした。

◆◆◆◆◆◆◆◆

 その夜貴史はリビングで香織に寄り添い今日の出来事を聞いていた。

「そんな事があったんだ」

「うん、沖縄へ行ってから前よりも一層二人の気持ちが近づいたみたいね、結婚の約束もしたみたいよ」

「この間の高村君たちに続いて二組目めだね」

「まだ先の事だからどうなるか分からないけど、かず君と真理ちゃんなら大丈夫だと思う」

「あぁ僕もそう思うよ。あの二人ならね。
 もしかしたらSARAには縁結びの神様がいるかもしれないな」 
 貴史は香織の髪を優しく撫でる。

「縁結びね、みんな幸せになって欲しいな」

「その為には自分たたちが幸せでなければ駄目だよな」

「あたしは貴史とこうしていられて充分幸せですけど」
 香織は貴史の目を見つめて微笑む。

「あーー、うちの奥さんはなんて可愛い事を言ってくれるんだろう」
 そう言いながら抱きしめた後、顔中にキスをされ、それが唇に降りてくると食むように弄び隙をついて舌を入れてきた。
 そして彼のとろけるようなキスに香織は翻弄されていくのでした。
 リビングでこうなった時は途中から彼女を抱き上げベッドまで運ぶのが常である。
 お姫抱っこをされながら香織は
「あとどの位こうして抱いていってもらえるのだろうか」
 などと考えていたりする。
 年齢を重ねていっても変わらず愛して貰いたい。
 だから自分も精一杯貴史の事を愛していこう。


 そんな二人は今宵も熱く溶け合っていくのでした。


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